新潟県津南町への移住のすすめ!雪国ならではの暮らしと充実の支援制度

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「新潟県津南町(つなんまち)」をご紹介します。

津南町は、宝島社から発行されている「田舎暮らしの本」にて、2023年版「住みたい田舎」ベストランキング<人口1万人未満のまち総合部門>で13位と、全国的にも注目を集めている移住先です。

その魅力は、国内有数の豪雪地帯であるために出会える美しい雪景色や、名水とおいしいお米・野菜、心を癒す豊かな自然、そして子どもに優しい教育環境など多岐にわたります。

雪国での生活に憧れる方はもちろん、食や農業に興味がある方や、子育て世帯の方に特におすすめです。

この記事では、津南町の暮らしの特徴や、仕事・住まいに関する支援など、移住を検討するために役立つ情報を詳しくお届けします。

津南町役場移住コーディネーターの照井さん

津南町の暮らしの魅力:移住前に知っておきたい3つの特徴

津南町の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には津南町がおすすめです。

  • 雪やウィンタースポーツが大好きで、雪国での生活を楽しみたい
  • 農業に興味があり、自然と共に暮らしたい
  • 豊かな自然に囲まれた場所、特に森林地帯での生活を望んでいる
  • 子どもを、顔見知りが多く温かい雰囲気の小規模な学校に通わせたい

これらの特徴が津南町の暮らしにどのように反映されているのか、具体的な例を交えながら、津南町での生活の魅力を詳しく紹介していきます。

特徴1:雪国ならではの美しい景色と豊かな食文化

雪景色の津南町全景

津南町は国内でも有数の豪雪地域で、町全域が特別豪雪地帯に指定されています。

この雪の多さが、津南町ならではの魅力を生み出しています。雪のある暮らしに憧れている方には理想的な移住先といえるでしょう。

心が洗われるような美しい雪景色を眺められるのはもちろん、陽の光にきらめく雪の上を歩いたり、スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツを楽しんだり、子どもと一緒に思う存分雪遊びや雪だるま作りをしたりと、雪国ならではの体験ができます。

4メートル近い雪壁の前に立つ人

時には大人の身長をはるかに超える積雪になることもありますが、除雪体制がしっかりしているため、日常生活に大きな支障が出ることはほとんどありません。長い冬を過ごした後に訪れる春は、格別な喜びをもたらします。

また、雪解け水が地中にしみこんで生まれる清らかな湧き水は、津南町の特産品となっています。環境省選定の「全国名水百選」にも選ばれており、コンビニエンスストアでもペットボトルで販売されているほど有名です。

ミネラル豊富な雪解け水で育つお米(魚沼コシヒカリ)や、雪の下で保存することで青臭さが消えて甘味が増す「雪下にんじん」など、農作物にも雪は多くの恵みをもたらしています。これらは津南町の特産品として知られています。

特徴2:「森林セラピー基地」で体験する自然の癒し効果

森林の風景

山と川に囲まれた津南町では、雪の季節以外にも、美しい風景や自然とのふれあいを満喫することができます。

中でも特色あるスポットが、森林セラピー基地に認定されている「樽田の森」です。森林セラピー基地とは、科学的に実証された森林浴効果(森林セラピー)を有する地域のことを指します。

この樽田の森は、これまで地元でもあまり知られていなかった秘境の森だそうです。整備されたセラピーロードを散策すると、木々の香りや葉の緑、鳥のさえずり、風の音など、森がもたらすさまざまな癒しを体験でき、心身ともにリラックスできます。
疲れた時や気分転換したい時、大自然が私たちを癒してくれるのは素晴らしいことですね。

町内には他にも、日本百名山の一つである苗場山を眺望できる「山の展望台」、信濃川とその支流が形成した河岸段丘(階段状の地形)を眺める「川の展望台」など、目の前に広がる自然を満喫できるスポットが数多くあります。

「自然に囲まれて、ゆったりとした気持ちで暮らしたい」という方にはピッタリの環境だと言えるでしょう

展望台から山々を眺めている人の後ろ姿
▲標高1,000mの高さから、苗場山のパノラマを楽しめる「山の展望台」

上空から眺めた河岸段丘
▲「川の展望台」からの眺め。津南町の河岸段丘は、その高さや広がりから、日本一の河岸段丘と言われている

特徴3:アットホームな教育環境と充実した子育てサポート

保育園の教室内の風景

津南町は、"町全体"で子どもの成長を見守るまちです。

町内には5つの保育園と3つの小学校があります。保育園時代から園どうしの交流が活発に行われているのが、まちの特徴的な取り組みです。そのため、子ども達が小学生になったとき、異なる園出身の子どもたちでも顔見知りであることが多いのです。

