【新潟県弥彦村への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報

この記事では、地方への移住を検討している方のために、新潟県弥彦村(やひこむら)の魅力を紹介していきます。

弥彦村は、新潟県のほぼ中央部に位置する人口約7,700人の村です。年間200万人以上もの観光客が訪れる地域で、美味しい農作物や温泉、自然豊かな環境に恵まれています。お隣の燕市までは車で5分ほど、新潟市や長岡市までも約45分で行くことができる立地です。

そんな弥彦村での暮らしの特徴やその魅力について、村役場の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。

本日お話を伺った方
男性スタッフのアイコン

弥彦村役場
総務部 デジタル行政推進課 主任

板垣 里さん

新潟県弥彦村の暮らし、3つの特徴

新潟県弥彦村・暮らしの特徴

「自然豊かな地域で暮らしたいけれど、あまり生活に不便だと困る」と思う方は多いのではないでしょうか。弥彦村は面積25平方キロメートルと大きくはなく、車で30分もあれば一周できる村です。ですが、近隣都市まで近いので、車があれば買い物や日常生活に不便することはありません

村の中には観光スポットや温泉、公園がぎゅっと詰まっており、子どもから大人までさまざまなアクティビティを楽しむことができます。また、子育てに関する手厚いサポート体制も取っており、自然環境の豊かさと相まって子育て世帯にもおすすめです。

そんな弥彦村には以下のような特徴があります。

  • 子育ての環境、制度、支援体制が整っている
  • 豊かな農作物が育つ地域である
  • 地域内に温泉や遊べるスポットなどがある

それではここから、弥彦村の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。

特徴1:子育て世帯に優しい制度と環境が揃っている

春の弥彦公園の様子
▲弥彦公園で咲き誇る満開の桜並木の下を歩く親子。公園は親子の遊び場としても人気

子育てにぴったりな環境がある弥彦村では、その豊かな自然だけでなく、子育てに関する支援制度も充実しています。

制度 概要
保育料の無料化 ・令和4年9月1日~令和5年3月31日、0歳から2歳児の保育料を無料にする
保育園の副食費(おかず代)の無料化 ・保護者が負担していた副食費を無料にする
小学校の給食費の無料化 ・保護者が負担していた給食費を無料にする
中学校の給食費の無料化 ・対象は弥彦村に住所を有し、弥彦中学校に通っている生徒
・保護者が負担していた給食費を無料にする
子ども・妊産婦の医療費を無料化 ・対象者:子どもは0歳から18歳まで、妊産婦は認定翌日から出産後3ヶ月まで
・対象医療費:保険診療

また、チャイルドシートの購入費の一部の助成や、紙おむつ等購入費の一部を助成する事業も実施しています。子育てにはなにかとお金がかかるものですが、村として子育て世帯の負担を少しでも減らそうと、いろいろな制度を整備してくれています。

公式:弥彦村(親と子どもの福祉)

子育て自体をサポート。支援センターや交流の場もある

弥彦村では金銭面のサポートだけでなく、子育ての悩み相談・親同士の交流ができるよう「子育て支援センター」を設置したり「休日子育て支援事業」を実施したりしています。

取り組み 概要
子育て支援センター ・対象:保育園に入園していない子どもとその保護者
・開所:平日(時間は曜日によって異なる)、土曜日(不定期)
・育児に関する情報や意見交換、育児相談などの交流の場を提供
休日子育て支援事業 ・対象:就学前の乳幼児と保護者
・開所:日曜と祝日の午前中
・親子のふれあいと親同士の交流を深めてもらう場を提供

弥彦村では子育て支援に力を入れているだけあり、待機児童数は0です。

男性スタッフのアイコン
板垣さん

待機児童数が出そうな時は、臨時で職員を増員するなどして、とにかく子育ての支援に力を入れています!

公式:弥彦村(子育て支援)

特徴2:豊かな自然に恵まれている。弥彦ブランドの農作物も人気

たわわに実った黄金色の稲

自然豊かな弥彦村では農業が盛んに行われています

信濃川により形成された豊かな「土壌」、弥彦山から湧き出るミネラルを多く含んだ「天然水」、朝と夜の気温の違いによる「適度な寒暖差」、これら3つの要素が、弥彦村の農作物を強く豊かに育んでいます。

ブランド米である「伊彌彦米」は、化学合成農薬と化学肥料を慣行栽培に比べて5割以下に減らして栽培した、特別栽培のコシヒカリです。雑味が少なく、ほのかな甘みと粘り気が特徴で、つやつやふっくらと炊き上がります。その品質は高く評価されており、皇室献上米やANAの国際線ビジネスクラスの機内食にも採用されているほどです。

参考:弥彦村農家生産(伊彌彦米特設サイト)

また、弥彦村では枝豆もブランド化されています。50年以上の歴史を持つ「弥彦むすめ」に、新ブランドの「伊彌彦ちゃまめ」「伊彌彦えだまめ」は、関東圏や中京圏を中心に人気を博しています。

