北海道浜頓別町で暮らす良さとは？移住のための仕事・住居・支援情報

この記事では、北海道への移住を検討している人に向けて、北海道浜頓別町（はまとんべつちょう）の暮らしに役立つ情報を紹介します。

浜頓別町は北海道宗谷地方の南部に位置するまちで、町内には国内最北のラムサール条約指定地である「クッチャロ湖」があります。

農業や酪農にチャレンジした人をサポートする「新規就農者支援制度」もあるので、移住先で北海道らしい暮らしを始めてみたい人にはぴったりの場所と言えるでしょう。

今回は浜頓別町役場地方創生推進室の湯浅さんと、地域おこし協力隊の猪又さんにインタビュー取材させていただいた内容をもとに、浜頓別町の特徴や魅力についてお伝えしていきます。　

浜頓別町の3つの特徴

オホーツク海での漁業や、広大な土地での酪農が盛んな浜頓別町。

「とこトンハマる、とくベツなまちに。」という言葉通り、一度ハマると抜け出せない魅力が多い浜頓別町は、自然に囲まれてのんびり暮らしたい人にはぴったりの町です。

そんな浜頓別町には、次のような特徴があります。

• 漁業が盛んで、新鮮な海産物を分けてもらえる
• 天然記念物も生息、美しい景色に囲まれて生活できる
• 「新規就農者支援制度」を活用して酪農にチャレンジできる

ここからは、これらの特徴について詳しくご紹介します。

特徴1：漁業が盛んで、新鮮な海産物を分けてもらえる

オホーツク海に面する浜頓別町は漁業が盛んな町で、カニやホタテなどの海産物が捕れます。

浜頓別町に隣接しているのは、毛ガニが有名な枝幸町（えさしちょう）とホタテで名高い猿払村（さるふつむら）。水揚げ量が国内トップクラスの町村に囲まれていることから、浜頓別町でも同じ品質の海産物がたくさん捕れるそうです。

町内に加工する場所がないため、浜頓別産として市場に出回ることはありませんが、水揚げ後は100kmほど離れた場所まで運び、加工されたのち全国で取り引きされています。

そのため、水揚げされたカニやホタテは町内で購入できませんが、漁師の知り合いや友人を介して分けてもらうことも多いとのこと。新鮮な海産物が味わえる浜頓別町は、海の幸が好きな人にはぴったりの場所と言えるでしょう。

特徴2：天然記念物も生息、美しい景色に囲まれて生活できる

浜頓別町は、さまざまな動物が生息する自然豊かな町です。町内ではキタキツネをはじめ、エゾシカやタンチョウが見られるとのこと。

▲キタキツネは「エキノコックス」という病気を持っている可能性があるので、触らないようにしましょう

▲町内の住宅街で目撃された野生のエゾシカ

▲浜頓別町の牧草地には、タンチョウが現れるそうです

また、浜頓別町にある「クッチャロ湖」では、春と秋には白鳥、冬には天然記念物のオオワシやオジロワシを観察することができます。

▲クッチャロ湖では夕日をバックにした「白鳥」のシルエット写真も撮れます

「クッチャロ湖」は国内最北のラムサール条約指定地として知られ、大沼と小沼の2つの沼が細い水路でつながった「ひょうたん」の形をした湖です。クッチャロ湖で見る「日の出」と「夕日」は絶景で、職員さんも何度も足を運んでいると伺いました。

▲美しい夕日は日々の疲れを癒してくれます

大沼の南側には水鳥観察館や白鳥公園などのレジャースポットがあります。なかには源泉かけ流しの湯が楽しめるコテージを4棟（※）構える温泉施設も。コテージの裏庭にはバーベキュースペースもあり、ラム肉や殻付きホタテが味わえます。
（※）参考：はまとんべつ温泉ウイング（温泉コテージ）

このように浜頓別町では、野生動物も生息するような雄大な自然の中で、美しい景色に囲まれて生活できます。

時間に追われる生活に疲れている人は、浜頓別町でクッチャロ湖周辺を散策し、美しい日の出や夕日を観察する生活を始めてみてはいかがでしょうか。

スクロールでクッチャロ湖で撮影した写真が見られます→

公式：浜頓別町役場（クッチャロ湖）

特徴3：「新規就農者支援制度」を活用して酪農にチャレンジできる

浜頓別町は酪農も盛んで、飼育する牛の数は約7,000頭。町の人口が3,300人ほどなので、人間の倍以上の牛が暮らすエリアです（2023年12月時点）。

酪農場がたくさんあるので、酪農にチャレンジしたい人には良い環境です。

浜頓別町独自の新規就農者支援制度を活用すれば、酪農体験を行うこともできます。新規就農者支援制度の詳細については、以下の公式サイトをご確認ください。

公式：浜頓別町役場（新規就農者支援制度）

また、浜頓別町の牧草を食べて育った牛から採れる牛乳は町の特産品で、牛乳を使った酪農地域ならではの食べ物も人気があります。

なかでも、浜頓別町の牛乳を使った「牛乳もなか」は、浜頓別町の銘菓。昭和時代から続く老舗「菓子司松屋」が作る「集乳缶」の形をした白いもなかで、老若男女から愛されています。

