宮崎県国富町の魅力！移住に役立つ暮らし・仕事・住まい情報を徹底解説

この記事では、地方移住を検討している方に向けて宮崎県国富町（くにとみちょう）を紹介します。

宮崎県のほぼ中央に位置する国富町は、本庄台地上を中心に古墳群が点在する歴史と自然が調和した町です。宮崎市まで車で約30分の好立地である一方、郊外には農地が広がり程よい地方暮らしが叶います。

また、宮崎市より地価が安く住まいの支援もあるため、住宅購入を検討しているファミリーや宮崎市のベッドタウンを探している若年世帯に人気です。

今回はインタビューをもとに、国富町の特徴を中心に仕事・住まいなどの移住に役立つ情報をお伝えします。

国富町の3つの特徴

国富町への移住を検討する上で、押さえておきたい特徴は以下の3つです。

• 宮崎市まで車で約30分。郊外は山・川の自然が溢れる
• 生ゴミを堆肥化。環境にやさしい取り組みを実現
• 古墳群が点在。世界的遺産が暮らしに溶け込む町

それぞれ詳しく解説します。

特徴1：宮崎市まで車で約30分。郊外は山・川の自然が溢れる

▲中心部を離れると田園地帯が広がりのんびりとした雰囲気が漂う

国富町は宮崎県のほぼ中央に位置しており、近隣地域へのアクセスが良好です。

隣接する宮崎市まで車で約30分で移動できるため、ショッピングや通勤の選択肢を広げられます。さらに、2019年には東九州自動車「国富SIC」が完成し、南側の都城市や県最南端の串間市へのアクセスも容易になりました。

▲町民のお出かけ・通勤手段に使われている東九州自動車「国富SIC」

町の中心部は商業施設や病院、学校がそろい都市的な雰囲気がある一方、郊外は農地が広がります。野生動植物が生息する「式部岳」や、登山が楽しめる「釈迦ヶ岳」が連なる自然豊かな環境です。

宮崎市に近い好立地でありながら自然もあるため、理想のライフスタイルに合わせて住むエリアを選べます。

特徴2：生ゴミを堆肥化。環境にやさしい取り組みを実現

▲生ごみの堆肥化を実現したクリーンセンター

国富町は千切り大根の産地として知られています。九州山脈から吹きつける冬の冷風を受けた千切り大根は旨味があり、町の特産品として人気です。

その他、ピーマンやきゅうりの野菜農家や宮崎牛の畜産農家などの農業も盛んなため、国富町では畜糞と生ごみの堆肥化に取り組んできました。

そこで、1985年にクリーンセンターを設置し、農家から出た畜糞と一般家庭の生ごみを堆肥化する循環型システムを導入。これにより、農業基盤となる土づくり・畜産公害解消・生ごみのリサイクル化が実現しました。

▲クリーンセンター内の堆肥置き場

▲クリーンセンター内にある堆肥保管所。堆肥を切り返して保存している

▲クリーンセンターで袋詰めされた堆肥

完成した堆肥は町内の農地や花壇に使われている他、家庭菜園用としても販売しています。

【完成した「国富堆肥」】

特徴3：古墳群が点在。世界的遺産が暮らしに溶け込む町

▲町並みに点在する「上長塚（かみながつか）」。正式名称は「本庄古墳群三十七号墳」

国富町は古墳群が点在している町で、自然と世界的遺産が調和した珍しい風景が広がります。

市街地の本庄台地上を中心に東西にかけて分布する本庄古墳群は、前方後円墳17基・円墳37基など総計57基が国史跡に指定されています。4世紀後半〜6世紀頃の古墳とされ、「本庄四十八塚」と呼ばれ親しまれてきました。

墳丘の上に鎮座する「本庄稲荷神社」もまた、国富屈指の歴史スポットです。

古墳時代よりさらに歴史が深く景行天皇の時代からあるとされている由緒ある神社で、神武天皇の兄にあたる稲飯命や景行天皇の妃御刀媛（みはかしひめ）の陵とも言われています。

▲通称「剣柄（けんのつか）稲荷」と呼ばれている「本庄稲荷神社」

一般住宅や学校などの敷地に県・町指定の古墳群がある町は全国でも希少です。歴史や文化に興味のある方はもちろん、穏やかな雰囲気のまちを求める方にも向いています。

国富町の暮らしに関する情報

ここでは、国富町の基本情報と仕事・住居などの移住生活に役立つ情報をまとめました。「国富町にはどのくらい商業施設がある？」「国富町の仕事選びのコツを知りたい」などの疑問を解決しましょう。

