茨城県八千代町で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報
この記事では、関東地方での移住を検討している方に向けて、茨城県八千代町(やちよまち)の暮らしに役立つ情報を紹介します。
茨城県の南西に位置する八千代町は、都心から60kmの距離にある自然豊かなまち。農業が盛んで、まちの中央を流れる山川を境に東側は水田地帯、西側は畑作地帯が広がっています。地元産の新鮮な農作物は町内の直売所などで手軽に購入できるので、移住先で食を楽しみたい方にはおすすめのエリアと言えるでしょう。
また子育て支援にも力をいれ、まち独自の「出産子育て奨励金」をはじめ、小中学校の「給食費」や18歳までの「子ども医療費」を無償化するなど、子育て世帯が暮らしやすいまちづくりに力を入れている様子が伺えます。
今回は八千代町役場・まちづくり推進課の水垣さんにインタビュー取材させていただいた内容をもとに、八千代町の特徴や魅力についてお伝えしていきます。
八千代町の3つの特徴
八千代町で暮らす大きな特徴として、次の3点が挙げられます。
- 自然豊かな場所で、地元産の美味しい農作物を満喫できる
- 子育て世帯に嬉しい支援が充実している
- 地元住民は温かく、移住者もまちに馴染みやすい
ここからは、これらの特徴について詳しく紹介します。
特徴1:自然豊かな場所で、地元産の美味しい農作物を満喫できる
温暖な気候で広大な田園地帯が広がる八千代町は、ほのぼのとした人の温かさを感じられるまちです。都会の喧騒から離れ、豊かな自然に囲まれながら穏やかに暮らしたい方にとってはぴったりの移住先と言えるでしょう。
そんな八千代町は農業が盛んで、まちの東側は水田地帯、西側は畑作地帯が広がっています。年間を通して様々な作物が栽培されていますが、中でも白菜は全国一の生産量を誇ります。収穫された白菜の多くは、都内をはじめ各地の市場へ出荷されます。
▲収穫の時期には、立派な白菜が姿を現します
同じく八千代町の特産品である「肥土(あくと)梨」は、やわらかい果肉とジューシーな果汁が特徴。「肥土(あくと)梨」をブランド化するなど町を挙げて栽培に力を入れていると伺いました(2024年6月時点)。
▲肥沃な土地と温暖な気候のもとで作られる八千代町の特産品「肥土梨」
このように八千代町には新鮮で美味しい農作物がたくさんあるので、移住先で食を楽しみたい方は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
メロンや梨、シャインマスカットやいちご、さくらんぼを作っている農家さんもいらっしゃるので、まちに来られた際はぜひ食べてみてください。
地元住民と都市住民の交流拠点「八千代グリーンビレッジ」
八千代グリーンビレッジは、都市農村交流による地元農業の活性化を目指して誕生した複合型のレクリエーション施設です。八千代町の自然を活かした敷地内には、天然温泉が楽しめる「やちよ乃湯 憩遊館」を中心に、キャンプ場やBBQ施設、グラウンドゴルフ場などがあり、町外から利用する方も多くいらっしゃるのだそう。
中でも、キャンプ場は予約が埋まるほど人気で、テント・タープは1張りごとに1,080円とリーズナブルな価格。気軽にアウトドア体験ができるので、子どもと一緒に自然体験をしたいパパママにとってはうってつけの場所と言えるでしょう。
▲キャンプの予定が決まったら早めの予約を
▲休日は遊具で遊ぶ親子で賑わいます
先にご紹介した地元産の農作物は、八千代グリーンビレッジ内の直売所でも購入できるので、移住の下見などで近くに訪れた際は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
■公式:八千代グリーンビレッジ憩遊館
特徴2:子育て世帯に嬉しい支援が充実している
子育て支援に注力している八千代町では、以下の支援が行われています。
▼八千代町の特徴的な子育て支援(2024年6月時点)
出産子育て奨励金 | 出産家庭の経済的負担を軽減するため、令和4年4月1日以降に生まれた子どもを対象に奨励金を支給 【支給額】 ・第1子:20万円 ・第2子:20万円 ・第3子以上:30万円 ■参考:八千代町役場(出産子育て奨励金) |
