京都府与謝野町への移住はどう?暮らし・仕事・支援制度を詳しく解説

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「京都府与謝野町(よさのちょう)」を紹介します。与謝野町は織物業が盛んで、特産物である「丹後ちりめん」の製造には300年もの古い歴史があります。

織物のまちを象徴するレトロな街並みと自然が風情を織りなす落ち着きのあるまちである一方、子育て世帯に嬉しい支援制度やレジャー施設が豊富で、ファミリー層が住みやすい点も魅力です。

今回は与謝野町役場企画財政課の担当の方に、移住に関するお話を伺いました。

本日お話を伺った方
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与謝野町役場 企画財政課

担当者さん

与謝野町の暮らしの特徴3選

京都府与謝野町の場所を表す地図

与謝野町は、京都府北部・丹後半島の付け根あたり、山や川などの自然が豊かなエリアに位置しています。日本三景・天橋立が生活圏内で眺められるのは与謝野町ならではの魅力です。

また、山と海が近いので新鮮な食材を味わえます。自然ならではのアクティビティも楽しめるため心身ともに健康的な生活が送れますよ。

与謝野町での暮らしは、地方移住に対して下記のような希望を持つ方に向いています。

  • 風情豊かな落ち着いた環境でセカンドライフを楽しみたい
  • 食を楽しみながら健康的な生活がしたい
  • 子育て世帯向けの施設・支援が充実している場所を探している

では、与謝野町の特徴について詳しく解説していきますね。

特徴1:歴史的建造物と自然が織りなす美しい風景

空から見た与謝野町の加悦谷平野
▲四季折々に表情を変える加悦谷平野の田園風景

与謝野町の特徴は山・川・田園が広がる美しい風景です。大江山連峰の山並みをはじめ、南北に流れる野田川や扇状地に位置する加悦谷平野など、多くの自然に溢れています。野田川が運んだ砂によりできたと言われる日本三景・天橋立の風景が一望できるのも与謝野町の魅力です。

また、織物のまちとして300年の歴史があり、隆盛期を象徴する「ちりめん街道」は重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。昭和中期には大江山の山麓からニッケル鉱石が発見され、鉱業が栄えていた歴史もありました。

このように、与謝野町は豊かな自然と歴史的建造物が風情を織りなす落ち着きのあるまちです。

特徴2:食べ物がおいしい!自然循環農業で高品質な農作物の生育を実現

与謝野ホップ収穫体験2019の参加者たち
▲収穫最盛期の7月には初摘みホップの収穫体験ができる

食べ物がおいしいのも与謝野町の特徴。おいしさの秘密は独自の自然循環農業にあり、その代表的な取り組みが100%有機質にこだわった「京の豆っこ肥料」の開発です。

「大地の恵みを、大地に返す。」をモットーに、農家と町が連携して化学肥料を使用しない土壌作りを推進。生育された丹後産コシヒカリ「京の豆っこ米」は、(一財)日本穀物検定協会による「米の食味ランキング」で最高ランクの特Aを10回以上獲得*しています。
*参考:YOSANO AGRICYCLE|京の豆っこ米

そして、与謝野町は日本初のフリーランスによるホップ栽培が実現した地。クラフトビールの多くが海外産の乾燥ホップを使用しているため、国産ホップの香りとコクを味わえる地ビールは希少です。

恵まれた自然環境はもちろん、食と丁寧に向き合う取り組みこそが与謝野町の食べ物がおいしい理由です。

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担当者さん

地産地消の飲食店が多く、気軽に新鮮な地元食材を楽しめますよ。地域の方からジビエや野菜をおすそ分けしてもらえることもあるんです。

特徴3:レジャー施設・子育て支援が充実!ファミリー層に優しい環境

阿蘇海を望める阿蘇シーサイドパーク
▲ビュースポットとしても人気の「阿蘇シーサイドパーク」

与謝野町は風情ある落ち着いたエリアでありながら、アウトドアが楽しめるファミリー向けの施設が多々あります

天橋立のそばにあるのは、阿蘇海を望める天然芝の公園「阿蘇シーサイドパーク」。街の魅力が詰まったレクリエーション施設で、地域の人々の憩いの場として親しまれています。

