【沖縄県与那原町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報
この記事では、地方への移住を検討している方のために、沖縄県与那原町(よなばるちょう)の魅力を紹介していきます。
与那原町は、沖縄県の東海岸南部に位置する人口約19,000人の町です。那覇市や那覇空港までの距離が近く、伝統文化「与那原大綱曳」や史跡が残る、歴史と伝統を感じる町です。
そんな与那原町での暮らしの特徴やその魅力について、与那原町・観光商工課の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。
沖縄県与那原町の暮らし、3つの特徴
与那原町にはスーパーや病院、保育所から高校、専門学校、短大まで、生活や子育てに必要な施設が全て揃っており、住みやすい町であることから、子育て世帯の移住者が増加傾向にあります。
那覇市や那覇空港までは20~30分ほどで行くことができ、隣町にある高速道路のICを使えば北部までのアクセスも容易なので、立地にも恵まれた街です。
そんな与那原町は以下のような特徴があります。
- 那覇市や那覇空港へのアクセスが良好な立地
- 歴史や文化、伝統を重んじる町
- MICE関連計画でますます発展する地域
それではここから、与那原町の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。
特徴1:那覇市や那覇空港へのアクセスが良好な立地
▲与那原町は沖縄本島南東部に位置する(引用:与那原町)
与那原町は沖縄県の南部、那覇市まで車で約20分のところに位置しています。町内に高速道路はありませんが、隣町である南風原町(はえばるちょう)に「南風原北IC」があるため、沖縄自動車道を経由し、北部エリアへのアクセスも容易です。
那覇空港も車で30分ほどの距離であり、空港からは東京、大阪、名古屋、福岡などの各都市や離島へ行くことができます。
人口規模が約31万人と県下最大を誇る那覇市のような大都市に住むことは考えていないものの、都市部近郊に住むことで利便性を確保したい方におすすめの町と言えます。
特徴2:歴史や文化、伝統を重んじる町
▲与那原町の一大行事である「与那原大綱曳」には町内外から多くの人が集まり、大賑わいを見せる
沖縄県には「沖縄三大綱引き」と呼ばれる行事があります。綱引きというと運動会の種目を思い浮かべるかもしれませんが、「沖縄三大綱引き」と呼ばれる那覇市の「那覇大綱挽」、糸満市の「糸満大綱引」、そして与那原町の「与那原大綱曳」は規模が全く違います。
二手にわかれて雌綱(ミージナ)と雄綱(ウージナ)と呼ばれる2本の大綱を引き合うのが基本ですが、与那原大綱曳の大綱は東西の綱2本合わせて、5tの重さと約90mの長さがあるというのだから驚きです。
▲東西の綱を繋げる直前。大勢の人が綱を押し上げ、まもなく戦いの火ぶたが切って落とされることとなる
与那原大綱曳はもともと、豊作を祈るための神事として約450年前に始まりました。祭りは綱を作るところから始まると言っても過言ではなく、時には祭りの前夜まで綱作りが行われることもあります。
▲1本でも2t以上ある大綱を作るため、大量の藁が集められる
▲子どもから大人まで、みんなの手で作られる大綱
祭りの当日、東西から運ばれてきた綱がカナチと呼ばれる棒で繋がると、すぐに綱の引き合いが始まります。この行事には誰でも参加可能なため、住民はもちろんのこと、観光客や町外からやってきた多くの人で大きな賑わいを見せます。
▲老若男女問わず、全員揃って熱くなれるのが与那原大綱曳の醍醐味
与那原町は沖縄本島の中で一番小さな町ですが、与那原大綱曳に参加すれば熱量の高さや祭りにかける熱い想いに圧倒されることでしょう。
公式:与那原町(与那原大綱曳)
銅鑼や法螺貝を鳴らし、綱を会場まで誘導するのは「金鼓隊」と呼ばれる地元の中学生たちです。老若男女問わず、町全体を巻き込んだ大きなイベントに子どもの頃から関わることで、愛郷心も育まれるのではないかと思います。
与那原町を代表する文化は与那原大綱曳だけではありません。
