【江田島市への移住】島での暮らしはどう?仕事・住居・支援内容についても解説

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「広島県江田島市」での暮らしをご紹介します。

広島湾に浮かぶ江田島や能美島をはじめ、その周辺に点在する島々で構成される江田島市。海と山に囲まれた自然豊かなロケーションの中、ゆったりとほどほどな田舎暮らしを堪能できるエリアです。

市内にはマリンスポーツやトレッキング、サイクリングを楽しめるスポットが多く、アウトドア・レジャーを満喫したい方におすすめですよ。

江田島市の移住ポータルサイトには、移住に関するお役立ち情報や実際の移住者のインタビューが掲載されています。また、オンラインから現地視察まで幅広く対応するサポートが充実しているので、移住支援が整っている地域をお探しの方にもぴったりです。

そんな江田島市で生活する魅力や移住支援情報について、江田島市役所の方に伺った内容をもとに詳しく解説します。

お話してくれた江田島市役所企画振興課の内藤さん

江田島市での暮らしとは?4つの主な特徴に注目

広島県江田島市の暮らしの特徴

大小9つの島々からなる江田島市は、県庁所在地の広島市からは海上約7.5km、呉市からは海上約6kmの立地にあります。

最大の魅力は、水と緑に囲まれた自然豊かな環境と、温暖で雨の少ない瀬戸内海特有の過ごしやすい気候。その特徴を活かして柑橘類や花、野菜の栽培が盛んに行われているほか、カキ養殖をはじめとする水産業も活発です。

また、海と山の両方に恵まれたロケーションにあることから、海・山の多彩なアクティビティを満喫できることも注目したいポイント。そういった自然を間近に感じられる魅力がありながらも、都市部にもアクセスしやすいメリットも兼ね備えています。

そんな江田島市での暮らしが向いているのは、以下のような方です。

  • 海のそばで暮らしたい
  • 都市部から離れすぎないロケーションで島暮らしを満喫したい
  • 移住者支援が充実しているところを探している

なぜ上記のような方におすすめなのか、ここでは江田島市の暮らしにおける主な特徴を4つご紹介します。

特徴1:自然を満喫できるスポットがたくさん

江田島市の長瀬海岸

瀬戸内海に浮かぶ江田島市には、「長瀬海水浴場」や「入鹿海岸」などのビーチが点在しています。ビーチでは海水浴や釣りを楽しむ方が多いほか、カヌーやSUP(スタンドアップパドルボート)といったマリンスポーツも人気です

また、江田島市には古鷹山(ふるたかやま)や野登呂山(のとろやま)などの山もあり、トレッキングやハイキング、サイクリングも満喫できます。山頂付近までドライブで行ける山も多く、ドライブをしながら瀬戸内海の絶景を堪能するのもおすすめです。

特徴2:都市部へのアクセスがしやすい

江田島市は、大自然に囲まれた立地にありながらも都市部にアクセスしやすい点が大きな魅力です。商業施設や医療機関などが数多く集まる呉市・広島市をはじめ、主要都市部への所要時間は以下の通りです。

呉市までの所要時間 船+徒歩:30分強
車:40分
広島市までの所要時間 船+電車/バス:1時間強
車:1時間
大阪までの所要時間 船+電車で4時間ほど
東京までの所要時間 広島空港まで2時間
広島〜羽田:1時間30分

※縁結び大学独自調べ

江田島市には、近隣の広島市・呉市にフェリーや高速船でアクセス可能な7つの港があります。便数も多いため、手軽に都市部へ渡ることができますよ。

江田島市からフェリーが発つ際の風景
▲広島市・呉市にフェリーで通勤・通学している方もたくさんいます

また、呉市とは早瀬大橋でつながっているため、陸路でアクセスすることも可能です。自家用車があると便利ですが、市内路線バスや予約型乗合タクシー、民間のタクシー会社も複数運行しています。

