藤里町への移住ガイド:豊かな自然と充実の子育て環境|秋田県

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「秋田県山本郡藤里町(ふじさとまち)」での暮らしについてご紹介します。

藤里町は秋田県北部、青森県との県境に位置する人口約3,000人のまちです。町内には藤琴川と粕毛川が流れ、周囲には世界自然遺産の「白神山地」が広がる豊かな自然が魅力で、田舎暮らしやアウトドアレジャーを堪能したい方におすすめですよ。

また、子育てがしやすい環境が整っていることから、子育てファミリーの移住先としても注目を集めています。支援制度が充実しているほか、2023年4月には「義務教育学校藤里学園」が開校するなど教育面にも特色があり、「子どもをのびのびと育てられる!」と評判です。

今回は藤里町役場・総務課企画財政係の主事、田中さんにお話を伺いながら、藤里町の暮らしや移住に関する情報について詳しくまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

藤里町役場総務課企画財政係の主事・田中さん

藤里町への移住:4つの魅力

藤里町の暮らしの特徴

藤里町は、面積の約9割を森林が占め、清らかな水資源にも恵まれています。手つかずの原生林や温泉など、自然の恵みを身近に感じられるスポットがたくさんある美しいまちです。

穏やかな田舎暮らしが叶う一方で、能代市や北秋田市、大館市といった近隣都市に車で30分程度で行けることから、不便さは比較的感じられません。大館能代空港へも車で20分ほど、そこから飛行機で東京まで70分ほどでアクセスできますよ。

そんな藤里町への移住をおすすめしたいのは、以下のような方です。

  • 自然やアウトドアレジャーが好きな方
  • 人付き合いをとことん楽しみたい方
  • 首都圏にアクセスしやすい土地で田舎暮らしを楽しみたい方
  • 子育てしやすい環境が整っている場所への移住を希望している方

なぜ上記のような方に向いているのか、ここからは藤里町での暮らしにおける主な魅力を3つご紹介します。

魅力1:世界自然遺産・白神山地に囲まれた豊かな自然環境

水と緑あふれる藤里町には、自然を満喫できるスポットがたくさん点在しています。

特に注目したいのが、手つかずのブナ林が広がる本州ただ一つの世界自然遺産「白神山地」。500種類以上の植物が自生し、イヌワシやクマゲラといった希少種を含む多様な生物が生息しています。自然が織りなす多くの体験に出会える素敵な場所ですよ。

白神山地のブナ林の風景
▲東アジア最大級の規模でありのままの生態系が残るブナの森「白神山地」

岳岱自然観察教育林の風景
▲遊歩道が整備されており、白神山地のブナ林の雰囲気を手軽に体感できる「岳岱(だけだい)自然観察教育林」

町内には藤里町の特産品であるめん羊(サフォーク種)が飼育されている「大野岱(おおのだい)放牧場」があり、人気の観光スポットです。羊たちがのびのびと歩き回る様子を間近で眺めることができますよ。

大野岱放牧場の風景
▲例年2月下旬から4月は出産ラッシュで、赤ちゃん羊も観察できます

また、町内にはキャンプ場や温泉施設も複数あり、冬はスキーやスノーボードなどのウィンタースポーツも楽しめますよ。藤琴川の河原には近年話題の「テントサウナ」ができるスポットもあり、大自然の中で心身ともにリフレッシュできます。

藤琴川の河原に設置されたテントサウナ▲1張りにつき最大4名まで楽しめる「テントサウナ」

魅力2:地域コミュニティの強さと温かい人間関係

藤里町は、地域のつながりが強いアットホームなまちです。

顔を合わせると「元気?」と声を掛けてくれたり、自家栽培のお野菜をおすそ分けしてくれたりします。周囲の方が家族のように気にかけてくれるため、人付き合いを楽しみたい方におすすめのエリアですよ。

