北海道えりも町への移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説

この記事では、地方移住を検討している方に向けて、北海道えりも町(えりもちょう)で暮らす魅力を紹介します。

えりも町は襟裳岬や豊似湖をはじめとする絶景スポットが多く、珍しい動物にもたくさん出会えます。カニやサケなどの海の幸をはじめ、おいしいものが多数あるので、グルメが好きな人におすすめな移住先です。

さらに、えりも町は出生率が道内ナンバーワンで、子育てしやすいのもメリット。ファミリーでの移住を考えている人も要チェックです。

この記事では、えりも町の企画課振興係の担当者の方にお話をうかがいながら、北海道えりも町の特徴や暮らしの情報を解説していきます。

本日お話を伺った方
えりも町の企画課振興係の方

えりも町 企画課振興係

ご担当の方

えりも町の魅力は?暮らしの3つの特徴を解説!

えりも町の暮らしの特徴

えりも町は、独自の自然がたくさんあり、絶景や動物に囲まれながら心豊かに暮らせます。おいしいものを日常的に食べられるので、えりも町へ移住すれば生活の質も高まるでしょう。

さらに、子育て支援も手厚く、子育て世帯が暮らしやすいのも魅力です。

そんなえりも町への移住には以下のような人がおすすめです。

  • 珍しい動物を生で見たい人
  • 絶景や写真撮影が好きな人
  • おいしいものをたくさん食べたい人
  • 子育て支援が手厚い移住先を探している人
  • 子育て世帯の人・これから子育てをはじめる人

それでは、なぜこのような方におすすめなのか、その理由となる特徴を解説していきます。

特徴1:襟裳岬やゼニガタアザラシなど!独自の自然・絶景多数!

襟裳岬の景色
▲全国的に有名な「襟裳岬」

えりも町へ移住する魅力は、えりも町ならではの自然や絶景を堪能できる点です。

なんといってもご紹介したいのは、全国的にも有名な「襟裳岬」。「北海道の背骨」とも呼ばれている日高山脈が一番沈み込んでいる部分が岬になっており、180度の展望で海を見渡せます。

先端から約2km先まで岩礁が続く壮大な光景を目にしたら、その迫力に圧倒されるはずです。

さらに、襟裳岬から望遠鏡で眺めると「ゼニガタアザラシ」の群れが見えることもあります。水族館ではなく、野生のアザラシを生で見られる環境は、全国的にもかなり珍しいのではないでしょうか。

ゼニガタアザラシの親子
▲ゼニガタアザラシの親子。晴れた日にはのんびり日向ぼっこしていることも。

そして、白い恋人のコマーシャルで有名なのが「豊似湖(とよにこ)」です。ハートの形をした湖で「ハートレイク」という愛称もあります。

ハートの形をした豊似湖
▲ハートの形をした豊似湖。秋は紅葉を楽しめる。

静かな原生林に囲まれた場所にあるので、湖の周りをゆったり散策すれば癒しの一日を過ごせるでしょう。湖の周辺には、氷河期の生き残りといわれている「ナキウサギ」も生息しています。その他にも珍しい動物や植物に出会えるかもしれません。

ナキウサギの様子
▲貴重なナキウサギ

このように、えりも町には息をのむほど美しい景色や珍しい動物といった、独自の自然があふれています。絶景や動物が好きな人や、写真撮影が趣味な人にとって、えりも町は魅力的な移住先です。

特徴2:昆布・鮭・毛ガニ・短角牛!ほっぺたが落ちるほどおいしいもの多数!

えりも町の昆布干しの様子
▲えりも町の昆布干しの様子。昆布が道路沿いに干された景色はえりも町ならではの光景

えりも町に移住すれば、おいしいものを味わう機会が自然と増えるでしょう。

えりも町は魚介類の水揚げが豊富で、漁師さんや近所の人からウニやカニ、鮭、イクラといった魚介類をおすそ分けしてもらえることがあるそうです。

また、えりも町は日高昆布が特産で、良質な昆布を日常的に利用できるので、みそ汁や煮物といった出汁を使用する料理をさらにおいしく味わえます。

また、10月に開催される「えりも海と山の幸フェスティバル」では、秋鮭などの魚介類や新鮮野菜、肉などをリーズナブルな価格で買い求めることが可能。

目玉イベントは鮭のつかみ取りで、大いに盛り上がります。

えりも海と山の幸フェスティバルの鮭つかみ取りの様子
▲えりも海と山の幸フェスティバルの鮭つかみ取りの様子

さらに鮭鍋が無料で食べられるので、家族で訪れれば楽しい時間を過ごせるでしょう。

えりも海と山の幸フェスティバルでは、地元産の「えりも短角牛」の販売ブースが設けられることもあります。

えりも短角牛は、有名な料理人がわざわざ買い求めるほどおいしい牛肉。そんな短角牛を、えりも海と山の幸フェスティバルの他に牧場や飲食店などで食べられるのも、グルメ好きにはうれしいポイントです。