特産品である枝豆は3種もブランド化している

村では枝豆共同選果場や枝豆専用コンバインも導入しており、農家の生産を助けています。2020年の新潟県農林業センサスによると、えだまめ作付面積の割合で弥彦村は新潟県1位です。

参考:新潟県弥彦村産枝豆特設サイト

弥彦村の農作物はふるさと納税でも人気が高く、今後は海外への輸出も予定しているそうです。ブランド化できるほど見事な農作物が育つ土地であることがわかりますね。

特徴3:年間訪問者数約200万人。豊富な観光資源がある

弥彦村には豊富な観光資源が揃っており、年間に人口の約285倍である約200万人以上の人が訪れます。

地元住民にも人気の「弥彦公園」は、滝・渓流・高台・トンネル・橋もある、広さ約4万坪の観光スポットです。水芭蕉園やもみじ谷など、季節に応じた四季折々の美しい花を見ることができます。子ども用のコンビネーション遊具も設置されているので、親子で一緒に楽しむこともできますよ。

弥彦公園の夏の様子
▲夏の弥彦公園。青々とした木々に赤い橋がよく映えます。

弥彦公園の秋の様子
▲秋の弥彦公園。紅葉シーズンにはライトアップもするそうです。

参考:弥彦村(弥彦の公園)

7月には燈籠まつりが行われる「越後一宮 彌彦神社」は「おやひこさま」と呼ばれる弥彦村のシンボルです。境内はうっそうとした樹林に覆われており、樹齢400年を超えるスギやケヤキに、神々しさや畏敬の念を感じずにはいられません。縁結びの神様としても有名です。

彌彦神社の大鳥居
▲彌彦神社の大鳥居は高さ約30m。鳥居越しに見えるのは霊峰弥彦山

参考:越後一宮 彌彦神社

彌彦神社から歩いて5分ほどのところには、観光複合施設の「おもてなし広場」があり、足湯、カフェ、農産物直売所などで賑わっています。弥彦温泉街のほぼ中心に位置するため、温泉観光客にも人気です。

おもてなし広場にある足湯
▲おもてなし広場の足湯は湯神社温泉で満たされている。無料で利用できるのも嬉しい

参考:弥彦観光協会公式サイト/やひ恋(おもてなし広場)

なお、弥彦村の温泉街には2つの源泉があります。アルカリ性単純温泉の「弥彦湯神社温泉」と含硫黄とナトリウムと塩化物を含む「やひこ桜井郷温泉」です。10もの温泉施設があり、日帰り入浴が楽しめるところもあってか、地元民にも人気ですよ。

参考:弥彦観光協会公式サイト/やひ恋(泊まる・温泉)

このように、観光地・お祭り・温泉と、1年を通して楽しめるアクティビティが村の中にぎゅっと詰まっています

新潟県弥彦村の暮らしに関する情報

弥彦山ロープウェイ
▲山麓駅から山頂駅までを約5分で行き来するロープウェイ。初夏には紫陽花、天気が良い日には越後平野を一望できる

ここからは弥彦村での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。

気候 ・夏(8月):平均気温26.2℃
・冬(1月):平均気温2.0℃
※参考:気象庁ホームページ(三条地点)
人口 約7,700人(約2,600世帯)
※令和2年10月国税調査時点
病院 村内には合計4か所の医療機関がある(内科2か所、歯科2か所)
学校 ・保育園:3園
・公立小学校:1校
・公立中学校:1校
文化・芸術 ・十柱(とはしら)神社社殿:彌彦(やひこ)神社境内にある元禄7年(1694年)に創建された建物。絵様彫刻から桃山時代末期の様式を伝え、茅葺屋根の風情ある佇まいが印象的である。国指定の重要文化財

・大太刀附革鐔(おおたちつけたりかわつば):応永22年(1415年)に製作された刃渡り約2m以上の大太刀と附属の練革(ねりかわ)と丸鍔(まるつば)など。重要文化財である湾刀(まがりがたな)としては日本最大であり、附属の練革と13枚重ねの丸鍔や鉄はばき(刀身の手元の部分にはめる金具のこと)など共に貴重な名品とされている。国指定の重要文化財

・弥彦燈籠まつり:7月終わりに開催される彌彦神社の燈籠神事であり夏の大祭。県下の各地からと地元氏子から献燈された燈籠が、二基の御神輿を中心として前後に連なり練り歩く様は圧巻。その列は1kmにも及び、およそ2時間かけてまちを一巡する。最後には彌彦神社の拝殿前に配置された舞殿の周囲を大燈籠が取り囲み、その中で神歌楽(かがらく)や天犬舞(あまいぬのまい)が奉奏される。重要無形民俗文化財
観光スポット ・黒滝城跡:現在は黒滝城址森林公園として整備されている城跡。北陸道上の軍略の要であり、越後守護上杉氏の要塞として重要な役割を果たしたとされている。上杉謙信の後継者争いである「御館の乱」においても、攻防が行われたと言われている。村指定文化財

