岩手県一戸町移住の魅力とは?豊かな自然と充実した支援制度を徹底解説
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「岩手県一戸町(いちのへまち)」での暮らしや移住情報をご紹介します。
岩手県内陸北部に位置する一戸町は、面積の約6割を山林・原野が占める高原のまちです。手つかずの自然風景を身近に堪能できるほか、農業にチャレンジしやすい環境も整っており、自然に囲まれて暮らしたい方や新規で農業を始めたい方などにおすすめですよ。
また、「子育て支援住宅家賃補助」といった子育て世帯向けの支援制度が充実している点も魅力的で、若い世代や子育て世帯の移住先としても注目を集めています。
今回は一戸町政策企画部 政策企画課の担当者さんにお話を伺いながら、一戸町での暮らし・仕事・住居・支援内容などを詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
一戸町の暮らしとは?主な4つの特徴をご紹介
標高1,018mの「西岳」や広大な牧草地が広がる「高森高原」などを有する、自然豊かな岩手県一戸町。道路交通網が充実していて近隣都市部へのアクセスに便利であるほか、東北・北海道新幹線の駅がある二戸市にも一戸町の中心部からは車で約20分とほど近く、首都圏への移動もしやすい環境です。
そんな一戸町には、主に次のような特徴があります。
具体的にどのような魅力があるのか、以下で詳しく見ていきましょう。
特徴1:身近に感じられる雄大な自然環境
一戸町は水と緑に囲まれたロケーションにあり、雄大な自然を身近に感じられることが大きな特徴です。「二ツ森」や「鳥越山」といった低山への登山や、馬淵川では鮎釣り、菜魚湖ではわかさぎ釣りなど、自然のアクティビティを気軽に楽しめます。
また、豊かな自然や夏でも涼しい高原特有の気候を生かし、町の南西部に位置する「奥中山高原」ではレタスやキャベツ、とうもろこしなどの生産が活発です。酪農も盛んで、生乳やヨーグルト、チーズといったフレッシュな地場産乳製品を日々の食卓で手軽に味わえます。
▲奥中山高原では酪農も盛ん
▲ジャージー種の生乳を80%以上使用したいわて奥中山高原ジャージーヨーグルト
▲一面に広がるレタス畑
一戸町は手つかずの大自然や地場産食材に恵まれており、自然やアウトドア好きな方、食に魅力がある土地への移住を希望する方などにおすすめです。
特徴2:世界遺産や文化財が点在する魅力的な観光スポット
世界遺産や指定文化財を含めて、魅力的な観光名所を数多く有していることも一戸町ならではの魅力です。
世界遺産に登録されている「御所野遺跡」は、縄文時代の環状集落遺跡です。土屋根の竪穴住居などが復元されているほか、隣接の博物館では出土した展示品を鑑賞できます。
公式:御所野遺跡
御所野遺跡を学区に含む一戸南小学校には、3年生から6年生の児童たちで構成された“御所野愛護少年団”があり、御所野遺跡の普及や保護を目的としたさまざまな活動を行っています。たとえば夏休みには、自分たちや先輩たちが調査した御所野遺跡の情報を伝える「子どもガイド活動」が実施され、訪れた方から大変評判です。
また、国指定文化財のひとつである「旧朴舘家住宅(きゅうほおのきだてけじゅうたく)」は県内最大規模の茅葺き民家で、幕末期における上層農家の暮らしぶりが忠実に示されています。
公式:旧朴舘家住宅
そのほかにも、明治45年創業の映画館である「萬代舘(ばんだいかん)」や国指定史跡の「奥州街道」など歴史あふれるスポットが多く、一戸町民の誇りとなっています。
▲昭和30年代映画ブームの時代の県内に唯一残る現役映画館として、平成28年に登録有形文化財に登録された「萬代舘」
▲山間に残る一戸町内の奥州街道には盛時のたたずまいが残る
特徴3:ウィンタースポーツと温泉を満喫できる環境
▲初級者から上級者まで楽しめる奥中山高原スキー場
▲ファミリーや初心者にも人気
一戸町には「奥中山高原スキー場」があり、良質なパウダースノーを味わいながらスキーやスノーボードなどのウィンタースポーツを堪能できます。多彩な11コースがあるほか、そりや雪遊びを楽しめる「OKUNAKAこどもらんど」やキッカー・レールなどを備えたスノーパークも整備されている大人気のスキー場です。
公式:奥中山高原スキー場
また、町内には日帰りで楽しめる温泉施設も多く点在しており、町民の憩いの場となっています。
住むエリアによっては「仕事帰りにスキーやスノーボードを満喫し、温泉で温まってから帰宅」といった過ごし方も叶いますよ。
特徴4:充実した子育て支援と教育環境
一戸町には手厚い子育て支援制度が整備されており、ゆとりを持って育児に臨める点もおすすめポイントです。具体的な子育て支援内容については以下をご確認ください。
