南相馬市で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報

若い世代から「今、住みたい田舎」として注目されている、福島県の南相馬市。子育て世代に嬉しいサポートも満載で、心にゆとりを持った暮らしが叶います。

そんな南相馬市で暮らす魅力について、移住に役立つ情報を南相馬市役所の吉田さんに伺いました。移住経験者へのインタビューも交えながら、南相馬市への移住のリアルをお届けします。

本日お話を伺った方
南相馬市・移住定住課・主査・吉田亜衣さん

南相馬市 商工観光部 移住定住課

吉田 亜衣さん

南相馬市の特徴や魅力

南相馬市は、福島県の北部に位置する海沿いの街です。福島県いわき市、宮城県仙台市のちょうど真ん中あたりにあり、車移動なら約1時間で行くことができます。

福島県南相馬市の位置

また、南相馬市は農業も盛んで、米や野菜、果物など美味しくて新鮮な食材が豊富です。特に温暖な気候を活かして栽培される「そうま梨」が有名で、海水のミネラルを豊富に含んだ梨はとても甘くてジューシーなんだそうですよ。他にも、トマトやブロッコリーなども有名です。

そして南相馬の海はサーフィンの聖地としてもよく知られています。季節問わずに良い波が来るため、世界大会が開催されるほど。サーフィン好きにはもってこいの環境です。

そんな南相馬市、2023年の「住みたい田舎ベストランキング*」人口5万人以上10万人未満のまちでは、福島県内で1位に選ばれています。特に、子育て世代部門において東北エリアで第2位(県内1位)に選ばれるなど、子育て世代にオススメのエリアとなっています。
*参考:宝島社発行「田舎暮らしの本(2023年2月号)」

今、若い世代から特に注目されている「南相馬市で暮らす魅力」について、深掘りしてみました。

移住者の約8割が40代以下!若い世代に選ばれる理由

南相馬市に移住した人の多くが、若い世代だそうです。実際、2022年度に移住した196世帯336人*のうち約8割が40代以下の方々です。
*移住人数:地域おこし協力隊として着任された方、市の移住相談窓口を利用された方、住宅補助事業を活用された方を計上。

なぜこんなにも若い世代に選ばれているのか、その大きな理由は以下の2つにあります。

  • 起業支援が充実していて新しいことにチャレンジしやすい
  • 就職・転職、また転居費用のサポートが充実

まずは、この2つの理由について詳しく紹介します。

選ばれる理由1:起業支援が充実!新しいことにチャレンジしやすい

南相馬市では、移住して新規事業を興す起業家を応援する制度があり、実際、若手起業家が増えてきています。

例えば、南相馬市の隠れた価値を発掘し新たなビジネスを始める方には最大600万円が助成されるなど、とても手厚い内容です。これから新たにビジネスを始めたい人にとってはチャンスですよ。

民間企業「株式会社 小高ワーカーズベース」と南相馬市が一緒に運営している起業型地域おこし協力隊「Next Commons Lab南相馬」では、「地域課題の解決」と「商売」が両立する持続可能な“なりわい”をつくる取り組みが行われています。

その1つが、南相馬に1000年以上続く伝統行事「相馬野馬追(そうまのまおい)」で活躍する馬を活かした事業、観光乗馬サービスです。行事以外では活かされていなかった馬を活用し、馬と人が身近になるまちづくりに取り組んでいます。

「Next Commons Lab南相馬」ではオンラインでの説明会や面談も実施しているので、関心を持った方はぜひ調べてみてください。

>>Next Commons Lab 南相馬

吉田さんのアイコン
吉田さん

制度だけでなく、住民も若い人のチャレンジを温かく見守ってくれる人が多いです。避難を余儀なくされ、新たな土地でスタートすることの大変さを知っているからこそ、地域で挑戦しようという若者を応援してくれるため、その温かさが良かったというお声も聞きます。

▼起業する時に受けられる支援制度
南相馬市の起業・創業支援一覧

選ばれる理由2:転職しやすい!就職先が決まったら転居の補助もあり

南相馬市では、南相馬市内の事業所に就職する人を対象に、転職・就職活動にかかる交通費や転居にかかる費用の一部を補助する取り組みがあります。(対象者は南相馬市外の人)

例えば、「みなみそうま就職ナビ」に掲載されている事業所への就職活動を行うためにかかった交通費は最大10万円まで補助してもらえますし、転居が必要な場合、県外からの転居であれば引越し費用等を最大60万円まで補助してもらえます。(県内からの転居は30万円が上限)