・弥彦の婆々スギ:高さ約40m、樹齢1,000年以上と言われている大杉で、宝光院の境内にある。名前の由来は、越後を中心として各地に伝承されている「弥三郎婆(やさぶろうばばあ)」にちなんで付けられたが、「弥三郎婆」自体さまざまなバリエーションの伝承がある。県指定文化財の天然記念物

・弥彦競輪場:昭和25年に戦後復興を目的として開設された、日本で唯一の村営の競輪場である。彌彦神社の境内にあるこの競輪場には、バンク照明も整備されており、ミットナイト競輪やナイター競輪なども行われている
食べ物 弥彦むすめ(枝豆)、伊彌彦えだまめ、伊彌彦ちゃまめ、伊彌彦米、デラウェア、シャインマスカット、弥彦太郎(シイタケ)、銀杏、越後姫(イチゴ)、カレー豆、玉兎(弥彦銘菓)、温泉まんじゅう、おでん、ところてん、やひこ娘イカメンチ、パンダ焼き、やひこじぇらーと、弥彦愛国(純米吟醸酒)、こしのはくせつ(大吟醸酒)
交通 【鉄道】
・JR弥彦線:弥彦駅、矢作駅

【索道】
・弥彦山ロープウェイ:弥彦山麓駅、山頂駅

【バス】
・弥彦・燕広域循環バス「やひこ号」
・予約制乗合ワゴン車「おでかけきららん号」
・にしかん観光周遊ぐる~んバス
近隣都市 新潟市、燕市、長岡市
大都市からのアクセス 【東京から】
・電車:東京駅から上越新幹線で燕三条駅まで約2時間弱、そこから弥彦線で弥彦駅まで約40分
・車:練馬ICから関越自動車道で三条燕ICまで約3時間弱、そこから北陸自動車道で約20分

【新潟から】
・電車:新潟駅から越後線で吉田駅まで約50分、吉田駅から弥彦線で弥彦駅まで約10分
・車:北陸自動車道経由で約45分

弥彦村から一番近い近隣都市は燕市で、車で5分ほどで行くことができます。大型のスーパーや病院なども揃っており、気軽に行くことができるため、燕市まで足を延ばすことが多いようです。

弥彦村からは新潟市や長岡市までも車で45分ほどで行くことができるため、村外へ通勤している住民もいます。車があれば生活に困ることはほとんどありません。

【仕事】村で新たに起業する人や、近隣都市へ通勤する人も

大手求人サイトで「弥彦村×正社員」で検索したところ、約300件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(村内から15km以内)で検索したところ、求人情報は約8,400件まで広がりました。
※参考:求人情報の一例

観光客が年間200万人ほどが訪れることから、カフェやパン屋などを開業する人もいるそうです。また、近隣都市である新潟市、燕市、長岡市にも働き口が多いため、幅広い範囲で仕事を探すことができます。

弥彦村に暮らす先輩移住者の声

新潟県弥彦村・移住者の声

実際に弥彦村で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。

  • 小学校の登下校はスクールバスでの送迎になるので、親としてはとっても安心
  • とにかく村民みんな仲がいい。外から来た私のような人に対しても、すごくウェルカムな雰囲気で迎え入れてくれた
  • 学校という枠組みだけでなく、同じ地域に住む大人たちとお祭りやイベントなどを通して触れ合うので、子どもが成長していくうえでもすごくいい環境だと思う
  • 立地が最高。駅が近く、車で少し走れば海も山もすぐそこにあります。自然に囲まれた場所で子育てができ、暮らせることが、いかに豊かなことかと思うようになりました
  • 温泉街を歩けば無料の足湯スポットがあり、一年を通じて弥彦のまち中ではイベントも盛りだくさん。春は桜、夏はホタル、秋は紅葉、冬は雪景色など、日本の原風景を見て、体感することができる

海や山などの自然に恵まれ、温泉やイベントも楽しめ、村民同士仲がいいという、生活を営む上でこれ以上ない環境があることがわかりますね。

新潟県弥彦村へ行ってみよう

「弥彦村に興味が湧いてきた」という方におすすめなのが、まずは思い切って現地に行ってみることです。東京からは新幹線と在来線で約3時間弱で行くことができますし、温泉観光地なのでホテルや宿もたくさんあります。まずは温泉を目当てに行くのも良いかもしれません。

春夏秋冬に応じて村は表情を変えるので、四季が変わるごとに訪問してみるのもおすすめです。

弥彦村への移住に関するお問い合わせ

弥彦村のご当地キャラクターの「ミコぴょん」
▲弥彦駅をバックにした、弥彦村のご当地キャラクターの「ミコぴょん」

弥彦村に興味を持った方は、まずは問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。

担当 総務部 総務課 デジタル行政推進課
住所 〒959-0392
新潟県西蒲原郡弥彦村大字矢作402番地
電話 0256-94-3151
公式サイト http://www.vill.yahiko.niigata.jp/