福島県葛尾村への移住!充実の子育て支援と密なコミュニティが魅力
この記事では、自然が豊かな地方への移住を検討している人に向けて、福島県葛尾村(かつらおむら)で暮らす魅力や仕事・住宅事情などをご紹介します。
葛尾村は森林に囲まれたのどかな地域なので、のびのびと子育てをすることができます。近年は若い移住者も増えており、人との関わりの中で新しいことにチャレンジしやすい雰囲気もあります。
今回は一般社団法人「葛尾むらづくり公社」が運営する、葛尾村移住・定住支援センターに務める山口さんに、村の特色や実際の生活について聞いてきました。
葛尾村の3つの魅力:豊かな自然・充実の子育て環境・密なコミュニティ
葛尾村は阿武隈高地にあり、中心部の標高が350メートルほどの中山間地です。
寒暖差が激しいため、四季がはっきりとしており、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪と四季折々、さまざまな景色を楽しむことができます。時に氷点下10度以下まで冷え込む冬の気候を生かした伝統食・凍み餅をはじめ、エゴマやそばなどが有名です。
東日本大震災の際には全村避難となり、一時は人がいなくなったこともありましたが、それがむしろ新しいことにチャレンジしやすい環境を生んでいるのだといいます。
子供の数自体は少ないものの、豊かな自然があったり、教育支援が充実していたりと、子育て世帯や若者に注目されている村なのです。
それでは葛尾村の特徴について、順に詳しく見ていきましょう。
特徴1:四季折々の景色が楽しめる森林豊かな高原の村
葛尾村の8割強を森林が占めています。高原であるため緑が多く、空気も美しいですよ。田園風景にも癒やされます。
中でも阿武隈高原中部県立自然公園に含まれる日山(天王山)は、山頂の広場に咲くツツジがきれいで、村民の憩いの場になっているのだといいます。
▲6月の第1日曜日には、日山の山頂で山開きのイベントが行われる
▲自転車レース「ツール・ド・かつらお」では、葛尾村の自然を味わいながら走ることができる
とにかく自然が豊かなので、日々の散歩やサイクリングなど、いろんな楽しみ方ができるまちです。
特徴2:少人数制と充実した支援で実現する理想の子育て環境
葛尾村では現在(2023年2月時点)、小学校から中学校にかけて10数人の子供が暮らしています。教師が一人ひとりに割ける時間が長いため、充実した教育を受けられる環境だといえるでしょう。
助成の面では、国の「児童手当」に加えて、15歳まで月に2万円が支給される「葛尾村みらい子ども助成金交付事業」があります。また塾、スイミングスクール費用などの助成もあります。
子供の遊び場については「復興交流館あぜりあ」に大型の遊具が設置されています。近くには遊歩道があって、川遊びができる場所もありますよ。
また「もりもりランドかつらお」など、雪のないシーズンにキャンプを楽しめる施設もあるので、家族での遊びの幅が広がります。
自然の中で子育てをしたい家族におすすめの村です。
特徴3:新しい挑戦を後押しする密なコミュニティ
▲秋の葛尾村で開かれる一大イベント「葛尾感謝祭」では1500食分の大鍋豚汁が振る舞われる
葛尾村へ移住した人の中には、住民の人柄やコミュニケーションに魅力を感じる人も多いようです。
実際に暮らしているのは500人ほどで、人と人との距離が近く、移住して1年も経つと村の約半数の人と面識ができるといいます。
最近は若い移住者も増えてきており、村を盛り上げようという雰囲気があるようです。自然に囲まれた環境で新しいことを始めたい人にぴったりの場所ではないでしょうか。
一緒になって村を盛り上げてくれる方に、ぜひ来ていただきたいですね。交流の場としては「復興交流館あぜりあ」が活用されています。
葛尾村の暮らし:気候・交通・医療など基本情報
それでは次に、葛尾村での実際の暮らしをイメージするために、生活に関わる情報について見ていきましょう。
気候 | 8月平均気温:23.1度 1月平均気温:-0.5度 ※参考:気象庁。葛尾村内に観測地点がないため、直近の船引地点を参照 |
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人口 |
人口:1,305人 |
病院 | 病院・クリニック:1 歯科:1 |
学校 | 幼稚園1、小学校1、中学校1 |
食べ物 | 凍み餅、米、羊肉、じゅうねん(エゴマ)、蕎麦、しいたけ |
交通 | 【鉄道】 村内に鉄道路線なし 最寄り駅は、JR東日本磐越東線船引駅(田村市) ※葛尾村からバスで50分、車・タクシーで35分 【バス】 福島交通 【高速道路】 村内に高速道路なし ・常磐自動車道「浪江IC」から15.8キロメートル ・常磐自動車道「南相馬IC」から21.9キロメートル ・磐越自動車道「船引三春IC」から22.2キロメートル 【道路】 ・国道399号 ・福島県道50号浪江三春線 ・福島県道154号常葉野川線 ・福島県道253号落合浪江線 |
娯楽 | 県立公園日山(天王山)、県立公園五十人山、葛尾川・高瀬川渓流 |
近隣都市 | 田村市、二本松市、浪江町 |
