福島県柳津町への移住を考える!子育て支援と豊かな自然が魅力の町

この記事では、地方への移住を検討している方のために、福島県柳津町(やないづまち)の魅力を紹介していきます。

柳津町は、福島県の北西、内陸部に位置する人口約3,000人のまちです。出産前から高校を卒業するまでの子育ての支援制度が手厚く、近隣都市へのアクセスも良好な住みやすい環境が魅力です。

会津若松市までは車で30~40分ほど、郡山市や福島空港までは約1時間30分で行くことのできるアクセスにも恵まれた立地ですが、大自然の中にあることから、四季折々の美しい自然と共にのびのびと暮らすことができます。

そんな柳津町での暮らしの特徴やその魅力について、みらい創生課みらい創生係の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。

柳津町みらい創生課みらい創生係の担当の方

福島県柳津町の暮らしの魅力:移住前に知っておきたい3つの特徴

福島県柳津町・暮らしの特徴

町のシンボルである圓藏寺(えんぞうじ)に残された赤べこ伝説により、柳津町はその発祥の地として町の至る所に赤べこのモニュメントを見ることができます。かつては宿坊として栄えた名残から、街なかには昔の面影を残す古民家が軒を連ねる商店街や、宿坊が旅館へと姿を変えた温泉街もあります。

文化的な側面も色濃く残る柳津町には以下のような特徴があります。

  • 子育て世帯のことを考えたまちづくりをしている
  • 生活がしやすい立地でありながら、豊かな自然に恵まれている
  • 日常生活の中で美味しい米や野菜を食べることができる

それではここから、柳津町で暮らす上での魅力や特色について掘り下げていきたいと思います。

特徴1:産前から高校卒業まで充実の子育て支援制度

柳津保育所の外観
▲町内にある2つの保育所の内のひとつ、柳津保育所

柳津町は、産前から高校卒業までさまざまな子育て支援制度を整備しています。

制度名 概要
妊婦一般健康診査事業 産前15回、産後2回の妊産婦健診を無料で受けることができる
子ども医療費助成 18歳以下の子どもの医療費自己負担分を助成
頑張れ子育て応援金(新生児出産時) 第1子:10万円、第2子:20万円、第3子以降:30万円を、現金と商品券で半額ずつ支給
頑張れ子育て応援金(小中学校入学時) 小学校に入学した時:3万円(商品券)、中学校に入学した時:5万円(商品券)をそれぞれ支給
柳津町高等学校等就学給付金支給事業 高等学校に在学している者の保護者を対象に、高等学校等への就学費用として50,000円/人を支給
保育料軽減事業 国の政策である3~5才児保育料無料に併せ、町独自の取組として0~2歳児の保育料も無料
学校給食費無償化事業 町内小中学校の児童、生徒の給食費を町が負担(無料)

公式:柳津町(令和6年度 柳津町の助成金及び補助金交付金等一覧表)

子育てには何かとお金がかかるものですが、柳津町では子育てのステージに合わせて給付金等が支給される制度があります。家計にとっても嬉しいですが、何よりも町全体で子育てを支援していることがわかりますね。

子どもの遊び場「ラッキー公園 in やないづまち」:2022年オープンの新スポット

ポケモンのラッキーにちなんだ公園
▲ふくしま応援ポケモンとして活躍中の「ラッキー」をモチーフにした公園(引用元:柳津町

以前の柳津町には「子どもの遊び場や遊具が充実した公園が少ない」という課題がありましたが、2022年にふくしま応援ポケモン「ラッキー」をモチーフにした公園遊具などを設置した「ラッキー公園 in やないづまち」がオープンしたことで、「遊び場ができた」と地域の住民からは喜びの声が上がったそうです。

子育て環境を少しでも向上しようと町として努力を続けてくれていますよ。

柳津町担当者さん
担当者さん

コロナ禍以前は「海外派遣事業」として子どもの頃から海外を体験できる事業も実施していました。オーストラリア、シンガポール、アメリカなど、行き先は毎年違いますが、制度や施設の整備だけでなく、子どもの教育にも力を入れています。

