高知県梼原町への移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説|縁結び大学
この記事では移住を考えている人に向けて、高知県梼原町(ゆすはらちょう)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。
梼原町は四国山脈の麓、高知市の北西に位置し、日本三大カルスト※のひとつである四国カルスト高原を擁するまちです。
※カルストとは石灰岩が地下水や雨水などによって溶かされた地形のこと
今回は、梼原町移住コーディネーターの片岡さんと長田さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。
梼原町の特徴を3つご紹介
梼原町は面積の91%が森林であり、森から生まれた水が四万十川に流れていく、緑と水に恵まれたまちです。
そんな梼原町の暮らしは、次のような方に適しています。
- 移住先での住まいが心配
- 子育て中、またはこれから子育てをする予定
- 豊かな自然の中で暮らしたい
- 木材を活かした建築物に興味がある
上記のような方に適している理由を、梼原町に見られる3つの特徴から解説します。
特徴1:家賃25,000円!移住者を受け入れる「移住定住促進住宅」
▲「移住定住促進住宅」の一例。1LDKから5LDKまでさまざまな間取りが揃っている
梼原町では、平成25年度から空き家を町が借上げて改修し、移住者を受け入れる「移住定住促進住宅」を用意しています。家賃が月25,000円と格安なこともあり、とても人気が高いです。
移住を考えたとき、住まいをどうするかは頭を悩ませるところですから、このように町の運営する賃貸住宅があるのはありがたいですね。
▲「移住定住促進住宅」のキッチンの一例
今後も件数を増やしていく予定とのことですので、移住の際は検討してみてはいかがでしょうか。下記URLからも物件の紹介をしています。
公式:ゆすはら暮らふと「ゆすはらの家」
特徴2:小中一貫教育など子育て支援が充実
梼原町では保幼小中高の一貫教育を目指しており、保育園、幼稚園の機能を持つ「梼原こども園」と小中一貫校「梼原学園」で子育てや教育に取り組んでいます。子どもたちは梼原町の豊かな自然の中でのびのび過ごし、学力だけでなく豊かな人間性も育むことができます。
また、子育て世帯への経済的な支援も充実しています。支援の一部をご紹介します。
誕生祝福金 | 生まれたとき:20,000円 1歳になったとき:20,000円 2歳になったとき:20,000円 |
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こども園保育料・給食費の無料化 | こども園の保育料と給食費を無料化 |
子ども医療費助成 | 0~18歳(高校卒業)までの医療費を無料化 |
小学1年生体操服助成 | 小学校入学時に体操服を支給(16,500円/人) |
梼原学園制服助成 | 「梼原学園」の5年生から着用する制服を支給(男子49,000円/人・女子49,000円/人) |
中学校海外研修助成 | 夏休み中の2週間に海外でホームステイや寮生活をし、国際感覚を身につける研修について助成(自己負担あり) |
中学卒業祝金 | 中学卒業時、1人につき30,000円 |
特徴3:豊かな自然と隈研吾の建築物
▲四国カルスト高原で放牧されるカルスト牛
面積の91%が森林で、自然豊かなところも梼原町の魅力のひとつです。とくに四国カルスト高原は標高が高いため見晴らしが良く、春から秋にかけては、放牧されたカルスト牛がのんびり過ごす様子も楽しめます。
また、町内には「久保谷(くぼたに)セラピーロード」と「九十九曲峠(くじゅうくまがりとうげ)セラピーロード」の2つのセラピーロードがあり、森林浴で心身を癒すことができます。
梼原町には、建築家の隈研吾さん設計の建築物が世界で最も多く集まっています(令和5年9月時点)。それらを鑑賞するためにまちを訪れたり、移住を検討する人がいるほどです。梼原町を訪れたら、ぜひ見て回りたいですね。
隈研吾さんと梼原町の関わりは長く、1987年に梼原町を訪れた隈研吾さんが梼原公民館(現在のゆすはら座)の木造建築に深い感銘を受け、その保存活動に携わるようになったことがきっかけです。それから約30余年、現在では5つの建築物が生まれました。
梼原町総合庁舎 | 全面に梼原町のスギ材を使い、木のぬくもりを感じさせる庁舎。一階ホールには茶堂があり、誰でも利用できる |
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まちの駅「ゆすはら」 | 茅葺が一際目立つまちの駅。まちの特産物が揃うほか、「雲の上のホテル別館」として宿泊施設も兼ねている |
雲の上のギャラリー | 梼原の森の中に溶け込む、木漏れ日のような光と影が印象的。伝統的な木材表現をモチーフとした建築物は一見の価値あり |
YURURIゆすはら | 介護予防や健康づくりの機能を持つ複合的な福祉施設。梼原町立図書館に隣接しているので、利用者でなくても外観を楽しむことができる |
梼原町立図書館 (雲の上の図書館) | 梼原産の木材を活用し、木材が突き出しているような天井など隈研吾さんのこだわりが感じられる。ボルダリング設備やカフェを併設している |
