静岡県浜松市への移住のすすめ:自然と都会のバランスが魅力の暮らし
この記事は地方都市への移住を検討している方へ向けて、浜松市の魅力を知ってもらい、移住先の一つとして検討してもらうことを目的としています。
日本列島の真ん中、静岡県西部に位置する浜松市は、自然と都会が融合した欲張りな街です。
浜松駅を中心とした市街地は閑静な住宅街ですが、浜松の南側には日本三大砂丘に数えられる中田島砂丘と遠州灘の海。西側にはうなぎで有名な浜名湖、北側は山。住むエリアにより、理想のライフスタイルを叶えることができる都市です。
今回は浜松市に10年以上暮らしている筆者が浜松市で暮らす魅力をお伝えします。
浜松市で暮らす6つの魅力:自然と都市の調和
早速、浜松市の特徴を解説していきます。それぞれ詳しく説明していきます。
項目 | 特徴 |
---|---|
地理 | 市街地は平野で閑静な住宅街が広がる。南に海・西に湖・北に山と自然に囲まれている。 |
気候 | 日当たり抜群!平野部は雪も降らず、温暖。ただし、風が強い日も多い。 |
グルメ | うなぎ、しらす、牡蠣など海産物が豊富。餃子やハンバーグなどの有名店も多数。 |
産業 | 楽器制作の会社が多く、音楽の街とも言われる。 |
レジャー | マリンスポーツからキャンプ、ゴルフまで市街地から1時間圏内で行ける箇所が多い。 |
交通 | 東海道新幹線が止まるため、東京、名古屋、大阪まで1本でいける |
浜松は食べ物が豊富で、ご当地グルメが多いのも魅力です!新婚夫婦が浜松グルメを楽しむ漫画「焼いてるふたり」では、浜松のご当地グルメを知ることができますよ〜。
地理的なメリット:日本の中心に位置する抜群のアクセス
浜松市の中心である浜松駅は東海道新幹線の停車駅です。東京・横浜・大阪までは約1時間半、名古屋へは30分で行くことができます。
また、富士山静岡空港までは車で1時間ほど、中部国際空港へは2時間ほどでいけるため、どこへ行くにも不便さは感じません。
都市 | 時間 |
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札幌 | 約3時間(飛行機) |
仙台 | 約4時間(新幹線) |
東京 | 約1.5時間(新幹線) |
横浜 | 約1.5時間(新幹線) |
名古屋 | 約30分(新幹線) |
大阪 | 約2時間(新幹線) |
福岡 | 約3時間(飛行機) |
沖縄 | 約3.5時間(飛行機) |
温暖な気候:日照時間トップクラスの快適な暮らし
浜松市は日照時間が長く、2013年には1位、それ以降も毎年上位に入る日当たりの良い都市です。
ただ、浜松市の中でも山間部と平野部では気候も大きく変わります。山間部には静岡県内でも2箇所しかない豪雪地帯の1つがありますが、住宅街の多い平野部では滅多に雪は降りませんし、日照時間も相まって冬でもポカポカとした陽気で気持ちの良い気候です。
基本的には温暖ですが、強い風が吹く日もあります。特に海沿いの北風(遠州のからっ風と呼ばれています)が強い日は体感温度がマイナスになることもあります。
場所により大きく気候が変わる都市ではありますが、逆に言えば気候から住む場所を選ぶこともできます。
浜松での「雪降ってる!」は粉雪が舞うレベル。1センチでも雪が積もると子供たちは大騒ぎ、数センチ積もるのは10年に1度あるかのレベルです。
豊かな食文化:高級食材と多彩なご当地グルメ
自然豊かな浜松市は漁業、農業、酪農、全てにブランド銘柄があり、高級食材の宝庫です。
特産物 | |
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海産物 | うなぎ、しらす、とらふぐ、アサリ、クルマエビ など |
果物 | 三ヶ日みかん、クラウンメロン など |
野菜 | チンゲンサイ、白玉ねぎ、お茶葉 など |
酪農 | 三ヶ日牛、いなさ牛乳 など |
お酒 | 花の舞(日本酒) など |
ご当地グルメ | 餃子、さわやかのハンバーグ、うなぎパイ、牡蠣カバ丼 など |
生しらすや生桜エビがスーパーで買える!