他にも、全長45mのローラー滑り台、展望台などを完備した公園「野田川フォレストパーク」があります。シルクコースターやミサンガづくりが体験できる「旧加悦町役場庁舎」や、織機見学ができる「丹後ちりめん歴史館」など、子供が楽しく学べる文化施設も少なくありません。

また、子育て支援も豊富です。与謝野町出産準備応援金支給事業や特定不妊治療等交通費助成、夫婦で妊娠中からの育児計画を考えていくハローベビープロジェクトの他、産後ママのリフレッシュケアなど、まち独自の支援制度が充実しています

与謝野町の暮らしに関する情報

加悦双峰公園から一望した与謝野町の山々
▲四季折々の景観を楽しめる加悦双峰公園

ここでは、与謝野町の公式サイトを参考に、暮らしに関する情報をまとめました。仕事・住まい・教育の情報も詳しく紹介します。

気候 ・8月:平均気温31.9℃
・1月:平均気温4.1℃
※参考:気象庁ホームページ
人口 人口:約20,000人
世帯:約9,000世帯
(2023年4月1日時点)
医療機関・福祉 病院1、国保診療所1、老人福祉施設4、介護保健施設4、障害者施設等21
学校 保育所3、こども園3、幼稚園1、小学校6、中学校3、高校1、特別支援学校1
文化財・史跡

【歴史的建造物】
ちりめん街道、旧尾藤家住宅、旧加悦町役場庁舎

【神社・寺院】
板列八幡神社、倭文神社、大虫神社、小虫神社、出雲大社与謝分祠、施薬寺

【古墳】
与謝野町立古墳公園

遊び 【観光】
加悦鉄道資料館、滝の千年ツバキ公園・加悦椿文化資料館、江山文庫、与謝野町文化・工芸の里 、野田川親水公園、丹後ちりめん歴史館、雲岩公園

【レジャー施設・宿泊施設】
大江山運動公園、加悦双峰公園、リフレかやの里、かや山の家、野田川フォレストパーク(野田川町森林公園)、大内峠一字観公園、クアハウス岩滝、阿蘇シーサイドパーク、道の駅シルクのまちかや
イベント 3月:ちりめん街道のひな祭り
4月:加悦谷祭、滝の千年ツバキまつり
5月:岩滝祭、三河内曳山祭、大江山一斉登山
9月:よさの大江山登山マラソン
11月:与謝野町岩滝大名行列、与謝野町蕪村顕彰全国俳句大会、滝・金屋 命の里 秋の大感謝祭
食べ物 【郷土料理】
ばらずし、てっぽう

【名産物】
醤油、和菓子、米(京の輝き、京の豆っこ米 他)、地ビール(ASOBI)、はちみつ、はったい飴、日本酒(芝の井、平安京自慢、与謝娘、丹後七姫 他)
伝統工芸品 丹後ちりめん、シルク製品
近隣都市 福知山市、宮津市、京丹後市、兵庫県豊岡市
交通 【鉄道】
京都丹後鉄道宮豊線「与謝野駅」

【バス】
・丹後海陸交通
・与謝野町コミュニティバス「ひまわり」

【道路】
・国道176号、178号、312号
・最寄りIC:山陰近畿自動車道「与謝天橋立IC」
大都市へのアクセス 【電車】
・大阪方面(約3時間)
京都丹後鉄道宮豊線「与謝野駅」-JR福知山線「福知山駅」-大阪駅
・京都市内(約2時間30分)
京都丹後鉄道宮豊線「与謝野駅」-JR山陰本線 「福知山駅」-京都駅

【車】
・大阪方面(約2時間)
与謝天橋立IC→京都縦貫自動車道→綾部JCT→舞鶴若狭自動車道→中国自動車道吉川JCT
・京都市内(約1時間30分)
与謝天橋立IC→京都縦貫自動車道・沓掛IC

与謝野町は夏と冬の寒暖差が大きく四季がはっきりしているので、春は花見、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色とさまざまな景観が楽しめます。