特徴2:便利な立地と豊かな自然が共存する暮らしやすい環境

町を上から見た様子。瑞光寺橋の赤が映える

柳津町は東京から車で約3時間30分の立地にあります。東北地方で2番目の規模である郡山市までは高速を使えば1時間少し、近隣都市で一番大きい会津若松市までは30~40分ほどで行くことができます。

福島空港までは約1時間30分なので、近隣都市だけでなく遠方へのアクセスにも悪くない立地です。

雪の中の圓藏寺と只見川に架かる赤い橋
▲雪の白さと只見川に架かる赤い橋「柳津橋」と趣ある圓藏寺のコントラストが美しい冬景色

柳津町へ移住してくる人の中には「何もない山の中」をイメージしてくる人もいるそうですが、町内にはスーパーとコンビニが1件、車で15分走れば隣町へも買い物に行くことができ、山と川などの自然にも恵まれている生活しやすい町であることに気づくのだそうです。

柳津町は大きく「柳津エリア」と「西山エリア」の2つのエリアにわけることができます。エリアによって全く異なる雰囲気なので、ライフスタイルや求める環境により、居住地を選ぶことができますよ。

エリア 特徴
柳津エリア ・中心部に位置する
・もともと圓藏寺の宿坊として栄えていた
・町役場や道の駅などがある
西山エリア ・山間に位置する
・西山温泉郷がある
・小さな集落が点在し、静かでのどかな環境
柳津町担当者さん
担当者さん

柳津町は豊かな自然の中にあるので、四季を通して綺麗な景色を見ることができますよ。

特徴3:豊富な山の幸と美味しい農産物が食卓を彩る

柳津町での稲作の様子
▲豊富な水資源が豊かな農作物を育てる

柳津町では農業が盛んに行われており、町内のあちこちに水田が広がっています。柳津町産の米(コシヒカリ)はとても美味しく、ふるさと納税でも人気です。

また、道の駅では毎日朝採れの野菜が販売されており、地元の人も買い求めるほどです。地元産のそば粉を使用した「十割そば」や「会津柳津ソースカツ丼」などの有名グルメもあります。

柳津町は豪雪地帯であることから、冬場に積もった雪が春先に雪解け水として流れ出し、豊富な水資源として豊かな米や野菜を育むのだそうですよ。

柳津町担当者さん
担当者さん

日常のなかで美味しい野菜が食べられることも魅力のひとつです。

柳津町の生活基本情報:気候から文化まで網羅的に紹介

七日堂裸詣りの様子
▲七日堂裸詣りの様子。雪の中でも下帯のみに身を包んだ男たちによる迫力ある行事

ここからは柳津町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。

気候 ・夏(8月):平均気温24.2℃
・冬(1月):平均気温-0.4℃
※参考:気象庁ホームページ(西会津地点)豪雪地帯のため、雪は1mから2mほど積もる。冬は雪かきが日々のルーティンとなり、朝昼晩と1日3回除雪をする必要があることも
人口 約2,900人(約1,200世帯)
※令和6年3月31日時点
病院 町内には診療所が2件、歯科が1件の合計3件の医療機関がある
学校 ・保育所:2所
・小学校:2校
・中学校:1校
文化・芸術 ・七日堂裸詣り(なのかどうはだかまいり):1月7日の夜に圓藏寺で行われる伝統行事。午後8時半に鳴る大鐘を合図に、下帯一つの男たちが一斉に113段の階段を駆け上がり、堂内にある麻縄をよじ登ろうとする姿は圧巻。男性であれば年齢問わず町外の人も参加できる

・会津やないづ冬まつり:2月の第1土曜または日曜に開かれる祭り。会場には子ども用の大きな雪のすべり台が設置され、模擬店や各種展示・販売などで大いに賑わう。夜には「歳の神」と呼ばれるしめ飾りやお供え物のお焚き上げも行われ、暗闇の中で火柱が立ち上る

・博士山開き:雪解けする5月以降に、柳津町で一番高い山(標高1,482m)の博士山にて山開きが行われる。ブナの森とシャクナゲの群落を見ながら尾根を目指す登山を楽しむことができる
観光スポット ・福満虚空藏菩薩 霊巌山(ふくまんこくぞうぼさつ れいがんさん)圓藏寺:大同2年(807年)に徳一大師(とくいつだいし)が開創した寺。御本尊の福満虚空藏菩薩は弘法大師の作と伝えられており、日本三大虚空蔵菩薩のひとつとされている。秋は境内にある白壁と紅葉のコントラストが美しい紅葉スポットになる

