御代田町移住ガイド:自然とアートが融合する町での暮らしを徹底解説

長野県北佐久郡にある御代田町は、日本屈指の活火山である浅間山の南麓に広がる標高約800mの高原のまちです。豊かな自然と首都圏へのアクセス環境などを背景に若い世代の移住者が多く、人口が増え続けています。

夏は涼しく、空気もカラッと過ごしやすいことから、隣町の軽井沢町と同様避暑地としても人気。一方で、いわゆる観光地とはまた違う、ゆったりした空気の中でのびやかな暮らしができる環境があります。

そんな御代田町の暮らしの魅力をはじめ、寒冷地だからこその気候や生活環境、そして移住に欠かせない住まいや仕事の情報、移住支援制度などを詳しく解説していきます。

本日お話を伺った方
御代田町企画財政課地域振興係八巻恵子さん

御代田町 企画財政課 地域振興係

八巻 恵子さん

御代田町での暮らしの3大魅力:自然、アクセス、子育て環境

長野県御代田町の暮らしの特徴

御代田町は標高約800mに位置し、雄大な浅間山の南麓に広がる自然豊かなまちです。乾燥した空気と晴天率の高さが魅力で、夏は涼しく過ごしやすく、避暑地としても知られています。

軽井沢町などの隣接する市町、そして東京圏へのアクセスも良好なことから、移住地として人気を集めています。長野県の市町村の中でも珍しく人口増加が続いており、まち全体で若い人が多いのも特徴的です。

移住者は子育て世代をはじめ、シニア層のセカンドライフの地としても選ばれています。さらに、クリエイターの移住が多いのも御代田町の特徴です。田舎らしいゆったりとした環境の中に、アートやデザインの空気も感じることができる、御代田町独自の雰囲気も魅力となっています。

そんな御代田町への移住をおすすめしたいのは、次のような方です。

  • 都心の喧騒を離れて、自分らしいライフスタイルを実現したい
  • 都会と田舎の二拠点居住に興味がある
  • 豊かな自然の中で、子どもをのびのびと育てたい
  • 普段の生活の中で、アートの刺激を受けながら生活したい

このような希望を持つ方にきっと魅力的に感じられるであろう、御代田町での暮らしの特徴を3つ紹介します。

東京圏と近隣市町へのアクセス良好:御代田町の地理的メリット

近年の交通網の発達により、御代田町から首都圏へのアクセス環境が大幅に向上しています。

北陸新幹線を使えば東京までは軽井沢を経由して約2時間でアクセス可能。上信越自動車道の佐久ICや小諸ICは御代田町からほど近いため、高速道路を使えば車でも約2時間半で東京まで行くことができます。この便利な立地を活かし、御代田町に暮らしながら二拠点居住やテレワークで東京での仕事をしている人も増えています。

また、御代田町は軽井沢町、小諸市、佐久市のちょうど真ん中にあり、それぞれの市町に車で20分程でアクセスできるという地の利があります。

休日には、人気の観光地である軽井沢町や歴史ある"文化のまち"小諸市まで気軽に出かけることができます。

さらに、近年大型ショッピングモールなどの開発が進む佐久市には、総合病院や救命救急センターなどもあり、充実した医療体制が整っています。そのため、車で少し移動するだけで生活の選択肢が大きく広がり、安心して暮らすことができるでしょう。

近隣市町村の利便性を享受しながら、御代田町の静かな環境で暮らしを楽しむことができます。「いいとこどり」で、ゆったりと暮らすことができるのが御代田町ならではの魅力です。

充実の子育て・教育環境:公設学習塾など独自の支援策

御代田町の子どもの様子

御代田町の保育園は広い園庭を持つところが多く、豊かな自然の中で子どもがのびのびと育つ環境が整っています。子育て世帯の方にとって、理想的な環境といえるでしょう。

移住先での子育てに不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、御代田町の子育て包括支援センターでは、子育ての悩みや不安に対してワンストップで支援を受けることができます。そのため、安心して子育てに取り組める環境が整っています。

