鳥取県南部町で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報

この記事では、地方への移住を検討されている方へ「鳥取県南部町(なんぶちょう)」の魅力をご紹介します。

南部町は、鳥取県の西部に位置し、「生物多様性保全上重要な里地里山500選」に選定されるほどの豊かな自然と歴史を持ちながらも、スーパーやドラッグストア、病院などが整った暮らしやすいまちです。

山陰地方を代表する都市の1つである鳥取県米子市と接しており、自動車で20分程で米子市に足を伸ばすことができます。米子市には空港もあるため、遠方への旅行にも行きやすい環境です。

そんな南部町の魅力や暮らしの情報について、詳しくお伝えしていきたいと思います。

本日お話を伺った方
村尾様

南部町役場 企画政策課

村尾さん

花房様

NPO法人なんぶ里山デザイン機構
移住定住コーディネーター

花房さん

南部町での暮らし「3つの特徴」

鳥取県南部町の暮らしの特徴

平成27年に環境省が選定した「生物多様性保全上重要な里地里山500選」に、町内の里地里山の全てが選ばれるなど、自然の豊かさはお墨付きです。

自然だけではなく、出雲大社に祀られていることで有名な大国主命に関する伝説が残るなど、歴史の深いまちでもあります。

この豊かな自然と、長く息づいてきた歴史のなかで、里山の暮らしを楽しめるのが南部町の魅力です。

地域の方が交流できる環境作りや、里山の自然を活かしたイベントの開催なども行われており、子育て支援も充実していることから、里山の自然の中で子どもをのびのび遊ばせながら育てたいとお考えの方にもおすすめのまちです。

まとめると、南部町への移住はこのような方におすすめです。

  • 都市部に近く、自然環境が良好な環境で暮らしたい
  • 自然を感じられる場所で子どもをのびのび育てたい

それでは、詳しくご説明します。

特徴1:昔ながらの里山の自然の中で暮らすことができる

南部町は、環境省が選定した「生物多様性保全上重要な里地里山500選」に、町内の里地里山の全てが選ばれた自然の残るまちです。

自然だけではなく、かの有名な出雲大社に鎮座する大国主命に関する伝説が残る土地でもあり、古くからの歴史か息づくまちでもあります。

雄大な自然と、古事記に関する伝説のどちらも感じられる場所として、母塚山(はつかさん)をご紹介したいと思います。

母塚山は、国生みを行った神であるイザナミのお墓があったとされる山です。展望台が整備され、中国山地の山々や日本海など雄大な景色を眺めることができます。

特に、母塚山から眺める大山は、山陰一の絶景と称されるほど美しいので、是非訪れてみてください。展望台までは道路が整備されており、自動車で行くことができますよ。

”ダイヤモンド大山”を眺めるチャンスがある3月と9月は、特に人気の時期です。

母塚山から大山を望む風景
▲母塚山から大山を望む風景

母塚山から自動車で約15分ほどのところには、赤猪岩神社(あかいいわじんじゃ)があります。この神社は、大国主命が一度は命を落としたものの、母神と二人の女神の力で生き返ったとされる神話の舞台です。

大国主命は兄神たちに騙され、赤い猪と騙されて、真っ赤に焼けた大岩を抱き止めようとして落命しますが、これを嘆き悲しんだ母神の願いが通じ、最終的に生き返りました。

境内には大国主命を落命させた大岩が封印されています。神話の伝説が残る神社は一度は訪ねていただきたい場所です。

趣のある赤猪岩神社▲趣のある赤猪岩神社

他にも、南部町は桜が大変美しいまちです。春になるとあちらこちらで桜が咲き乱れ、南部町さくらまつりが開催されます。フリーマーケットや軽食の販売などが行われ、桜を眺めながら楽しめる季節恒例のイベントとなっています。