舞阪港・浜名港ではウナギやシラス、トラフグ、クルマエビ、ドウマンガニなど高級な魚介類が多く水揚げされていて、地元のスーパーでも新鮮な魚介類がたくさん並んでいます。近隣都市の焼津や清水ではマグロやカツオが有名なので、スーパーでも新鮮なお刺身が安く手に入りますし、生しらすや生桜エビがスーパーで買えるのは珍しいのではないでしょうか。
全国的に有名な「三ヶ日みかん」
▲静岡県民なら一度は目にしたことがある三ヶ日みかんのロゴ
引用:三ヶ日みかんの歴史(JAみっかび)
静岡といえばお茶、みかん、わさびのイメージを持っている人も多いと思います。浜松では特に「三ヶ日みかん」が有名で、全国のスーパーで見かけます。他にもメロン、ピオーネ、柿、梨などのフルーツが美味しいです。
有名なご当地レストランも多い
▲浜松市民に愛されるさわやかのげんこつハンバーグ
浜松といえば鰻屋が多いことで有名ですが、他にも有名なレストランがたくさんあります。例えば、げんこつハンバーグの「さわやか」は毎日行列ができる人気店です。五目焼きそばやラーメンが美味しい「五味八珍」も地元民に愛されています。
また、佐鳴湖周辺エリアにはおしゃれなカフェやイタリアンやフレンチのレストランがとても多いです。ランチデートや記念日のディナーに向いている美味しいお店がたくさんあります。
伝統と文化:200万人が参加する浜松まつりと歴史遺産
▲浜松まつりで揚がる凧たち
浜松を語る上で外せないのが浜松まつりです。毎年ゴールデンウィークの5月3日・4日・5日に開催される浜松まつりは、中田島砂丘で行われる巨大な凧揚げ合戦と、市街地を練り歩く御殿屋台の引き回しを中心にしたお祭りで、毎年200万人以上が参加しています。
凧揚げ合戦は町内ごとに独自にデザインされた150以上の凧が空を飛び、その光景は圧巻です。町ごとの法被を着た人たちで溢れかえり、練り歩くラッパの音が響き、市内中がお祭りムード一色です。
浜松市の中学では凧を制作し、実際に揚げる特別授業があります。浜松市民にとってはとても大切なお祭りです。
徳川家康が17年住んだ「浜松城」
他には、徳川家康が武田信玄との戦いに備えて築城し、17年居城した浜松城もあり、歴史を感じることができます。
浜松城にちなんだ浜松市のマスコットキャラクター「家康くん」は2015年のゆるキャラグランプリで優勝をしていて、ここ数年テレビや街中でよく見かけるようになりました。うなぎのちょんまげにピアノ柄、みかんと浜松市の名物を詰め込んだ可愛いキャラクターです。
生活コスト:大都市圏としては平均的な物価と家賃
1K | 4〜6万前後 |
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1LDK | 6〜8万前後 |
2LDK〜 | 7〜11万前後 |
医療体制が整っており、平均寿命が長い
浜松市には大きな総合病院が7つあり、夜間救急から救命救急センターまで病院と行政が連携して休みなしの体制を整えています。
子育て世代の支援にも力を入れている
ファミリーでの移住や子育てだと、周りに頼れる人がいなくなってしまう不安があります。浜松市では「子育て支援ひろば」として、遊び場の提供や育児相談ができる施設があります。
また、子供を一時的に預かって欲しい人とのマッチングを支援するファミリーサポートセンターもあり、仕事との両立もしやすいです。
現地の声:浜松市民が語る暮らしの実態と魅力
- 20代女性(最寄駅:浜松駅)
浜松まつりなどは子供からお年寄りまで参加していて活気がある雰囲気。食事もご当地グルメが美味しい。一方で、特定のイベントや欲しいものを買おうとすると名古屋まで出なくてはいけないことも多い。
- 30代男性(最寄駅:高塚駅)
都会すぎず田舎すぎず、人の多さと都市の発展具合がちょうど良くバランスが取れている。ただ、ショッピングモールやレジャーを楽しもうとすると、自動車がないと不便。また、入り組んだ道が多く迷うこともあり、時間帯によっては道が混む。
- 50代男性(最寄駅:浜松駅)
公共施設が多く、音楽の街として街角コンサートがあるのが良い。郊外に大型のショッピングモールが増えて、浜松駅周辺は寂れて来てしまっているのが残念。
- 30代女性(最寄駅:浜松駅)
