栃木県茂木町への移住ガイド:豊かな自然と手厚い支援で実現する新生活
この記事では、地方への移住を検討している方のために、栃木県茂木町(もてぎまち)の魅力を紹介していきます。
茂木町は、栃木県の南東部に位置する人口約11,000人のまちです。子育てのサポートも手厚く、「自然が多いところで子育てをしたい」という世帯にぴったりです。
町の64%を山が占めるという自然豊かな地域で、モータースポーツの大会が開かれることでも有名な「モビリティリゾートもてぎ」では、自然を堪能できるアクティビティやキャンプが楽しめます。
茂木町での暮らしの特徴やその魅力について、商工観光課の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。
茂木町の暮らし4つの魅力
豊かな自然に恵まれている茂木町ではフルーツの栽培が盛んで、一年中いろいろなフルーツをいただくことができます。また、子育てに対する支援にも力を入れており、出産時から手厚いサポートを受けられますよ。
具体的には、以下のような特徴があります。
- 自然が豊かな地域で、四季それぞれの暮らしが楽しめる
- 子育てに対する支援が手厚く、いろいろな制度が活用できる
- 地域内にある特色豊かな施設で、暮らしを充実させることができる
それではここから、茂木町の魅力や特色について掘り下げていきたいと思います。
山林が64%!四季折々の自然を楽しむ茂木町の暮らし
茂木町は、季節によってその表情を変える自然に囲まれた生活ができ、キャンプや釣りなどを楽しみながらゆったりと暮らしたい人にぴったりの地域です。
茂木町の豊かな自然について知っていただきたく、四季折々の写真を掲載します。
▲春には桜、秋には彼岸花、冬にはロウバイなど一年を通して花が観賞できる城山公園。公園からは街並みが一望できる
▲農村部では、夏になると蛍の群れを見ることができる。水が綺麗であることがわかる
▲標高約200mの鎌倉山は、秋の冷え込んだ朝に川霧や雲海が発生しやすく、雲海スポットとして有名
▲田植えの様子。茂木町では田のオーナー制を取っており、田植え・稲刈りの時期には都会からも多くの人々が訪れる
山、谷、川がたくさんあり「これぞ田舎の暮らしだな」と実感することができます。
子育て世帯に優しい!充実した支援制度
子育ては家庭だけでするものではありません。茂木町では、子育てを支援するために補助金や育児のサポートまで、いろいろな制度を行っています。
制度名 | 内容 |
---|---|
こども医療費助成 | 中学3年生まで保険診療分の医療費について助成 |
保育料無料化 | 2人目以降(同一世帯で18歳未満の児童を2人以上養育している場合)の保育料が無料 |
乳児紙おむつ購入費助成 | 紙おむつの購入にあたり、「紙おむつ助成券」として購入費用の一部を助成(上限12,000円) |
チャイルドシート購入補助 | 6歳未満の乳幼児に対し、1人1台を対象とし、購入費の2分の1(上限10,000円)を補助 |
入学祝金 | 小学校及び中学校に入学したお子様のいる世帯に1人あたり30,000円を給付 |
新生児聴覚検査費助成 | 生後28日未満(主に入院中)に行う聴覚検査の費用を一部助成(上限5,000円) |
こども広場 | 体重測定、ベビーマッサージ、離乳食教室、育児カウンセリングなどを開催(参加費は無料) |
各種予防接種費の助成 | 麻しん・風しん混合、水ぼうそう、日本脳炎などの定期接種や、インフルエンザ、おたふくかぜなどの任意接種の費用を助成 |
この他にも支援制度が整備されているので、子育て世帯の方はチェックしてみてくださいね。
移住者の中には「子育てについて不安を抱えていた時に子育て世代包括支援センターの存在を知って、他のご家庭との繋がりもできた」と話されている方もいました。各種制度だけでなく、センターも設置されているので、より安心して子育てができそうです。
特徴3:日本図書館協会建築賞を受賞した図書館や全国モデル道の駅に選ばれた道の駅もてぎがある
▲道の駅もてぎのすぐ側を通るSL。土日祭日の12:00頃と14:30頃に通過する
茂木町にはいくつか特色ある建物があります。
「道の駅もてぎ」は2015年に全国6か所の「モデル道の駅」の1つに選ばれた複合施設です。土日祭日限定ですが、道の駅の側をSLが通過します。
野菜直売所やレストランはもちろんのこと、茂木町防災館やSL型の遊具、おみやげ物屋などを兼ね備えています。「ファミリーで1日楽しめる道の駅」をコンセプトにしていることから、子どもから大人までエンジョイできる施設ですよ。