かつて沖縄には、軽便鉄道(けいびんてつどう)と呼ばれる鉄道が走っていました。那覇から嘉手納(かなで)、糸満、そして与那原の3方面を通っていましたが、一番最初に開通したのが那覇から与那原までの与那原線です。
▲青空の元で白く輝くような建物の「軽便鉄道与那原駅舎」
人々の暮らしを支えていた軽便鉄道でしたが、太平洋戦争の沖縄戦にて、線路施設が戦火の煽りを受け、廃線となってしまいました。与那原の駅舎も被害を受けましたが、完全に形を失うことはなかったため、補修を重ね、現在では「軽便鉄道与那原駅舎」としてその歴史と文化を伝える役目を果たしています。
公式:軽便鉄道与那原駅舎
その他にも、与那原町にある瓦工場が、首里城復興のために赤瓦を造っていたりもします。歴史、伝統、文化を大事にする町だということを知ってもらえると嬉しいですね。
特徴3:MICE関連計画でますます発展する地域
▲「沖縄県マリンタウンMICEエリア形成事業」が進む上空から見た与那原町マリンタウン東浜地区
与那原町では、現在「沖縄県マリンタウンMICEエリア形成事業」が進められています。MICEとは、会議、研修旅行、国際会議、展示会・イベントを意味する英単語の頭文字から作られた総称です。
沖縄県マリンタウンMICEエリア形成事業では、与那原町のマリンタウン東浜地区(あがりはまちく)をMICEの受け入れ拠点地域とし、施設などを整備することでビジネスツーリズムを強化する狙いがあります。
公式:与那原町(MICE関連計画)
参考:観光庁(MICEの誘致・開催の推進)
大規模な会議場やコンサート会場など人々が集まる施設ができることで、ホテルなども増加し、経済効果が高まることが期待されています。
町内の求人も増えそうですし、さらに町中に賑わいが生まれそうです。
沖縄県与那原町の暮らしに関する情報
▲県内の各地で旧暦の5月4日に行われる「ハーリー」は、海の安全と豊漁を祈願する沖縄の伝統行事。与那原町では当添(とうそえはら)漁港で開催している
ここからは与那原町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。
気候 | ・夏(8月):平均気温29.0℃ ・冬(1月):平均気温17.3℃℃ ※参考:気象庁ホームページ(那覇地点) |
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人口 | 約19,000人(約8,800世帯) ※2024年1月31日時点 |
病院 | 町内にはクリニックも含め17件の医療機関がある ※2024年3月時点 |
学校 | 保育所・認定こども園9園、小規模保育園5園、幼稚園2園、小学校2校、中学校1校、高校1校、専門学校2校、短期大学1校 ※2024年3月時点 |
交通 | 【バス】 ・路線バス(9系統):東陽バス、沖縄バス |
隣接自治体 | 南城市、島尻郡南風原町、中頭郡西原町 |
大都市からのアクセス | 【那覇市から】 ・車:約20分 ・バス:「上泉」バス停から、「与那原町役場入口」バス停まで約40分 【那覇空港から】 ・車:約30分 ・バス:「国内線旅客ターミナル前」バス停から、「軍桟橋前」バス停まで約3分、そこから「与那原町役場入口」バス停まで約50分 |
スーパー、病院、コンビニ、100円ショップ、ドラッグストア、ホームセンターなど生活に必要な施設は全て町内にありますが、大きめの買い物をしたい時などは、那覇市に行く人が多いようです。
基本的な移動は車やバスなどで道路を使うことになるため、朝と夕方の通勤・退勤の時間帯は道路が混む可能性が高いことは頭に入れておくと良いでしょう。
保育所から高校まで全て町内にあるため、子育て世帯にとっても住みやすい町と言えます。
町外に働きに出る人が多いため、ランチをする場所はちょっと少ないかもしれません。逆に与那原町は「夜の街」と言われるくらい居酒屋が多くて、いわゆる飲み屋街もあります。
▲新たなクラフトビールの醸造所として誕生した「AGARIHAMA BREWRY」のビールとおつまみ
【仕事】近隣市町を含めると選択肢は多い