レジャー施設が多く、釣りやキャンプ、登山など多種多様なアウトドア・スポーツができるので、移住を機に趣味の幅が広がる人も多いようです。

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担当者さん

春から秋の間、月に1度「阿蘇シーサイドピクニック」というマルシェが開かれます。コミュニケーションを楽しむ場としてもおすすめですよ。

仕事:近隣地域も含めると豊富な求人数。起業者向けの支援制度もあり

ハローワークインターネットサービスで与謝野町の正社員求人を検索したところ、約150件の求人が見つかりました。また、大手求人情報サイトで「与謝野町×正社員」と調べると、約350件の求人が掲載されています。(2023年1月時点)
求人一例

与謝野町は都市部と隣接しているため、以下の地域も視野に入れると選択肢が増えて探しやすくなります。

宮津市 約800件
求人一例
京丹後市 約1,300件
求人一例
福知山市 約4,800件
求人一例

※2023年1月縁結び大学調べ

なお、移住後に個人事業主として働く方もいるようです。与謝野町には産業振興補助金制度があり、地域づくり推進事業「よさのみらい大学」によるビジネスセミナーなども随時開催されているので、起業しやすい環境と言えます。

>>産業振興補助金(創業等支援事業)

>>よさのみらい大学

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担当者さん

与謝野町は起業しやすい環境作りに取り組んでいます。そのため、町内にはキッチンカーの出店が多くあります。最近では移動販売のパン屋さんやお菓子屋さんなども増えてきました。

住まい:家賃相場は5.7万円。移住者向け住宅支援あり

大手物件情報サイトで与謝野町の賃貸物件について調べてみたところ、数十件の空室が確認できました。(2023年1月時点)

アパート・マンション 27件
一戸建て 2件

賃貸物件情報の一例

賃貸物件は空室が少ないため、希望に近い住まいを見つけるには早めに探す必要があります。

なお、戸建ての購入を検討する際は空き家バンクを利用してみましょう。2023年時点で約10件の空き家情報が掲載されていてます。平均価格は528万円で、100万~900万円台までさまざまです

>>空き家バンク

与謝野町には移住者向けの住宅助成制度があるため下記に紹介します。

制度 概要
移住促進住宅整備事業 ・移住促進特別区域内の空き家バンク登録物件を居住用に購入・賃借する際に、改修にかかる経費2/3を助成
・上限180万円
空家活用型移住促進支援事業 ・移住促進特別区域外の空き家バンク登録物件を居住用に購入する際に、改修にかかる経費1/2を助成
・上限90万円
子育て世帯移住定住促進事業

・与謝野町に定住目的で新築建売住宅・中古住宅を購入する子育て世帯に対し、移住定住にかかる費用の一部を補助
・基本額:100万円
【加算額】
・町内建築事業者建築加算額:20万円(新築のみ)
・町分譲宅地取得加算額:10万円
・子育て世帯加算額:10万円/人(最大5人まで)
・移住促進特別区域加算額:10万円

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担当者さん

賃貸・購入の際は担当が条件に合うところを探します。賃貸物件が少ないので一軒家を購入する傾向があります。

教育:子育て支援が手厚い!妊活から産後までをトータルサポート

ハローベビープロジェクトでもらえる出産祝いの皿
▲出産祝いでもらえるイラストと名前入りの皿

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担当者さん

「ハローベビープロジェクト」の一環で、出産祝いにイラストと名前入りのお皿をプレゼントしています。

与謝野町では「子育てするならこのまちで」をモットーに、妊活から産後までトータルでサポートしています。

▼子育て支援制度の一例

ハローベビープロジェクト保健師と面談し、出産に向けての準備や産後の育児計画を行う支援サービス

支援制度 概要
与謝野町特定不妊治療等交通費助成

特定不妊治療、男性不妊治療の交通費に対する助成
1回の治療において通院15,000円を5回分まで助成(上限25,000円)
1年度につき12度まで申請可

与謝野町出産準備応援金支給事業

与謝野町で子育てを望んでいる家庭へ出産準備支援金として妊娠中の赤ちゃん一児につき10万円を支給
・妊娠24週以降に申請受付
・対象は与謝野町に居住している方(妊娠中に転入された方を含む)で、産後も引き続き町内に居住する意思のある方

