宮城県蔵王町への移住ガイド:豊かな自然と温泉を楽しむ暮らし|仕事・住まい・支援情報
この記事では移住を考えている人に向けて、宮城県蔵王町(ざおうまち)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。
蔵王町は宮城県の南西部に位置し、東北の霊峰とされる蔵王連峰の東側の麓にあります。仙台市までは車で約1時間です。
今回は、蔵王町まちづくり推進課の我妻さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。
蔵王町の4つの魅力:自然・温泉・利便性・特産品
蔵王町は蔵王連峰や遠刈田温泉(とおがったおんせん)などの豊かな自然に恵まれながらも、利便性の良いまちです。
そんな蔵王町での暮らしは、次のような方に適しています。
- 豊かな自然に囲まれて暮らしたい
- 温泉が好き・気軽に温泉に入りたい
- 自然の中で暮らしたいけど、利便性も捨てがたい
- 季節の美味しいものをいただきたい
上記のような方に適している理由を、蔵王町に見られる4つの特徴から解説します。
蔵王連峰の四季折々の絶景:移住者を魅了する豊かな自然
▲蔵王の象徴「御釜(おかま)」はエメラルドグリーンの火山湖。日の当たり方でさまざまに色を変える湖水は、強酸性で生物は生息できない
蔵王町の西側には蔵王連峰があります。そびえ立つ蔵王連峰に沈む夕日はとても美しく、いくら見ても飽きないものです。
春は桃の花や梨の花が咲き、蔵王エコーラインでは雪の回廊を楽しめます。夏はトレッキングに最適な季節です。山全体が緑に覆われ、高山植物も見つけることができます。9⽉下旬〜10⽉下旬は紅葉シーズンで、山が鮮やかに色づく時期。紅葉狩りを楽しみましょう。
▲蔵王エコーラインの雪の回廊
冬はなんと言っても迫力の造形美である「樹氷」を見られるのが魅力です。また、町内にはスキー場が2カ所あり、スキーやスノーボードを楽しむ観光客で賑わいます。
▲蔵王山の樹氷。樹氷は「スノーモンスター」とも呼ばれ、日本でも限られた場所でしか見ることができない
このように蔵王町では四季折々の自然の美しさを楽しめるところが大きな特徴のひとつです。
3つの温泉地で心身リフレッシュ:日常的に楽しめる温泉文化
▲遠刈田温泉の露天風呂から望む蔵王連峰
蔵王町には「遠刈田温泉」をはじめ、黄金色の湯を楽しめる「黄金川温泉(こがねがわおんせん)」、秘湯「鎌倉温泉」と、温泉が3カ所あります。
中でもまちの西部にある遠刈田温泉は開湯400年と歴史ある温泉旅館街です。「神の湯」と「寿の湯」の2箇所の共同浴場があるほか、日帰り入浴が可能な温泉宿も多数あるので、全部回ってみるのも楽しそうですね。神の湯では足湯も利用できるので、時間のないときでもサッと楽しめます。
▲開湯400年の遠刈田温泉には公衆浴場が2軒あり、気軽に利用できる
平日の仕事後や週末のリフレッシュに、温泉巡りをしてみてはいかがでしょうか。
自然と利便性の両立:車があれば快適な蔵王町の暮らし
豊かな自然に恵まれ、穏やかな暮らしが実現できる蔵王町ですが、嬉しいことに普段の生活に不便はありません。日頃の買い物は車で15分圏内で揃いますし、隣町の大河原町まで足を伸ばせば、大きな病院やショッピングセンターがあります。
また、宮城県の県庁所在地であり、東北随一の都市である仙台市までは一般道で約1時間と好アクセス。蔵王町は鉄道がなくバスの運行本数も少ないですが、車があれば、いろいろなところへアクセスしやすいまちです。
地元の恵みを食卓に:新鮮な農産物と特産品が身近に
▲蔵王町の特産品の梨は、生産量が宮城県トップ。ふるさと納税の返礼品としても人気がある
蔵王町は町内の高低差が約1,800mもあるため、四季折々、多種多様な野菜やフルーツが生産されています。蔵王連峰の湧き水で育まれるため、野菜もお米もとても美味しいと評判です。特に昼夜の寒暖差によって甘さが引き出された高原大根は、ずっしりしていてみずみずしさが溢れます。フルーツは、梨や桃、ブルーベリーなどの生産が多いです。