藤里町の駒踊りの様子
▲毎年9月7日・8日の「浅間神社例大祭」で奉納される駒踊りは、肩鎧を顔にぶつけて踊る激しさが見どころ

魅力3:充実した子育て支援と義務教育学校での一貫教育

子ども関連の設備や支援制度がしっかりと整備されていることも、藤里町での暮らしにおけるおすすめポイントです。

まず注目したい点が、藤里町にある保育園と幼稚園の待機児童がゼロであること。移住後すぐに子どもを預けて働くことができるため、仕事と子育てを両立したい方におすすめの土地です。各保育施設の1クラスの人数は多くて15人前後、少ないと1桁の人数なので、ひとりひとりをしっかりとケアしてもらえますよ。

また、藤里町は妊娠や子育てに関する助成制度を幅広く実施しています。支援事業の具体的な内容については、以下をご確認ください。

  • 藤里町特定不妊治療費助成事業:県で実施している「秋田県特定不妊治療費助成事業」の限度額を超えた自己負担分を対象に、最大15万円を助成
  • 一般不妊治療・不育症治療費助成事業:一般不妊治療又は不育症治療に要した費用のうち、1年度当たり15万円を限度に助成
  • 藤里町子育てファミリー支援事業:平成30年4月2日以降に第3子以降の子どもが生まれた世帯を対象に、年間で最大15,000円を助成(対象事業:一時預かり保育の利用料や病児保育の利用料、子育て用品購入費等)
  • 医療費助成:0歳児・住民税非課税世帯の乳幼児・ひとり親家庭において18歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にある児童の医療費を全額助成 など

>>藤里町の妊娠・子育て支援について詳しくはこちら

ちなみに、藤里町では教育面においても大きな特徴がみられます。2023年4月には「義務教育学校藤里学園」が開校し、1つの校舎で9年間の義務教育を一貫して行うスタイルへと変わりました。

義務教育学校藤里学園は、「学力の向上」「外国語教育の充実」「町づくり学(ふるさと・キャリア教育)の推進」を3つの柱に、9年間の系統性・連続性のある学習カリキュラムにより、「志をもって挑戦し、未来を切り拓く児童生徒の育成」を目指している学校です。「義務教育学校」は、児童生徒のポテンシャルを最大限に引き出せる教育機関として注目を集めています。

>>藤里町の義務教育学校について詳しくはこちら

魅力4:手厚い移住支援制度で新生活をサポート

藤里町は移住・定住のサポートにも力を入れており、移住の際にうれしい支援制度が豊富です。引っ越し代金や新築住宅購入費用、運転免許取得費用などを助成してくれるなど手厚い内容で、さまざまな支援を受けながら藤里町での新生活をスタートできますよ。

移住者向け支援制度の詳細については、以下をチェックしてみてください。

  • お試し移住ツアー参加促進事業:藤里町が主催する、あるいは藤里町が認可した移住ツアーに参加した際にかかった交通費の2/3以内(最大3万円)を助成
  • 家財道具等処分支援事業:空き家バンクに登録している物件の残存する家財道具等の処分・搬出に要する経費の1/2以内(最大10万円)を助成
  • 引っ越し支援事業:引っ越し業者または運送業者に支払う引っ越し代金を最大5万円助成
  • 住宅新築・空き家改修事業:住宅を新たに建設した費用、あるいは空き家バンクに登録されている家屋の改修や取得に要した経費のうち、1/2以内を助成(新築最大150万円、空き家改修最大100万円、空き家購入最大50万円)
  • 普通自動車免許取得等支援事業:免許取得、あるいはペーパードライバー講習を受ける際に要した費用のうち、1/2以内を助成(免許取得最大15万円、ペーパードライバー講習最大3万円)

>>藤里町の移住者向け支援について詳しくはこちら

藤里町での生活:気候・医療・交通など暮らしの基本情報

続いては、気候や病院、学校、交通など、藤里町での暮らしに関連する情報をまとめました。

気候 ・1月:平均気温-1.5°C
・8月:平均気温23.7°C
※参考:気象庁ホームページ
人口 2,800人(令和6年3月末日時点)
病院 ・内科医院:1か所
・町営歯科診療所:1か所
学校 ・保育園:1園
・幼稚園:1園
・義務教育学校:1校
文化・芸術 藤里町民祭・白神山地世界遺産センター藤里館・藤琴豊作踊(秋田県指定無形民俗文化財)・根城相撲・高山太鼓
食べ物 白神ラム・ホゲット(羊肉)・鮎・だまっこなべ・舞茸 など
交通 ・鉄道:なし
・バス:秋北バス
娯楽 有名スポット:白神山地・駒ヶ岳・浅間神社・八坂神社素波里園地・岳岱自然観察教育林・岳岱・湯の沢温泉 など
近隣都市 ・能代市
・北秋田市
・大館市
・八峰町