また、児童館では「ひだまりっこ」という親子遊びなどの活動が頻繁に開催されており、子ども同士、親同士のつながりが自然と生まれています。移住者が多いまちなので、新しく来た方も馴染みやすい雰囲気があります。

教育面でも独自の施策がある御代田町。特に注目すべきは「夢サポート塾」という公設学習塾です。中学3年生を対象としたこの塾は、高校受験までの6か月間を、少人数制で力強くサポートしてくれます。

長野県御代田町の公設学習塾「夢サポート塾」
▲夢サポート塾は少人数制の指導が魅力

さらに、御代田町では小中学生の学校給食費が無償化されています。これは子育て世代の経済的な負担を大きく軽減する取り組みとなっています。

長野県御代田町の学校給食の様子
▲御代田町の学校給食

御代田町の近隣市町村には、先進的な教育を行う学校も開校しており、教育環境を重視して移住を決める「教育移住」をする人も多くいます。

“豊かな自然”と“アート”で毎日に彩りが生まれる

町面積の40%を自然公園が占める恵まれた立地にある御代田町では、澄んだ空気や、自然が織りなす四季の変化を日常生活の中で感じられる環境があります。町内には「やまゆり公園」「龍神の社公園」「雪窓公園」の3か所に大きな公園があり、多くの人の安らぎと憩いの場として親しまれています。

長野県御代田町の龍神の社公園
▲御代田町に伝わる『甲賀三郎龍伝説』の龍神をイメージした「龍神の社公園」

御代田町での暮らしを豊かにするのは、こういった自然環境だけではありません。御代田町にはクリエイターの移住も多く、個性的なお店も進出しているなど「アートの空気」が漂っています。

そんなアートの空気を体感できる施設が、御代田町役場のすぐ隣にあるMMoP(モップ)です。MMoPには国内外の優れた写真作品が集う「御代田写真美術館」をはじめ、衣食住をめぐるこだわりのライフスタイルショップが軒を連ねています。

豊かな自然に囲まれた心地よい暮らしと、写真文化に彩られた新しい鑑賞体験を堪能してみてはいかがでしょうか。

長野県御代田町のアート施設MMoP外観
▲緑あふれるMMoPの外観

長野県御代田町のアート施設MMoPの内観
▲MMoPの内観。さまざまなアート体験を楽しむことができる

御代田町の緑豊かな自然の中で四季の変化を感じながら、アート体験で五感も刺激できるというのは他にない魅力です。自然とアートな感性に触れて生活したい方にとって、御代田町は理想的な場所といえるでしょう。

御代田町の暮らし:気候、特産品、コミュニティ活動の詳細

実際に御代田町に住むなら知っておいた方が良い、気候や病院などの暮らしに関する情報をまとめました。

気候 8月の平均気温:20.8度
1月の平均気温:-3.3度
※参考:気象庁ホームページ(御代田町内に観測地点が無いため、軽井沢地点を参照)
人口 約16,000人
※参考:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数
病院 病院:1か所
診療所:5か所
歯科医院:5か所
学校 保育所:7か所(うち3か所は小規模保育所)
幼稚園:2園
小学校:2校
中学校:1校
交通 【鉄道】
長野・北陸新幹線
しなの鉄道(御代田駅)

【バス】
路線バス:佐久御代田線(御代田駅~浅間総合病院)

【自動車】
上信越自動車道(佐久IC、小諸IC)
近隣都市 軽井沢町、小諸市、佐久市

気候については、夏が涼しい一方で冬は厳しい寒さとなります。冬季はマイナス10度以下になることも珍しくなく、「寒いというより痛い」と表現される程の寒さを体感することがあります。しかし、降雪はあるものの積雪量はそれほど多くありません。そのため、頻繁に雪かきをする必要はない程度の積雪量だと言えます。

御代田町の誇る特産品:高原野菜の魅力と生産環境

長野県御代田町の高原野菜栽培風景

御代田町の特産品は、寒暖差の大きい気候と有機物を多く含む火山特有の土壌を活かした高原野菜です。晴れの日が多いことも、おいしい野菜を栽培できる重要な要因となっています。