特徴3:海の幸・山の幸が豊富

豊かな自然と温暖な気候に恵まれた江田島市には、海の幸・山の幸の名物が豊富にそろっています。

海の幸としては、国内トップクラスの生産量を誇る養殖のカキが有名です。清浄かつ栄養豊富な環境で育った江田島産のカキは、濃厚な味とぷりぷりの身が特徴で、市内各飲食店でも楽しむことができます。

江田島市におけるカキの養殖の様子
▲江田島市におけるカキの養殖の様子

また、みかん・レモンなどの柑橘類やオリーブなど、山の幸の特産品も豊富です。近年は特にオリーブの生産が盛んで、山本倶楽部(旧 江田島オリーブ)株式会社が製造したオリーブオイル「安芸の島の実 江田島搾り」が、国際コンテストで名誉ある賞を3年連続受賞するなど、高い評価を得ています。

特徴4:移住者にやさしい制度が充実

移住者向けの支援制度が充実していることも、江田島市で暮らす魅力のひとつです。

たとえば市が運営する「空き家バンク」を利用すれば、昔ながらの古民家にリーズナブルな費用で住むことができます。購入・賃貸から選べるため、条件に合う物件を見つけやすいでしょう。

>>江田島市の「空き家バンク」についてはこちら

また、移住を目的に江田島市へ訪問すると交通費を補助してもらえたり、子育て世帯であれば家賃を補助してもらえたりといった、うれしい制度もあります。

>>江田島市の「移住視察片道交通費支援制度」についてはこちら

>>江田島市の「定住促進子育て世帯家賃補助金」についてはこちら

江田島市の暮らしデータ(気候・学校・交通など)

続いて、江田島市の生活に関連する情報をご紹介します。

気候 年間平均気温:16.5度
(8月の平均27.9度が最も高く、1月の平均6.1度が最も低い)
人口 約21,000人(2023年4月時点)
病院 病院・医院は18か所、歯科診療所は11か所あり
※市内各所にはドクターヘリポートがあり、緊急時には広島市からドクターヘリが10分程度で到着
学校 認定こども園5園、小学校6校、中学校4校、高等学校1校、特別支援学校1校
文化・芸術 海上自衛隊第1術科学校(旧海軍兵学校)が有名
食べ物 牡蠣・温州みかん・瀬戸内レモン・デコポン・ネーブル・オリーブ・ちりめん・いりこ・太刀魚みりん・いりこみそ・江田島海自カレー・ネーブルマーマレード・イチジクゼリー・キュウリ など多数
交通 バス(江田島バス)・予約型乗合タクシー(おれんじ号)・船(広島港行き、呉港行き)
※鉄道なし
娯楽 マリンアクティビティ・サイクリングなどのアウトドアスポーツが人気
(有名スポット:Uminos Spa & Resort・真道山森林公園キャンプ場・江田島荘・入鹿海水浴場・長瀬海水浴場・長浜海水浴場・ビュッカグランピング・サンシャイングランピング など多数)
近隣都市 呉市・広島市・大竹市・廿日市市・安芸郡坂町・山口県岩国市
※江田島市は島しょ部のため海上で隣接

「島暮らし」というと生活に不便なイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、江田島市の利便性において特筆すべきデメリットは見当たりません。市内中心部には大型のショッピングセンターやホームセンター、家電量販店、ドラッグストアなども営業しており、日常生活に必要なものは一通りそろいます。

子育て環境としても魅力的なエリアですが、高校は1校なので、近隣の呉市や広島市に通学するケースも多い印象です。市外への通学をする際に、船・バス・予約型乗合タクシーを利用する場合は、通学定期券の一部を負担する制度もあります。

>>江田島市の「学割パス」についてはこちら

海上自衛隊第1術科学校の外観
▲江田島市内で特に人気の観光名所「海上自衛隊第1術科学校」(旧海軍兵学校)

仕事情報:近隣都市も含めると求人数は豊富!