ハローベビープロジェクト

妊娠中に夫婦で保健師と面談し、出産に向けての準備や産後の育児計画を行う支援サービス
・育児支援用品の贈呈あり
・生後5か月の頃、手作りの離乳食食器と木製スプーンを贈呈

YOSANOプレママcafé

助産師に妊娠・出産・産後の相談をすることができる
・夫婦でも参加可能
・妊婦の集まりの場にもなっている

産後ケア事業

母子の心身の安定を図るため保健指導を実施、利用期間はどちらも7日以内
【短期入所型】
・住民税非課税世帯11,500円、それ以外の世帯16,000
【通所型(個別)】
・住民税非課税世帯1500円、それ以外の世帯12,000

産後ママのリフレッシュケア(産後ケア事業【通所型(集団)】

ゆっくりとお風呂に入り、食事をして、おしゃべりをしたり、布団に横になったりと日ごろの疲れを取ったり気分転換をすることができる
・おおむね生後16か月までの母子が対象
・参加費1,000円/回でひとり3回まで参加可能
・入浴、沐浴、昼食、参加者同士の交流、母の仮眠や休養、母乳相談・育児相談等(助産師や保健師が対応)、持ち帰り用の惣菜あり

離乳食教室・とりわけ離乳食教室

5か月の乳児へ離乳食教室を、11か月~11か月の乳幼児へとりわけ離乳食教室を開催

助産師・保健師・栄養士相談、親子歯の相談室

子育て支援センターにて助産師、保健師、栄養士、歯科衛生士が相談にのってくれる
・子育て中の親子が対象
・親子歯の相談室は子どもだけでなく保護者の方、妊婦の方も相談ができる

上記の他にも、不妊治療費の助成、新生児聴覚検査費用助成、新生児赤ちゃん訪問、乳幼児健診、難聴児補聴器給付事業、年中児発達サポート事業などがあります。詳しくは町役場の公式サイトをご確認ください。

>>公式:子育て・教育

与謝野町に移住した人の感想

京都府与謝野町の移住者の声

ここでは、与謝野町へ移住した方のリアルな声を4つ紹介します。

  • 移住してからソロキャンプやDIYなど、クリエイティブな遊びをするようになった。
  • 大家さんがすごく面倒見のいい方で、いつも声をかけてくれるため心強い。人の良さは住みやすさにつながると実感した。
  • 与謝野町は近隣地域とも密でいろんな方々とつながれるので、事業の伸びしろがありチャレンジしやすい環境だと感じる。
  • 地元の方に案内してもらい、試したことがなかった登山に挑戦。今では登山が趣味の一つになった。

地元住民の温かな人柄に触れ、住み心地の良さを実感したという声が多い印象です。都会では体験できない、自然を生かした趣味やアクティビティに夢中になる方もいるようですね。

与謝野町への移住に向けたステップ

最後に、与謝野町への移住に向けた準備について解説します。

「お試し住宅」で与謝野町の生活を体験

京都府与謝野町字岩屋にあるお試し住宅
▲岩屋にあるお試し住宅

与謝野町では、移住検討者に向けて最長で3カ月間空き家を貸し出す「お試し移住体験を行っています。まちの暮らしを体感すれば移住生活のイメージが湧きやすくなります。

▼お試し住宅の概要

所在地 与謝野町字岩屋
構造 木造瓦葺2階建(居住スペースは1階部分)
築年数 1927年
設備 エアコン、扇風機、こたつ、石油ストーブ、テレビ、洗濯機、掃除機、炊飯器
電気ポット、電子レンジ、オーブントースター、食器
駐車場 駐車場 1~2台(車種による)

お試し住宅は人気が高く、申し込めばすぐに入居が叶うわけではありません。入居中のケースもあるため、まずは企画財政課へ確認してください。

>>公式:お試し移住体験事業

与謝野町への移住に関するお問い合わせ

与謝野町の移住に興味がある方は、下記に問い合わせましょう。

担当課 与謝野町役場 企画財政課
住所 〒629-2292
京都府与謝郡与謝野町字岩滝1798番地1 本庁舎2階
電話番号 0772-43-9015
対応時間 平日8:30~17:15
※年末年始(12月29日〜1月3日)除く
公式サイト https://www.town.yosano.lg.jp/
Facebook https://www.facebook.com/yosano.town/