長野県御代田町の特産品キャベツ

特に代表的な特産品として、レタス、キャベツ、ブロッコリーが挙げられます。新鮮でおいしい野菜を日常的に楽しめることは、御代田町での暮らしの大きな魅力の一つといえるでしょう。

地域に根ざした活動:御代田町の伝統行事と区の取り組み

御代田町では様々なイベントが開催されています。特に夏に行われる「龍神まつり」は見逃せません。爆竹の音や煙幕の中で大きく舞う龍神の姿に、きっと圧倒されることでしょう。

長野県御代田町の龍神まつり
▲龍神まつりの様子。龍神の担ぎ手は50人にも及ぶそうです

町全体のイベントに加えて、御代田町には小規模な地区ごとに行われる「区」の活動があるのも特徴です。「区」とは「自分たちが住む場所は自分たちで良くしよう」という考えから、地域住民により組織された団体のことです。御代田町には全部で20の区が存在します。

御代田町では、区が開催する行事などを通じて住民同士が交流し、助け合って生活するという文化が根付いているそうです。地域でのイベントや活動を通じて人々の絆を深められることは、都会では得難い魅力と言えるでしょう。

仕事事情:多様な働き方と近隣地域の求人情報

御代田町の正社員の求人数を大手求人サイトで調べると、約300件の求人がヒットしました。近隣も含めると、約12,000件と、正社員の求人数が大幅に増加しています。
※参考:求人情報の一例(町内)
※参考:求人情報の一例(25km圏内)

御代田町は、高原野菜生産を中心とした農業と精密工業を中心とした製造業など、バランスの取れた産業構造を持っています。しかし、企業の立地数自体は多くないため、交通アクセスの良さを活かして軽井沢町や佐久市まで通勤している人も多くいます。

御代田町への移住を検討する場合は、町内だけでなく近隣市町も含めた就職先を探すことをおすすめします。また、東京圏でのテレワークや二拠点居住など、さまざまな働き方の可能性も考慮に入れると良いでしょう。

本記事の最後では、就業や創業に関する支援金情報も紹介しています。移住後の仕事探しの参考にしてください。

住まい事情:空き家バンクと住宅関連補助制度

大手住まい情報サイトで御代田町の賃貸物件を調べたところ、約80件ヒットしました。
賃貸物件の一例

空き家バンクにも物件登録はありますが、移住者の増加に伴い売却済みの物件も多く、現在は登録物件数が限られています。ただし、町では空き家所有者への登録促進事業を行っているため、今後登録件数が増える可能性があります。空き家バンクのサイトで最新情報を定期的にチェックすることをおすすめします。

古い空き家は改修して住む必要がありますが、御代田町には空き家改修にかかる補助制度があります。また、冬は厳しい寒さとなるため暖房費がかさむというデメリットがありますが、断熱性向上のためのリフォーム費を補助する制度もあります。これらの制度を活用しながら、自分に合う住まい探しを進めることをおすすめします。

※補助金申請には条件があります。詳細についてはHPをご確認ください。

▼御代田町の住まいに関する補助

空家改修等補助金制度 町内居住者を対象に、空家改修等にかかる工事費用の1/2を補助。
・空家改修事業(上限50万円)
・空家整備事業(上限20万円)
・空家解体事業(上限50万円)
住宅断熱性能向上リフォーム補助金制度 町内居住者を対象に、住宅の全部または一部の居室で実施するリフォーム工事費用の1/2を補助(上限50万円)。
・開口部(窓ガラス等)の単板ガラスを複層ガラスに替える工事
・新たなサッシを設置して、二重サッシとする工事
・屋根、小屋裏、壁、床等に断熱材を設置する工事

