熊本県津奈木町への移住!自然豊かな「アートの町」の暮らしの魅力

この記事では、地方への移住を検討している方のために、熊本県津奈木町の魅力を紹介していきます。

津奈木町は、熊本県の南部に位置する人口約4,200人の町です。不知火海と山に囲まれ自然が豊かで、地域イベントが盛んな住民同士の繋がりの強い町です。「緑と彫刻のあるまち」としてアートの町おこしにも力を入れています。

そんな津奈木町での暮らしの特徴やその魅力について、政策企画課の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。

本日お話を伺った方
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津奈木町役場政策企画課

小崎 雪さん

熊本県津奈木町の暮らしの魅力:3つの特徴

熊本県津奈木町の暮らしの特徴のタイトル画像

一年を通じて温暖な気候であり、柑橘類の栽培が盛んな津奈木町は「アートの町」としても知られています。町のあちこちに彫刻が飾られているほか、地域資源を活かした住民参加型のアートプロジェクトなども開催されています。

アートのみならず地域の行事も年間を通じて盛んに開催されており、住民同士の繋がりも強く、地域で全体で子どもたちの成長を支えています。

そんな津奈木町には以下のような特徴があります。

  • 海と山に恵まれた自然豊かな町
  • 地域行事が盛んに行われ、住民同士の距離も近い
  • 子育てに関する支援制度がいろいろと整備されている

それではここから、津奈木町の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。

特徴1:海と山に囲まれた自然豊かな環境

津奈木町から見える不知火海
▲山と不知火海に囲まれた自然が魅力の津奈木町

津奈木町は、町の西部を不知火海(しらぬいかい:八代海の別名)、東南北部は山に囲まれた自然豊かな町です。総面積の約63%を森林が占めており、気候が温暖なことから、デコポンやスイートスプリングなどの柑橘類の栽培が盛んです。

参考:農林水産省(わがマチ・わがムラ 熊本県津奈木町)

津奈木町のスイートスプリング
▲温州みかんとハッサクを掛け合わせ生まれたのが「スイートスプリング」。甘みと酸味のバランスが絶妙

不知火海で取れる太刀魚は脂の乗りが良く、柔らかな身が特徴で人気があるほか、丹精込めて育てられた真牡蠣は小ぶりながらも旨みが凝縮されています。

公式:津奈木町(つなぎの特産品)

津奈木町の太刀魚
▲みりん干しや一夜干しなどの加工品も人気の津奈木町の海の幸「太刀魚」

海側では釣りやサップなどのマリンスポーツができるのに加え、「アートの町」としてアートを使った町おこしに力を入れている津奈木町では、海を題材にしたイベントも開催されています。

公式:津奈木町(令和5年五十嵐靖晃《海渡り》の開催について)

津奈木町で行われる海渡りの様子
▲「海渡り」と呼ばれるアートイベント。赤尾島と呼ばれる島と陸が赤い糸で繋がる光景は幻想的

山と海に囲まれた豊かな自然の中でのびのびと暮らすことができるのはもちろん、柑橘類をはじめとした農作物と新鮮な魚介類に恵まれているのも津奈木町の魅力の一つと言えます。

特徴2:活発な地域行事と住民同士の繋がり

人口4,200人あまりの津奈木町は、人と人との距離が近い町です。地域で行われるイベントも多く、住民同士が顔を合わせる機会が日常的に多いのも理由の一つです。

  • つなぎ桜祭りウォークラリー大会:桜の季節に津奈木町の観光スポットを巡るウォークラリー
  • つなぎ夏祭り:毎年夏に開催される花火あり、盆踊りありの夏の風物詩
  • つなぎふれあい祭り:毎年秋に2日間に渡って開催される産業文化祭
  • 町民体育祭:年4回行われる町民のための体育祭。野球、競舟、バレーボール、運動会など

公式:津奈木町(イベント・観光)

特に、年4回行われる「町民体育祭」は津奈木町ならではの特徴あるイベントです。野球やバレーボール、競舟は出る人も限られるようですが、応援のために来る人も多く、毎回盛り上がりを見せています。運動会では、年代別リレーなども行われるので、白熱した様相になるそうですよ。