大手の求人サイトで江田島市内、および市内から30分圏内で通える呉市での「正社員の求人数」を検索したところ、以下のような結果となりました。

▼大手サイトで「正社員の求人数」を検索した結果

江田島市 約44,000件
呉市 約43,000件

※縁結び大学独自調べ

職種としては製造業(工場内での軽作業等)や飲食系が多く、医療系や事務の求人も目立ちます。市内だけでなく呉市も含めると多くの求人が出回っており、職に困ることはない印象です。

ちなみに江田島市には「江田島市無料職業紹介所」があり、来訪のほか電話やメールなどでも職業紹介や就職相談に応じてもらえます。

また、「江田島市がんばりすと応援事業補助金制度」や「江田島市新規就農者研修制度」といった移住者向けの就業支援制度が充実しているので、そういった制度を活用して起業したり、農業にチャレンジしたりするのもよいでしょう。
※江田島市新規就農者研修制度は2023年度の募集はありません

>>「市内事業所の求人情報」についてはこちら

>>「江田島市がんばりすと応援事業補助金制度」についてはこちら

>>「江田島市新規就農者研修制度」についてはこちら

なお、江田島市内の正社員における年収の相場は403万円です。全国平均(503万円)や広島県の平均(486万円)よりは下回る傾向にありますが、ぜひ年収の相場とも比較しながら、条件の良い求人を探してみてください。(※縁結び大学独自調べ)

リモートワーク・ワーケーション向けの施設も!

近年はリモートワークをされる方が増えており、さらに地方で働きながら休暇をとる「ワーケーション」という言葉も浸透してきたかと思います。

江田島市には、そのような方が利用できるコワーキングスペースのオープンが続いています。古民家風の施設や、海が一望できる開放的な施設などそれぞれ特徴がありますので、お気に入りの場所で働きたいという方はぜひ公式サイトをチェックしてみてください!

>>コミュニティスペース「フウド」の詳細はこちら

>>「Ponte TAKATA」の詳細はこちら

>>「Kirikushi Coastal Village」の詳細はこちら

住まい情報:賃貸物件は少ないため「空き家バンク」がおすすめ

大手賃貸サイトで江田島市の賃貸物件を検索してみたところ、ヒットした物件は十数件でした。また、家賃相場は以下の通りです。

▼大手賃貸サイトで「江田島市×アパート・マンション」で検索した際の家賃相場

1LDK~2DK 約4万円
2LDK~3DK 約5万円

※縁結び大学独自調べ

市内の賃貸物件は数が少ないため、先述した「空き家バンク」の活用も視野に入れるとよいでしょう。賃貸では家賃4万円程度の物件が多く、売買では50万円台~2,000万円台まで幅広い価格帯の物件がそろっています。(2022年9月現在)

空き家バンクの情報が掲載されている移住定住ポータルサイト「hodohodo」では、物件の「VR内覧」をすることができます。空き家バンクの利用状況は随時変わるため、以下のホームページで最新情報をご確認ください。

>>江田島市の「空き家バンク」で空き状況をチェック!

江田島市に移住した方の体験談をチェック

ここでは、実際に江田島市に移住した方の声をいくつかご紹介します。

高橋さんご家族(広島市から江田島市へ移住)

江田島市出身の同僚に勧められて、江田島市内に土地を購入。念願だった「エアロハウス」を建てました!
広島市内に職場があるため、自宅からはフェリーで通勤しています。
江田島市の魅力は、空気が美味しくて、季節を自然の匂いから感じられること。
のんびりとした暮らしが叶うエリアなので、ほのぼのとした日々の中で子どもたちの笑顔が増えたこともうれしく思っています。

中川さんご家族(東京から江田島市へ移住)

東京にある不動産会社に勤務していましたが、会社からの独立をきっかけに江田島市への移住を決めました。
実は青春時代を江田島で過ごしたのですが、その際に下宿などを詳しく紹介してくれる不動産屋がなくて苦労した経験があり、「江田島で不動産会社を起業したい!」とひらめいたのです。江田島市に移住して感動したのが、地域の方が優しくていろいろと助けてくださること。
ご近所付き合いや自治体活動などを通じて交友関係がどんどん広がり、毎日が楽しいです。

