富山県上市町で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報

この記事では、地方への移住を検討している方のために、富山県上市町(かみいちまち)の魅力を紹介していきます。

上市町は富山県の中心部からやや東寄りに位置する人口約19,000人の町です。映画『おおかみこどもの雨と雪』の舞台モデルとなった地域で、面積の8割を森林が占め、立山連峰の一つ剱岳(つるぎだけ)が町の東部に位置しています。

富山市までは車・電車ともに30分足らずで行けるため、通勤や通学に不便することもありませんし、日常的に買い物をしたりや映画を見に行ったりすることもできますよ。

このような特徴を持つ上市町での暮らしはどんなものか、移住に関してはどのような支援を行っているのかなど、町役場の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。

富山県上市町の盛一さん

富山県上市町の暮らし、3つの特徴

富山県上市町・暮らしの特徴

澄んだ空気や綺麗な水が自慢なのが、今回紹介する上市町です。美味しい野菜や山菜を育む土壌があり、豊かな自然の恩恵を受けることができます。

海には面していませんが、富山湾に位置する漁港まで車で20分ほどで行くことができるため、スーパーには朝獲れの新鮮な魚介類も並ぶという恵まれた地域です。

そんな上市町への移住は、次のような方におすすめです。

  • 都会へもアクセスしやすい田舎暮らしがしたいと考えている方
  • 週末は山登りや森林浴、トレッキングなど自然の中で過ごしたい方
  • 地域として子育てを支援してほしい方

ここから、上市町の魅力や特色について掘り下げていきたいと思います。

特徴1:富山市までのアクセスが良好!通勤・通学も買い物も便利

上市町の中心部から富山市までは、車で30分ほどで行くことができます。電車の場合も、富山地方鉄道を利用し、上市駅から25分程度で電鉄富山駅に到着できます。そのため、上市町から富山市内に通勤・通学をする方も多いようです。

移住者の中には、もともと富山県内の別の市町村に住んでいたものの、自然や田舎暮らしを求めて上市町へ移住した人もいるそうですよ。

上市町から近隣の主要都市および東京までの所要時間は、以下のようになっています。

主要都市 所要時間
富山市 車:上市町の中心部から約30分
電車:上市駅から富山地方鉄道で富山駅まで約25分
金沢市 車:上市スマートICから北陸道を経由し、金沢東ICまで約40分
電車:上市駅から富山地方鉄道で富山駅まで約25分、富山駅から北陸新幹線で約20分
東京 電車:上市駅から富山地方鉄道で富山駅まで約25分、富山駅から北陸新幹線で約2時間10分

富山空港までは北陸自動車道を利用することで、こちらも車で20分ほどで行くことができます。中心地には上市スマートICがあるため、町内から高速道路へのアクセスも良好です。

田舎暮らしを実現させながらも、大きな買い物は富山市へ行けば事足ります。各主要都市へも富山市を起点に行くことができるので、移動・生活共に利便性が高い地域と言えるでしょう。

特徴2:日常生活に必要な施設がまとまっている

コンパクトなまちであることがわかる上市町中心地の様子
▲中心部に教育、行政、交通、金融全てが揃っている ※上市町移住・定住ポータルサイトより引用

富山市までの近さはもちろんのこと、町の中心部から半径1km以内に主要な施設が密集しているのが上市町の大きな特徴です。

たとえば、駅の近くにはかみいち総合病院がありますし、小中高の学校もあります。また、ショッピングタウンパルなどの比較的大きいスーパーマーケットやドラッグストア、金融機関も中心部にそろっているんです。

「地方に移住すると、日常の用事でいろいろな方面に移動する必要があるかも」と考えている方もいらっしゃると思いますが、上市町であればそんな心配は不要といえそうです。

特徴3:剱岳が身近にある生活。週末には森の散策も可能

眼目山立山寺(がんもくざんりゅうせんじ)の栂並木(とがなみき)
▲眼目山立山寺(がんもくざんりゅうせんじ)にある約300mの栂(とが)並木は森林浴で人気

自然のアクティビティというと、剱岳が真っ先に浮かんできそうですが、初心者にはいささか難易度が高い山です。本格的な登山とまではいかなくても、トレッキングを楽しみたいという方向けに、トレッキングルートがいくつも整備されています。

>>かみいちトレッキングコースの紹介ページはこちら

また、標高446.5mの城ヶ平山遊歩道の山頂からは360°パノラマの景色を楽しむことができます。毛勝山、剱岳、大日岳に加え、富山湾を見渡せますよ。

>>城ヶ平山遊歩道の紹介ページはこちら

ちょっとした自然のアクティビティを気軽に楽しみたい方も、ご安心ください。上市町にあるのは剱岳だけではありません。例えば、眼目山立山寺の樹齢400年を誇る栂(とが)並木道があります。市内から車で10分程度で行くことができ、散歩をしながら森林浴を楽しむことができますよ。