参考:道の駅もてぎ
▲「ふみの森もてぎ」では歴史資料展示室をはじめギャラリーやカフェなども併設されている
「ふみの森もてぎ」は町中にある図書館です。茂木町の木を使って建設された温かみのある建物で、数々の建築賞を受賞しているそうです。
2016年 全建賞(全日本建設技術協会)
2019年 日本図書館協会建築賞(日本図書館協会)
2021年 木の建築賞(NPO法人木の建築フォラム 等)
ちなみに、茂木町の小中学校やその机、椅子なども茂木町の木を使っているんだそうです。山と共に暮らす茂木町ならではの特色だと言えますね。
参考:ふみの森もてぎ
フルーツ王国茂木町:果樹オーナー制度
▲美土里農園ではイチゴ狩りをすることができる
茂木町では、一年を通していろいろな果樹・果実を栽培しています。その種類はサクランボ、ブルーベリー、モモ、イチジク、リンゴ、カキ、ユズ、イチゴなど多岐に渡り、フルーツマップもあるくらいなんです。農園によっては果樹1本丸ごとオーナーになれる制度もあるんですよ。
道の駅グルメグランプリでは、「道の駅もてぎ」が出品した「ゆず塩ら~めん」がグランプリに輝いたこともあります。自然を活かした地域資源で、今後も盛り上がっていきそうですね。
公式:茂木町(全国道の駅グルメ決定戦 優勝「ゆず塩ら~めん」)
茂木町の暮らしデータ:気候・医療・教育・交通情報
▲大瀬観光やなで鮎の手掴み漁に挑戦する子どもたち
ここからは茂木町での生活に関する情報を、データとともに紹介します。
気候 | ・夏(8月):平均気温25.4℃ ・冬(1月):平均気温0.9℃ ※参考:気象庁ホームページ(那須烏山地点) |
---|---|
人口 | 約11,000人(約4,400世帯)※2023年1月1日時点 |
病院 | 個人経営のクリニックを含め、町内には11の医療機関が存在。町内には産婦人科がないため、出産の際は宇都宮市や真岡市の病院に行くことになる |
学校 | 保育園:4園、幼稚園:1園、小学校:4校、中学校:1校、高等学校:1校 |
文化・芸術 | ・旧木幡小学校校舎:戦前に建てられた木造校舎で、ハーフティンバー(柱、梁をむき出しにし、その間に石、煉瓦、土を入れて壁とする木造建築構造)の玄関が印象的。喰塗の小壁は菱形の飾りがついている。国指定の登録有形文化財 ・旧羽石家住宅:元禄時代に一般農家として建築された。土間と3室から成り、当時の建築様式を伝えてくれる。国指定の重要文化財 |
観光スポット | ・モビリティリゾートもてぎ:グランピングができるキャンプ場から、大浴場併設のホテル、アスレチックのあるパークやジップラインなど、自然を堪能できるアクティビティが勢ぞろい。また、ロードコースが整備されていることから大会なども開催されている ・大瀬観光やな:鮎の名所であり那珂川最大のやな。やなとは梁漁(やなりょう)を売り物にした食事処をさし、ここでは鮎の手掴み漁を体験することができる。やな場の面積が全国第1位の鮎どころである ・真岡鐵道(SL):茂木駅は真岡鐡道を走るSLの終着駅であり、国道123号沿いや道の駅もてぎからその姿を見ることができる |
食べ物 | 鮭、しいたけ、ゆず、エゴマ |
交通 | 【鉄道】 ・真岡鐵道(真岡線)天矢場駅—茂木駅 【バス】 ・ジェイアールバス関東(水都西線) ・茨城交通:高速バス「関東やきものライナー」茂木さかがわ館前—秋葉原駅間 ・那須烏山市営バス:須藤地区の一部で運行 【道路】 ・常磐自動車道:那珂川ICまで約50分、水戸ICまで約40分 ・東北自動車道:宇都宮ICまで約50分 ・北関東自動車道:友部ICまで約45分、笠間西ICまで約40分、真岡ICまで約40分 |
近隣都市 | ・県内:那須烏山市、芳賀郡益子町、芳賀郡市貝町 ・茨城県:笠間市、常陸大宮市、桜川市、東茨城郡城里町 |
大都市へのアクセス | ・東京駅:小山駅まで在来線で1時間、そこから新幹線に乗り約40分で東京に着く ・秋葉原:直通バス「関東やきものライナー」で2時間半 ・宇都宮市、水戸市:車で約1時間 |
食料・日用品の購入は町内のスーパーや商店で済ませる方が多いようです。大きな商業施設は近隣の市(真岡市・宇都宮市・笠間市・水戸市等)にあり、車で20分〜1時間ほどで行くことができます。
茂木町は車社会なので、車を準備する必要があることは頭に入れておいた方が良いでしょう。