江田島市は、自然に囲まれたロケーションでのんびりと暮らしたい方にぴったりなまちですね。地域の方も気さくにサポートしてくださる印象で、移住後に自然と溶け込めそうなエリアだと感じます。

江田島市への移住に向けて行いたい2つのステップ

江田島市への移住を検討している方は、以下でご紹介する2つのステップに沿って移住計画を進めてみてください。

【ステップ1】まずは移住について相談する

江田島市での暮らしが自分に合っているのかを知るために、まずは移住相談をすることから始めましょう。その際には江田島市役所の企画振興課か、移住相談窓口である「江田島市移住交流拠点施設 フウド」にメールや電話で問い合わせることをおすすめします。

>>移住定住ポータルサイト「hodohodo」移住相談についてはこちら

>>「江田島市移住交流拠点施設 フウド」についてはこちら

江田島市移住交流拠点施設フウドの外観
▲江田島市での暮らし・仕事・住まいに関する情報が充実!「江田島市移住交流拠点施設 フウド」

江田島市移住交流拠点施設フウドのスタッフ
▲フレンドリーなスタッフが親身に相談に乗ってくれます!

【ステップ2】移住時に利用できそうな補助制度をチェック

江田島市には、移住の際に役立つ支援・補助制度が充実しています。ぜひ事前にチェックして、条件に当てはまれば積極的に活用しましょう。

移住視察片道交通費支援制度

移住を目的に江田島市へ訪問して活動する場合に、交通費を補助してもらえる制度です。

「市または一般社団法人フウドでの移住相談を行い、市内の宿泊施設に1泊以上の宿泊をする者」「空き家バンク制度の内覧を行う者」といったいずれかの条件に当てはまる場合、1人あたり上限2万円の補助を受けられます。

ほかにも細かな条件が設定されているため、詳しくは以下の「移住視察片道交通費支援制度」に関する案内をご確認ください。

>>「移住視察片道交通費支援制度」について詳しくはこちら

定住促進事業補助金制度

江田島市に定住することを目的として家を新築または購入し、転入した場合に、対象経費の30%(上限30万円)を補助してもらえる制度です。

ただし、「転入後5年間は江田島市に在住すること」などの細かな条件が定められています。詳しくは以下の「定住促進事業補助金制度」に関する詳細を参照してください。

>>「定住促進事業補助金制度」について詳しくはこちら

定住促進子育て世帯家賃補助金

江田島市内の民間賃貸住宅に市外から移り住む子育て世帯の場合、家賃額の2分の1の額または1万円のどちらか低い方の額を助成してもらえる制度です。

「入居者のいずれかが移住前に移住相談を行ったことがある方」などの条件をはじめ、「国家公務員及び地方公務員は対象外」といった補助対象外のルールもあるため、まずは以下のホームページで詳細をチェックしてみてください。

>>「定住促進子育て世帯家賃補助金」について詳しくはこちら

江田島市の子育て世帯向け住居
▲江田島市の子育て世帯向け住居

空き家購入・修繕・DIYに関する補助

江田島市で空き家を購入するときや修繕するとき、さらにはDIYのために用具や材料を購入するときなどは、その費用の一部に補助が受けられます。「自分の家は自分で直したい」という人にピッタリの制度ですね。

補助を受けるための条件や、どのようなケースが該当するかは、以下のページで詳細をご確認ください。

>>空き家対策の補助制度について詳しくはこちら

江田島市への移住に関する情報・お問い合わせ

担当課 江田島市役所 企画振興課
住所 〒737-2297
広島県江田島市大柿町大原505番地
電話 0823-43-1630
公式サイト 【江田島市役所公式サイト】
https://www.city.etajima.hiroshima.jp/cms/
【江田島市移住・定住ポータルサイト】
https://ijyu-etajima.jp/