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医療福祉費支給(マル福)制度 | 0歳から18歳まで(18歳に達する最初の年度末まで)の子ども医療費(保険適用分)を全額無償化 ■参考:八千代町役場(子ども医療費の無償化について) |
学校給食費の無償化 | 子育て世帯の経済負担を軽減するため、八千代町立小中学校に就学する児童及び生徒を対象に学校給食費無償化 ■参考:八千代町役場(小中学校給食費無償化について) |
「出産子育て奨励金」は、もともと第2子以降を支給対象としていたものが、令和4年度からは第1子も対象に。同様に、子ども医療費も未就学児を対象としていたものが、令和6年4月から18歳までに拡充されました。
このように八千代町では近年手厚い子育て支援が行われているので、移住を検討している子育て世帯は候補地として検討してみてはいかがでしょうか。
現在は八千代町の定住人口の増加や地域活性化を図る目的に「子育て支援住宅」の整備を進めています(2024年6月時点)。
子どもの英語教育に注力。高校生のキャリアアップを応援する補助金もある
▲タブレット端末を活用しながら英語教育を受ける中学生のようす
八千代町には外国人の方が多く、人口の8~9%にあたる約2,000人が暮らしているのだそう。他言語を話す人が身近にいる環境は、将来グローバルな社会で活躍していく子どもたちにとって有意義な機会となり得るでしょう。
そんな八千代町では英語教育の強化事業として、小中学生の「英語検定」の受験料を半額補助する「英語検定受験チャレンジ補助事業」が行われています。また、令和6年度からは先にご紹介したグリーンビレッジ八千代内で「イングリッシュキャンプ」を開催し、外国人講師を迎えて共同生活をする予定と伺いました。
ほかにも、高校生がキャリアアップにつながるさまざまな検定を取得した際、検定料の一部を補助(年1回・上限5,000円)してもらえる「八千代町高校生キャリアアップ応援事業補助金」もあります。
■参考:八千代町高校生キャリアアップ応援事業補助金
このように、八千代町では英語教育をはじめ、子どもたちのキャリアアップを見据えた支援が行われています。自然に囲まれた環境で、将来を見据えた子育てをしたいと考えている方は、八千代町への移住を検討してみてはいかがでしょうか。
特徴3:地元住民は温かく、移住者もまちに馴染みやすい
八千代町の住民は温厚な人が多く、人と人との繋がりを大切にしています。地域コミュニティは強いそうですが、移住者の方は各地域ごとのお祭りやイベントで地元の方との交流を図りながら、徐々にまちに馴染んでいくと伺いました。
そんな八千代町の一大イベントと言えば、毎年7月末に開催される「八千代町夏まつり」。伝統的なみこし・はやし、ソーランおどりをはじめ、お笑いライブやお楽しみ抽選会などで、毎年会場は大盛り上がり。移住後はぜひ参加して、八千代町の雰囲気や魅力を肌で感じてみてください。
▲地元住民で賑わう夏祭りのようす
祭り以外にも、八千代町では環境美化運動の一環として花いっぱい運動を推進する取り組みとして「八千代町花壇コンクール」も開催。老人クラブや子ども会育成会など、町内の団体が参加し、地域住民で協力しながら育てた色とりどりの花壇を発表する場となっています。
▲地元住民によって大切に育てられた花壇がまちを彩ります
地域のイベントに参加すれば顔見知りも増え、八千代町での生活がより充実したものになります。地元の方も温かい方が多いので、移住後は家族みんなで参加してみてはいかがでしょうか。
八千代町の暮らしに関する情報
それでは、八千代町の暮らしに関するデータを見ていきましょう。
気候 | 1月:3.0℃ 8月:25.8℃ ※参考:気象庁ホームページ (八千代町に観測地点がないため、近隣の下妻のデータを掲載) |
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人口 | 21,034人 (2024年7月1日時点) |
病院 | 病院:1、診療所3、歯科:8 |
学校 | 保育園:4、認定こども園:5 小学校:5、中学校:2、高等学校:1 |