また、蔵王町は畜産も盛んなまちで、チーズなどの乳製品や牛乳なども特産品です。産直所も数カ所あり、新鮮な地元の美味しいものが気軽に入手できるのは嬉しいですね。
蔵王町の暮らし:気候・人口・医療・教育・交通の基本情報
ここからは、蔵王町の暮らしに関する情報をご紹介します。
気候 | 8月平均気温:23.8℃ 1月平均気温:0.6℃ ※参考:気象庁 |
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人口 | 人口:約11,000人 世帯:約4,600戸 (令和5年8月31日現在) |
病院 | 病院・クリニック:3院 歯科:3院 (令和5年9月現在) |
学校 | 認定こども園:1園 保育所:1所 幼稚園:2園 小学校:5校 中学校:3校 高等学校:1校 (令和5年9月現在) |
交通 | 【電車】 なし。最寄駅はJR東北本線の東白石駅 【バス】 ミヤコーバス デマンドタクシーが地域限定で運行中 【車】 仙台市まで一般道で約1時間 |
近隣都市 | 白石市、仙台市 |
▲仮装姿で遠刈田温泉街を踊る「遠刈田仮装盆踊り」は蔵王の夏を彩るイベント。素晴らしい仮装には賞金が贈られる
電車がなく、路線バスの運行本数も少ない蔵王町では、車が必需品です。冬はスタッドレスタイヤの用意をしましょう。冬の積雪量については、役場周辺は約20cmが年に数回、山の麓にある遠刈田温泉は約40cmが年に数回という程度です。心配な人は冬に下見をしてみても良いでしょう。
移住者は遠刈田温泉地区と宮(みや)地区に住む人が多く、特に登山やスキーを趣味にしている人は遠刈田温泉地区を選ぶことが多いようです。
地区ごとの自治会の集まりやイベントには、移住者も多く参加しているようです。地域に早く馴染むためにも、移住後はそうしたイベントには積極的に参加したいものですね。
充実の子育て支援:経済的サポートとママのリフレッシュ機会
蔵王町では子育て世帯に経済的な支援を行っています。保育所の保育料は、周辺自治体と比較して最高額を約5割に抑えているほか、0〜18歳の医療費も無償化されています。
また、蔵王町ふるさと文化会館(ございんホール)では、子育てや家事に忙しいお母さんたちにリフレッシュ時間を提供する「リフレッシュMama Cafe」を開催。フラワーアレンジメントやお菓子づくりを体験できます。お母さん同士の交流の場としても活用できそうですね。
子育て支援センターでは親子で自由に遊べるスペースがあり、さまざまな年齢の子どもと交流できます。子育ての悩みや不安も相談できるので、気軽に利用しましょう。
週末のお出かけには、ヤギなどの動物と触れ合える「ふれあい牧場 蔵王ハートランド」や、プールなどのスポーツ施設が整備された「B&G海洋センター」がおすすめです。
▲「ふれあい牧場 蔵王ハートランド」。動物との触れ合いやチーズ作りなどが体験できる
教育については、蔵王町は文部科学省から英語特区の認定を受けており、英語教育に力を入れています。具体的には、オンラインツールを使って海外の子供たちと交流したり、パラオ共和国との相互交流事業を行っています。
給食には蔵王町のお米を使用しています。まちのお米を日常的に食べることで、地元への愛着が増しそうですね。
仕事探しと起業支援:地元と近隣エリアの豊富な求人情報
大手求人情報サイトで蔵王町の求人を調べたところ、約240件ヒットしました(令和5年9月現在)。
※求人情報の一例
車での通勤時間30分圏内である25km以内で検索すると、約14,000件ヒットしました(令和5年9月現在)。近隣地域も含めて検索すると、希望の仕事が見つかりやすそうですね。
※求人情報の一例
また、蔵王町では、宮城県と共同で移住支援金を支給しています。該当する人は活用しましょう。