南部町の街並みと桜
▲南部町の街並みと桜

まちの広範囲に桜が植えられており、沢山の子ども達が桜並木を通って通学しています。このように、整備された公園や特別な場所に行かなくとも、日常生活の中に美しい自然が同居しているのが、南部町で暮らす魅力の1つです。

通学路の桜並木
▲通学路の桜並木

秋には彼岸花も美しく咲き乱れ、鮮やかな色でまちの人たちを楽しませてくれます。四季折々の自然の移り変わりを感じながら、生活する楽しみがあるまちです。

咲き乱れる彼岸花
▲咲き乱れる彼岸花

特徴2:子育て支援が充実!図書館などの学習環境も整っている

南部町では子育て支援にも力を入れており、保健師・助産師・保育士・管理栄養士がチームとなって妊娠期から子育て期まで幅広い支援を行う『子育て包括支援センターネウボラ』を開設しています。

ネウボラとは、フィンランド語でアドバイスをする場所という意味があり、その名の通り、いつでも気軽になんでも相談できる場所となっているため、なにか不安を感じたり困ったりした時も一人で抱え込む必要はありません。

他にも様々な子育て応援施策を行っており、満1歳までの乳児に紙おむつを無料進呈する取り組みや、子育てに関する行事などに参加してスタンプを集めることで景品と交換できる「子育て応援スタンプラリー」なども行っています。

参考:鳥取県南部町子育て支援サイト

保育園等の園庭と小学校の校庭は全て芝生化されており、子どもが外で気持ちよく遊びながら成長できる環境を整えています。

子どもの好奇心や学びたい気持ちに応える、充実した図書館も整備されています。

まちの中心部にある「キナルなんぶ」は、役場や小学校からも近く、図書館に加え、コワーキングスペースやカフェ・交流スペース・まちの自然や文化を知ることのできるエリアを備えた複合施設です。

小学校から宿題を持って「キナルなんぶ」へ行き勉強する児童の姿がみられますし、子ども連れでも過ごしやすいカフェスペースが併設されていることもあり、家族連れの姿もみられます。

キナルなんぶの外観
▲「キナルなんぶ」の外観

「キナルなんぶ」の図書館エリアは児童向けの本を幅広く揃えています。寝転んで本が読めるユニークなコーナーもあります。

一般向けの本も2万冊以上あります。子どものためのエリアだけではなく、静かに読書に集中できるエリアも用意されているため、訪れる人がそれぞれの気分にあった過ごし方を楽しめます。

南部町では幼少期から本に触れる機会を持つことを大切に考えており、独自の「子育て絵本進呈事業」を実施しています。

まず「ブックスタート」として7ヶ月児健診の際に、図書館司書が実際に絵本を読みながら、ブックスタートの意味、読み聞かせのやり方や読み聞かせの効果などを説明します。そのうえで、図書館司書がおすすめする絵本2冊と、おすすめの絵本リストなどをプレゼントします。

その後も、3歳児健診時に「ブックセカンド」としてさらにおすすめの絵本2冊、5歳児健診時に「ブックサード」としておすすめの絵本2冊をプレゼントします。

参考:鳥取県南部町子育て支援サイト

木製の大きなセンターサークルが特徴的な図書館
▲木のぬくもりが感じられる図書館エリア

「キナルなんぶ」にはコワーキングエリアもあります。ここはリモートワークをされている方など様々な方が利用しています。フリーWiFiやコンセントなどが整備され、明るく開放的な空間で仕事をすることができます。

コワーキングエリアの様子
▲コワーキングエリアの様子

他にも、生涯学習エリアとして150人ほどの大人数で利用できる大きな多目的ルームや、小会議室・和室・キッチンなどがあり、イベントや地域活動、サークル活動などの利用もできます。

ちょっとした休憩やリフレッシュには、カフェエリアが活用できます。エリアには、カフェ・くつろぎスペース・キッズコーナーなどがあり、小さなお子さんと一緒でも気兼ねなく利用できますよ。

