熊本県山江村移住ガイド:子育て支援・自然環境・ゼロカーボンの魅力を徹底解説

この記事では移住を考えている人に向けて、熊本県山江村(やまえむら)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。

熊本県山江村は熊本県南部に位置する村で、のどかな田園風景が広がり、村の9割を山林が占めています。オフィスやスーパーがある人吉市までは約10分と比較的便利な場所にあるところも魅力のひとつです。

今回は、山江村役場 企画調整課企画調整係の犬童さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
男性スタッフのアイコン

山江村役場 企画調整課 企画調整係

犬童 悠哉さん

山江村の3つの魅力:子育て支援・ゼロカーボン・豊かな自然

熊本県山江村暮らしの特徴

山江村では、「子育てにやさしい村」として子育て世帯への支援に力を入れるとともに、ICT(情報通信技術)を活用した教育を行っており、山江村の児童・生徒の学力は県内でも上位に位置しています。

そんな山江村での暮らしは、次のような方に適しています。

  • 子育て中またはこれから子育てをする
  • 子どもの教育には力を入れたい
  • 環境問題に関心がある
  • 豊かな自然を楽しみたい

上記のような方に適している理由を、山江村に見られる3つの特徴から解説します。

子育て支援と教育に力を入れる「子育てにやさしい村」

保育園に子どもを迎えにきた母親

山江村では、子育て世帯への支援に力を入れています。妊娠・出産から子育てまで切れ目のない支援や相談を行う「子育てサロン」の運営や、病児や病後児を一時的に預かる「病児病後児保育事業」を行っています。親同士のつながりもできる子育てサロンは、周囲に知り合いが少ない移住者には心強いですね。

山江村の子育てサロン
▲地域ぐるみで子育て家庭の育児支援を行う子育てサロン

また、経済的にもさまざまな支援をしています。

こんにちは赤ちゃん祝金 出生する子どもに対して支給。50,000円/人
すこやか子ども医療費助成 0歳〜高校生までの子どもの医療費を助成
チャイルドシート購入補助 チャイルドシートの購入に要する経費を助成。補助率1/2(上限10,000円)
※1世帯2台まで
小・中学校給食費助成 給食費無料
就学金支給 小学校に就学する子に就学金を支給。30,000円/人

山江村では、教育についても力を入れて取り組んでおり、ICTを導入した教育を実施しています。具体的には、各学校に無線LANと電子黒板の配備を行うとともに、子どもたちにタブレット端末を配付しています。また、英検受験料の無料化や中学生への語学研修なども実施しています。

これらの結果、山江村の子どもたちは、全国学力・学習状況調査で全国平均を大幅に上回る成績となっており、県内でも上位に位置しています。子どもの可能性を広げる学習機会を提供してくれるのは、たいへんありがたいですね。

山江村の小中学校では、教室ではなく給食室に全校生徒が集まって一緒に食べることになっています。珍しい取り組みですが、他学年とつながりを持つことで、社会性を育めることが期待できますね。

山江村のICT教育の様子
▲小学校でのICT教育の様子。タブレットは小学生は1人1台、中学生には学校用と家庭学習用に1人2台与えられる

環境に配慮したゼロカーボンシティの取り組み

緑の中から見える太陽光パネル

山江村は環境問題に関心のある人におすすめのまちです。山江村では「ゼロカーボンシティ」を宣言しており、脱炭素に向けた取り組みを行っています。具体的には、木材エネルギーを利活用する薪ストーブを公共施設に導入したり、「住宅用太陽光発電システム設置費補助事業」や「住宅リフォーム助成事業(省エネルギー推進)」を実施しています。

また、令和2年7月豪雨では山江村でも被害がありました。そのため「鎮山親水(※)」を復興の旗印に、再生可能エネルギーの地産地消を目指し、森林環境の保全及び災害に適応したシステムの構築を図っています。
(※)山を鎮め、水に親しむ、自然と共生し安心して暮らせる村づくりの基本理念

豊かな自然環境:清流とホタルの里

山江村の川で遊ぶ親子

山江村は村の9割を山林が占めており、日本三大急流のひとつである「球磨川(くまがわ)」の支流となる清流「万江川(まえがわ)」も流れています。自然が豊かで、空気も澄んでいるため、夜は驚くほど星がよく見えます。

また、水のきれいな万江川にはホタルが生息しており、初夏の夜には、川の周辺で多くのホタルが飛び交っているそうです。他にも万江地区の「城内」「小鶴」と山田地区の「岩ヶ野」「西川内」がホタルの見られるスポットとのことです。

万江川の上流では、山江村の特産物であるヤマメが生息しており、夏場は丸々と太ったヤマメが楽しめます。養殖もしており、年中新鮮なヤマメが販売されています。

このように自然あふれる豊かな環境なら、子どもものびのび育ってくれそうですね。

山江村に生息するホタル
▲山江村にはホタルスポットがいくつかある

山江村の暮らし:気候・人口・交通・医療・教育の基本情報

ここからは、山江村の暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 山江村に観測地点がないため近隣の人吉市のデータ
8月平均気温26.6℃
1月平均気温4.7℃
※参考:気象庁
人口 人口:約3,300人
世帯:約1,200戸
(令和5年2月末現在)
病院 なし
学校 保育施設:3所
小学校:2校
中学校:1校
交通 【空港】
鹿児島空港(車で約45分)