交通 | 【バス】茨城急行バス |
近隣都市 | 下妻市、古河市、結城市、常総市、坂東市 |
八千代町にはコンビニやスーパー、郵便局などの生活利便施設が揃っているため、普段の生活は町内で完結します。大学病院への通院やショッピングモールなどを利用する場合は、車で40分ほどの場所にある「つくば市」まで足を運ぶ方も多いと伺いました。
住んでいるエリアによっては、栃木県小山市まで買い物に行く方もいらっしゃいます。
町内に鉄道は通っていませんが、八千代町役場からJR古河駅までの区間には路線バスが運行(乗車時間は約30分)。古河駅からは小山・宇都宮・黒磯方面(下り)、大宮・東京・新宿・横浜・大船方面(上り)の電車が運行し、地元住民の移動手段として活用されています。
【仕事】町外で働く人も。東京圏の移住者を対象とした支援金もある
八千代町の正社員求人を大手の求人情報サイトで検索したところ、274件の求人が見つかりました。また、車で30分程度の通勤圏(25km圏内)まで範囲を広げると、42,259件の求人情報がありました(2024年7月時点)。
※参考:求人情報の一例(八千代町のみ)
※参考:求人情報の一例(八千代町から25km圏内)
八千代町には農家が多いそうですが、近年は会社員として働く方も増えてきているのだそう。町内の工業団地(2箇所)で働く方だけではなく、近隣の古河市や下妻市、つくば市まで車で通勤する方も多いと伺いました。JR古河駅のほか、下妻市までは車で15~20分、つくば市までは40~50分ほどでアクセスできるので、自家用車があれば仕事の選択肢も広がります。
2024年末には漬物業界の最大手「株式会社ピックルスコーポレーション」のキムチ専用工場が完成する予定なので、それに伴い町内で新たな求人も増える見込みです。
また八千代町から都内までは電車で1時間半~2時間ほどでアクセスできるため、都内の企業に務めている方もいるのだそう。普段は自然に囲まれた場所でリモートワークをし、必要に応じて都内へ出社する…。利便性の良い八千代町では、そんな生活も叶います。
八千代町では、東京23区に在住または、東京圏(※)在住で東京23区に通勤する方がまちに移住し、対象企業に就職する場合に移住支援金が支給される「八千代町わくわく茨城生活実現事業」が行われています。受給には事前相談が必要ですが、世帯移住の場合は100万円、単身移住では60万円が支給されるので、対象地域の方は公式サイトで詳細をチェックしてみてください。
(※)東京都、埼玉県、千葉県及び神奈川県
■公式:八千代町役場(八千代町わくわく茨城生活実現事業における移住支援金)
【住まい】賃貸物件あり。空き家リフォームに活用できる補助制度もある
大手住宅情報サイトで八千代町の賃貸物件を検索したところ、19件の物件が見つかりました。家賃相場は5.6万円で、ワンルームから2LDKの物件が中心です。(2024年7月時点)
※参考:賃貸物件情報の一例
※参考:八千代町の家賃相場の一例
空き家バンクでは2024年7月時点で1件の掲載があり、売却価格は1,000万円。空き家購入後のリフォーム工事費を最大30万円補助してもらえる「空き家バンクリフォーム支援補助事業」もあるので、移住先で空き家利用を検討している方は、一度公式サイトをチェックしてみてください。
■公式:八千代町空き家バンク(空き家情報)
■参考:八千代町役場(空き家バンクリフォーム支援補助事業)
町外からの移住者や新婚家庭を対象とした補助金制度(2024年6月時点)
八千代町には町外から移住される方を対象とした、2つの支援制度があります。
転入者住まい応援助成金 | 町外から八千代町に転入し、住宅を取得した方を対象に助成金を交付。 【基本助成金】 ・新築住宅:30万円 ・中古住宅:10万円 【加算助成金】 ・新婚世帯(婚姻後3年以内の世帯):10万円 ・子育て世帯(義務教育修了までの子どもを養育している世帯):10万円 |
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新婚家庭家賃助成事業 | 八千代町在住の新婚家庭の方が町内の民間賃貸住宅に入居した場合、家賃の一部を助成。 【助成金】 ・月額1万円(家賃が1万円未満の場合は、その額を交付) ※対象期間は、申請した月の翌月から36ヶ月 |