また、面積の多くを森が占める上市町では、3つの森林セラピーロードを定めています。眼目山立山寺のある眼目エリアに、大岩山日石寺(おおいわさんにっせきじ)のある大岩エリア、そして中山がありトレッキングも楽しめる馬場島エリアです。

市内から一番遠い馬場島エリアでも車で45分程度で行くことができるため、週末に森を散策して身も心もリフレッシュすることができますよ

>>上市町の森林セラピーの紹介ページはこちら

おおかみこどもと花の家

中心部から車で約15分ほど走ると、映画「おおかみこどもの雨と雪」の舞台モデルになった古民家に行くこともできます。

森に囲まれたこの建物は、もともとハイカーやピクニック散策を楽しむ方の憩いの場として親しまれていました。映画の舞台となった後は、サポーターによって管理されており、9時から17時まで無料で見学することができます。

>>「おおかみこどもと花の家」の紹介ページはこちら

特徴4:出産から子育てまで、ライフステージに合わせた手厚い支援

あさひの郷公園のふわふわドーム
▲「水と緑」をテーマにしたあさひの郷公園にあるふわふわドームは子どもたちに人気

上市町では、ライフステージに合わせた各種子育て支援制度を設けています。例えば、出産時の支援としては、「妊婦インフルエンザ予防接種」「はぐはぐ面談(子育て包括支援センター)」「出産祝金」などが設けられています。

妊婦インフルエンザ予防接種 妊婦のインフルエンザワクチン接種にかかる費用を全額補助
はぐはぐ面談(子育て包括支援センター) 妊娠中期から後期にかけて助産師と個別面談をすることができる。妊婦だけでなく家族も参加可能で、出産前の不安ごとの解消を目的としている
出産祝金 第3子以降の出生児童の保護者を対象に、第3子の出産に50,000円、第4子以降の出産に100,000円の祝金を交付している

その他にも、不妊・不育症にかかわる費用の助成や、妊産婦の医療費の助成、産後5ヶ月未満の母子を対象とした相談・母乳指導などの産後ケアも行っています。出産前からも安心して過ごせるよう、町としてサポートしてくれているんです。

子育て支援教室の様子
▲乳幼児をもつ母親同士の交流・相談の場として開催されている子育て支援教室の様子

出産後も、上市町の手厚いサポートは続きます。

乳児おむつ購入助成券 乳児1人につき、20,000円(500円×40枚)のおむつ購入助成券を贈呈。町内の7店舗で使うことができる
ベビーシッター利用助成 保育所や一時預かり保育が利用できない夜間や日曜・祝日を対象に、未就学児のベビーシッター利用料の1/2を助成(児童1人につき年間上限額は12,000円)
新生児聴覚検査費用助成事業 新生児聴覚検査における初回検査費用を全額助成
子育て短期支援事業 保護者が疾病や仕事などの都合により、児童を養育することが困難となった場合、一時的に児童福祉施設で滞在させることができる

その他、子育てに関する教室や相談会の実施、親・子・孫など三世代以上の直系親族で構成された同居世帯への給付金の支給、インフルエンザ予防接種費の助成などのサポートも行っています。

義務教育や大学への進学など、子どもが大きくなった段階でのサポートとして、悩み事相談窓口の設置、最長10年間で最大100万円補助する奨学金返済支援もあります。

ここで書き切れないほどさまざまな支援を行っているため、自分や家族のライフステージに応じた支援事業を活用するようにしてくださいね。

>>ライフステージ別上市町の支援制度紹介ページはこちら

上市町の暮らしに関する情報

大岩山日石寺の本尊である不動明王像
▲大岩山日石寺の本尊である岩に掘りだされた不動明王像は大きさも表情も迫力満点

ここからは上市町での生活に関する情報を、データとともに紹介します。

気候

・夏の最高気温平均値(8月):32.4℃
・冬の最低気温平均値(2月):-0.4℃
 ※2022年気象庁の富山市データより
・上市町の街中の気温は、隣接する富山市とほぼ同程度で、夏は湿度が高く暑いが、冬は寒く雪が降り曇天が多い