温暖な気候で晴れている日が多く、過ごしやすい。周辺エリアの治安が良く、夜間の外出に不安がない。買い物にも特に困らないので、便利だと思う。
- 30代男性(最寄駅:浜松駅)
釣りが趣味なので、浜名湖で色々な魚を釣ることができるのが良い。自然豊かだけど、それほど田舎でもなく、程よいバランスが気に入っている。ただ、レジャーを楽しむなら車は必須。
- 30代女性(最寄駅:都田駅)
コストコもあって、買い物が便利。車なしでは生活できないが、駐車場はどこも無料だし、どこに行くにも空いている。人がそれほど多くない割に栄えているところが良い。
浜松市のレジャー:多彩なアクティビティと音楽イベント
テーマパーク | 浜名湖パルパル、浜松フルーツパーク、フラワーパーク |
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動物園 | はまZOO(浜松市動物園) |
博物館・科学館 | 浜松市科学館みらいーら、浜松市博物館、楽器博物館 |
美術館 | 浜松市美術館 |
海の遊び | 釣り、サーフィン、ウェイクボード、SUP、ビーチスポーツ など |
山の遊び | ゴルフ、キャンプ、アスレチック、ハイキング など |
その他 | まちなかコンサート、やらまいかフェス |
自然を満喫:海と山両方で楽しめるアウトドア体験
浜名湖では釣りやSUP、ウェイクボード、ウィンドサーフィンで遊べます。遠州灘は遊泳禁止になるほど波が高く、流れが早いですが、絶好のサーフスポットが多く、県外から通うサーファーも多いほどです。
遠州灘の砂浜はアクセス、広さ、砂質とビーチスポーツにピッタリで、ビーチバレー、ビーチテニス、ビーチラグビー、ビーチサッカーなどを楽しむ人が多くいます。
また、山の遊びはキャンプやゴルフ、アスレチックなどがあり、簡単には遊び尽くせないほど自然レジャーが豊富です。
音楽の街:市民参加型の音楽イベントが充実
浜松市にはヤマハ、カワイ、ローランドなど大手楽器メーカーをはじめ、200社以上の楽器関連企業があり、楽器の街と言われています。
これは明治時代にヤマハ創業者が浜松の小学校のオルガン修理をしたことをきっかけに、浜松でオルガン製作をスタートさせたことが始まりとなっています。
また、浜松駅の新幹線コンコースにはストリートピアノが設置されており、即興で演奏している姿をよく見かけます。さらに、自治体と連携しての市民コンサートが多く開催されていたりと、市民が音楽と親しむ機会が多い街です。
「まちなかコンサート」では市内の吹奏楽部や消防音楽隊が演奏をしていますし、「やらまいかミュージックテスティバル」では市民が自由に参加できる音楽フェスを開催しています。ちなみに、”やらまいか”とは、浜松の方言である遠州弁で、遠州っ子の気質を表現したキャッチコピーのような言葉です。
私も高校生の頃に、友達と組んでいたバンドで「やらフェス」に出演した経験があります。浜松駅周辺の至る所から音楽が聞こえてきて、とても楽しいです。
浜松市のライフスタイル:3つのエリアで叶える理想の暮らし
ここまでに浜松市の魅力として、海と山どちらもあり市内でもエリアによって気候などが大きく違うことを解説してきましたが、これは住むエリアによって生活スタイルが大きく変わることへ繋がります。
3つのエリアに分けた暮らしの特徴を解説しますので、理想の暮らし方をイメージしながら、どのエリアで生活をしたいか考えてみてください。
都市型生活:中区・東区の便利で快適な暮らし
また、佐鳴湖近辺の佐鳴台エリアは1970年代から一気に開発が進んだ比較的新しい街で、整備された道路に一軒家が多く並ぶ閑静な住宅街エリアです。
中区・東区に移住した人の声
- 30代女性(埼玉県から移住、中区在住)
浜松市に転勤が決まり、会社が用意したアパートのある中区に移住。チェーン店の種類が埼玉とは異なるが、意外と交通の便が良いので住んでいて不便を感じることはない。気候が暖かく安定しているところが良い。
- 40代男性(広島県から移住、中区在住)
転勤で浜松に住むことになり、広島へ帰省する際、移動が便利な中区に移住。交通の便がとても良く、特に新幹線を使うことが多いので、快適。気候も暖かく、食べ物も美味しいので満足している。
- 30代女性(東京都から移住、中区在住)