コミュニティ活動の一環として、道路や河川、神社等の管理をする必要も出てくるそうですが、住民の一人として一緒に取り組んでもらえればとのことでした。引っ越した際には、区長さんへのご挨拶も忘れずにしましょう。
茂木町の仕事事情:町内外の就業機会と起業支援
大手求人サイトで「茂木町×正社員」で検索したところ、約220件の求人情報が見つかりました。また、車で30分以内の通勤圏内(町内から15km以内)で検索したところ、求人情報は約3,000件にまで増えました。
※参考:求人情報の一例
茂木町の住民には、真岡市(車で約30分)、笠間市(車で約40分)、宇都宮市(車で約1時間)などに通勤をしている人もいるそう。通勤に少し時間はかかるものの、住環境を優先して茂木町に住むことを選択するようです。
空き店舗活用で起業!茂木町の補助金制度
茂木町は「茂木町空き店舗等活用事業補助金」として、空き店舗を活用する際に家賃補助やリフォーム費用の助成を行っています。対象とする店舗は「店舗として賃借できる状況だが、3か月以上利用されていない建物や店舗」などです。
その店舗を活用し、新たに出店する事業に対して補助されますが、店舗における経営を3年間以上継続することなどの条件もあります。
補助名 | 内容 |
---|---|
家賃補助 | ・補助対象経費:最大50,000円/月 ・期間:2年間 |
リフォーム助成 | ・補助対象経費:内外装改造等の場合は、補助対象経費の2分の1以内で、150万円を限度とする |
公式:もてぎ暮らし(働く)
地元就職はもてぎジョブセンターにお任せ
茂木町役場では、茂木町内や近隣の仕事を紹介するための「もてぎジョブセンター」を設置しています。ハローワークの出張所として役場内に設置されており、車で約25分ほどにある近隣の工業団地などの求人も紹介しています。
仕事をする上での選択肢はいろいろありそうなので、じっくり探してみてくださいね。
茂木町の住まい探し:賃貸から空き家バンクまで
大手賃貸サイトで茂木町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは約30件が見つかりました。家賃相場は約4.9万円で、広さは2DK以上の物件が多い傾向にあります。※2023年1月現在
※参考:賃貸物件情報の一例
賃貸物件数は少なめですが、茂木町では家賃補助制度や空き家バンク制度に力を入れています。
賃貸住宅の家賃補助制度:最大3年間のサポート
茂木町に新たに転入する方、もしくは町内に居住する婚姻世帯に対し、町では民間賃貸住宅の家賃の一部を助成しています。制度の活用条件はいくつかありますが、主に以下の条件を満たす必要があります。
- 茂木町に3年以上住むことを誓約すること
- 町税等の滞納がないこと
- 家賃の滞納がないこと
- 月額の家賃(管理費・共益費・駐車場使用料は除く)が3万円以上の民間賃貸住宅であること
「家賃月額(管理費・共益費・駐車場使用料は除く)から就業先の住宅手当を除いた額」が対象となります。世帯別の補助額は以下です。
世帯 | 補助額 |
---|---|
単身世帯 | 対象経費の2分1の額、または7,000円(どちらか低い額) |
家族世帯 | 対象経費の2分1の額、または15,000円(どちらか低い額) |
子育て世帯 | 対象経費の2分1の額、または20,000円(どちらか低い額) |
対象となった月から最大3年間補助が出るので、ぜひ活用したい制度ですね。
人気の空き家バンク制度:物件情報と改修補助金
空き家情報バンク制度を取り入れている自治体は多いですが、茂木町の空き家情報バンク制度は栃木県の中でも賃貸も購入も問い合わせが一番多い、人気の制度だそうです。町としても登録数を増やそうと尽力していることから、現在では約50件の物件が登録されています。
※縁結び大学調べ(2023年1月時点)
また、空き家情報バンクに登録された一戸建て住宅を改修するにあたっての補助金制度も設けています。補助率は2分の1ですが、補助額は世帯や補助対象によって異なります。
改修工事補助 | 家財処分補助 | |
---|---|---|
一般世帯 | 上限50万円 | 上限10万円 |
町外から転入する子育て世帯 | 上限100万円 |
加えて、町が指定する金融機関から住宅取得資金の融資を受けた場合、金利の一部を助成する制度もあります。
住宅取得には何かとお金がかかるものですが、茂木町ではさまざまな制度を設けているので、移住者の負担を減らそうとしてくれていることがうかがえますね。