子ども医療費助成 | 高校生までの医療費を全額助成 |
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一戸町子育て支援民間賃貸住宅家賃補助事業 | 新たに町内の子育て認定賃貸住宅(町が認定した民間賃貸住宅)に入居する子育て世帯を対象に、家賃の一部を補助 など |
公式:一戸町子育て支援
一戸町には公園が多く、子どもの遊び場が充実していることも大きな魅力です。屋内外ともに多彩な遊び場が整備されている「岩手県立児童館 いわて子どもの森」をはじめ、「いちのへ花の丘公園」や「一戸町総合運動公園」などがあり、自然を感じながらのびのびと身体を動かせます。
公式:岩手県立児童館 いわて子どもの森
公式:一戸町総合運動公園
一戸町での生活:気候、医療、教育など暮らしの基本情報
続いては、気候や病院、学校、交通など、一戸町での暮らしに関連するお役立ち情報をまとめました。
気候 | 1月:平均気温-4.5℃ 8月:平均気温20.9℃ ※参考:気象庁ホームページ(一戸町奥中山) |
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人口 | 約11,000人(2024年2月1日時点) |
病院・クリニック | 約20院 |
学校 | 保育施設:4園 小学校:5校 中学校:2校 高校:1校 ※2024年4月時点 |
名所・観光 | 岩手県立児童館「いわて子どもの森」、奥中山高原スキー場、高森高原、御所野縄文公園など |
行事 ・イベント |
奥中山夢あかり・はしご酒、アグドカズル、一戸まつり、いちのへ産業まつりなど |
交通 | 【鉄道】 いわて銀河鉄道線:一戸駅、小鳥谷駅、小繋駅、奥中山高原駅 【バス】 ジェイアールバス東北 岩手県北自動車 【デマンド交通】 一戸町デマンド交通「いくべ号」 【道路】 E4A八戸自動車道(一戸IC) 国道4号 岩手県道5号一戸山形線 岩手県道6号二戸五日市線 岩手県道15号一戸葛巻線 岩手県道30号葛巻日影線 など |
近隣都市 | 二戸市、九戸村、軽米町、岩手町、葛巻町 |
一戸町は夏は涼しく冬は寒い寒冷気候で、「豪雪地帯」に指定されています。雪がたくさん積もると雪かき作業が必要となるため、移住の際は、町の除雪サービスの範囲や頻度、個人で行う除雪作業の程度などについて、情報収集しておくと安心です。
なお、一戸町が発信している除雪情報は以下の通りです。
除雪には大変なことも多いですが、その分美しい雪景色を堪能できる魅力があります。また、子どもたちは雪が積もると大喜びで、雪遊びを満喫していますよ。
一戸町における生活の利便性としては、町内に大型スーパーやドラッグストア、コンビニといった商業施設が揃っているため日常の買い物に困ることはないでしょう。また、八戸や盛岡といった都市部へも車や電車にて1時間程度で移動でき、休日には多彩なジャンルのショッピングやレジャーを楽しめます。
医療機関も一通りありますが、産婦人科は二戸市辺りまで出向く必要があります。とはいえ二戸市までは車で約20分なので、それほど不便を感じることはありません。
仕事情報:近隣地域を含めた豊富な就業機会と支援制度
大手の求人サイトで一戸町における「正社員の求人数」を検索してみたところ、120件ほどが該当しました。町内のみに絞ると数が少ない印象ですが、車で30分圏内のエリアまで範囲を広げれば約1,500件がヒットしたため、近隣も含めて仕事探しを行うことをおすすめします。
参考:求人情報の一例(一戸町内)
参考:求人情報の一例(一戸町から25km圏内)
二戸市や軽米町、岩手町といった近隣エリアだけでなく、車や電車で約1時間の盛岡市で勤務する方も多くみられます。ジャンルとしてはアパレル・機械加工といった製造業や介護のほか、地域おこし協力隊として働く方もいらっしゃいますよ。
なお、一戸町や近隣エリアにて仕事探しを行う際は、ぜひ岩手県に特化した仕事・就職情報サイト「シゴトバクラシバいわて」をチェックしてみてください。相談窓口も設けられており、自力で探すよりもスムーズに希望に合った求人を見つけられます。
公式:シゴトバクラシバいわて
また、一戸町に移住をして就業する場合、条件が合えば以下の支援を受けられます。ぜひ概要を確認し、活用されてはいかがでしょうか。
就職活動交通費支援 | 県外居住者が県内企業等への就職活動を行うことに伴う交通費等を支援 |
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一戸町新規就農者支援 | 一戸町内で新規に就農または農業に再チャレンジする方を対象に、就農資金の助成のほか、研修や住居の斡旋、農業技術・経営管理に関する指導等を提供 |