今でも年に4回も体育祭が行われているのは、地域住民同士の繋がりがあるからこそです。移住先で孤立したらどうしよう、という悩みは津奈木町には無縁の悩みと言えそうです。

特徴3:充実した子育て支援制度

津奈木町で遊ぶ子どもたちの様子
▲子どもたちが集まってわいわいと楽しい雰囲気

津奈木町では子育て世帯をサポートするため、支援制度を設けています。ここではそのいくつかをご紹介します。

制度名 概要
出生祝金 出生児1人につき、出生祝金として10万円を贈呈
木育事業 出生から1か月前後の出生祝い金贈呈の際に、「木のおもちゃ」と「木育に関する図書及びしおり」を贈呈
チャイルドシート等借出 最長6ヶ月までチャイルドシート等を無料貸し出し(但し、レンタルの際に印紙200円が必要)
子ども医療費助成制度 0歳から年齢が満18歳(最初の3月31日を迎えるまで)の子どもを対象とし、保険適用分の医療費の一部負担金の全額を助成
幼児教育・保育の無償化 3歳児クラスから5歳児クラスの保育料・副食費(おかず代)が無料。また、満18歳未満の子どもで3番目以降の子どもが保育所・認定こども園を利用する場合の、保育料が無料(多子子育て世帯支援)

公式:津奈木町移住定住サイト(子育て・教育)

制度がいろいろとあるだけなく、地域行事等が盛んであることや、住民同士の横の繋がりが強いことから、子どもたちへの目が行き届きやすい環境であり、子育てのしやすさを後押ししてくれています。

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小崎さん

都会から移住してきた人に話を聞くと、以前通っていた保育園はマンションの一室のようなところにあったと聞いてびっくりしました。津奈木町の保育園は園庭があるので、子どもたちも楽しくのびのびと遊べる環境ですよ。

津奈木町の生活情報:仕事・住まい・教育など

津奈木町の特産品のデコポン
▲冬から春にかけて出荷される津奈木町の特産品であるデコポン。ゼリーなどの加工品も人気

ここからは津奈木町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。

気候 ・夏(8月):平均気温27.4℃
・冬(1月):平均気温6.8℃
※参考:気象庁ホームページ(水俣地点)
人口 約4,200人(約1,800世帯) ※令和6年1月末現在
病院 町内にはクリニックも含め2件の医療機関がある ※2024年2月時点
学校 保育園2園、小学校1校、中学校1校 ※2024年2月時点
交通 【鉄道】
・肥薩おれんじ鉄道:津奈木駅

【バス】
・産交バス:津奈木町経由で水俣市と芦北町を結ぶ

【高速道路】
・南九州西回り自動車道(南九州自動車道):津奈木IC
隣接自治体 水俣市、葦北郡芦北町
大都市からのアクセス 【熊本市内から】
・車:九州自動車道を経由し、約1時間30分
・電車:熊本駅から九州新幹線で新水俣駅まで約25分、そこから津奈木駅まで約5分

【福岡市内から】
・車:九州自動車道を経由し、約3時間
・電車:博多駅から九州新幹線で新水俣駅まで約1時間、そこから津奈木駅まで約5分

【鹿児島市内から】
・車:九州自動車道を経由し、約2時間
・電車:鹿児島中央駅から九州新幹線で新水俣駅まで約30分、そこから津奈木駅まで約5分

【宮崎市内から】
・車:宮崎自動車道を経由し、約2時間30分

町内にはスーパーが2件、コンビニが2件、内科病院が1件、歯科医院が1件あります(※2024年2月縁結び大学調べ)

大きな買い物をする場合は、北側に住む住民は八代市へ、南側に住む住民は鹿児島県出水市に赴くことが多いようです。町内には電車もバスも通っていますが、車は生活に欠かせない存在です。

ドラッグストアはありませんが、津奈木駅から車で5分ほどのところ、お隣の水俣市に「ドラッグストアコスモス」があります。総合病院は、津奈木駅から車で約15分のところ、同じく水俣市に「国保水俣市立総合医療センター」があります。