・観光物産館 清柳苑(せいりゅうえん):柳津町の物産だけでなく、奥会津全体の物産を数多く展示、販売している。食事処では100%の純手打ちそばである「博士そば」が食べられる他、そば打ちや赤ベコ絵付体験もできる

・柳津観洸船:SL型の遊覧船に乗って、只見川でライン下りを楽しめる。コースのスタート地点は道の駅会津柳津駅近くの乗船場。そこから町のシンボルである赤い橋「瑞光寺橋」をくぐり、福満虚空蔵尊円蔵寺を見上げ、4kmほど下流まで進んでから折り返すゆったりとしたコースで、子ども連れに人気
食べ物 手打ちそば、あわまんじゅう
交通 【鉄道】
・東日本旅客鉄道:只見線(会津柳津駅、郷戸駅、滝谷駅)

【バス】
・会津乗合自動車
・柳津町民バス

【高速道路】
・町域内に高速道路はない。最寄りのICは磐越自動車道会津坂下IC
近隣町村 耶麻郡西会津町、河沼郡会津坂下町、大沼郡会津美里町、昭和村、三島町、金山町
大都市からのアクセス 【車】
・東京から:東北自動車道と磐越自動車道を経由し、約3時間30分
・新潟から:磐越自動車道を経由し、約1時間20分
・福島空港から:磐越自動車道を経由し、約1時間30分

【電車】
・東京から:東北新幹線で郡山まで約1時間20分、そこから磐越西線で会津若松まで約1時間10分、会津若松から会津柳津まで只見線で約1時間
・新潟から:磐越西線で会津若松まで約2時間30分、会津若松から会津柳津まで只見線で約1時間
・浅草から:東武鉄道で会津田島まで約3時間、そこから会津鉄道で西若松まで約1時間、只見線に乗り換え会津柳津まで約50分

柳津町で生活をする上で、車は必需品です。町内にはスーパーマーケット、ホームセンター、コンビニが1店ずつあります。隣町の会津坂下町までは車で15~20分ほどであることから、大型スーパーやドラッグストアなどでの用事をそこで済ませる人も多いそうです。

仕事情報:町内外の求人状況とユニークな就業支援制度

大手求人サイトで「柳津町×正社員」で検索したところ、約60件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(町内から15km以内)で検索したところ、求人情報は約800件まで広がりました。
※参考:求人情報の一例

奥会津地域づくり協同組合:3町村連携のマルチワーク制度

「奥会津地域づくり協同組合」は、奥会津地域3町村(柳津町・三島町・昭和村)により共同で設立されました。組合の職員はひとつの企業に就職するのではなく、自身のキャリアや興味関心にそって、3町内のさまざまな事業所で働くことができます

さまざまな職種を経験することにより、地域が必要としている職務歴・技術を身につけることができるため、将来の職業の選択や起業等の下地を作ることができます。

また、移住者の「どこに就業するか」や「知り合いがいない中での孤立」が課題に挙げられますが、こうした複数町村でのマルチワークに身をおくことで、「地域の人と仕事」の両方を知ることができます。

柳津町から三島町は車で15分ほど、昭和村までは50分ほどです。移住と同時に多様な働き方を始めてみてはいかがでしょうか。

参考:奥会津地域づくり協同組合

住まい情報:町営住宅と空き家バンク制度を活用した住居確保

大手住宅情報サイトで柳津町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは見つかりませんでしたが、柳津町では空き家バンク制度や住宅関係の支援に力を入れています
※2023年2月縁結び大学調べ

空き家バンク制度:今後の登録件数増加に期待

柳津町では2022年11月より空き家バンク制度をスタートさせました。2024年5月現在の登録件数は(成約済みを除き)8件ほどですが、物件を掘り起こし中のため、これから登録件数が増えていく予定だそうです。