戸建て住宅取得時には「転入者住まい応援助成金」、新婚家庭が賃貸住宅に入居する場合には「新婚家庭家賃助成事業」が活用できるので、八千代町で新生活をスタートする際はぜひ活用してみてください。
どちらの制度も受給条件が定められていますので、以下の公式サイトでご自身が対象となるかどうかを事前に確認しておくと安心です。
■公式:八千代町役場(転入者住まい応援助成金)
■公式:八千代町役場(新婚家庭家賃助成事業)
八千代町に移住した人の口コミや感想
八千代町の魅力や暮らしについて紹介しましたが、やはり気になるのは移住者の口コミなのではないでしょうか。ここでは、実際に八千代町に移住した方の声をご紹介します。
- 町民みんなが明るくて、気持ちの良いあいさつが行き交うまち。特に子どもたちと笑顔であいさつを交わす光景は、都心部では見かけられない光景で新鮮に感じた
- 地元の方が気さくで、町全体に安心感がある。都心で暮らしていた頃は、周囲の人に対して過敏なほど神経質な面もあったが、八千代町は人も時間もとても穏やかなので、ゆっくり過ごしたい方には合うと思う
- スポーツ少年団の活動が盛んで、親子で一緒にスポーツできる環境を気に入っている
口コミからは、実際に移住した方が「住民の人柄」や「まち全体の雰囲気」に魅力を感じていることが伺えます。自然豊かな場所で穏やかに暮らせる八千代町は、忙しい毎日に疲れた方にとってぴったりの移住先と言えるでしょう。
下見に行くなら春から夏にかけて。八千代町の魅力を体感しよう
八千代町の下見におすすめの時期を職員さんに伺ったところ、春から夏にかけてがおすすめだと教えていただきました。
「Zekkeiいばらきフォトコンテスト2019(※)」でグランプリを取った「東蕗田天満社(ひがしふきたてんまんしゃ)」は八千代町を代表する観光名所。桜が咲く3月下旬~4月上旬に訪れれば、八千代町の美しい自然を肌で感じられるでしょう。
※参考:観光いばらき(Zekkeiいばらきフォトコンテスト2019)
▲八千代町の春はこのような美しい景色が見られます
また春は桜以外にも、白菜やいちごなどの農作物が採れる季節。まちを散策した帰りに直売所に立ち寄れば、八千代町の新鮮な農作物を手に入れられます。下見の際に果物狩りを体験するのもおすすめです。
▲採れたてのいちごは絶品です
実際にまちを訪れることで移住後の生活もイメージしやすくなるので、少しでも八千代町が気になる方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
八千代町は農産物が非常に美味しいまちです。生活していくうえで美味しい農産物が食べられるのはとても幸せなことだと思いますので、ぜひ自慢の農村空間で美味しい野菜やお米、美味しい空気を吸って過ごしていただきたいです。
土いじりが好きな方は「クラインガルテン八千代」でプチ移住体験
八千代町にはお試し住宅はありませんが、先にご紹介した八千代グリーンビレッジ内にある「クラインガルテン八千代」を活用すれば、プチ移住体験ができるのだそう。
クラインガルテンとは、ドイツ語で「小さな庭」という意味。「ラウベ」と呼ばれるキッチンやバス、ロフト付きの宿泊施設を備えた滞在型(1区画270㎡)と、日帰り型の貸し農園(1区画25㎡)があり、どちらもキャンセル待ちが出るほど大人気の施設です。ガーデニングや家庭菜園をしながら、別荘やセカンドハウスな感覚で週末を過ごす方もいらっしゃると教えていただきました。
八千代町に興味がある方で、家庭菜園やガーデニングに興味がある方は利用してみてはいかがでしょうか。
八千代町の移住に関するお問い合わせ
八千代町への移住については、八千代町役場までお問い合わせください。
担当課 | まちづくり推進課 |
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住所 | 〒300-3592 茨城県結城郡八千代町大字菅谷1170番地 |
電話番号 | 0296-48-1111 |
対応時間 | 8:30〜17:15 |
公式サイト | https://www.town.ibaraki-yachiyo.lg.jp/ |