町内に高校がないため、芦北町や水俣市の高校へ、自転車やバス、肥薩おれんじ鉄道を利用して通学する学生がほとんどです。

【仕事】近隣市町村も含めると選択肢は多い

大手求人サイトで「津奈木町×正社員」で検索したところ、約40件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(町内から25km以内)で検索したところ、求人情報は約2,800件まで広がりました。※2024年2月時点
※参考:求人情報の一例(津奈木町のみ)
※参考:求人情報の一例(津奈木町から25km以内)

仕事を探す場合は、町内に限らず、近隣市町村にまで広げて探すと選択肢は広いと言えるでしょう。例えば、お隣の水俣市までは車で10分程度、バスを使っても30分ほどで行くことができます

そのほか車を利用すれば、北部の八代市や、南部に位置する鹿児島県の出水市まで約40~45分で行けるため、通勤圏内として捉えて通う住民の方も多いようです。

【住まい】一軒家へ住む場合の補助制度あり

大手住宅情報サイトで津奈木町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは見つけることができませんでした。賃貸物件が限られているため、津奈木町では住まいに関する制度や補助に力を入れています

一軒家希望者向け:「空き家バンク」活用のすすめ

まず挙げられるのが、空き家バンク制度の活用です。津奈木町の空き家バンクには、交渉中の物件も含めると現在10件の物件が登録されています。※2024年度2月時点

公式:津奈木町移住定住サイト(空き家一覧)

空き家のリフォームが必要な場合は、「空き家リフォーム事業補助金」の活用がおすすめです。町内施工業者に依頼をすれば、改修にかかる費用の3分の2、上限50万円までの補助金が出る可能性があります。

公式:津奈木町移住定住サイト(空き家リフォーム事業補助金)

新築希望者必見:「さくら団地」の魅力と助成制度

津奈木町の役場の裏手にある住宅団地「さくら団地」では、現在分譲を受け付けています。転入・転居者の場合は、「分譲地子育て支援助成金」として、中学生以下の子ども1人につき、分譲価格の5%が助成される制度もあります。

その他にも、「分譲地定住促進事業補助金」として、町内業者に施工を依頼し、さくら団地で新築工事または外構工事をした場合工事費の50%、上限70万円までの補助金が出る制度もあります。

公式:津奈木町移住定住サイト(さくら団地分譲受付中!!(令和2年7月豪雨災害被災者優遇措置制度があります))

【遊び場】町内には大きな公園が2つ、お隣の水俣市まで行く人も

津奈木町総合運動公園の児童遊園地
▲いろいろな遊具がある津奈木町総合運動公園の児童遊園地。休日になると多くの子どもたちで賑わいを見せる

津奈木町には「津奈木町総合運動公園」と「舞鶴城公園」の2つの大きな公園があります。

津奈木町総合運動公園には、グラウンドやテニスコート、プールに遊具のある児童遊園地があり、大人も子どもも楽しめます。海が近く、海岸線は散歩道になっているので、天気の良い日は歩いてみるのも良いでしょう。

参考:Google マップ(津奈木町総合運動公園 )

舞鶴城公園はお花見や紅葉スポットとして人気があります。子どもが気軽に遊ぶ場所というよりも、散歩や展望所からの景色を楽しむ場所ですが、麓のつなぎ美術館から、展望所までモノレールで行くこともできるので、景色のいい日に遊びに行くのも良いでしょう。

公式:津奈木町(舞鶴城公園)

女性スタッフのアイコン
小崎さん

お隣の水俣市さんにはバラ園もある「エコパーク水俣」という大きな公園があります。ここに遊びに行く人も多いですね。

公式:エコパーク水俣

【教育】アートと農業を軸とした特色ある課外授業

つなぎ美術館の外観
▲津奈木町のアートの発信地である「つなぎ美術館」

「緑と彫刻のあるまち」として、町おこしの一環で1984年からアートに力を入れている津奈木町では、町の至る所に彫刻が飾られています。2001年には「つなぎ美術館」も開館し、企画展やイベントも盛んに開催されてきました。