夫が精神的に疲れてしまい、静かだけど便利な街を求めて浜松へ移住。都会過ぎず田舎過ぎないので便利さを感じつつ、ゆったり過ごせている。土地勘がなく、まわりに知り合いもいないので不安があったが、優しい人が多くてホッとした。
水辺の生活:西区・南区で楽しむ湖と海のある暮らし
浜名湖のすぐ近くである西区と、遠州灘・天竜川に近い南区はマリンスポーツを楽しみたい人にぴったりのエリアです。
浜名湖に近い西区は舘山寺温泉や遊園地であるパルパル、動物園、フラワーパークと観光スポットが多いエリアです。
南区はどちらかといえば昔ながらの住宅街で田舎の雰囲気がありますが、海と浜松駅に比較的近く自然と都会どちらも満喫できます。
西区・南区に移住した人の声
- 20代女性(兵庫県から移住、西区在住)
旅行で浜松に訪れた際、気候が暖かくて住みやすそうだと感じ、思い切って移住。アパートの家賃が安く、田舎でもなく都会でもないちょうど良いバランスが気に入っている。観光スポットも豊富で、食べ物も美味しい。医療費や光熱費が高いところが少し不満。
- 40代男性(大阪府から移住、西区在住)
仕事の都合で浜松に引っ越し。電車通勤なので、駅から徒歩圏内で、かつ家賃が安い場所で探して西区に決めた。海の近くなので冬は風が強く体感温度が低いが、近くに浜中湖があるため魚釣りを初めたら、以来どっぷりハマってしまった。
- 20代男性(福岡県から移住、西区在住)
転勤をきっかけに夫婦で移住。北部は自然が豊かで気持ちよく、南部はショッピング施設が充実している。比較的、どの店舗も広々としていることと、物価が安いところが気に入っている。車がないと少し不便を感じることがある。
田舎暮らし:天竜区で体験する自然豊かなスローライフ
区域のほとんどが森林の山里エリアで、人口も少なく、自然の中でゆったりとした暮らしをしたい人に向いています。
自然に関連する観光名所が多く、ゴルフ場や鍾乳洞、オートキャンプ場で有名な気田川や、全国にある秋葉神社の起源ともいわれる、秋葉山本宮秋葉神社などがあります。
都田町ではフルーツパークがあるように果樹園が多くあり、引佐町では酪農家が多く、浜松のブランド牛乳である「いなさ牛乳」が有名です。
農業や林業に携わりたいと考えている人におすすめしたいエリアです。
山里エリアに移住した人の声
- 40代女性(沖縄県から移住、北区在住)
結婚を機に夫の実家近くに移住。趣味のサーフィンができる環境が良くて北区に決めた。高速道路のICが近く他県に移動しやすいところは良いが、市内でも中心部から離れると道路が一車線になりスムーズに運転しづらい点が不便。
浜松市の移住サポート:相談会と支援制度
もし、浜松市への移住に興味を持ったら、まずは浜松移住センターへの問い合わせから、移住に関する資料を送ってもらうことができます。
また、直接話を聞きたい場合は、都市部への移住を検討している方は水曜日、山間エリアの場合は金曜日にオンラインでの移住相談が可能です。
経済的支援:浜松市の移住者向け補助金と支援制度
浜松市への移住を決めた場合、補助金がでます。詳しくは浜松移住センターへ問い合わせをしてください。
名称 | 詳細 |
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ハマライフ住宅取得費補助金 | 市外からの移住者に対して、住宅取得などの費用を最大で100万円補助 |
浜松市はじめようハマライフ助成事業費補助金 | 東京圏からの移住に対して 単身:60万円 二人以上:100万円 |
浜松市移住のメリット:自然と都会の良いとこどりができる暮らし
浜松市の魅力をまとめると、自然と都会感のバランスが絶妙な街です。首都圏での生活に疲れてしまい、趣味を楽しみながらゆったりとした暮らしをしたい。そんな人におすすめしたい街です。
自然レジャーや音楽に触れる機会が多い浜松だからこそ、趣味や遊び体験を軸とした生活ができ、仕事とプライベートのバランスがとりやすい環境を作れるのではないでしょうか。
浜松に興味を持った方は、ぜひ一度遊びに来て自然やグルメ、気候などを体感してみてください。
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