気候	1月平均気温：7.8℃ 8月平均気温：27.6℃ ※参考：気象庁
人口	人口：17,695人 世帯数：7,469戸 （2024年1月1日時点）
医療機関	15院（うち、総合病院2件）
学校	・保育施設：9園 ・小学校：4校 ・中学校：3校 ・高校：1校
イベント	2月：法華嶽薬師寺大祭 3月：本庄稲荷神社初午大祭 4月：ホッケストック・ミュージックフェスティバル 8月：本庄稲荷神社夏祭り 10月：総合町民祭 12月：真冬のたなばた　など
交通	【電車】※町内に駅がないため最寄り駅を記載 ・JR日豊本線「宮崎神宮駅」 【バス】 ・宮崎交通 【車】 ・高速道路：東九州自動車道「国富SIC」（約10分）
近隣地域	宮崎市、西都市、新富町、綾町、西米良村

※2024年1月現在

国富町は各種施設が充実していて生活に困りません。スーパーやホームセンターなどの商業施設の他、医療機関はクリニックに加えて大きな病院が2院あります。

教育機関も保育園から高校までそろい、子育てがしやすい環境です。大型スーパーや産婦人科はないものの、車があれば足りない分は宮崎市で補えます。

また、国富町の特産品であり冬の風物詩と言えば、「せんぎり大根」が有名です。九州山脈から吹き降ろす風により自然乾燥された大根は、風味を損なわず旨味たっぷりに仕上がります。

▲国富町の冬の風物詩「せんぎり大根」。毎年11月下旬～2月頃にかけて見られる光景

【レジャー】遊び方無限大！！イベント満載の法華嶽公園

▲さまざまなレジャーが楽しめる町民憩いの場「法華嶽公園」

子どもの遊び場は、町内随一の広さを誇る「法華嶽公園」が人気です。芝の上を滑るグラススキーやキャンプ、水遊びなど存分にアウトドアを堪能できます。

▲法華嶽公園内にある国内有数のグラススキー場。最長直線距離は510m！

週末には各種イベントが開催され、中でも『ホケダケマルシェ』が好評です。特産品の販売をはじめ、グルメや占い・体験などが楽しめるとあり多くの人で賑わいます。

▲『ホケダケマルシェ』では町内外から来場者が訪れて賑わいを見せる

▲郷土玩具の「うずら車」なども販売。かわいらしい表情は一つひとつ違う唯一無二の一品

その他、毎年4月には恒例の音楽フェス『ホッケストックミュージックフェスティバル』が行われ、全国各地のミュージシャンが多彩な音楽を披露します。

▲春はこども広場や芝生広場、ドッグランに桜が咲き誇り花見も楽しめる

【教育】地元出身の有名シェフとコラボスイーツを開発

▲高校生と有名シェフがコラボ開発した「国富ロール」は国富町の新名物に！

豊富な農作物が採れる国富町では、食育の一環として小・中学校では育苗体験、高校では野菜の栽培に加え、収穫した野菜の販売も行っています。

▲小学校の食育風景。宮崎県産ピーマン「グリーンザウルス 」と一緒に地産地消を学ぶ

▲JA青年部の方から農作物の栽培方法を真剣に学ぶ子どもたち

2023年には国富町出身の有名シェフ監修のもと、地域のスイーツ店とコラボし、「国富ロール」を開発しました。町内産のブルーベリーと竹炭を使った真っ黒なロールケーキは見た目のインパクト大！

開発には地元高校伝統のレシピを使用、パッケージデザインは町に伝わる和泉式部伝説をモチーフにするなど、まさに「国富」づくしの「ロール」ケーキです。ふるさと納税の返礼品としても提供しており、国富町の新名物として好評です。

このように、国富町では食材豊かな地域ならではの体験授業が受けられます。

【仕事】宮崎市が通勤圏内。3年間150万円の就農支援も用意

国富町は近隣市町村へのアクセスが良いため、町外へ通勤する方も多くいます。宮崎市へ通勤し、生活拠点は自然豊かな国富町を選ぶという移住ケースも少なくありません。

▼大手求人サイトに掲載されている正社員求人数

国富町	約230件　※求人一例
宮崎市	約8,800件　※求人一例

※縁結び大学調べ（2024年1月現在）

町内の求人は製造業が充実しています。田尻地区には工業系施設を多く保有する「田尻工業団地」や単一工場があり、電子部品の大手企業や地場食品メーカーなど多彩な企業が集結しています。