一般的に、保育園や幼稚園から小学校に上がる際は、慣れない環境に戸惑う子も少なくありません。そんな中で、津南町ではこういった交流の取り組みによって、子どもたちの小学校生活のスタートをスムーズにサポートしています。

まちの子どもたちみんながまるで大きな家族のようなアットホームな環境で育つことは、子ども達にとっても親御さんにとっても貴重な経験となるでしょう。

さらに、町内には県立の中高一貫校があります。小規模な町では珍しく、隣接する市などに通学しなくても高校まで地元で過ごせる環境が整っています。

津南町での生活:気候・交通・医療など暮らしの基本情報

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、津南町の暮らしに関してのさまざまな情報をお届けします。

気候 ・2月:平均気温−0.9°C
・8月:平均気温23.8°C
※参考:気象庁ホームページ
人口 ・人口:8,896人
・世帯:3,463世帯
(令和4年11月末日現在)
近隣都市 十日町市、南魚沼郡湯沢町、長野県下水内郡栄村
公共交通 ・鉄道:JR東日本飯山線(足滝駅、越後田中駅、津南駅、越後鹿渡駅)
・バス:路線バス、南越後観光バス、スクールバス(一般乗車可能)、乗合タクシー
大都市へのアクセス ・新潟市へ:車で約2時間
・東京へ:車で約3時間、新幹線+電車で約3時間15分
病院 病院・診療所3、歯科3
学校 保育園5、小学校3、中学校1、中等教育学校1
行事・イベント 新潟酒蔵祭り、大割野熊野神社祭礼(女神輿)、河岸段丘花火、つなん雪まつり
名所・観光 津南ひまわり広場、龍ヶ窪、蛇淵の滝、結東の石垣田
特産品 米(魚沼産コシヒカリ)、雪下にんじん、スイートコーン、アスパラガス、まいたけ、しいたけ

津南町は豪雪地帯です。数十年前は冬には車に乗れないような道路状況でしたが、現在は除雪体制が充実しているため、主要道路はほぼ雪が無い状態を保っています

とはいえ、移住を検討するにあたっては、やはり雪のある暮らしを十分理解しておくことが重要です。可能であれば、特に雪の多い1・2月に訪れて、ぜひ津南町の冬を体験してみてください。

そんな冬、津南町の人々は、雪を活用したイベントや伝統行事などを楽しみながら春の訪れを待っています

「つなん雪まつり」では、夜空にスカイランタンを打ち上げ、無数の暖かいオレンジ色の光に包まれるイベントが行われます。ここでしか見られない幻想的な光景に、寒さを忘れるほど心が温まります。

「つなん雪まつり」でのスカイランタン打ち上げの様子
▲1人ひとりの願いを込めた無数のランタンが夜空に舞う。幻想的で美しい、津南町の冬の風物詩

町内の「結東集落」の近くには、石垣で何段にも組まれた「石垣田」という棚田があります。もともと石しか出てこず耕作に向かない土地で、石垣を切り出し水田を作ったという歴史のある場所です。

その風景の美しさは「全国農村景観百選」にも選ばれているほどです。石垣田の中を通る道はトレッキングコースとなっていて誰でも歩くことができるので、ぜひ間近でその眺めを楽しんでみてはいかがでしょうか。

結東の石垣田で稲刈りをしているところ

「龍ヶ窪」は、環境省認定の「名水百選」にも選ばれている湧水です。池の湧水量は毎分30トン、日量43,000トンに達し、1日ですべて入れ替わるという、澄んだ美しい水です。

津南町内では、龍ヶ窪のような美しい水が生活用水として用いられており、恵まれた自然環境を日常的に体感できます。

龍ヶ窪
▲「龍ヶ窪」は木々に覆われた、神秘的な佇まい。数々の龍神伝説も残されているそう

【仕事】農業を中心とした就業機会と充実の新規就農支援

津南町では、お勤めの方のうち約8割が町内で働いているそうです。これは、町内に多様な雇用機会があることを示しています。

まちの主産業は農業です。魚沼コシヒカリとして知られるお米をはじめ、にんじん、アスパラガス、花卉(かき:観賞用の植物)など、多様な農作物が栽培されています。新規就農を希望する方への支援制度も充実しているので、「移住を機に農業をはじめたい」という方はぜひ検討してみてください

