静岡市への移住を考える:自然と都市機能が調和した暮らしの魅力
この記事では、地方への移住を検討している方に向けて、静岡県静岡市の暮らしに関する情報をお伝えします。
静岡県の県庁所在地である静岡市は、都会の利便性と豊かな自然が共存する魅力的な地域です。日本のシンボルである富士山を眺めながら、マリンスポーツ・キャンプ・釣りなどの多彩なアクティビティを楽しむことができます。
市内各地に病院・スーパー・飲食店などの生活に欠かせない施設が点在しており、学校や住宅、仕事の選択肢も豊富です。自然に恵まれた環境でありながら、日常生活に必要な施設が充実しているため、利便性を重視する方にもおすすめの移住先といえます。
今回は、静岡市役所で移住促進を担当している増田さんと、移住コンシェルジュの淺羽さんから、静岡市の特徴や仕事・住まいなどの具体的な情報を詳しく伺いました。
静岡市の暮らしを彩る4つの魅力:自然と都市の調和
東京からわずか約1時間の距離にある静岡市は、首都圏からの移住相談が多い人気の地域です。豊かな自然環境に恵まれているため、「ゆったりとした環境で子育てがしたい」という20代〜40代の子育て世帯にとって理想的な移住先となっています。
静岡市の魅力は、大きく4つの特徴にまとめられます。
- 新幹線が停車!約1時間で東京に足を伸ばせる
- 富士山を望める海・山・川のアクティビティ
- 保育施設や体験教室で育児をサポート
- 家族で楽しめるレジャー施設・地域行事もたくさん
これから、取材で得た情報を交えながら、静岡市で暮らす魅力をより詳しくお伝えしていきます。
新幹線停車駅で便利:東京・名古屋・大阪へのアクセスが容易
静岡市の大きな特徴は、新幹線が停車するJR「静岡駅」があることです。新幹線を使うと東京や名古屋への所要時間はそれぞれ約1時間で、約2時間で新大阪へも移動できます。
大都市へのアクセスが容易なため、急な出張や帰省、旅行の際にも移動時間の負担が少なくて済みます。「移住に興味はあるけれど、ある程度の利便性は重視したい」という方にも適した移住先といえるでしょう。
富士山を望む絶景:海・山・川でアクティビティを楽しむ
日本のシンボルともいえる富士山を、身近に感じられるのも静岡市の魅力です。川や海といった自然豊かな場所だけでなく、住宅街や市街地からも富士山を望むことができます。
▲海辺からも富士山の眺めを楽しめる
▲堂々とそびえ立つ富士山は、絵になる風景
頂上部分に雪が積もるなど、富士山の見え方で季節の移り変わりを実感できるのもポイントです。日常の風景として楽しめるため、四季折々の富士山をスケッチブックに描いたり、写真に残したりするのもおすすめです。
空気が澄んでいるときには、本当に綺麗に見えますよ。市街地ではほとんど雪が降らないので、富士山を見て冬を感じています。
特に自然が豊かな山間部エリアでは、紅葉狩り、川遊び、キャンプ、釣りなど、四季折々の自然を楽しめるスポットが豊富です。さらに、海岸部ではサーフィンやSUPといったマリンスポーツも体験できるので、家族でアウトドアを堪能してみてはいかがでしょうか。
静岡市の山間部エリアを、静岡では「オクシズ」と呼びます。「オクシズ」には、温泉も複数あります。大自然を満喫できるスポットが多くあるため、お子さま連れでのお出かけ先としても人気です。
地域全体で子育てサポート:自然を活用した体験教室が充実
「共働きでも子育てしやすいまち」として知られる静岡市は、子育て関連のサポートに力を入れています。
こども園・保育園等に設置されている「地域子育て支援センター」では、子育ての不安や悩みについて相談できます。
さらに、市内2か所の「中央子育て支援センター」では、親子で参加できるイベントを開催するほか、一定の条件下でお子さまの一時預かりも行っています。
▲子育て支援センターは子育て中のママ・パパが集まる触れ合いの場にもなっています
移住者の中には、就学前のお子さまを育てる方もたくさんいらっしゃいます。年に1回ほど「移住者交流会」を実施しているので、ママ友づくりや情報交換の場としてぜひご活用ください。
市内には、スポーツ少年団をはじめとする多様な習い事が充実しています。
