長野県松川町での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説|縁結び大学
この記事では、地方移住を考えている人のために長野県松川町での暮らしを紹介します。
中央アルプスと南アルプスに囲まれた南信州・伊那谷に位置する松川町は段丘上の町で、町の中央には天竜川が流れています。町にはいくつもの果樹園が連なり、のどかな里山の風景も印象的です。
宿場町として長い歴史を持ち「おいなんよ(いらっしゃい)」「いいに(いいよ)」など、今もいくつかのやわらかな方言が残っています。多種多様な旅人をもてなしてきた寛容な気質は健在で、おだやかな環境で子育てをしたいファミリーなどにおすすめです。
松川町で生活する魅力の他、移住支援や子育て支援に関する情報、移住体験住宅の利用方法などを、町役場の方に伺ったお話と合わせて詳しく解説していきます。
長野県松川町の暮らし、3つの特徴
南信州にある松川町は長野県の中でも比較的温暖です。高速道路のインターチェンジからのアクセスも良く、東京から車で約2時間40分、名古屋からは約1時間40分で到着します。車での移動がメインの人にとっては帰省や出張にも負担が少ない暮らしやすいエリアといえるでしょう。
松川町での暮らしは次のような方たちにおすすめです。
- 豊かな自然の中でのびのびと過ごしたい
- 子育て支援が充実している町で暮らしたい
- 毎日の買い物に便利、頼れる大病院も欲しい
なぜ、このような方々におすすめしたいのか、松川町の魅力や暮らしの特徴について紹介します。
魅力1:豊かな自然と新鮮な果実を身近に感じて生活できる
アルプスからの清流が流れ込む、水はけの良い扇状地や河岸段丘。そんな豊かな土壌に恵まれた松川町は2015年に果実栽培100周年を迎えました。
松川町のくだもの狩りの魅力といえば、なんといってもくだものの種類と農家件数の多さ。およそ60軒以上のくだもの観光農園が東向きの山の斜面に連なり、春のさくらんぼから、ブルーベリー、プルーン、桃にぶどう、そしてりんごと、ほぼ一年中くだもの狩り体験が楽しめます。
多様なフルーツの収穫期が重なる8月から10月ごろまでの間は、2種類以上のくだもの狩りをめぐることも可能です。年間通じて楽しめることから、ファミリー向けレジャーとしても人気を集めています。
また、山の自然が豊かなのもこのエリアの特徴です。南アルプスを一望する展望風呂が自慢の「信州まつかわ温泉 清流苑」などもあり、露天風呂、屋外展望ハーブサウナなどを日帰り、宿泊どちらでも満喫できます。
森林セラピーを体験できるおよりての森や、森の中でアスレチックを楽しめるフォレストアドベンチャーも実施しているので、自然体験と温泉どちらも楽しめます。
魅力2:子育て支援が充実している
山々に囲まれて緑が多い松川町は「自然の中で子育てしたい」という家族にもぴったりの場所です。松川町公式サイトを見ると、子育て世帯に向けてさまざまな支援を行っていることがわかります。
めばえ支援 | 不妊症・不育症に悩む夫婦(事実婚含む)を援助するため治療費の1/2を補助(上限30万円) |
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めばえ相談 | 不妊症・不育症に悩む夫婦(事実婚含む)1組につき3回までカウンセラーに相談できる |
妊婦健康診査 | 妊婦一般健康診査14回分の費用を助成 |
妊婦歯科健診 | 妊娠安定期5〜7ヶ月の間、歯科健診1回受診を推奨し上限3,300円補助 |
乳児健康診査 | 生後1ヶ月児の一般健康診査費用を上限5,990円補助 |
産婦健診 | 産後2週間および1ヶ月以内の産後健診の費用を上限5,000円ずつ補助 |
授乳・育児サポート |
2歳未満の乳児の保護者を対象に授乳・育児相談や家事援助、保育サポート事業で使用できる授乳・育児サポート券を500円×16枚助成 |
出生子育て支援金 | 第一子、第二子は5万円、第三子は10万円を支給する(両親どちらかが消防に加入している場合はさらに2万円加算)※要件あり |
その他、町独自の子育て支援もあり、父親も一緒に参加できる「両親学級」は「友達も作れる」と好評です。また、妊娠中の不安な気持ちをケアするため「妊婦訪問」も行っています。
子育て支援センター「おひさま」は庭全体が芝生になっていて、専用の「おひさまファーム」での野菜のもぎとり体験も好評。
また、「信州やまほいく認定制度普及型」の認定を受けた「やまほいく」という自然と触れ合う機会の多い保育施設もあります。その他「あそびの楽校まつかわ」では四季折々のワークショップを実施しています。
町内には公園が多く、子どもの遊び場所も充実しています。「むらやま公園」「およりての森」の他、いくつかある川は整備が進み、子どもが遊びやすい広くて浅めの川になっています。子どもに自然の恵みを感じながら育って欲しい家族にもおすすめです。
魅力3:豊富な飲食店や総合病院があり毎日の暮らしも便利