先輩移住者が語る!茂木町での暮らしの実態
「子どもたちに自然豊かな環境で、のびのびと育ってもらいたかったから」「経済的な支援策が複数あることも決め手になった」「自給自足の生活に憧れたから」など移住の理由は人それぞれですが、茂木町に移住した先輩移住者は、茂木町の暮らしをどのように感じているのでしょうか。
ここではそんな先輩移住者のリアルな声を紹介します。
- 安全でおいしい無農薬野菜をすぐに手に入れることができる
- 里山の風景がどこから見ても美しい。やわらかくて優しい印象を受ける
- 車で市街地に出れば生活に必要なものは揃うので、特に不便は感じていない
- 自然と触れ合う機会が多いので、子ども達が日々逞しくなっていくのを感じている
- 児童数が多くないので、先生たちが子ども1人ひとりに対してきめ細やかに対応してくれる
- 移住して来たばかりの頃、全く知らない小学生や中学生が、すれ違いざまに元気に挨拶をしてくれて感激した
移住者の多くが口を揃えて話していたのが、移住を検討している際のサポートの手厚さでした。
空き家探しをしている時の対応がスムーズであったり、町職員がアルバイト先まで一緒になって探してくれたり、就農地を探していたら農業委員や地域の人たちが熱心に対応してくれたりなど、まち全体で移住者を歓迎していることが感じられました。
住んでからも自然いっぱいの中でのびのびと生活をしている様子が伺え、茂木町で豊かな暮らしを歩んでいる先輩移住者がたくさんいることがわかりますね。
茂木町への移住を実現する2つのステップ
茂木町に対して興味が湧いてきたら、実際に行動を起こしてみるのがおススメです。ここでは移住に関する2つのSTEPについてご紹介します。
- 第一歩はここから!もてぎ暮らしサポートセンターの活用法
- お試し移住で茂木町を体験:もてぎ暮らし館の利用方法
第一歩はここから!もてぎ暮らしサポートセンターの活用法
▲移住定住の総合相談窓口である、もてぎ暮らしサポートセンターの様子。
茂木町では「もてぎ暮らしサポートセンター」を設置しており、移住・定住の支援を行っています。まずは移住に関する相談をしてみたい、ちょっとしたことだけれど聞いてみたい、そんな方は「もてぎ暮らしサポートセンター」に問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
WEBサイトには問合せフォームもある他、電話での問い合わせももちろん可能です。また、もてぎ暮らしサポートセンターは、祝日・年末年始を除く火~土曜の9:00~16:00に開館しているので、実際に訪問して話を聞いてみるのも良いかもしれません。
お試し移住で茂木町を体験:もてぎ暮らし館の利用方法
▲「もてぎ暮らし館」を活用すれば、気軽なおためし生活が体験できる
茂木町について知るには、実際に滞在してみるのが一番です。茂木町では移住を検討する方がお試し暮らしをできるように、おためし住宅「もてぎ暮らし館」を設けています。
利用料は1泊~15泊までは2,000円/泊で、16泊~最大30泊までは一律30,000円で滞在することができます。食費や交通費、生活に必要な消耗品等は自己負担ですが、家具・家電は備え付けられており、寝具は有料にてレンタル可能です。
利用開始日の3か月前から予約を受け付けていますので、まずは電話で希望の日程を仮予約し、その後申請書を提出すれば借りることができます。
場所も茂木駅から徒歩5分ほどという好立地。「もてぎ暮らしサポートセンター」までも歩いて3分ほどで行けるので、茂木町での暮らしを体験するにはもってこいですよ。
茂木町移住の相談窓口:もてぎ暮らしサポートセンター
▲移住定住を担当する町役場の皆さん。ご相談はお気軽にどうぞ!
茂木町へ興味を持った方は、まずは「もてぎ暮らしサポートセンター」に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。
担当 | もてぎ暮らしサポートセンター |
---|---|
住所 | 〒321-3531 栃木県芳賀郡茂木町大字茂木1583番地 |
電話 | 0285-64-1310 |
営業時間 | 火~土曜(祝日・年末年始を除く) 9:00~16:00 |
公式サイト | https://www.town.motegi.tochigi.jp/ |
移住・定住サイト | https://www.town.motegi.tochigi.jp/teiju/ |