また、公益社団法人が主催する体験教室も人気です。石垣イチゴの収穫体験やSUP体験などが楽しめます。
さらに、駿河の伝統工芸やお茶摘みなど、静岡市ならではの体験も豊富に用意されています。詳しくは公式サイトをご覧ください。
家族で楽しむ充実のレジャー施設と伝統的な地域行事
静岡市は、家族向けのレジャースポットが豊富です。船の模型を展示する「広野海岸公園」や海辺の観覧車が特徴的な「エスパルスドリームプラザ」、人気のシロクマがいる「日本平動物園」などがあり、市内で充実した休日を過ごすことができます。
▲「広野海岸公園」の砂浜にある船の模型。記念撮影スポットとして人気
▲海辺に位置する「エスパルスドリームプラザ」は、休日の家族のお出かけに最適
▲「日本平動物園」では、頭上を泳ぐシロクマの姿が大人気
これらの施設は市街地から車で30分程度の場所にあるため、気軽に訪れることができます。家族で静岡市内をドライブしながら、興味のあるレジャースポットに立ち寄るのもおすすめです。
また静岡市では、週末のマルシェから年に一度の静岡まつり・安倍川花火大会まで、規模の異なる様々な地域イベントが開催されています。
▲地元の美味しいグルメを楽しめるマルシェ。家族での来場も楽しめる
▲毎年3月末から4月上旬頃に開催される伝統ある「静岡まつり」
▲安倍川花火大会は、毎年7月の最終土曜日に開催される夏の風物詩
これらの地域イベントに参加することで、家族で日本の文化や伝統行事について理解を深める良い機会となります。
毎年5月には姉妹都市のフランス・カンヌ市で開催されるカンヌ国際映画祭に合わせて、「シズオカ×カンヌウィーク(愛称・シズカン)」を実施しています。マルシェや野外上映など、カンヌの雰囲気を楽しめる洗練されたイベントです。
▲「シズオカ×カンヌウィーク」は葵区の七間町商店街と清水区の三保内浜海岸で開催される人気イベント
静岡市内の多様な暮らし:エリア別の特徴を比較
南北に長い地形の静岡市は、大きく市街地エリアと山間部エリア(オクシズ)に分けられます。
葵区には新幹線が停車するJR「静岡駅」のほか、静岡と清水を結ぶ静岡鉄道「新静岡駅」や、市役所・公園・美術館もそろっているのが特徴です。静岡駅周辺には、大型の商業施設やレストラン・居酒屋なども建ち並んでいるため、利便性を重視する方におすすめです。
海の近くで生活したい方には、駿河区・清水区が適しています。駿河区に位置する安倍川の河口には野鳥も集まり、バードウォッチングを楽しむことができます。
清水港を有する清水区は、東海道の宿場町として栄えてきた地域です。清水マリンパークや三保の松原、日本平など、家族で訪れることができる絶景スポットも充実しています。
市街地エリアから山間部エリアまでは、車で15分ほどの距離です。各エリアに電車・バスも通っていますが、より快適な生活を希望する方には車の利用をおすすめします。車を持たずに電車・バスの停留所付近の物件を選び、慣れてから自家用車を購入される移住者も多いようです。
静岡市での暮らしを支える:生活に役立つ基本情報
▲「お茶どころ静岡」ならではの茶摘み体験も人気
続いて、静岡市で生活する上で知っておくと役立つ情報をまとめてお伝えします。以下の表をご覧ください。
気候 | 8月平均気温:28.8℃ 1月平均気温:7.2℃ ※参考:気象庁(静岡県静岡地点) |
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人口 | 人口:約67万5,000人 世帯:約30万戸 (2024年1月15日時点) |
病院 | 【クリニック・診療所】 葵区:205か所 駿河区:141か所 清水区:134か所 【病院】 葵区:16か所 駿河区:4か所 清水区:7か所 【歯科】 葵区:150か所 駿河区:91か所 清水区:100か所 (2022年11月時点) |
保育施設 | 【認定こども園(幼保連携型)】 104園 【保育園】 30園 (2023年9月1日時点) |
学校 | 【小学校】 88校 【中学校】 57校 【高等学校】 27校 【短期大学】 3校 【大学・大学院】 6校 (2023年5月1日時点) |