公式:つなぎ美術館

そんなアートの町である津奈木町では、教育の面でも美術に力を入れ、アーティストの方を招き、小中学生に対して美術の出前授業をしてもらう機会も設けています。

アーティストを招いて行った出前授業の様子
▲床一面に絵を描く子どもたち。出前授業での楽しい一コマ。

実際に作品を一緒に作ったり、町で行っているアートプロジェクトについては話を聞いたりすることで、子どもたちの情操教育にも良い影響を与えています。

公式:津奈木町(津奈木中学校出張授業)
参考:津奈木町立津奈木中学校(ニッポン画家たろう氏によるアートの授業)

また、津奈木町ではアートと同様に農業にも力を入れています。農薬や肥料に頼らない「環境配慮型農業」を推進しており、小中学校でも、サラダ玉ねぎの収穫体験や、種まきから始めて大根の漬物を作る授業などを行っています。

サラダ玉ねぎの収穫体験をする小学生
▲小学生が収穫した大量のサラダ玉ねぎは、なんとその量約3トン!

実際に自分たちの口に入るものを、自らの手で育てたり、収穫したりすることを通じて、町の取組みについても知ってもらう狙いです。

公式:津奈木町(環境配慮型農業実践塾(野菜編・果樹編))
公式:津奈木町(小学校サラダ玉ねぎ収穫体験)
参考:津奈木町立津奈木中学校(1年生寒漬け大根づくり始動!)

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小崎さん

未来の津奈木町を支えていくのはやはり子どもたちなので、町の取組みにもできるだけ関わってもらえるような機会を作っています。

津奈木町移住者の声:暮らしの実感を紹介

熊本県津奈木町への移住者の声のタイトル画像

実際に津奈木町で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。

  • 町中に温泉施設があるのが嬉しい。2日に1回くらい入りに行っている
  • 向かいに天草を望む海沿いの家で暮らしており、不知火海はいつも穏やかで心癒されている
  • お祭りやマルシェ、町民体育祭などのイベントごとが多い。陶芸教室や吹奏楽バンドなど趣味活動もとても盛んなので、楽しいことがいっぱいある町と思う
  • 近所の方からよく柑橘や野菜などのおすそ分けを頂く。「移住あるある」でよく聞く話の当事者になって最初はびっくりしたが、今ではすごくありがたく感じている

海と山に恵まれ、生活する環境が良いことに加えて、行事ごとも多いので、新たなことに挑戦したり、住民同士で交流し合ったりもしやすいようです。移住先で何か新しいことを始めたい人にもぴったりの町と言えそうですね。

津奈木町への移住ステップ

津奈木町での暮らしに興味を持ち始めたら、まずは現地に行ってみるのが一番です。津奈木町では、移住を検討している人に対して移住体験ができるおためし住宅を用意しています。

「つなぎ暮らしお試し住宅」で体験する津奈木町の生活

つなぎ暮らしお試し住宅の1号棟と2号棟
▲隣り合わせのつなぎ暮らしお試し住宅の1号棟と2号棟

津奈木町のお試し住宅は、最短3日から最長30日間まで滞在することができ、同一年度内で3回まで利用可能なので、季節を変えて滞在するのも良いでしょう。

全部で3棟用意されており、利用料金は日額1,100円と懐にも優しい金額設定です。冷蔵庫や洗濯機、電子レンジや掃除機などの暮らしに必要な物品は一通り備え付けられているので、身軽で滞在できるのも嬉しいポイントと言えそうですね。

つなぎ暮らしお試し住宅の3号棟
▲6畳の和室が3部屋あり、広々過ごせる3号棟

3棟ともに、平屋物件なので家族で滞在も可能です。思い切って家族でお試し移住をしてみるのも良いでしょう。Wi-Fiも利用可能なので、リモートワークが可能な方にもありがたい環境です。

女性スタッフのアイコン
小崎さん

移住後の住まいや仕事の探しの拠点としても、ぜひ利用していただけると嬉しいです。

公式:津奈木町移住定住サイト(つなぎ暮らしお試し住宅で暮らしを体験)

津奈木町への移住に関するお問い合わせ

津奈木町に興味を持った方は、まずは政策企画課政策企画班に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。

担当 津奈木町役場 政策企画課政策企画班
住所 〒869-5692
熊本県葦北郡津奈木町大字小津奈木2123番地
電話 0966-78-3114
公式サイト https://www.town.tsunagi.lg.jp/
移住サイト https://www.town.tsunagi.lg.jp/teiju/