人口 19,320人(7,733世帯)※令和4年11月1日現在
病院 クリニック含め、町内には14の医療機関がある。町の中心部には「かみいち総合病院」がある
学校 保育園8園(町立2、民間6)、認定こども園2園、小学校6校、中学校1校、高等学校1校
文化・芸術 ・大岩滝開き・そうめん山菜祭り:毎年7月の初旬に大岩山日石寺で行われる健康・修行の安全・地域の商売繁盛を願う行事。希望者は滝修行に挑むこともできる
・ふるさと観光上市まつり:毎年8月に行われる夏祭りイベント。お盆の迎え火として灯される「精霊やぐらやき」は高さ約10m以上もあり迫力満点
・剱岳雪のフェスティバル:毎年2月初旬に行われる屋台ブースを中心としたイベント。名物は「くま鍋」
・その他、地域の食材を楽しむ「つるぎ山菜まつり」や「つるぎ特産フェスティバル」など、食を軸にしたイベントも開催されている
観光スポット ・剱岳:標高2,999mの北アルプスの山。日本では珍しい氷河が現存する山であり、登山の難易度は高い。ライチョウが生息している
・大岩山日石寺:真言密宗の大本山であり、本尊の不動明王像は高さ3.46mの国指定重要文化財
・ふるさと剱親自然公園:森林と湖を有する自然公園。キャンプやBBQを楽しむこともできる
・古民家「花の家」:映画「おおかみこどもの雨と雪」の舞台となった。朝9時~17時まで無料で入ることができる
食べ物 アルプス米、さといも、しろねぎ、つるぎりんご、酢ずいき(さといもの茎を酢漬けにしたもの)、しょうが
交通 ・鉄道:富山地方鉄道本線(上市駅・新宮川駅・相ノ木駅・新相ノ木駅)
・バス:上市町地域コミュニティバス
・道路:北陸自動車道(上市スマートIC)
近隣都市 富山市、滑川市、魚津市、黒部市、中新川郡立山町、舟橋村

【仕事】富山市までの通勤も視野に入れると、求人の選択肢は多い

大手求人サイトで「上市町×正社員」で検索したところ、約1,500件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏(上市町から15km以内)として近隣市を含め検索すると、結果は約46,000件まで広がります。富山市まで車・電車ともに30分ほどで行けることもあり、富山市内で働いている人も多いようです。
※縁結び大学独自調べ(2022年10月時点)

上市町で働いている人の様子を知りたい時は、「はたらくらすコネクションin上市」もチェックしてみてください。企業へのインタビューや働いている人の声が掲載されており、上市町で働くことをイメージできるかもしれません。

>>「はたらくらすコネクションin上市」はこちら

店舗を構えるなら活用したい3つの起業支援

上市町は、町内で店舗を開く際に使える支援事業も行っています。それぞれの支援制度には要件が定められているので、詳しくは概要を確認してくださいね。

上市町創業等支援事業 創業支援機関の伴走支援により作成した事業計画で、町内にて起業した人を対象に、店舗の改装費や広告宣伝費、備品購入費を補助
上市町空き店舗活用等地域活性化事業 上市町商工会が認定した事業計画に基づき、中心市街地に位置する空き店舗等を活用した小売業、飲食業、サービス業その他これらに類する事業の出店に対し、店舗改修に係る経費や賃借料を補助
上市町チャレンジショップ事業 町長が指定するテナント型店舗を活用し出店した場合、賃借料を補助

>>上市町創業等支援事業の紹介ページはこちら

>>上市町空き店舗活用等地域活性化事業の紹介ページはこちら

>>上市町チャレンジショップ事業の紹介ページはこちら

【住まい】空家バンクや各種支援制度が充実!

大手賃貸サイトで上市町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは約60件見つかりました。家賃平均は約5万円で、ファミリー向けの物件が多く、単身向けの物件が少ない傾向のようです。
※縁結び大学独自調べ(2022年11月現在)

全国的にも珍しい取り組み。0円空家バンク

全国的に取り組まれている空家バンク制度。その中でも上市町では通常の制度と「0円空家バンク」制度(空家解消特別推進制度)の2つに取り組んでいます。

「0円空家バンク」ではその名の通り、空家を譲りたい提供者と費用負担を抑えたい希望者をマッチングさせるための情報を提供し、家賃費用0円でのマッチングを実現させています。これは全国的にも珍しい取り組みです。実際、物件の登録があると、1か月以内に内覧、マッチングが成立しているそうですよ。

空き家の提供者には相続手続きや不用品処分を支援するために上限各5万円、住宅取得者には取得及び居住開始に要する経費として定額50万円も補助しています。

移住となれば、引っ越し代などお金が必要になる場面が多いですが、土地・建物が0円で手に入り、かつ経費の補助が受けられるという、かなりお得な制度なんです。人気が高いので、ぜひ定期的にページを見るようにしてくださいね。

>>「上市町0円空家バンク」の紹介ページはこちら

住宅取得に関する支援制度も充実

その他にも、上市町では「住宅」に関する支援制度を実施しています。

特におすすめしたいのが、「若年世帯定住促進事業」です。これは、満年齢が夫婦合わせて80歳未満の世帯もしくは世帯主が40歳未満で配偶者のいない世帯を対象とし、住宅を新築・増築・改築又は購入する際に、転入世帯に対し80~100万円を助成する制度です。