松川町は天竜川沿いの段丘上の地形の上に、Aコープ、長野県を基盤とするキラヤなどのスーパー、ホームセンターすまいるなどがあり、毎日の買い物にも不自由しません。その他、おしゃれなカフェやベーカリー、居酒屋、寿司屋、焼肉屋などの飲食店が町内約50店舗あり、町から出なくても外食も楽しめます。
一方、地域医療の中核をなす下伊那赤十字病院は内科、小児科、産婦人科、外科、整形外科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、皮膚科、眼科などがある総合病院です。下伊那赤十字病院の隣には防災・検診センターがあり、病気を未然に防ぐ検診にも力を入れています。
その他、農家の直売所が点在しているのも農業が盛んな松川町ならではといえるでしょう。とくに松川インター直売店「もなりん」では、地元の特産品である桃・梨・りんごの他、新鮮な野菜が数多くならんでいます。「毎日の食卓にフレッシュな果物や野菜を取り入れたい」という人にもピッタリの町といえそうです。
長野県松川町の暮らしに関する情報
ここからは松川町への移住を考えた時に役立つ生活に関する情報を紹介します。
気候 | 8月の平均気温:23.3度 1月の平均気温:-0.7度 冬は氷点下の日もあるが、降雪はほとんどない。 ※参考:気象庁ホームページ 直近の飯島地点を参照 |
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人口 | 12,076人 ※令和6年4月1日時点 |
病院 | 中核となる総合病院・下伊那赤十字病院の他、5つの病院と6つの歯科医院がある。 |
学校 | 保育園:5園 小学校:2校 中学校:1校 高等学校:1校 |
文化・芸術 | 戦国時代末期の山城・大島城跡に築かれた台城公園では毎年5月3日に「つつじ祭り」が開催される。花火も打ち上げられる「清流苑まつり」(7月下旬)や、りんごの収穫祭「ふじ祭り」(12月初旬)などがある。 |
食べ物 | ご当地グルメの「ごぼとん丼」は松川町産のりんごや梅で育てた黒豚と地元産のごぼうを使った丼で中華料理屋、割烹、カフェ、居酒屋など店ごとに多種多様なバリエーションがある。 |
交通 | 町の中心部から5分ほどのところに中央高速道路松川ICがあり県外へのアクセスも良い。飯田線・伊那大島駅もあるが東京から4時間20分、名古屋から5時間。町内の小中学校へ通学する児童生徒を対象としたコミュニティバス「まつかわフルーツバス」や、乗り合いの「デマンドタクシー」などもある。 |
娯楽 | 南アルプスへの登山口で、明石、荒川、塩見岳などへの縦走ができる。子どもたちが自然体験や外遊びを楽しめる「あそびの楽校まつかわ」も毎月開催されている。 |
近隣都市 | 岐阜市:車で60〜70分 松本市:車で60〜70分 |
※参考:松川町公式サイト
町の中心に高速道路のインターチェンジがあり、県外へのアクセスも良好です。しかし、ご当地グルメ「ごぼとん丼」をさまざまな飲食店が盛り上げているなど、町内だけでも楽しく過ごせる町ともいえます。南アルプスへの登山口もあり、休日はハイキングも満喫できます。
仕事情報:無料職業紹介所の就業支援も活用可能
大手求人情報サイトで松川町内の求人を検索すると、200件以上の求人がヒットしました。(2024年11月時点)
※参考:求人情報の一例
片道30分ほどの車通勤可能なエリアまで検索範囲を広げれば約6,000件の求人があります。総務事務、医療事務、データ入力などの求人があり「移住後も都市部と同じデスクワークの仕事がしたい」という人でも希望の職種を見つけることができるでしょう。
一方、観光ドライバー、道の駅スタッフなど観光地ならではの仕事もあります。農業関連の求人もあるので、就農希望者もチェックしてみてはいかがでしょうか。
松川町ではUターンや移住を希望している人に対して就職相談や求人・求職情報の提供を行う無料職業紹介所を開設しています。
▼松川町の就職・転職支援
開館日 | 月曜日〜金曜日(祝祭日・年末年始をのぞく) |
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開館時間 | 8:30〜17:15 |
住所 | 長野県下伊那郡松川町元大島3823 商業観光課商工労働係内 |
問い合わせ先 | 電話:0256-36-7027 商業観光課お問い合わせフォーム |
住宅情報:移住祝金制度や住宅リフォームの補助金あり
▼ファミリー向け物件が4万円台から
松川町の賃貸物件を調べてみるとヒットした情報は10件ほどでしたが、2LDK、3Kなどのファミリータイプでも4万円台の物件もあるようです。(2023年2月時点)
※参考:賃貸物件情報の一例
▼45歳以下が利用できる移住祝金制度
松川町で住宅を取得し定住したいと希望する45歳以下(申請時点)の方は松川町若年定住住宅取得祝金制度も活用可能です。
補助金額は最大100万円(基本額10万円+加算額に応じて最大90万円)となっています。