藤里町は冬に雪が多く降るため、雪かきのやり方や積雪予防策などを事前に調べておくことをおすすめします。特に初めて雪国で暮らす方は戸惑うこともあるかもしれませんが、役所の方や近所の方の親身なサポートによって不安なく対応できるでしょう。

町内にはスーパーマーケットが1軒と個人商店が数軒あり、毎月1がつく日には市日が開催され、日常生活に必要な買い物はエリア内で事足ります。ただ、より多くのお店がある能代市や北秋田市までは車で約30分とそれほど遠くないため、そちらのエリアも含めて買い物を楽しむ方が多い印象です。

病院としては、内科医院と歯科診療所が1か所ずつなので、産婦人科や眼科等を利用したい場合は町外に出向く必要があります。また、内科医院は診療曜日と時間帯が限定的なので、都合が合わないなどの場合は近隣都市の医療機関に通院するケースが多いようです。

ちなみに町内・町外問わず、移動には車が便利です。バスも運行しているものの本数が少ないので、移住の際はマイカーを取得することをおすすめします

なお、東京から藤里町への飛行機や電車でのアクセス方法や、秋田自動車道を経由した藤里町へのアクセス方法については以下をご確認ください。

▼【東京~藤里町へのアクセス方法】

飛行機を利用する場合 【大館能代空港経由】
羽田空港ー大館能代空港(約70分)→バス約10分(鷹巣経由大館行きリムジンバス)鷹ノ巣駅→電車約10分(東能代・秋田方面上り)二ツ井駅→バス約30分(秋北バス真名子行き・熊の岱行き乗車「藤琴大町」下車)・タクシー約20分
【秋田空港経由】
羽田空港ー秋田空港(約60分)→バス35分(秋田駅西口行きリムジンバス)秋田駅→電車約60分(奥羽本線東能代・弘前方面下り)二ツ井駅→バス約30分(秋北バス真名子行き・熊の岱行き乗車「藤琴大町」下車)・タクシー約20分
電車を利用する場合 東京駅ー秋田駅(約4時間)→電車90分(奥羽本線下り東能代・弘前方面下り)二ツ井駅
→バス約30分(秋北バス真名子行き・熊の岱行き乗車「藤琴大町」下車)・タクシー約20分

▼【車でのアクセス方法(秋田自動車道経由)】

  • 小坂JCT秋田自動車道(約20分)大館南IC→国道103号線・国道7号線(約50分)→能代市二ツ井町県道317号線(約10分)
  • 小坂JCT秋田自動車道(約1時間40分)→二ツ井白神IC→国道7号線・県道317号線(約15分)
  • 秋田中央IC秋田自動車道(約1時間20分)→二ツ井白神IC→国道7号線・県道317号線(約15分)

仕事事情:近隣都市への通勤と起業・就農支援制度

大手の求人サイトで藤里町における「正社員の求人数」を検索してみたところ、約150件がヒットしました。

※参考:求人情報の一例(藤里町内)

藤里町から車で30分程度の能代市や北秋田市、さらには車で40分程度の大館市のほうが求人数が多いため、それらのエリアも含めて検索するとよいでしょう。藤里町に電車の駅はないので、車で通勤する方が多くみられます。

※参考:求人情報の一例(藤里町から10km圏内)

なお、藤里町には、移住後に起業したい方や農業を始めたい方を応援する助成制度があります。ぜひそういった支援も視野に入れて検討してみてください。

  • 起業支援制度:創業等に係る経費の一部を助成(補助対象経費の2分の1以内、上限100万円)
  • 就農支援制度:45歳未満の新規就農者に対し、年間150万円の給付金を支給