ミルキーな味わいで、浜頓別町に立ち寄った際には必ず購入する人もいるそうなので、移住後はチェックしてみてください。

参考：浜頓別町銘菓「牛乳もなか」について

浜頓別町の暮らしに関する情報

それでは、浜頓別町の暮らしに関するデータを見ていきましょう。

気候	1月：-6.3℃ 8月：19.0℃ ※参考：気象庁ホームページ
人口	3,343人（2023年9月1日現在）
病院	病院：1、歯科：1
学校	認定こども園：1 小学校：1、中学校：1、高等学校：1
交通	宗谷バス
近隣都市	枝幸町、中頓別町、猿払村、幌延町

※人口以外の数字は2024年1月時点のものです

浜頓別町には、スーパーとホームセンターが2件ずつあり、普段の買い物は町内で完結できます。ネットショッピングは注文から2日ほどで商品が手元に届くので、実店舗での買い物と併用している方も多いそうです。

医療機関は、町内に浜頓別町国民健康保険病院があるものの、脳外科や精神科など一部の専門医療は受けられないとのこと。町内で対応できない場合は、車で100km（1時間～1時間半）ほど離れた総合病院まで通院します。

浜頓別町国民健康保険病院の診療科目については、下記の公式サイトをご確認ください。

公式：浜頓別町国民健康保険病院

移動手段は車かバスになりますが、浜頓別町では車が運転できない人や高齢者が便利に移動するために独自の制度を創設しています。

• 高齢者等生活交通サポート事業（タクシー助成）の対象者の拡充
• スクールバスへの「いっしょ乗り」や福祉バスへの「ちょっと乗り」の開始
• 斜内方面の方も福祉バスが利用できるよう路線の延長
• 浜頓別高校への通学定期運賃補助の拡充

詳細については公式サイトをご確認ください。

公式：浜頓別町役場（地域公共交通の各種制度について）

【子育て】遊びスポット充実、冬はウィンタースポーツも楽しめる

子育て世帯にとって子育て支援はもちろん、子どもの遊び場が近くにあるかどうかは移住先を選ぶうえで重要なポイントです。

職員さんに子どもたちの遊びスポットについて伺ったところ、以下の4つの施設を教えていただきました。

• アメニティ公園
• 浜頓別町交流館
• 多目的アリーナ
• 中頓別町寿スキー場（隣町）

アメニティ公園は浜頓別町役場から徒歩2分の場所にあります。浜頓別の自然環境をイメージした大型遊具や芝生のエリアがあり、休日は親子連れで賑わっているそうです。

参考：浜頓別町役場（アメニティ公園）

浜頓別町交流館は、道の駅「北オホーツクはまとんべつ」に併設された施設で、室内遊具が充実しているので雨や雪の日でも楽しめます。季節のイベントなども随時開催しているので、移住後に親子で参加して地域の方と交流を深めるのも良さそうです。

公式Facebook：道の駅「北オホーツクはまとんべつ」浜頓別町交流館

浜頓別町交流館から徒歩3分の場所にある「多目的アリーナ」はスペースが広く、とにかく体を動かしたい子どもにぴったりの場所。乳幼児も遊べるプレイルームがあるので、小さい子どもも一緒に楽しめます。

参考：浜頓別町役場（多目的アリーナ）

そして、冬季の遊び場として紹介いただいたのは、隣町にある「中頓別町寿スキー場」です。浜頓別町から車で20分ほどの場所にあり、シーズン券を購入すれば12月から3月末までウィンタースポーツを楽しみ放題。