▲隈研吾さん設計の梼原町立図書館「雲の上の図書館」
梼原町の暮らしに関する情報
ここからは、梼原町の暮らしに関する情報をご紹介します。
気候 | 8月平均気温:27.2℃ 1月平均気温:6.7℃ ※参考:気象庁 梼原町に観測地点がないため、近隣の須崎のデータを掲載 |
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人口 | 人口:約3,200人 (令和5年8月末時点) |
病院 | 病院・クリニック:3院 歯科:1院 (令和5年9月時点) |
学校 | こども園:1園 小中学校:1校 高等学校:1校 (令和5年9月時点) |
交通 | 【電車】 なし。最寄駅はJR土讃線(どさんせん)須崎駅(すさきえき) 【バス】 高知高陵交通 【車】 須崎市まで約50分 高知市まで約90分 愛媛県松山市まで約90分 |
近隣都市 | 須崎市 |
梼原町では、まちの中心部にスーパーマーケットなどがあり、日常の生活は町内でまかなえます。週末には須崎市まで買い物に行く人も多いようです。
梼原町は四万十川の源流に近いため、水がとても美味しいです。わざわざペットボトルの水を買う必要がないのは羨ましいですね。また、清流があるため、川魚のアメゴが特産品です。
そのほか、梼原町では、ストレスの少ない環境で育ったカルスト牛や、高級食材であるキジ肉が特産品で、ふるさと納税の返礼品としても人気です。
▲カルスト牛。春から秋は四国カルストでのんびりと放牧されている
▲キジ肉。1年に1時期にしか卵を産まないことと、鶏に比べ生育期間が長いことから希少性がある
【子どもの遊び場】図書館や太郎川公園がおすすめ
梼原町立図書館「雲の上の図書館」は、単に学びや知の拠点としての機能だけでなく、ボルダリング設備やカフェを併設した憩いの場にもなっています。ぜひ一度、お子さんと来館してみてください。
まちの中心地から2kmほどのところにある「太郎川公園(たろうがわこうえん)」は、周りを森林に囲まれ、グラススキー場やキャンプ場などの野外施設と、雲の上の温泉、雲の上のプールなどの室内施設があります。プールは通常のコースの他にウォータースライダーがあり、お子さんに大人気です。
「太郎川公園」では、草葺き民家や水車小屋といった歴史的建造物をじっくり楽しむこともできますし、遊んだあとは、「雲の上の市場(道の駅ゆすはら)」で梼原産の新鮮な野菜や特産品を購入するのもおすすめです。
【仕事】近隣地域を含めて検討を
大手求人情報サイトで梼原町の求人を調べましたが、とても少ないようです(令和5年9月時点)。町内の求人については、移住相談窓口で訊ねてみましょう。
梼原町の移住サイト「ゆすはら暮らふと」にも求人情報が掲載されています。
公式:ゆすはら暮らふと「ゆすはらの仕事」
また、車で30分圏内の25km以内の求人は約100件ヒットしました(令和5年9月時点)。近隣地域を含めて探すと選択肢が広がりそうですね。
※求人情報の一例
【住まい】移住定住促進住宅への入居がおすすめ
大手住まい情報サイトで梼原町の賃貸物件を調べましたが、とても少ないようです。(令和5年9月時点)
前述したように、梼原町では移住定住促進住宅の用意がありますので、そちらを検討すると良いでしょう。
公式:ゆすはら暮らふと「ゆすはらの家」
梼原町に移住した人の声・感想
次に、梼原町に移住した方の感想をご紹介します。
- 「移住定住促進住宅」のおかげで住まいがすぐに見つかり、安心して移住できた
- 自然豊かで景観が良いところが梼原町の魅力
- 初めて梼原町に来たときに、なぜか懐かしさを感じたのが印象的だった
- 子どもを自然豊かで環境の良いところで育てたくて移住した
- 地域の人々とコミュニケーションをとることが大事。集落の行事にも参加すると地域に溶け込みやすい
環境の良さが好評のようです。移住者の皆さんは会社勤めをする人だけでなく、パン店やカレー店、テイクアウトのコーヒーショップを営んだり、音楽家や炭焼き職人など多様性に富んでいます。そうした先輩移住者と交流するのも楽しそうですね。
梼原町へ移住するために利用したい窓口・支援
▲「お試し滞在住宅」のキッチン。基本的な家具・家電は揃っている
梼原町への移住を検討し、情報収集が十分済んだら、次は下見に行ってみましょう。
梼原町には「お試し滞在住宅」が2棟あります。家賃は月額1万円(光熱費・水道費は別途必要)で1〜6か月まで滞在できます。お子さんが夏休みの間に梼原暮らしを体験してみるというような使い方もできますね。
「お試し滞在住宅」で梼原町の住みやすさをぜひ体感してください!
また、移住相談窓口では、移住コーディネーターが仕事や住まいなどの相談に乗ってくれます。移住の目的や希望のライフスタイルを伝えていろいろ提案してもらいましょう。
私自身、自然豊かな土地で子育てをしたく東京から移住してきました。移住者目線のアドバイスを心がけています
梼原町への移住に関するお問い合わせ
移住相談窓口 | 梼原町 まちづくり産業推進課 地域振興係 |
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住所 | 〒785-0695 高知県高岡郡梼原町梼原1444-1 |
電話 | 0889-65-1250 |
公式サイト | ゆすはら暮らふと |