移住者の生の声:暮らしの実態と魅力を紹介

長野県御代田町への移住者の声

  • 軽井沢町まで車で20分程度、首都圏へのアクセスも良好な交通の利便性が魅力
  • 東京との二拠点生活や、東京から移住を考える方にとって、東京へのアクセスの良さがおすすめポイント
  • 程よい田舎環境で、町内にスーパーやクリニックがあり、日常生活に不便はない
  • 湿度が低く晴れの日が多い気候が特徴。夏は窓を開けるだけで涼しく過ごせる
  • 雪は降るが積もりにくい。年に2、3回程度の雪かきは必要
  • 小規模な町ならではの不便さもあるが、それゆえに人々の協力関係や絆が生まれている

御代田町の魅力として、交通アクセスの良さや生活の利便性が多くの人に評価されています。また、晴れの日が多く湿度が低い気候も、住民から好評を得ています。

一方で、雪への対応や小さな町特有の不便さもありますが、それらが逆に地域のつながりを強めています。区の活動などを通じて住みよいまちづくりを支える組織の存在も、御代田町の特徴と言えるでしょう。人と人とのつながりを大切にしながら暮らしたい方にとって、魅力的なまちといえます。

移住プロセス:準備から支援制度活用まで

ここからは、長野県御代田町への移住に興味を持った方に向けて、具体的な移住支援情報をご紹介します。住まいの確保や仕事探しなど、新生活を始めるにあたって必要な支援策について詳しくお伝えします。

移住イメージを具体化:先輩移住者の声とオンライン相談の活用

地域おこし協力隊によって作成された移住パンフレット「御代田町で移住相談ができる図鑑」では、先輩移住者のインタビューが紹介されています。暮らしに役立つ情報も多く掲載されているため、まずはこちらを確認し、御代田町での具体的な生活をイメージしてみましょう。例えば、地域の特色、自然環境、生活コスト、仕事の機会などについて知ることができます。

移住パンフレット「御代田町で移住相談ができる図鑑」:https://lg.airlibro.jp/mobile/books/view.php?book_id=543&back=1&p=0

御代田町では自宅にいながら気軽に相談できるオンライン相談も実施しています。移住に関する疑問や不安な点があれば、まずは町の担当者に相談してみることをおすすめします。オンライン相談では、住まい、仕事、子育てなど、さまざまな面での情報を得ることができます。

御代田町で暮らしを体験:ワーケーションを活用した長期滞在のすすめ

情報収集をしたら、実際に御代田町に足を運んでみましょう。

御代田町では以前には移住体験ツアーを実施していましたが、現在は行われていません。しかし、長期滞在できる宿泊施設やコワーキングスペースが利用可能です。これらを活用して、ワーケーション(仕事と休暇を組み合わせた滞在)をしながら、御代田町での暮らしを疑似体験してみるのも良い方法です。実際に滞在することで、町の雰囲気や生活環境を直接感じることができるでしょう。

御代田町の移住支援制度:UIJターン就業・創業支援事業の詳細

御代田町では令和5年から、新たに「UIJターン就業・創業移住支援事業」を開始しています。移住に関する金銭的な負担を軽減するため、条件を満たす方はぜひ利用を検討してください。

なお、この支援を受けるには対面での事前相談が必須となります。該当すると思われる方は、事前相談の機会を活用して不明点を解消し、申請の準備を進めることをおすすめします。

UIJターン就業・創業移住支援事業補助金 【対象者】
東京圏、愛知県、大阪府からの移住者で以下の条件を満たす方
1)⾧野県が運営するマッチングサイトに掲載している求人等により就業した方
2)⾧野県から創業支援金の交付決定を受けた方

【金額】
単身世帯:60万円
2人以上世帯:100万円
(18歳未満の世帯員を帯同する場合、当該世帯員一人につき30万円を加算)

※詳細はこちら:https://www.town.miyota.nagano.jp/category/sangyou/162676.html

御代田町への移住に関するお問い合わせ

担当課 企画財政課地域振興係
住所 〒389-0292
長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1794番地6
電話番号 0267-32-3112(直通)
対応時間 08:30〜17:15
公式サイト 町公式サイト:https://www.town.miyota.nagano.jp/index2.html
移住ページ:https://www.town.miyota.nagano.jp/category/miyotalife/148025.html