空き家バンクの登録物件以外でも要望に合わせて空き家の紹介をしているそうなので、気軽に相談してみましょう。

また、空き家に関する補助金制度もあります。

制度名 概要
柳津町空き家改修支援事業補助金 ・対象:建物の機能回復または向上のために行う改修工事等にかかる費用
・補助額:上限100万円
※町内の事業者が改修工事等を行う場合は経費総額の2分の1、町外の事業者が改修工事等を行う場合は経費総額の4分の1を補助
柳津町空き家家財道具等処分費補助金 ・対象:空き家の家財道具等の処分・搬出に要する費用
・補助額:上限10万円

空き家への移住を考えている場合は、上記制度の活用を忘れないようにしましょう。

若者定住促進住宅:子育て世帯に人気の町営住宅

柳ヶ丘団地若者定住促進住宅の外観
▲令和2年に完成した町営住宅の柳ヶ丘団地若者定住促進住宅

現在は満室のため、空き待ち状態ではありますが、柳津町では町営の若者定住促進住宅も用意しています。家賃が子どもの人数に応じて安くなることから、子育て世帯に人気です。最新の状況については町役場に確認するようにして下さいね。

公式:柳津町(町営住宅について)

柳津町の先輩移住者の声:実際の暮らしぶりと感想

福島県柳津町・移住者の声

実際に柳津町で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。

  • 知り合いがいない中で移住したので、住民に受け入れてもらえるか不安だったが、みんな優しく、すぐに不安が杞憂だったことがわかった
  • 柳津町は山と平地を結ぶ玄関口に位置している。自然の豊かさを感じられると同時に、車を走らせれば生活に必要な施設にはすぐ行くことができる
  • もともと自然が好きなこともあり、移住を決意。ただ、思ったよりも発展していて移住当初は少し物足りなさを感じたほど。けれど、便利さと自然環境のバランスがちょうどいいと感じるようになった

新しい地域で生活を始めるのは何かと緊張するものですが、柳津町で暮らし始めた先輩移住者の皆さんは、人との付き合いや利便性と、自然環境のバランスの良さを楽しんで生活していることがわかりますね。

柳津町への移住ステップ:相談から町内見学まで

柳津町に興味が出てきたら以下の移住STEPで、柳津町への移住について具体的に考えてみましょう。

  • STEP1:オンライン移住相談を活用した情報収集
  • STEP2:移住担当者による町内案内ツアーの活用

STEP1:オンライン移住相談を活用した情報収集

町役場の前にある赤べこのモニュメント
▲町役場の前には赤べこのモニュメントがある。高さは約2mで自称「世界一大きい赤べこ」だそう

柳津町では、移住に関する相談を電話、メール、ビデオ通話にて受け付けています。特に、遠方に住んでいる方におすすめなのがビデオ通話(zoom)によるオンライン移住相談です。

相談日時は平日9時~12時と13時~16時で、オンライン移住相談の場合はあらかじめ予約をする必要があります。相談の担当者自身が移住経験者のため、自身の経験も踏まえていろいろと話してくれますよ。

気になる疑問点等があれば、まずは気軽に相談するところから始めてみてくださいね。

公式:柳津町(移住に関する支援と相談窓口について)

STEP2:移住担当者による町内案内ツアーの活用

紅葉が映える人気の写真スポットである圓藏寺境内

柳津町では相談者の要望に合わせ、担当者が実際に町を案内してくれます。

観光としてではなく、「暮らし」に軸を置いた案内なので「保育所の場所はどこ?」「産地直売所は?」「子どもたちが遊べる公園を見たい」など、希望に合わせた町内見学ができます。

柳津町担当者さん
担当者さん

冬と冬以外の温かい時期で全く雰囲気が違うので、ぜひ2回は来ていただきたいです。移住を経験したスタッフが同行するので「こんな場所を見たい・知りたい」などの要望に可能な限りお答えします。

柳津町移住のお問い合わせ先:みらい創生課の連絡先

柳津町のシンボルとも言える赤べこ

柳津町に興味を持った方は、まずはみらい創生課みらい創生係に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。

担当 みらい創生課 みらい創生係
住所 〒969-7201
福島県河沼郡柳津町大字柳津字下平乙234
電話 0241-42-2447
公式サイト https://www.town.yanaizu.fukushima.jp/