【鉄道】
なし。最寄りは人吉駅
※令和2年7月豪雨より2023年現在は不通

【バス】
産交バス
予約制乗合バス「まるおか号」

【車】
熊本市まで約80分、福岡まで約3時間、鹿児島まで約1時間20分
近隣都市 人吉市、八代市

山江村のつつじ
▲村花のつつじ。4月が見頃

山江村には電車が走っていないため、車はある方がよいでしょう。村内には商店がありますが、車で10分ほどの人吉市に買い物に行く人も多いようです。

また、山江村には医療機関がないため、病気やケガの際は人吉市に行くことになります。人吉市へは予約制乗合バス「まるおか号」も利用できます。

山江村は盆地特有の気候で、夏と冬、昼と夜の寒暖差が激しいため、栗の栽培に適しています。農家の約8割が栗を栽培しており、山江村は日本を代表する栗の産地です。

人気の品種「利平」はピンポン玉ほどもある大玉の栗で、ツヤツヤとした質感が特徴です。移住したら、秋の味覚をぜひ楽しみたいですね。

山江村の栗
▲山江村特産品のやまえ栗

子育て世帯におすすめ:丸岡公園で自然を満喫

子供の遊び場については、人吉球磨盆地(ひとよしくまぼんち)を一望できる「丸岡公園」がおすすめです。春には、桜300本とつつじ5万本が咲き乱れ、鮮やかな風景が広がります。農村広場(芝のグラウンド)があり、思う存分駆け巡ることができます。また、農産物の販売も行われています。

仕事探し:山江村と近隣地域の求人情報

大手求人情報サイトで山江村の求人を調べたところ、約60件ヒットしました。通勤30分程度の25km圏内で検索すると、約2,600件ヒットしました。近隣地域も含めて探すと希望の仕事が見つかりそうです。(2023年4月現在)
※求人情報の一例

住まい探し:賃貸物件と空き家バンクの活用

大手住まい情報サイトで山江村の賃貸物件を調べましたが、とても少ないようです。情報サイトに掲載されていない物件があるかもしれませんので、山江村近隣の不動産会社に問い合わせてみてもよいでしょう。

山江村では、空き家バンクが利用できます。改修が必要な物件なら、空き家改修補助が受けられます。

空き家改修補助事業 空き家を有効活用する人に空き家の改修に要する経費を補助
助成額:対象経費の1/2(上限100万円)
土地購入補助事業 土地を有効活用する人に土地の購入経費を補助
助成額:対象経費の1/2(上限100万円)

公式:山江村「山江村空き家改修補助金」
公式:山江村「山江村土地購入補助金」

また、住まいに関しては次の助成もありますので、該当する場合は活用しましょう。

住宅リフォーム助成 住宅リフォームに要した費用を助成
助成額:対象工事に要した経費の2割に相当する額(上限20万円)
太陽光発電システム設置費補助 住宅用太陽光発電システムを設置する人に経費の一部を助成
助成額:モジュールの最大出力数値に15,000円を乗じた額(上限50,000円)
※山江村に本社、営業所等を有する法人、個人と工事請負契約を締結した場合は、30,000円加算
ケーブルテレビ事業 村内全域に敷設された光ケーブルで各戸に村の自主放送と地上波、衛星波、通信データなどを届ける。加入は任意。
使用料:1,500円/月(ケーブルテレビ)、2,500円/月(インターネット)

公式:山江村「山江村住宅リフォーム助成事業」
公式:山江村「住宅用太陽光発電システム設置費補助金」
公式:山江村「山江村ケーブルテレビTOP」

山江村移住者の声:子育て環境と自然の豊かさが好評

熊本県山江村移住者の声

次に、山江村に移住した方の感想をご紹介します。

  • 子育て支援が充実していてありがたい
  • 食が豊かで、空気もきれい。温泉もあるし、疲れがとれる
  • 移住してから、お金があまりかからない暮らしができている
  • ご近所さんとはいい距離感で接してもらえる

子育て支援の充実や自然の豊かさが好評のようです。地域の人々ともよいつながりが持てているようですね。各地区の行事、お祭りなど、地域の活動には積極的に参加したいですね。

山江村への移住支援:体験施設と記念品プレゼント

山江村の淡島ゲストハウス
▲古民家を改修した淡島ゲストハウス。関東圏から体験に来る人が多い

山江村の淡島ゲストハウスの内装
▲淡島ゲストハウスの内装

山江村への移住を検討し、情報収集が済んだら現地で下見をしましょう。山江村には古民家を改修したゲストハウスがあり、田舎暮らしの体験ができます。7日以内なら利用料金は7,000円で、最大1か月(30,000円)まで利用できます。村の雰囲気を体験するだけでなく、住まい探しや仕事探しの拠点にするとよいでしょう。

男性スタッフのアイコン
犬童さん

つつじを見たい方は4月頃、栗など秋の味覚を楽しみたい方は9月頃がおすすめです!

山江村では、村内に住宅を新たに取得し、居住した人に記念品として、次のいずれかを贈呈しています。温泉入浴券やお米がこんなにたくさんいただけるのはうれしいですね。

  • 山江温泉ほたるの温泉入浴券(360枚)
  • ほたる米引換券(12枚:240kg)
  • 山江温泉ほたるの温泉入浴券とほたる米引換券(入浴券180枚、引換券6枚:120kg)

山江村移住相談窓口:役場の連絡先

移住相談窓口 山江村役場
住所 〒868-8502
熊本県球磨郡山江村大字山田甲1356番地の1
電話 0966-23-3111(代表)
公式サイト 熊本県山江村移住サイト