大手求人サイトで「与那原町×正社員」で検索したところ、約270件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(町内から25km以内)で検索したところ、求人情報は約28,000件まで広がりました。※2024年3月時点
※参考:求人情報の一例(与那原町のみ)
※参考:求人情報の一例(与那原町から25km以内)
町内のみに限定すると選択肢が限られますが、近隣市町村も含めると選択肢は大幅に広がるため、仕事探しは広い範囲で行うのが良いでしょう。
与那原町マリンタウン東浜地区で進められている「沖縄県マリンタウンMICEエリア形成事業」で施設が整備されると、町内の求人数は増える可能性もあります。
南城市、南風原町、西原町などの近隣市町で働いている人が多いですね。いずれも車で15分くらいで行くことができるのも大きな理由だと思います。
【住まい】賃貸物件は人気が高く、すぐに埋まってしまうこともある
大手住宅情報サイトで与那原町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは約30件見つかりました。※2024年3月時点
参考:物件情報の一例
町内にはいくつかの賃貸物件がありますが、与那原町へ移住する人が増えていることもあってか、すぐに埋まってしまうことも多いようです。気になる物件があれば、まずはすぐに問い合わせをして、可能であれば内見に行くのが良いでしょう。
【遊び場】町民の意見を取り入れながら公園が整備されている
▲迫力のある恐竜型の遊具からは鳴き声が聞こえてきそうな「東浜きょうりゅう公園」
与那原町には大小さまざまな公園があります。中でも人気なのは「東浜きょうりゅう公園」と「東浜シーサー公園」です。
東浜きょうりゅう公園には、滑り台とジャングルジムを融合し、恐竜を模したような遊具があり、東浜シーサー公園には沖縄らしく、シーサーの顔が目印の遊具があります。
▲勇ましい顔をしたシーサーが目を引く「東浜シーサー公園」
両公園とも写真スポットとしても人気が高いため、青空を背景にして写真を撮るのもおすすめです。
これらの公園を始め、町内の全ての公園は町が定期的に整備を行うことで適切な維持管理がなされています。ただ整備を行うだけでなく、遊具の見直しなどをするために、町民にアンケート調査を実施することもあるそうです。
スーパーの入口などにポスターを貼って、草の根で住民の意見を取り入れようとするのは、人口が2万人規模の町では珍しいんじゃないかと思います。
公式:与那原町(公園)
沖縄県与那原町に暮らす先輩移住者の声
実際に与那原町で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。
- 首里城が近いからか、タクシーは捕まりやすい気がする
- 那覇市などは距離的には近いが、時間帯を間違えると渋滞に巻き込まれて大変
- 本土に比べると沖縄県はイベントごとが多い県だと思う。毎週末何か行っている印象
- 移住前に先輩移住者に困ったことを聞いたら「カビ」と言われたので、覚悟してやってきた
- 移住者が地域の文化をどれだけ尊重できるかは結構重要。「与那原大綱曳」のことをたくさんの人に知って欲しいと思う
沖縄ならではの雰囲気や風土を受け入れながら、与那原町ならではの伝統文化を楽しんでいることがわかりますね。
沖縄県与那原町への移住に関するお問い合わせ
▲抜けるような青空の元で散歩が楽しめるスポットもありますよ(板良敷沿岸線)
与那原町に興味を持った方は、まずは観光商工課に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。
担当 | 観光商工課 |
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住所 | 〒901-1392 沖縄県島尻郡与那原町字上与那原16番地 |
電話 | 098-945-5323 |
公式サイト | https://www.town.yonabaru.okinawa.jp/ |