このようにえりも町はおいしいものを味わえる機会が豊富。「おいしいものが大好き」という人は、ぜひ移住を検討してみましょう。

特徴3:出生率が北海道でナンバーワン!うれしい子育て支援が多数!

えりも町は赤ちゃんの出生率が1.91人(※)で、北海道で一番出生率が高い自治体です。このような出生率の高さは、手厚い子育て支援があるのが要因のひとつといえるかもしれません。
※参考:北海道で暮らそう

そこで、子育て世帯にありがたいえりも町の子育て支援を一部紹介していきます。
※詳細は必ずご確認ください。

  • 第1子出産時に3万円、第2子以降出産時に5万円が受け取れる。(すこやか赤ちゃん誕生祝金事業)
  • 中学3年生以下の子どもがいる保護者は、負担した医療費の一部を地域商品券で還元してもらえる。
  • 乳幼児の医療費を一部助成してもらえる。
  • 妊婦健診の費用を助成してもらえる。
  • 妊婦健診や出産にかかわる交通費の一部を助成してもらえる。
  • 産後の生活、育児や授乳赤ちゃんの健康についての相談やケアを受けた時の費用を一部助成してもらえる。

※公式:えりも町役場(子育て・子育て支援・教育情報)

特に、出産時に3万円以上の祝い金が受け取れるのは、これからお金が必要になる子育て世帯には大いに助かるでしょう。

子育て世帯だけでなく、これから子育てをはじめる若い世帯にとっても、えりも町は暮らしやすい移住先です。

北海道えりも町での暮らしに役立つ情報

灯台まつりの花火
▲えりも町で行われる灯台まつりの花火

えりも町へ移住する魅力を知っていただいたところで、次に移住後の暮らしに役立つ情報を紹介していきます。

気候 2月:平均気温-2.2度
8月:平均気温17.7度
※参考:気象庁ホームページ
人口 4,301人(2023年2月末現在)
病院 一般診療所:2か所
歯科:2か所
学校 保育所:3か所
幼稚園:1か所
小学校:4校
中学校:1校
高校:1校
交通 【鉄道】
町内には通っていない
最寄り駅はJR日高本線の鵡川駅

【バス】
JR北海道バス
高速バス「高速えりもバス」
特急バス「特急とまも号」

【主要道路】
国道336号(黄金道路)
北海道道34号襟裳公園線

【高速道路】
なし
隣接自治体 様似郡様似町、広尾郡広尾町
大都市・近隣都市へのアクセス 札幌市:約4時間(車)
千歳市:約3時間30分(車)
帯広市:約2時間30分(車)
苫小牧市:約3時間(車)
様似町:約30分(車)

上記の表から、診療所や学校、保育所など生活に必要な施設は一通りそろっていることがわかります。

しかし、札幌市や千歳市といった都市部への距離が少し遠く、アクセス面で不便さを感じることがあるかもしれません。

生活のためには車が必須

えりも町で生活をしていくためには車が必須です。

町内には診療所しかないため、大きい病院を受診したい場合は、浦河町にある病院へ行く必要があります。

町内にはバスはありますが、便数が少ない点はあらかじめ考慮しておきたいところです。買い物をする際は、車で2時間ほどの距離にある新ひだか町か帯広市へ行く人が多いです。

最初は少し不便に感じるかもしれませんが、車の運転に慣れてしまえば、小旅行のような気分で町外へ行くことを楽しめます。

気候:風が強く、一年を通して温度差が小さい

えりも町は「風のまち」といわれており、風が非常に強いのが特徴。なんと、風速10メートル以上の風が吹く日が年間で260日以上(※)もあります。
※参考:風の館

現在では風の強さを活かして、風車などの建設が進んでいます。大規模な風車をいくつも建てる計画があり、災害時の電力供給や再生可能エネルギーとしての活用に期待が持てます。

そして、えりも町は8月の平均気温が低いのも特徴です。春と夏は濃霧が発生しやすいため、8月であっても真夏日を観測することはほとんどありません。

一方で、北海道としては珍しく、冬にマイナス10度以下を観測することが少ない地域でもあります。年間を通して温度差が少ないため、過ごしやすいといえるでしょう。

仕事:事業の引継ぎをしたい人、大歓迎!