就農研修機関「一戸夢ファーム」 | 野菜や花きの栽培技術や農業経営について2年間研修を受けられ、かつ就農準備資金として年額150万円の給付を一定条件で受けることが可能 など |
公式:就職活動交通費支援(公益財団法人ふるさといわて定住財団)
公式:一戸町新規就農者支援
公式:一戸夢ファーム
ちなみに、一戸町内における世帯年収の相場は「約392万円」です。地域の給与水準について気になっている方は、ぜひこちらの数字を参考に仕事探しを行うとよいでしょう。
住まい情報:子育て世帯向け支援住宅や住宅助成制度あり
一般的な不動産情報サイトには、一戸町の物件情報はほとんど掲載されておりません。ただし、一戸町には移住・定住について相談に乗ってくれる「移住コーディネーター」がいるため、物件が見つからない場合はぜひ相談してみるとよいでしょう。
また、子育て世帯の場合は、町が運営する「子育て支援住宅」に入居する選択肢もあります。詳細については以下をご確認ください。
公式:一戸町子育て支援住宅
なお、一戸町では町外から子育て支援住宅へ入居する方に対して3年間家賃を月1万円減額する支援を行っているほか、リフォーム支援や木造住宅耐震改修工事助成事業なども実施しています。ぜひ以下の詳細をチェックし、住まい探しの際にご活用ください。
- 子育て支援民間賃貸住宅家賃補助事業:新たに町内の子育て認定賃貸住宅に入居する子育て世帯(町外からの移住者)に対して、3年間に限り家賃を月1万円減額
- 住宅リフォーム支援事業:町民が居住する住宅を町内の施工業者によってリフォームを行う場合に、経費の一部を助成
- 薪ストーブ普及促進事業:薪または木質ペレットストーブの設置に対し、経費の1/2に相当する商品券(上限10万円)を交付
- 木造住宅耐震改修工事助成事業:耐震診断の結果、倒壊の恐れがあると診断された住宅に対し、耐震化にかかる部分の工事費の一部を助成 など
公式:一戸町における住まいの助成制度
公式:一戸町空き家バンク
一戸町移住者の声:実際の暮らしと感想を紹介
ここでは、一戸町へ移住した方の声をいくつかご紹介します。
- 手つかずの美しい自然と高原の爽やかな気候を気に入り、一戸町への移住を決めました。まちの方がとても優しく、移住者にウェルカムな雰囲気なので、ここでの生活にすぐに馴染めました。
- 週に3日温泉に入っており、冬にはスノボ三昧です。高原野菜をはじめとする地場産食材も美味しく、自然の恵みを身近に感じる大満足の日々を送っています。
- 一戸町には子育て支援住宅や手厚い医療費控除など、子育て世帯にうれしい要素がたくさんあります。また、「いわて子どもの森」など子どもの遊び場も充実しており、ここに移住して本当によかった!と常々感じています。
一戸町の豊かな自然環境をはじめ、アウトドアアクティビティを手軽に楽しめる点や地域の方の温かさ、食の魅力などが決め手となって移住された方が多い印象です。また、子育て世帯においては子どもを育てやすい環境が整っていることも大きなメリットとなっており、移住者の多くが一戸町での暮らしに満足されている印象を受けました。
一戸町への移住ステップ
一戸町への移住に興味をお持ちの方は、まずは移住コーディネーターへ相談してみるとよいでしょう。また、まずは旅行も兼ねて実際に一戸町を訪れ、まちの雰囲気や生活の利便性等を確認するのもおすすめです。
町内には移住体験住宅もありますので、ご希望の場合はぜひお気軽にご相談ください。寒さの厳しい冬季にお越しいただくと、一戸町での暮らしがご自身に合っているかどうかをイメージしやすくなると思います。
なお、一戸町では岩手県と連携し、東京23区在勤者の方が移住した場合に単身者には60万円、18歳未満の子どもを帯同して世帯で移住した場合は1人あたり100万円を加算する「移住支援金」を支給しています。非常に手厚い支援制度となっているため、一戸町への移住を本格的に検討している方はぜひチェックしてみるとよいでしょう。
公式:一戸町移住支援事業
一戸町への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 一戸町政策企画部 政策企画課 |
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住所 | 〒028-5311 岩手県二戸郡一戸町高善寺字大川鉢24番地9 |
電話番号 | 0195-33-2111 |
対応時間 | 平日8:30~17:15 |
公式サイト | ▼公式サイト https://www.town.ichinohe.iwate.jp/ ▼移住定住ポータルサイト https://www.town.ichinohe.iwate.jp/kurashi_tetsuzuki/iju_teiju/index.html |