※加算額については、下表の①~③の項目に該当するごとに20万円が加算されます。また、④のUIターン者が申請時から5年間継続して町内に定住した場合に30万円が交付されます。
加算項目 | 加算要件 | 加算額 |
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①子育て世帯 | 申請時点で、18歳以下の同居する子ども(妊娠22週以降の胎児を含む)がいる世帯 | 20万円 |
②UIターン者 | 申請時点で、町内に転入後5年以内の世帯 | 20万円 |
③空き家情報バンク登録物件購入者 | 松川町空き家情報登録制度「空き家情報バンク」に登録のある家屋を購入し、居住する世帯 | 20万円 |
④UIターン者 (5年定住) |
2024年4月1日以降に②UIターン者に該当し交付を受け、かつ交付を受けた日から5年以上継続して町内に定住した世帯 | 30万円 (5年後) |
▼リフォーム補助で10万円の補助金
松川町内の空き家バンク登録物件を見てみると、築50年500万円の一軒家といった物件もあることがわかります。リフォーム補助として10万円の補助金を補助する松川町住宅リフォーム補助金という制度もあるので「古民家をおしゃれにリフォームして暮らしたい」という移住希望者は利用してみてはいかがでしょうか。
公式:空き家バンク登録物件
松川町に移住した人の体験談・感想
実際に松川町に移住した人の声を調べてみました。
松川町に移住した理由
地方移住を検討する中で松川町を選択した理由は次のようなものがありました。
- Uターン組も多いので、自分もそうしようと思った
- 小さな町なのに商店街には飲み屋も多く、お店を開業するのに良さそうだった
- 自然が豊かなのが気に入った
- 年間通して果物狩りができるのが魅力だった
松川町に暮らしてみての声
松川町での暮らしをスタートして「思っていたのと違う」だったのか「想像通り」だったのかも気になるところです。現在、松川町で生活している移住者の声には以下のようなものがあります。
- 高速インターが近い。東京にも名古屋にもアクセスしやすい
- 町内での渋滞はほぼない。車生活が快適
- 役場や病院も空いてる。待ち時間もほどほど
- スーパーが何軒もあるし、美味しいパン屋も近くにあって便利
- 真夏の夜、クーラーをつけなくても快適
- 自然の中でウォーキングし放題。疲れを癒やす温泉にもすぐ行ける
- いちご以外あらゆる果樹園がある?果物狩りが楽しい
松川町での子育て環境についての感想
松川町への移住を考えているファミリーにとって、子育て環境がどうなのかも気になるところです。子ども連れの移住者の感想を集めました。
- カブトムシを買わなくても近くですぐに捕まえられるので子どもが喜んでいる
- 川や公園など子どもと遊べるところがたくさんある
- 自然の中で子どもが子どもらしく過ごせている
- タブレットを導入するなど時代に適応した学校教育をしている
- 街灯が少なくて星がよく見える。子どもに星座を教えている
- ほどよく近所付き合いもあり、地域に子どもを見守ってもらえている
松川町に移住する前にできる体験・支援
松川町への移住を本格的に検討するならば、一度、移住体験を経験してはいかがでしょうか。実際の暮らしをより具体的に想像するきっかけになるはずです。最長29泊、複数回の利用もできる移住体験住宅を利用すればリーズナブルに移住体験ができます。
移住体験住宅で暮らしを疑似体験
引用:松川町公式サイト
松川町への移住を視野に入れたなら、移住体験住宅を利用してみてはいかがでしょうか。ただし、こちらは松川町での暮らしを疑似体験するための施設なので、観光目的では宿泊できない点に注意してください。
概要 | 1974年構造ブロック造平屋建て。2017年改装済み |
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床面積 | 60.34㎡(敷地面積224㎡) |
所在地 | 長野県下伊那郡松川町元大島2974-7 |
対象者 | 松川町以外に住んでいる町への移住希望者とその家族 |
利用日数 | 2泊〜最長29泊(複数回の利用も可能) |
利用料金 | 1棟1泊1,000円(滞在人数不問) |
申し込み | 利用開始10日前までに松川町ホームページまたは町役場窓口で申し込み |
公式:移住体験住宅について
松川町への移住についての問い合わせ
移住体験住宅などに興味が出てきたら、以下の問い合わせ先にアクセスしてみましょう。
担当課 | 松川町役場まちづくり政策課 |
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住所 | 〒399-3303 長野県下伊那郡松川町元大島3823 |
電話 | 0265-36-7014 |
FAX | 0265-36-5091 |
問い合わせ | お問い合わせフォーム |
公式サイト | https://www.town.matsukawa.lg.jp/ |