費用面でとても充実しているので、この範囲内でまかなえてしまうケースがほとんどではないでしょうか。

また、南相馬市には、インフラや災害現場などを原寸大で再現し、ロボットの機能評価や操縦訓練ができる「福島ロボットテストフィールド」があります。ここでは、ロボットの研究や開発・実証実験ができるため、ロボットに関わる企業がたくさん入居しています。そのため、ロボット関係の仕事をする人の移住も増えているそうです。ロボット好きな人は必見ですよ。

福島ロボットテストフィールドのイメージ画像
▲福島ロボットテストフィールド。東京ディズニーランドと同レベルの広さの土地にさまざまな環境が再現されています。

▼市内の企業情報や求人情報、実際に働いている先輩社員のみなさんが紹介されています
みなみそうま就職ナビ

▼転職・就職・転居する時に受けられる支援制度
就職の支援

これから農業を始めたい人必見!農業体験もできる充実した農業支援

南相馬市で栽培されるブロッコリー

南相馬市は温暖で稲作に適しており、気候的にも農業が始めやすい土地。稲作だけでなく野菜や果物の生産も盛んで、ブロッコリーは県内一の生産量を誇っていますし、梨の産地としても有名です。

そんな農業が盛んな南相馬市ですが、震災の影響で農業の担い手が不足しているため、新たに農業を始める方の支援にも力を入れています。

雇用就農を希望する場合、南相馬市の農政課では、興味のある作物などをヒアリングし、地域の農業法人とのマッチングを行なってくれます。また、農業が始めての人にとって、「実際にできるのかどうか」を心配するかたも少なくないことと思いますが、そんな不安を解消できるよう、希望に応じて農業体験をすることができます。

市内で新たに農業を営む場合にも、農業用の機械を購入するためにかかった経費の一部を補助してもらえるなど、費用面での支援も充実しています。

▼新規就農する時に受けられる支援制度
農業をしたい方への支援

切れ目のない子育て支援がすごい!子育て世代の移住も増加中

移住者に限らずですが、南相馬市は子育て支援が充実しています。産まれてから18歳まで、切れ目のない支援があり、他の地域と比べても圧倒的な充実度を誇ります。

例えば、保育料の無料化を0歳から実施しています。また、満3歳未満の子どもを保育園に預けずに自宅で保育する場合でも月1万円の在宅の保育手当があったり、医療費は18歳まで無料だったりと手厚い内容です。さらに2022年度からは、学校給食の無償化も加わりました。

そして、子育て世代にとって大きな魅力になるのが、南相馬市の豊かな自然。海・山・川など遊び場がたくさんあって、都会では体験できない遊びができます。

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吉田さん

実際、Uターンされた妊婦さんの多くが「自分が育った自然豊かな南相馬で子育てがしたいと思って戻ってきた」とおっしゃいます。

 

子育て支援の詳細

南相馬市の子育て支援についてまとめています。気になるものは詳細をご確認ください。

詳細
誕生祝い品の支給 子どもが産まれたら、紙おむつや粉ミルクの購入に使える2万円分の給付券と30kgの市産米がもらえる
詳細は南相馬市「誕生祝い品の支給」へ
幼児教育・保育の無償化 0歳児〜5歳児までの子どもの保育料が無料になる
詳細は南相馬市「幼児教育・保育の無償化」へ
在宅保育支援金 満3歳未満の子どもを保育園にあずけず自宅で保育する場合、月1万円の交付金がもらえる
詳細は南相馬市「在宅保育支援金」へ
給食費の無償化 保育園・幼稚園・小学校・中学校の給食費が無料

南相馬市へ移住した人にインタビュー

ここでは、実際に南相馬市に移住された方を紹介します。リアルな声を聞いて、南相馬へ移住した後の生活をイメージしてみてくださいね。

移住者の声:東京から夫婦で移住した木村さん夫妻

東京から南相馬市へ夫婦で移住した木村さん夫妻

実際に東京から移住した木村さん夫妻は、「東京で暮らしていた頃よりも家族の時間がとれるようになった」と感じているそうです。また、3人のお子さんを育てている夫妻ですが、東京で3人を育てていたらと考えると「預け先や金銭面の不安などがあり、選択肢が少なくなっていただろうと思う」とお話されています。

そんな木村さん夫妻は、「都心から移住するなら、環境が大きく変わるから下調べをしっかりした方が良い」とお話されています。医療体制やインフラなど、自分に必要な条件について把握することが大切だということです。