交通 | 【空港】 富士山静岡空港 (静岡駅から直行バスで約50分) 【港湾】 清水港⇔土肥港 (駿河湾フェリーで約75分) 【電車】 JR東海道新幹線:静岡駅 JR東海道本線:静岡駅ほか9駅 静岡鉄道:新静岡駅ほか14駅 【車】 東名高速道路 新東名高速道路 中部横断自動車道 |
特産品の一例 | ・お茶 ・わさび |
近隣都市 | ・富士宮市 ・富士市 ・焼津市 ・藤枝市 |
静岡市内の各区には多数のクリニック・診療所・病院があり、小児科や産婦人科の選択肢も豊富です。地域によって多少異なりますが、スーパー・コンビニはもちろん、飲食店も充実しています。買い物や通院といった日常生活は、静岡市内でほぼ完結できるでしょう。
静岡市内は坂道がほとんどなく、自転車や原付バイク(原動機付自転車)でも移動しやすい地域です。車以外の交通手段も充実しているため、通勤・通学の負担が少なくて済みます。
静岡市は気候も穏やかな傾向にあり、市街地エリアでは、スタッドレスタイヤなしで車を運転できます。また、シェアサイクル「PULCLE」を利用する方も多いですね。
仕事探しの選択肢:豊富な正社員求人とテレワーク活用の可能性
大手求人サイトで静岡市の正社員求人を検索したところ、2万5,000件以上がヒットしました。テレワークを導入している求人も1,000件以上あり、多様な働き方に対応した仕事の選択肢が豊富といえるでしょう。(2024年2月時点)
※参考:求人情報の一例
ご自分に合った求人を見つけるには、タイミングも重要です。移住前から転職エージェントやハローワークに登録し、静岡市の求人を定期的に確認しておくことをおすすめします。
ハローワークの求人数も豊富で、静岡市の葵区だけでも1,300件以上の仕事が公開されていました。(2024年2月時点)
※参考:ハローワーク
製造業の工場や一般事務職、IT関連のWeb制作など、業種も幅広く揃っているため、自身の経験や専門性を生かした仕事探しも十分に可能です。
住まい探しの幅広い選択肢:賃貸・購入物件の豊富さと多様性
大手の住宅情報サイトでは、静岡市内の賃貸物件が多数公開されています。静岡市内の中心部といえる葵区だけでも4,000ほどのアパートがあり、物件の選択肢が豊富です。(2024年2月時点)
2LDKの相場は8万円台〜9万円台で、JR「静岡駅」からバスと徒歩で30分ほどの位置だと8万円台の新築物件も見つかります。
※賃貸物件の一例
駿河区は3,700件、清水区は2,500件ほどの物件があり、いずれも7万円台〜8万円台が相場です。築年数の浅い物件も多いため、家族構成や好みに合わせて理想の住まいを見つけやすい環境です。
物件数は季節によって変動し、引越しや新生活のシーズンには特に変化が大きいです。移住を検討されている方は、早めに静岡市の物件情報をチェックすることをお勧めします。
静岡市は都心と比べると土地価格が安く、マイホームを持ちやすい地域です。新築戸建ての選択肢も多く、4LDKで2,000万円台の物件も見られます。賃貸物件で移住をスタートし、静岡市の生活に慣れてからマイホームの購入を検討するのも良い選択肢です。
静岡市移住者の声:実際の暮らしから見える魅力と課題
ここからは、静岡市に移住した方々から寄せられた感想をまとめて紹介します。これらの声を参考に、静岡市での生活をより具体的にイメージしてみましょう。
- 穏やかな住民が多く、散歩中に「今日もいい天気だね」と気さくに声をかけてもらえる
- 人々の歩くスピードもゆったりしており、子どもたちにとっても生活しやすい環境
- 野外保育や自然体験などの機会が豊富で、たくましい子どもの成長を促す
- 転勤で移ってきた方も多く、新しい住民を温かく迎え入れる雰囲気がある
- 東京への出張が週に数回ある場合でも、適度な距離感で移動しやすい
これらの感想から、適度な距離感を保ちつつも人々とのつながりが感じられる静岡市の暮らしが浮かび上がってきます。特に子育て世代からは、豊かな自然環境を活かした教育機会が高く評価されています。