>>藤里町の起業支援・農業支援について詳しくはこちら

なお、藤里町で勤務する正社員の世帯年収相場は約440万円です。高待遇の仕事を希望する方は、相場との比較をしながら探してみるとよいでしょう。

※参考:年収相場の一例

住まい探し:移住促進サイトと町営住宅情報の活用法

藤里町で住まいを探す際は、移住促進サイト「ふじさとのいきかた」内にある「物件紹介」のページをチェックするとよいでしょう。賃貸物件・売買物件ともに、すぐに利用可能な物件が掲載されています。

藤里町の移住者向け住宅
▲移住者向け住宅もアップされており、「ほかの移住者と気軽に交流できてうれしい」と評判です

>>「ふじさとのいきかた」内にある物件紹介ページをチェック

また、藤里町には町営住宅も数多く点在しているため、賃貸物件をお探しの場合はそちらも併せて確認してみてください。ただし、細かな利用条件が設けられているので、まずはご自身が該当するかどうかを以下で確認することをおすすめします。

>>藤里町の町営住宅について詳しくはこちら

藤里町に移住した方の体験談

藤里町に移住した方の体験談

ここでは、実際に藤里町へ移住した方の声をいくつかご紹介します。

  • 四季折々の美しい風景が魅力的な土地で、日々癒しを感じながら生活している
  • 雪かきは大変だけど、運動不足解消になる!
  • 水がとにかく美味しい!山から工場にそのまま引いて、一度も空気に触れずにペットボトルに入れているミネラルウォーターがあるほか、家の水道水までも美味しくて感激している
  • 地域の方とのふれあいが楽しく、「人との繋がりが強いところに移住したい」と思っていたので大満足
  • 綺麗な空気・豊かな自然・豊富な支援により、ゆとりを持って子育てライフを送れている

藤里町の暮らしに関して、「自然の風景が素敵」「食べ物や水が美味しい」といった声が多くみられました。冬の雪対策については準備しておく必要がありますが、「雪ならではの景観を堪能できる」「ウィンタースポーツを日帰りで楽しめる」などとポジティブに捉えている方も多い印象です。

また「のびのび子どもを育てられる」といった満足の意見も多く挙がっていました。そのため、藤里町は自然に囲まれた暮らしを楽しみたい方や、ゆとりを持って子育てしたい方などにおすすめのまちだと言えます。

藤里町への移住ステップ

藤里町への移住に興味のある方は、ぜひ以下のステップを参考に移住計画を進めてみてください。

ステップ1:藤里町の移住相談窓口を活用しよう

まずは、藤里町での暮らしに関する情報収集を行いながら、移住に関して具体的に相談してみるとよいでしょう。「藤里町総務課企画財政係」と「ふじさと住まいの相談窓口『ねまるベース』」「ふじさとの子育て・暮らしの相談窓口『わたす研究所』」が相談窓口となっているため、ぜひ問い合わせてみてください。

>>藤里町への移住に関して相談してみる

ステップ2:お試し移住で藤里町の暮らしを体験

次に、藤里町が提供しているお試し暮らしの家「粕毛(かすげ)の家」を利用してみてはいかがでしょうか。3日以上30日以内の利用が可能となっており、3日間あたり4,000円、以降1日あたり2,000円とリーズナブルな料金で藤里町での暮らしを体感できます。

粕毛の家の外観
▲藤里町での暮らしをリアルに体感するための設備・機器が揃う「粕毛の家」

>>お試し暮らしの家「粕毛の家」について詳しくはこちら

また、過去には「藤里おためし暮らしツアー」が開催されたこともあるため、タイミングが合えばそういった移住体験イベントに参加をするのもおすすめです。実際にツアーに参加をして藤里町のファンになり、移住を決めた方が多いそうですよ

ツアー情報については藤里町役場の以下のページにアップされるので、興味のある方はぜひこまめにチェックしてみてくださいね。

>>藤里町の移住・定住に関する最新情報をチェック!

藤里町移住の詳細情報:問い合わせ先と公式サイト

担当課 藤里町役場 総務課企画財政係
住所 〒018-3201
秋田県山本郡藤里町藤琴字藤琴8番地
電話番号 0185-79-2111
対応時間 8:30~17:15
公式サイト http://f-redesign.jp/ikikata/