料金は子どもが7,000円、大人が13,000円で購入できる（※）ので、週末に利用する家族も多いそうです。
（※）料金は2024年1月時点のものです

参考：中頓別町寿スキー場（シーズン券について）

公式：浜頓別町役場（子育て支援について）

【仕事】リモート環境◎、漁業や農業に携わる人が多い

浜頓別町の正社員求人を大手の求人情報サイトで検索したところ、約60件の求人が見つかりました。また、車で30分程度の通勤圏（25km圏内）まで範囲を広げると、約180件の求人情報がありました（2024年1月時点）。
※参考：求人情報の一例（浜頓別町のみ）
※参考：求人情報の一例（浜頓別町から25km圏内）

求人は少なめですが、浜頓別町には光回線が開通しているので、ネット環境を整えればリモートワークも可能です。

浜頓別町では漁業や農業関係の仕事に就かれる方が多く、漁業では月収40万円ほどの収入があるとのこと。

先にもお伝えした通り、農業や酪農については「新規就農者支援」があるので、移住後に浜頓別町での仕事を検討している方は、一度役場に相談してみると良いでしょう。

公式：浜頓別町役場（新規就農者支援について）

【住まい】賃貸物件は少なめ、空き家バンクは小まめにチェックが必要

大手住宅情報サイトで浜頓別町の賃貸物件を検索したところ、ヒットする物件はありませんでした。

また空き家物件についても、空き家バンクに登録があってもすぐに購入されるそうなので、購入を検討している人は、以下の公式サイトを小まめにチェックした方が良いでしょう。

公式：浜頓別町役場（空き家バンク登録物件）

移住体験住宅（ちょっと暮らし住宅）に空きがあれば、住みながら浜頓別町での住まいを探すこともできるそうなので、移住を検討している方は一度相談してみてはいかがでしょうか。

ほかにも、低所得者を対象とした「公営住宅」もあるので、気になる方は以下の公式サイトで詳細を確認してください。

公式：浜頓別町役場（公営住宅について）

浜頓別町の「ふるさと定住促進宅地制度」

浜頓別町では、移住者に向けて「ふるさと定住促進宅地制度」を実施しています。

1区画100坪の土地を無料で譲渡してもらえる制度で、条件は3年以内に対象の土地で家を建てて暮らすこと。浜頓別町には賃貸物件や空き家が少ないので、移住を検討している方にとっては嬉しい制度なのではないでしょうか。

2024年1月時点で4区画の空きがあります。興味のある方は以下の公式サイトをチェックしてみてください。

公式：浜頓別町役場（ふるさと定住促進宅地制度について）　

浜頓別町に移住した人の口コミや感想

浜頓別町の魅力や暮らしについてご紹介しましたが、移住するうえで気になるのは実際の口コミなのではないでしょうか。ここでは、浜頓別町に移住した方の声を紹介します。

• 北海道らしい大自然が素晴らしく、空と海と田園地帯のコントラストが綺麗
• 景色が美しく、写真を撮る回数が増えた
• 子どもたちがのびのびと生活している
• 町民が親切で暮らしやすい

北海道ならではの風景はもちろん、移り変わっていく景色の美しさに関する口コミも多く見られました。「写真を撮る回数が増えた」という声もあるので、移住後の趣味としてカメラをはじめてみるのも良さそうです。

▲夜は町の灯りが少ないので、スマートフォンでも綺麗な星空が撮影できます

浜頓別町への移住に関する支援・窓口

浜頓別町では、移住者に向けて移住体験事業「ちょっと暮らし」を実施しています。

家具付きの移住体験住宅で1週間～1ヶ月ほど暮らすことができ、利用料は1日1,600円で、ペットの同伴もOKです。

移住体験者からは、以下のような声があります。

• 雄大な自然と人の温かさが素晴らしい
• 冬の北海道を体験したが、想像していたよりも寒くなかった
• 特に困ることもなく、地元の方と知り合いになれた

北海道ならではの自然に魅了されるだけではなく、浜頓別町で暮らす人の温かさに関する口コミも多いので、移住後は町民の方とも良い関係を築いていけそうです。

2023年春からは、地域おこし協力隊の方が「ちょっと暮らし」体験者の方に向けて観光スポットなどの紹介も行っているそうなので、移住体験を通して浜頓別町での生活を体感してみてはいかがでしょうか。

公式：浜頓別町役場（移住体験申込フォーム）

浜頓別町への移住に関するお問い合わせ

浜頓別町への移住については、町役場の総務課地方創生推進室までお問い合わせください。

担当課	総務課 地方創生推進室
住所	〒098-5792 北海道枝幸郡浜頓別町中央南1番地
電話番号	01634-2-2345
FAX	01634-2-4766
対応時間	8:30〜17:15 （土日祝・年末年始休み）
公式サイト	http://www.town.hamatonbetsu.hokkaido.jp/