移住支援金 | 東京圏から蔵王町に移住し、対象求人へ就業する等の一定の要件を満たす場合に、単身での移住に60万円、世帯での移住に100万円を支給 ※18歳未満1人につき、100万円を加算。 |
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公式:蔵王町「移住支援金」
町内で働く場合は、農業、運送業、建設業、福祉関係の仕事に就く人が多い傾向です。仙台市(車で約1時間)など近隣へ通勤する人も多いようです。また、近年は東京や仙台の会社に在籍しながらテレワークをする人も増えています。
起業については、蔵王町が酪農地帯で観光地でもあるため、スイーツ系の飲食店を開業する人が多いようです。
起業に際しては次の2つの支援制度があるほか、商工会と連携して起業時のスタートアップを支援してくれる「創業相談窓口」が設けられています。まずは移住相談窓口に問い合わせてみましょう。
蔵王町空き店舗等活用支援事業補助金 | 町内の空き店舗等を活用して新たに開業する人のうち、条件を満たす場合に、店舗の改装費等を補助(最大30万円) |
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みやぎUIJターン起業支援事業 | 東京圏から宮城県内に移住し、起業する人のうち、条件を満たす場合に支援金を交付(最大200万円) |
公式:蔵王町「蔵王町空き店舗等活用支援事業補助金」
公式:みやぎUIJターン起業支援補助金
住まい探しのポイント:新築・購入支援と空き家バンク整備予定
大手住まい情報サイトで蔵王町の賃貸物件を調べましたが、とても少ないようです。移住者は戸建を新築・購入するケースが多いようです。戸建の新築・購入には補助金がありますので、ぜひ活用しましょう。
蔵王町定住促進事業補助金 | 定住を目的として、満55歳未満の人が町内に注文住宅を新築したり建売住宅や中古住宅を購入した場合に、費用の一部を補助(最大80万円) |
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また、空き家バンクが令和5年度中に整備予定です。整備され次第、「蔵王と町と暮しの移住定住のウェブサイト」にてお知らせする予定です。こまめにチェックしてみましょう。
移住者の声:自然豊かで穏やかな蔵王町での暮らし
次に、蔵王町に移住した方の感想をご紹介します。
- 自然が多いのがいい。登山が好きなので常に山に接していられて嬉しい
- スキー好きが高じて移住してきた
- 人付き合いがのんびりしていて楽
- 地域住民はおおらかな人が多い
- 時間の流れがゆったりしている
美しい自然や地域住民の人柄が好評のようです。
蔵王町移住サポート:相談窓口と支援制度の活用ガイド
蔵王町では毎週土・日、祝日に移住相談室を開室しています(10:00~16:00 TEL:0224-26-6115)。また、毎月第2、第3土曜日にオンライン移住相談を行っています。下記リンクからご確認ください。
公式:蔵王町「お問い合わせ」
移住ツアーについては、蔵王町を含む近隣の9つのまちが共同で開催しているものがあります。詳細は下記リンクからご確認ください。
公式:まるもり移住・定住サポートセンター じゅーぴたっ「宮城のみなみぐるっと移住体験」
移住後のギャップを防ぐためにも、事前に下見などでチェックするとより良い移住ライフが送れますよ。
蔵王町への移住に関するお問い合わせ
移住相談窓口 | 蔵王町役場 まちづくり推進課 |
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住所 | 〒989-0892 宮城県刈田郡蔵王町大字円田字西浦北10 |
電話 | 0224-33-2212 |
公式サイト | 蔵王町「蔵王と町と暮しの移住定住のウェブサイト」 |