また、補助金交付申請時、世帯の構成員の中に中学生以下の子供がいる場合は20万円/人を加算、住宅の新築・取得時に太陽光発電システムを設置した場合、最大25万円が加算されます。

加えて下記のような支援制度もあるので、合わせてチェックしてみてくださいね。

定住促進住宅の提供 所得制限を設けず、若年単身者でも入居可能な低家賃の住宅を提供。2DKで25,000円、3DKで32,000円程度
県外転入者空家改修事業 県外からの転入者かつ古民家を改修して住む者を対象とし、最大100万円を交付

若年世帯定住促進事業の紹介ページはこちら

定住促進住宅の提供の紹介ページはこちら

県外転入者空家改修事業の紹介ページはこちら

富山県上市町に暮らす先輩移住者の声

富山県上市町・移住者の声

ここでは、上市町への移住を決めた先輩移住者の声をいくつか紹介します。

  • 土地が安かったのは移住を決めた大きなポイントのひとつ
  • 町民、行政、企業の距離が近く、みんなでまちづくりに関わっている実感が持てる
  • 普段の暮らしではなかなか感じられない季節のうつろいを五感で感じることができる
  • 土地が広いため、家庭菜園をすることができる。子どもと一緒に季節の野菜を育て、収穫できる喜びがある
  • 移住当時は知り合いがいなかったが、「若者が移住してきてくれるのは嬉しい」と地域の人から声をかけてもらえた
  • 都会で感じていた、常にお金を遣い続け、ものを消費し続ける生活への疑問。上市町へ移住して、保育の質が高いなど、ちょっとしたことでも地方での生活のよさに気づくことができた

上市町に移り住んできたことで気づいた「地域での生活の豊かさ」。人によってその良さは季節の移り変わりであったり、食の豊かさであったり、自然の身近さであったり、まちづくりへの積極性であったりと異なりますが、上市町で理想の暮らしを手に入れた移住者が多い印象を持ちました。

>>先輩移住者のインタビューはこちら

上市町への移住ステップ

上市町の移住・定住ポータル「かみスイッチ」では、上市町の紹介から、移住体験談、各種移住に関する支援制度など、ありとあらゆる情報を網羅しています。まずはここで情報収集するのが移住への第一歩です。

>>上市町移住・定住ポータル「かみスイッチ」はこちら

気軽な移住相談が可能。「WELKAMI」を活用しよう

WELKAMIのバナーイラスト
▲LINEオープンチャットを活用した「WELKAMI」 ※上市町移住・定住ポータルサイトより引用

上市町ではLINEを活用し、気軽にコミュニケーションが取れる上市町オンライン交流コミュニティ「WELKAMI」を運営しています。町民同士が匿名で交流やお悩み相談ができることを目的としていますが、個別に移住についての相談をすることも可能です。

スマホから隙間時間に手軽に相談することができるのは、心理的ハードルも低く、ありがたいですよね。

>>「WELKAMI」の紹介ページはこちら

上市暮らし体感インターンシップツアーに参加しよう

上市暮らし体感インターンシップツアーの様子

「上市町に行って、実際に町の雰囲気を知りたい!」。そう思った方にぴったりなのが、「上市暮らし体感インターンシップツアー」です。ツアー期間は最短1泊から最長3泊までで、「しごと型インターンシップ」と「ボランティア型インターンシップ」の2種類が用意されています。
※インターンシップツアーの募集期間は2023年1月31日までの予定です(2022年10月時点)。

「しごと型インターンシップ」では、実際に上市町の企業で働きながら現場の仕事を学ぶことができます。製造業から農業、広報まで、その時々によって選べるインターンシップの内容は異なるので、興味のある情報が出たら、ぜひ挑戦してみてくださいね。

「ボランティア型インターンシップ」では、まちづくりと地域課題解決を主軸に活動することになります。地域の人との関係性を作りたい方や、まちづくりに興味がある方におすすめです。

元料亭をリノベーションしたというゲストハウス松月
▲ゲストハウスを活用すれば、安価で滞在も可能

上市町内宿泊施設を利用すると、宿泊料金の半額、1泊3,000円を上限とした補助制度もあります。

>>上市暮らし体感インターンシップツアーの紹介ページはこちら

上市町への移住に関するお問い合わせ

上市町に興味を持った方は、上市町役場の企画課に問い合わせてみてくださいね。移住について、親身になって相談にのってくれますよ。

担当課 上市町役場 企画課
住所 〒930-0393
富山県中新川郡上市町法音寺1番地
電話番号 076-472-1111
公式サイト https://www.town.kamiichi.toyama.jp/