カフェエリアの様子
▲カフェエリアの様子

さらに、「なんぶふれあい館」が併設されており、南部町の自然の豊かさを感じられる「オオサンショウウオ」の飼育展示や、まち出身の人形作家の人形・法勝寺電車のジオラマなど、まちの魅力を知ることができる場所になっています。

お子さんと一緒に訪れて、南部町だからこその自然の魅力や、歴史について触れてみてください。

公式:キナルなんぶ

特徴3:地域交流拠点が充実しており、お試し住宅もある

先ほどご紹介した「キナルなんぶ」も地域交流拠点の1つですが、南部町はこうした交流拠点が複数あります。移住体験ができる「えん処米や」もその1つです。

えん処米やの外観
▲「えん処 米や」の外観

「えん処 米や」は施設の2階が移住体験用のお試し住宅で、1階は地域交流に利用できます。最近ではチャレンジカフェも開催され、地域の賑わいづくりの中心となっています。

お試し住宅エリアには家電や家具も用意されており、すぐに生活を始められます。利用に関する詳細は公式サイトからご確認ください。

参考:鳥取県南部町で里山暮らし体験 ーえん処 米やー

居住用エリアの様子
▲居住用エリアの様子

NPO法人なんぶ里山デザイン機構は、南部町の里山の環境を活かした「なんぶ里山デザイン大学」も開催しており、南部町ならではの自然の楽しみ方などを体感できる講座が提供されています。

これまでには、苔玉作り講座・つるかご作り講座・草木染講座・ハチミツ採取体験・野草を味わうクッキング講座などが開催されています。

参考:なんぶ里山デザイン大学(デザイン大学講座)

えん処米やでのイベントの様子▲「えん処 米や」でのイベントの様子

不定期開催の講座だけではなく、定期的に集まれる「米やカフェ」も開催されています。毎月、手仕事などを楽しみながらお喋りをしてのんびりと過ごすことができ、地域の方々と交流を持てる場となっています。

誰でも参加できますので是非足を運んでみてください。

参考:米やカフェ

のんびりとお喋りをしながら楽しく過ごせます
▲のんびりとお喋りをしながら楽しく過ごせます

南部町の暮らしに関する情報

ここからは南部町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。

気候 8月平均気温:27.3℃
1月平均気温:4.7℃
※南部町内に観測地点がないため、近隣の観測地点である米子の情報を記載

※参考:気象庁HP
人口 人口:約10,300人
世帯:約3,900世帯
(2023年6月30日時点)
病院 一般診療所4、病院1、歯科1、薬局3
学校 保育園等:6園、小学校:3校、中学校:2校
交通 【自動車】
山陰自動車道:米子西ICから約20分
米子自動車道:溝口ICから約20分

【飛行機】
羽田空港から米子鬼太郎空港:約80分
米子鬼太郎空港から車で約45分
近隣都市 鳥取県米子市、伯耆町、日南町、日野町
島根県安来市

※人口以外の数字は2023年7月時点のものです。

まちにはスーパーマーケットやコンビニエンスストア・ドラッグストア・金融機関・病院などがあり、日常生活には不便がありません。

生活用品以外の買い物をする場合は、近くの都市である米子市へ出かける方が多いようです。米子市までは自動車で20分程度ですので、気軽に訪れることができます

【仕事】町内での求人もあり。近隣都市へ通勤する人も多い

大手求人情報サイトで「南部町×正社員」で調べてみると、約120件の求人件の求人件の求人情報が見つかりました(※2023年8月現在)

参考:求人情報の一例

車で30分以内(市内から25km以内)で検索したところ、約6,300件の求人が見つかりました(※2023年8月現在)。

参考:求人情報の一例

南部町内にも求人はありますが、自動車で約20分程度で米子市に行けるため、近隣の都市で仕事をしている方も多いようです。

実際に車で30分以内で求人を探すと6,000件以上の求人情報が見つかりましたので、希望の仕事を探しやすくするためには近隣都市で働くことも念頭に入れて調べてみるのがおすすめです。