南相馬市移住定住サイトの「移住者インタビュー」コーナーでは、木村さんご夫妻の1日のスケジュールや移住に至った経緯なども紹介されています。ぜひご覧ください。

>>木村さんご夫妻のインタビュー記事

移住者の声:東京から単身移住し、フルリモートで働く山内さん

東京から南相馬市へ移住したシステムエンジニアの山内さん

東京でシステムエンジニアとして働いていた山内さん。コロナ禍でフルリモートで働くことになったことと、会社の社長からの提案がきっかけで、まったく接点のなかった南相馬へ移住。

働き方は変わらずとも、南相馬へ移住してからは趣味に使える時間が増え、動くことも多くなり健康になったと感じているそう。「都会より不便」は覚悟で移住したが、実際は困ることが特にないとお話されています。

山内さんの移住の詳しい経緯や、移住後の生活などはインタビュー記事をご覧ください。

>>山内さんのインタビュー記事

南相馬市には、山内さんのようにリモートワークができる、コワーキングスペースや図書館があります。市内全域に光回線も通っているため、インターネットも快適にできますよ。

▼リモートワークに使える施設の一覧はこちら
南相馬市役所「テレワーク・リモートワーク」

南相馬市の暮らしQ&A

南相馬市への移住を検討している方からよくある質問について、吉田さんに教えていただきました。

Q:東北だから寒さは厳しい?雪は多いでしょうか?

東北の冬は寒くて雪が多く雪かきが必須、というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。実際、南相馬市はどうなんでしょう?

A:海沿いなので冬でも温暖、雪はそんなに降りません

東北地方ということで雪深い地域と思われる方も多いですが、南相馬市は海沿いにあるため、冬でも温暖で、雪はそんなに降らない地域です。夏も涼しく、とても過ごしやすい気候が特徴です。

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吉田さん

雪がたくさん降るのは年に2〜3回あるかないかで、降ってもすぐとけます。夏は浜風が吹いて涼しく、東京から来た方に「夏でも扇風機なしでまちを歩けるなんてすごい!」と驚かれたこともありますよ。

Q:たくさんの支援があるがどうやって探せばよいか

とにかく支援が充実している南相馬市。だからこそ、自分がどのような支援の対象なのか把握しきれないのではないかという不安もあるでしょう。知らなくて損することは避けたいところですが、どこかで相談できますか?

A:市の相談窓口や移住経験者に相談できる窓口で案内しています

市の相談窓口や、みなみそうま移住相談窓口「よりみち」で案内しています。

南相馬市には、実際に他の地域から移住した若い人たちが相談にのってくれる移住相談窓口があります。コンシェルジュは20~30代の若い人たちで、実際に移住を経験した方ばかりです。

南相馬市の移住相談窓口よりみち ▲「誰でも気軽により道できる場所でありたい」という願いが込められている移住相談窓口「よりみち」

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吉田さん

「よりみち」では、移住コンシェルジュが自分たちの移住経験をもとに、さまざまな相談にのってくれますよ。

▼移住者に相談できる相談窓口はこちら
みなみそうま移住相談窓口「よりみち」

▼市の相談窓口はこちら
LINEで相談
電話なら「0244-24-5269(移住定住課)」まで

南相馬での暮らしを体験できるお試しハウス

南相馬市では、南相馬市での生活を体験できる、お試しハウスが用意されています。2泊〜30泊まで可能で、宿泊料は基本的に無料です。(生活費は自己負担)

南相馬での暮らしを体験できるお試しハウス
▲お試しハウスは一軒家タイプで、単身者はもちろん家族で体験する場合も伸び伸び過ごせます。

また、移住活動をする時にかかるタクシー代やレンタカー代の補助もあります。例えば、南相馬市への移住に備え、仕事先を探したり住む家を探したりする時にかかる費用を負担してもらえますよ。

▼移住活動にかかる交通費の補助の詳細はこちら
南相馬市役所「移住検討者市内活動交通費支援補助金」

▼お試しハウスの詳細はこちら
南相馬市役所「お試しハウスで暮らしを体験」

多彩で多様な支援が自慢!南相馬市の移住支援

南相馬市の移住支援は、とにかく種類が豊富。新たに起業する人、転職する人、農業を始める人、そして南相馬で家を購入する人に向けた支援などがあります。

南相馬への移住を考えた時、自分がどんな支援を受けられるのか、移住相談窓口や「よりみち」に聞いてみてくださいね。

また南相馬市は、福島県が実施している移住支援「福島県12市町村移住支援金」の対象地域でもあります。この支援の対象であれば、120万円(世帯であれば200万円)の支援金が交付されます。