「しずおか森のようちえん」という園舎を持たない野外保育施設に魅力を感じて移住を決める方も少なくありません。この施設では、小雨の日でもカッパを着て外で遊んだり、泥遊びを通じて土の感触を直接体験したりと、自然との密接な触れ合いを大切にしています。
静岡市への移住を実現する2ステップ:情報収集から体験まで
静岡市への移住後の快適な暮らしを実現するには、事前の準備が欠かせません。この準備を効果的に進めるため、2つの重要なステップに分けて詳しく紹介します。
ステップ1:相談会・フェアに参加して静岡市の魅力を知る
静岡市では、移住を検討している方々のために、オンラインも活用した移住相談会やフェアなどのイベントを定期的に開催しています。イベントの内容は多岐にわたり、民間の転職エージェントや銀行の専門家から、移住後の仕事探し、住まい選び、資金計画などについて具体的なアドバイスを受けられる機会もあります。
これらのイベント開催情報は、静岡市の公式移住・定住サイト「いいねぇ。静岡生活」で随時更新されています。移住をお考えの方は、最新の情報を見逃さないよう、定期的にチェックすることをおすすめします。
公式サイト:いいねぇ。静岡生活「最新ニュース」
ステップ2:お試し住宅で静岡市の暮らしを体験する
相談会・フェアなどのイベントに参加した後は、静岡市が移住に興味がある方向けに用意している「お試し住宅」を申し込んでみましょう。
お試し住宅には市営住宅を活用しており、1日500円の体験料で3泊4日から2週間まで利用できます。テレビ・掃除機・調理器具・食器類など、日常生活に必要な家財道具が揃っているため、静岡市での生活をより具体的にイメージできます。
▲3LDKの間取りで、ファミリーの移住体験にも対応
お試し移住の期間中には、図書館や子育て支援センターなどの公共施設を見学できます。実際の雰囲気を自分で確かめられるので、移住後のギャップを減らすことができるでしょう。
お試し住宅の詳細は静岡市の移住・定住サイト「いいねぇ。静岡生活」で公開されています。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
公式:いいねぇ。静岡生活「全国トップクラスの住みやすさを体験!静岡市お試し住宅のご案内」
首都圏在住の方には、お試しテレワーク体験もおすすめです。条件を満たすと、往復新幹線代と施設利用料、宿泊費の一部をサポートします。条件や申込方法などの詳細は、最新の募集要領をご確認ください。
公式:"仕事はそのまま、住まいは静岡市"「静岡市お試しテレワーク体験事業2024」実施開始!|いいねぇ。静岡生活(shizuoka-seikatsu.jp)
静岡市移住の詳細情報:相談窓口とお問い合わせ先
静岡市への移住を検討している方は、東京と静岡の両方に相談窓口があります。より詳しい情報や個別の相談をご希望の方は、以下の窓口にお問い合わせください。
東京窓口 | 静岡市移住支援センター |
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住所 | 〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館8階 (認定NPO法人ふるさと回帰支援センター内) |
電話番号 | 080-2125-1591 |
対応時間 | 10:00~18:00 ※月曜・祝日は休館 |
公式サイト | https://www.furusatokaiki.net/consultation_counter/tokai/shizuoka-shi/ |
静岡窓口 | 静岡市役所 企画課 |
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住所 | 〒420-8602 静岡市葵区追手町5-1 静岡庁舎9階 |
電話番号 | 054-221-1240 |
対応時間 | 8:30〜17:00 ※土日・祝日は閉庁 |
公式サイト | 移住・定住情報サイト:https://shizuoka-seikatsu.jp/ 静岡市:https://www.city.shizuoka.lg.jp/ |