また、南部町では業務委託型の短時間ワークシェアリング事業「しごとコンビニ」があります。「しごとコンビニ」では、子連れでもできる仕事やテレワークなどを紹介しています。専門スタッフが常駐しているため、スムーズに仕事に取り組むことができますよ。

南部町での仕事を探している場合は、なんぶ里山デザイン機構が運営する「しごとコンビニ」もぜひチェックしてみてください。

公式:しごとコンビニ

【住まい】賃貸物件を見つけることが可能

大手住宅情報サイトで南部町の物件を検索してみると、賃貸マンション・アパートは約20件見つかりました。見つけやすいのは、1LDKから2LDKの物件でした。(※2023年8月現在)

参考:物件情報の一例

空き家に関しては、これまでに40件以上の空き家物件の利活用実績があり、入居後に万が一トラブルが起こった場合も親身に対応してくれます。さらに、入居者向けの移住者交流会なども開催しているため、移住者同士の繋がりも作りやすいですよ。

参考:なんぶ里山デザイン機構 南部町移住定住サイト(空き家情報)

新たに住宅を取得する場合、3年間にわたり固定資産税相当額の交付が受けられる「定住促進奨励金」もあります。適用条件などの詳細はホームページからご確認ください。

公式:南部町(定住促進奨励金)

また、新婚や子育て世帯を対象に家賃の一部を助成する「子育て世代等応援定住促進奨励金」もあります。こちらについてもぜひチェックしてみてください。

公式:南部町(子育て世代等応援定住促進奨励金)

南部町へ移住した人の感想や体験談

鳥取県南部町に移住した人の声

実際に南部町へ移住した方々はどのような生活を送っているのでしょうか。移住者の方々のリアルな声を一部ご紹介します。

  • 助け合うのが当たり前というような人間関係がある
  • 自然が美しく残されている
  • 子どもが山を駆け回って遊んでいたり、自然の中で育っていく
  • 生活に必要なものは揃っており、米子市も近いため気軽に買い物に行ける

参考:NPO法人なんぶ里山デザイン機構(なんぶの里人)

人間関係の温かさや自然の豊かさを喜ぶ声が多くみられました。ご紹介した他にも、起業に挑戦したり就農に挑戦したりと様々な方の声が掲載されているので、上記に掲載したサイトから、まちの方々がどのような生活を営んでいるのか、是非読んでみてください。

南部町へ移住してみたいと思ったら

南部町の魅力を知り、移住についてもっと知りたいと感じた方は、まずオンライン移住相談を活用されてはいかがでしょうか。体験移住のコーディネートも行っている「NPO法人なんぶ里山デザイン機構」では、zoomを使用したオンライン移住相談を行なっています。

公式サイトから希望する日時を連絡することで、オンライン相談を行うことができますよ。住まいのこと・仕事のこと・子育てのことなど、気になることをなんでも気兼ねなく質問することができ、全国どこからでも活用できるためおすすめです。

参考:NPO法人なんぶ里山デザイン機構(オンライン移住相談案内)

さらに本格的に移住を検討したい場合は、先ほどご紹介した移住体験はいかがでしょうか。間取り図や設備などは以下のサイトからご確認いただくことができます。サイトにはお問合せ先も記載されています。是非一度ご覧ください。

参考:鳥取県南部町で里山暮らし体験 ーえん処 米やー(お試し住宅のご案内)

南部町への移住に関するお問い合わせ

南部町の移住担当の方

記事ではお伝えしきれない情報も沢山あります。南部町への移住について気になることや相談したいことがあれば、お気軽に以下の窓口へご連絡ください。

担当課 南部町役場 法勝寺庁舎 企画政策課
住所 〒683-0351
鳥取県西伯郡南部町法勝寺377-1
電話番号 0859-66-3113
対応時間 8:30〜17:15(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
公式サイト https://www.town.nanbu.tottori.jp/satoyama/iju/