2023年4月からは東京圏から移住する子育て世帯への加算(18歳未満の世帯員1人あたり最大100万円)も開始されました。

▼「福島県12市町村移住支援金」の対象者かどうか確認はこちら
福島県庁公式サイト「福島県12市町村移住支援金について」

ここでは、南相馬市へ移住するときに役立ちそうな支援制度をいくつかピックアップして紹介します。どれも記事作成時点(2023年6月)のものなので、最新情報は市の相談窓口か「よりみち」に聞いてみてくださいね。

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吉田さん

市内でも小高地区は人口の戻りがゆるやかなため、小高地区への移住支援はさらに充実しています。

 

仕事に関する支援

仕事に関する支援をまとめています。就職・転職活動や就職決定後の転居費用、起業、新規就農する場合の助成などです。

就職活動にかかる交通費や転居費を最大70万円まで助成してもらえる

「UIターン就職支援助成金」として、みなみそうま就職ナビに登録されている事業所への就職活動にかかる交通費、および就職が決定し転居する場合の引越しにかかる費用が助成されます。

福島県内の人は最大40万円、福島県外の人は最大70万円の助成です。

▼支給対象となる条件など詳しくはこちら
UIターン就職支援助成金

新たに事業をはじめるための資金を最大600万円まで助成してもらえる

先進的なアイデアの活用で、南相馬市の隠れた価値の発掘を行うビジネスをはじめ、需要と雇用を創出する事業を始める場合、最大600万円が助成されます。

そのほか、福島県が抱える課題を解決するような事業を始める場合に、最大200万円の補助が受けられる支援制度もあります。

▼起業に関する支援制度の詳細はこちら
起業・創業の支援制度

新たに農業を始めるための費用など年間最大48万円が支給される

新たに農業を始める場合に年間最大48万円を最長3年間支給される制度や、農業にかかわる機械を導入した場合に経費の一部が助成される制度などがあります。

▼新たに農業を始める場合の支援制度の詳細はこちら
新規就農給付金事業

▼農具購入の経費の助成制度の詳細はこちら
農業用機械購入支援事業

住居に関する支援

住居に関する支援をまとめています。賃貸と住宅購入、どちらも支援制度があるので、しっかり活用してください。

民間の賃貸住宅に入居する場合、月1万円(最大36ヶ月)の家賃補助がもらえる

5年以上居住する意思をもって市外から南相馬市に転入した43歳未満の方が、相双地方で就業又は開業し、市内の民間賃貸住宅に入居した場合に月額1万円の家賃補助が交付されます。(※小高区内に居住する場合、月額5千円を加算)

▼支給対象となる条件など詳しくはこちら
移住推進住宅支援事業補助金

転入後、5年以内に住宅を新築、購入する際に最大200万円の奨励金がもらえる

転入後5年以内に住居を取得し、居住する夫婦(ひとり親世帯を含む)で、夫婦のいずれか(ひとり親世帯の場合は、その親)が満43歳未満の世帯に対し、最大200万円の奨励金が交付されます。

▼支給対象となる条件など詳しくはこちら
住宅購入等世帯定住促進事業奨励金

移住担当・吉田さんからのメッセージ

南相馬市・移住定住課・主査の吉田さん
▲今回取材にご協力いただいた吉田さん

「今とは別の地域に移住をする」ということは、人生において大きな決断になることと思います。だからこそ、一度実際に現地に訪問していただいて、自分に合うかどうか検討いただきたいですね。

南相馬市に実際に移住してみて、想像とのギャップを感じることがないよう、移住体験なども準備していますので、ぜひご活用ください。

取材ライターからひとこと

ありとあらゆる支援がそろう南相馬市。特に子育て世帯への支援は、他の地域と比べても群を抜いた充実っぷりです。南相馬の豊かな自然の中で子育てができ、さらに金銭的にも支援してもらえる。こんな素敵な暮らしができたら気持ちにゆとりを持って暮らせるんだろうなと感じました。

南相馬市では、実際に移住したらどんな生活になるのか体験できる制度があったり、移住経験者に相談できるなど、移住のリアルに触れられるような取り組みが充実しています。

市の移住相談窓口は電話で相談できるほか、LINEで相談もできます。友だち登録して気軽に相談してみてくださいね。

南相馬市への移住に関する情報・お問い合わせ

南相馬市の移住定住サイト「みなみそうまからはじめよう」
南相馬市移住定住サイト「みなみそうまからはじめよう」

住所 〒975-8686
福島県南相馬市原町区本町二丁目27番地(北庁舎1階)
問い合わせ ■市役所・移住定住課
電話:0244-24-5269
FAX:0244-23-7420
メール:ijuteiju@city.minamisoma.lg.jp
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