農業研修制度 畑作または野菜・花卉などの栽培農家で、働きながら栽培方法を学ぶことができる
就農支援 ・住居は、(公財)津南町農業公社があっせん
・研修期間中は年間150万円を給付(予定)※青年就農給付金(就農準備資金)
・就農直後の所得を確保するため、最長3年間において、年間150万円を給付(予定)※青年就農給付金(経営開始資金)
農地のあっせん制度 農業研修終了後、(公財)津南町農業公社で農地(畑地)の取得または借地をあっせん
農業機械の装備など 就農時は、農業機械の装備等に対する助成制度あり

詳細:新規就農者への支援・優遇措置

農業以外の職種も充実しています。2023年1月現在、大手求人情報サイトで津南町の正社員求人を検索すると、約400件がヒットしました。介護・福祉分野、小売業、建設業などの求人が特に多く見られます。

※参考:求人情報の一例

【住まい】空き家バンク活用と補助金制度で移住をサポート

2023年1月現在、津南町の空き家バンクを確認すると、3件が掲載されています。

※参考:空き家バンク物件一覧

空き家バンクの利用については下記のような補助金制度もあるので、あわせて検討してみてください。

空き家改修 室内、外装、屋根などの改修工事を町内施工業者に依頼する場合、必要となる経費の2分の1以内の額を補助(上限30万円)
家財道具等処分 空き家の家財道具等の処分について、対象となる経費の2分の1以内の額を補助(上限10万円)
資材等購入 室内、外装、屋根などを自ら改修する際、必要となる経費の2分の1以内の額を補助(上限20万円)

詳細:津南町空き家改修事業補助金

津南町移住者の声:実際の暮らしと感想を紹介

津南町へ移住した人の体験談・感想

ここでは、実際に津南町に移住して暮らしている方々の体験談や感想をご紹介します。

  • 雪景色の美しさが印象的。春を待ち遠しく思う日々も、雪国ならではの楽しみがあります
  • 雪については、「記録的豪雪」といった特別な年を除けば、充実した除雪体制により車での移動も可能で、心配したほどの不便さはありませんでした
  • お米や山菜などの農作物がとてもおいしい。「誰々がつくった野菜」というように、生産者の顔が見えるのも魅力的です
  • 移住を機に農業を始めた方もいます。自分で育てて食べるという体験が新鮮で興味深いとのことです

津南町での生活で最も気になるのは雪との付き合い方ですが、多くの方がポジティブな感想を持っているようです。豊かな自然に囲まれ、おいしい食生活や農業体験を楽しんでいる移住者が多いことがわかります。

津南町への移住ステップ

ここでは、新潟県津南町への移住に向けて、具体的に取れる行動をご紹介します。移住を考えている方々に役立つ情報を、わかりやすくお伝えします。

津南町の情報収集はYoutube、移住相談はLINEで可能

津南町のLINE公式アカウント「つながる、つなん」では、UIターン検討者向けに津南町の情報を発信しています。チャットで移住相談もできるので、些細な疑問でも気軽にご利用ください。

詳細:「つながる、つなん」友だち登録

また、YouTubeでは津南町へ家族で移住してきた地域おこし協力隊のYouTuber、南雲さんが「つなすみチャンネル」を配信しています。日常生活や地域の行事、四季の移り変わりなど、津南町での実際の暮らしぶりを見ることができます。チャンネルを覗いてみると、移住後の生活イメージがより具体的になるでしょう。

詳細:YouTube「つなすみチャンネル」

現地訪問時の交通費補助制度を活用しよう

津南町では、移住を検討している方向けに移住体験ツアーなどのイベントを定期的に開催しています。移住に興味がある方は、津南町の公式サイトで最新情報をご確認の上、実際に現地を訪れてみることをおすすめします。

詳細:津南町「秋山郷」移住体験ツアー 
(※終了したイベントです)

さらに、移住体験ツアーや移住コーディネーター同行での町内見学に参加する際、必要な交通費に対して補助金が交付されます。この制度を利用することで、移住検討者の経済的負担を軽減することができます。

対象者 県外から津南町への移住を検討している、18歳以上の方
内容 自宅から津南町までに要した往復交通費(タクシー及び自家用車の燃料代などを除く)に補助金を交付
補助率:2分の1(上限5,000円)

津南町移住相談窓口:詳細な情報とサポート体制

担当課 観光地域づくり課
住所 新潟県中魚沼郡津南町大字下船渡戊585
電話番号 025-765-5454
対応時間 平日8:30~17:15(年末年始を除く)
公式サイト https://iju-tsunan.org/