えりも町で仕事を探したい方は求人情報サイトなどで探してみてください。
※参考:求人情報の一例

町内にはハローワークがないため、ハローワークを活用するためには、車に乗って1時間程度の浦河町のハローワークに行く必要がありそうです。

求人を探す際は、周辺自治体の求人もあわせて探してみましょう。ちなみに、車で30分ほどで行ける様似町の正社員求人は約80件でした。(2023年3月現在)
※参考:求人情報の一例

住民は漁業に携わっている割合が高く、初夏から晩秋までの間は、えりも町の3分の1の世帯がコンブ漁に携わります。

町内には高齢者が多く、十年後には約数十店舗が廃業してしまう懸念があります。そのため「事業の引き継ぎをしてみたい!」という人は町としても大歓迎だそうです。

商工会では、引き継ぎのための補助やバックアップを行っているため、興味がある人はぜひ問い合わせてみましょう。

住まい:物件を探す際は町役場に直接問い合わせを

えりも町の物件情報は数が少なめのようなので、物件を探す際は町役場に直接問い合わせをしましょう。民間アパートから公営住宅、空き家の情報まで教えてくれるので、ライフスタイルに応じた物件を見つけられるかもしれません。

また、えりも町には手厚い住宅支援制度があります。
※詳細は必ずご確認ください。

▼えりも町の住宅支援制度

住宅改修工事等助成事業 住宅の新築や改修工事をおこなう人は、工事金額の5%を助成してもらえる。(上限50万円)

参考:えりも町役場(えりも町住宅改修工事等助成事業)

移住を考えるのであれば「移住先で憧れのマイホームを新築したい!」と思う人も多いのではないでしょうか。

住宅改修工事等助成事業によって最大で50万円もの助成を受けられるので、かなりお得にマイホームを取得できる可能性があります。

えりも町へ移住した人の声:海の幸が最高!

えりも町への移住者の声

ここでえりも町へ実際に移住した人の感想や体験談を紹介していきます。

  • 自然に憧れて移住したが、移住してよかった。
  • 面倒見がいい人が多く、助け合って暮らせる。アットホームな雰囲気。
  • 漁師や近所の人からおすそ分けで、ウニの瓶詰めやカニ、鮭などの余った魚介類をもらえる。いただいた魚介類は新鮮でとてもおいしい。
  • 移住する前は魚介類が少し苦手だったが、移住後につぶ貝の刺身を食べたら、あまりのおいしさに感動。ご飯を何杯も食べてしまった。それがきっかけで魚介類が好きになった。

えりも町で食べる新鮮な海の幸に感動する声が聞かれました。

魚介類が苦手だった人まで海の幸を「おいしい!」と感じることは、めったにありません。これほどおいしい海鮮を日常的に味わえるのは幸せなことでしょう。

自然や人間関係にも満足している声が聞かれ、えりも町へ移住すれば暮らしの満足度がいっそう高まりそうです。

移住検討時は「北海道移住応援カード」の活用を

「えりも町へ移住してみたい」と思ったら、実際に現地へ訪れて「移住生活を送れるかどうか」をシミュレーションする必要があります。

そこで活用したいのが「北海道移住応援カード」。北海道移住応援カードは、道外在住者の移住やワーケーションを応援するための制度で、交付日から3年間有効です。

レンタカー割引や引っ越し料金割引、自動車教習所割引といった各種サービスが受けられるだけでなく、移住に役立つ情報を定期的に提供してもらえます。

移住をシミュレーションする段階から、移住する際の引越し、移住後の生活まであらゆる場面において役立つカードなので、ぜひ活用しましょう。

参考:北海道移住応援カード

えりも町への移住に関するお問い合わせ

担当 えりも町役場 企画課振興係
住所 〒058-0292
北海道幌泉郡えりも町字本町206番地
電話番号 01466-2-4612
FAX 01466-2-4633
公式サイト https://www.town.erimo.lg.jp/index.html