また、町内には特産品の千切り大根以外の生産以外にも、ピーマンやきゅうり、富有柿などの農業が盛んです。移住を機に農業へ挑戦したい方は新規就農支援を利用しましょう。

経営開始資金	49歳以下を対象に経営支援金を給付 ・交付金：150万円/年（3年間）

【住まい】購入・賃貸助成あり。定住促進住宅は月額18,000円〜

国富町は宮崎市のベッドタウンとしても選ばれています。

宮崎市と比較すると地価が安く、広い家を持ちたいファミリーや家庭菜園を楽しみたい方などを中心に住宅購入を希望する移住者も珍しくありません。

▼大手不動産サイトによる「住宅・戸建て価格相場 最新データ（2023年）」

国富町	4.7万円／坪
宮崎市	29.9万円／坪

※参考：アセットロケット 不動産価格相場（2023年）

公式：国富町空き家バンク「空き家情報一覧」

賃貸物件は民間のアパート・マンションに加え、公営住宅と定住促進住宅もあり比較的自由に住まいが選べます。

民間賃貸物件	約40件　※物件一覧（大手不動産サイト）
町営住宅	各地区8団地
定住促進住宅「サンコーポラス国富」	2棟　80戸　5階建て

※縁結び大学調べ（2024年1月現在）

定住促進住宅「サンコーポラス国富」は月額家賃26,000円から入居可能です。さらに、満18歳未満の同居者一人につき4,000円、2人以上で8,000円減免されるため、ファミリーにもおすすめです。

若年世帯を対象に住宅支援「働く若者定住促進奨励金」も設けているので、併せて利用しましょう。

▼「働く若者定住促進奨励金」概要

働く若者新築等住宅取得支援事業	住宅購入時に補助金を給付 ・対象：18歳〜49歳 ・金額：最大100万円 ・給付：現金1/2、国富町商工会共通商品券1/2
働く若者移住定住促進家賃支援事業	民間賃貸住宅の家賃を一部を補助 ・対象：18歳〜34歳 ・金額：5万円/年（3年間で15万円） ・給付：全て国富町商工会共通商品券

受給条件などの詳細は下記よりご確認ください。

公式：国富町「働く若者定住促進奨励金」

国富町へ移住した人の体験談

ここでは、実際に国富町へ移住した方の声を一部紹介します。

• 国富町は本庄川などの豊かな水源があり、水がとても清らかでおいしく感じます。
• 生ゴミを堆肥として再利用する意識の高さに驚きました。我が家の家庭菜園でも堆肥を活用しています。
• 地域の方が温かくフレンドリーです。移住前に地域の不動産業者が熱心に物件探しをしてくれて助かりました。

国富町は宮崎市が近くにありながら自然に恵まれているため、ほどよい地方暮らしができる点に魅力を感じている方が多い印象です。

また、積極的に話しかけてくれる気さくな雰囲気も移住者を惹きつける理由だと分かりました。

国富町への移住準備で利用したい支援・窓口

▲移住・定住の相談は企画政策係へ

最後に、国富町への移住準備として活用したい「お試し移住体験」と移住相談窓口を紹介します。移住前に気になる点を解消し、理想のライフスタイルを実現しましょう。

フリープラン「くにとみぐらし（仮）～お試し移住体験～」

▲移住体験お試し住宅「ほけだけパークハウス 八町坂」

国富町では2023年から移住希望者を対象に、移住体験「くにとみぐらし（仮）～お試し移住体験～」を開始しました。移住体験ができる宿泊施設「ほけだけパークハウス 八町坂」も利用可能です。

年中問わず利用可能で完全フリープランのため、自分のペースで町内散策をしたり気になるお店を覗いたりできます。心ゆくままにリアルな国富町の暮らしを堪能しましょう。

▼「くにとみぐらし（仮）～お試し移住体験～」

実施期間	年中可能（宿泊は最大3泊）
宿泊施設	ほけだけパークハウス 八町坂
宿泊料金	1泊1,000円/人
食事	朝食無料・夕食1,500円/人

また、オーダーメイドツアーにも対応しています。「新築購入を検討している」「各エリアの特徴を知りたい」などの要望がある際は問い合わせの際に伝えましょう。移住体験後に資料を送付してもらうことも可能です。

国富町への移住に関するお問い合わせ

▲移住・定住を担当する企画政策係の方々（左：河野さん・右：三角さん）

国富町では移住専門の相談窓口を開設してます。

フランクで明るいスタッフの方々が親身になって相談に乗ってくれます。移住に関する不安や支援制度の疑問などがあればぜひ相談してみましょう。

▲三角さんとともに移住相談を担当している河野さん。明るく話しやすい雰囲気が伝わります

担当課	企画政策課
住所	〒880-1192 宮崎県東諸県郡国富町大字本庄4800
電話番号	0985-75-3126（直通）
対応時間	08:15〜17:00 ※土・日曜、祝日、年末年始を除く
公式サイト	https://www.town.kunitomi.miyazaki.jp/