葛尾村の冬は長く、10月ごろから冷え込みが強くなり、年末あたりには雪が積もり始めます。雪は20センチほど積もるため、特に朝晩は凍結・アイスバーンに気をつける必要があります。
村には食堂やコンビニに近い商店はあるものの、スーパーやホームセンターがないため、車で20分ほどかけて隣の田村市へ買い物に行く人が多いようです。
その中で「復興交流館あぜりあ」では、冬以外の季節には安価で野菜の直販をしています。そのため、肉だけまとめ買いして冷凍しておけば、あまり困ることはないのだといいます。
▲野菜の直売が行われる「復興交流館あぜりあ」は、イベントスペースとしても活用されている
冬の灯油代、車のガソリン代などはかかりますが、トータルの生活費は都会に比べて安く抑えられますよ。
仕事事情:地元での就職機会と起業支援
大手の求人情報サイトで葛尾村の正社員求人を検索したところ、約50件が見つかりました。
※参考:求人情報の一例
事務職や工場・建設関係が多いようです。選びすぎなければ仕事自体はあると言えるでしょう。
なお畜産業については補助金の出る支援事業があります。詳しくは公式の移住サイト「こんにちはかつらお」をご覧ください。
住まい選び:村営住宅と充実の住宅取得支援制度
▲葛尾村の「お試し住宅」は新築で過ごしやすい
大手の賃貸情報サイトには、葛尾村の物件が掲載されていませんでした。
このように住宅の確保が難しい状況があるため、村営住宅が50戸ほど整備されているようです。また公式の空き家バンクには、数件の物件が出ていました。
このほか、2泊3日から29泊30日まで利用できる「お試し住宅」もあります。日用品もそろった5LDKの広々とした一軒家を、1日あたり1000円(インターネット利用料、光熱費込み)/1人で利用できますよ。
▲お試し住宅には、家具・家電やWi-Fiが完備されている
葛尾村で利用できる住宅についての詳細は、下記の公式サイトをご確認ください。
また葛尾村で住宅を取得する場合には、以下のような支援を受けることが可能です。
概要 | |
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「来て かつらお」 住宅取得支援事業 |
県外からの移住者の住宅取得支援。最大100万円(県も同額上乗せし、計最大200万円) |
葛尾村移住促進 空き家活用補助金 |
「葛尾村空き地・空き家バンク」に登録されている空き家を購入、もしくは賃貸し、業者に請け負わせて改修(増改築は除く)する費用等の支援。最大250万円 |
詳しくは下記の公式サイトをご確認ください。
葛尾村移住者の声:自然と人のつながりを楽しむ暮らし
ではここで、実際に葛尾村へ移住した人たちの体験談・声を聞いてみましょう。
- 自然に囲まれてゆったりと暮らすという、長年の夢が叶いました。
- もちろん都会のライフスタイルとは全然違うけれど、その代わりに自分で楽しみを見つけたり、生み出したりすることが増えました。
- 人との距離感が近いので、やりたいと思ったことはサポートしてもらえることが多いです。人と関わることが好きな人に特におすすめです。
- 余計なものがないからか、季節の移ろいに気づけて、そこに幸せを感じるようになりました。
- 子育てをしていると、豊かな自然環境があるこよ、家賃・生活費が抑えられることはありがたいですね。
- 村の皆さんが自分の子や孫のように可愛がってくれて、一緒に育ててくれているように感じます。
葛尾村へ移住した人たちは、自然の中で四季を感じながらのびのびと暮らし、人間関係も楽しんでいる印象でした。
互いに支え合い、応援するような雰囲気があることから、子育てや新しいことを始めるのにもぴったりな環境だと感じているようです。
葛尾村移住への具体的ステップ:支援制度の活用方法
葛尾村へ移住するにあたって就業・起業する場合には「福島県12市町村移住支援金」を利用することができます。世帯なら最大200万円、単身なら最大120万円が補助されますよ。
また移住の下見をする際には「ふくしま移住希望者支援交通費補助金」を利用できます。1年度1人につき1回限りですが、往復交通費と基準額が支給されますので、ぜひ検討してみてください。
いずれも詳細については、下記の公式サイトからご確認ください。
葛尾村移住相談窓口:ワンストップで相談できる支援体制
葛尾村への移住に関しては、葛尾村からの委託を受けた一般社団法人葛尾むらづくり公社が運営している「葛尾村移住・定住支援センター」までお問い合わせください。
本格的に移住を検討されているのなら、冬の時期に来てみてください。のんびり観光したいなら、春から夏には紅葉など自然の彩りを楽しめますよ。
担当 | 葛尾村移住・定住支援センター (一般社団法人葛尾むらづくり公社) |
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住所 | 〒979-1602 福島県双葉郡葛尾村大字落合字落合20番地1 |
電話番号 | 0240-23-7727 |
対応時間 | 9:00〜17:00 ※月曜日定休(年末年始休み) |
公式サイト | https://konnichiwa-katsurao.jp/ |