【つくば市への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報

この記事では、地方移住を検討している人に向けて、茨城県つくば市の暮らしを紹介します。

つくば市といえば、「科学のまち」。150を超える研究機関が集積し、およそ2万人の研究従事者を有する国内最大のサイエンスシティです。

さらに、つくばエクスプレスを使えば東京駅までおよそ1時間でアクセスできるという交通アクセスの良さや、独自性ある教育環境が支持を受け、人口増加を続ける人気のまちです。

そんなつくば市の人気を裏付ける魅力を紹介するとともに、実際に住む際に必要となる暮らしに関する情報などを詳しく解説していきます。

本日お話を伺った方
女性スタッフのアイコン

つくば市 広報戦略課

堀川さん

つくば市の暮らし、3つの魅力

つくば市の暮らしの特徴

つくば市は茨城県の南西部に位置しています。北側には筑波山を、東側には霞ヶ浦を望み、市内各所には落ち着いた田園風景が広がる、豊かな自然景観を有しています。

つくば市は「研究学園都市」と呼ばれ、研究機関や教育機関が集積し、高水準の研究と教育を行うための拠点を形成することを目的に国家プロジェクトとして建設された特徴を持っています。研究者を始め、市内3大学に通う学生、外国籍の住民など、多様な人・価値観が集い、多くの刺激が受けられる環境があります。

そんなつくば市は、快適な住環境や交通アクセスの良さなどを背景に人口増加を続けています。市中心部での人口増加が顕著ですが、周辺市街地でも地域住民を主体としたさまざまな活動が生まれており、市全体に賑わいと活力を生み出しています。

そしてつくば市は「自転車のまち」としての顔も持っています。ナショナルサイクルルート(※)にも指定された「つくば霞ヶ浦りんりんロード」をはじめ、シェアサイクルやサイクリング拠点の整備など、自転車を起点にした新たな取り組みも始まっています。
※ナショナルサイクルルート…自転車活用促進のために国が指定する、世界に誇ることができるサイクルルートのこと。「つくば霞ヶ浦りんりんロード」は琵琶湖、しまなみ海道に並び第一弾のナショナルルートとして指定されている。

そんなつくば市への移住をぜひおすすめしたいのは、次のような方です。

  • アカデミックな環境で、子どもの知的好奇心を育みたい
  • 自然豊かな環境で暮らしたいが、都心にも気軽にアクセスしたい
  • 自分の手で仕事や生活を創り出すことに興味がある
  • 自転車が好きなのでサイクリストに優しいまちで暮らしたい
  • 地域活動が活発に行われている、活気あふれるまちに住みたい

そんな希望を叶えるつくば市での暮らしの魅力を3つ紹介していきます。

イベントたくさん!「クラフトライフ」で地域を思いっきり楽しめる

つくば市でクラフトライフを実現する野堀さん
▲築120年以上の古民家でつくばの暮らしが体験できる『旧小林邸ひととき』

つくば市では、まち全体で「クラフトライフ」を応援する取り組みが進められています。つくば市の定義するクラフトライフとは、「地域に密着し、新たな仕事や生活を自らの手で『つくる』ライフスタイル」のことです。

そんな自分らしい暮らしができる「クラフトライフ」に魅力を感じた多くの移住者が、つくば市で新たな取り組みを始めています。地元で作った野菜を提供している方、空き倉庫をリノベーションし、人々をつなぐカフェ・サロンを経営している方、古民家の中でコワーキングスペースを運営している方、地域に根差してパン屋を営む方など、さまざまな人が多様な内容で活躍しています。

つくば市クラフトライフを実現する酒井さん
▲つくば市でクラフトライフを実現するパン屋さん「Bakery Myy」

技術やノウハウを身に付け、自らの手で仕事や生活を切り拓いていきたい。そんな思いを持つ人には、つくば市はピッタリな環境と言えるかもしれません。さまざまな人と交流し、刺激を受けることができるのも、多様な価値観の受け皿となっているつくば市ならではの特徴です。

そして仕事や生活を「つくり出す」側だけでなく、「暮らす」側からの視点から見ても、地域でさまざまな活動が行われていることは嬉しいポイントと言えるでしょう。つくば市には大型商業施設など生活に困らない環境が整備されていますが、人の手によってつくられた個性豊かなお店やイベントがあることで、さらに楽しく暮らすことができるのではないでしょうか。

つくば市では「R8=Region(リージョン) 8」という、8つの市街地を中心とした地域を盛り上げる取り組みが推進されており、それぞれの地域で多様な活動が生まれています。

例えば吉沼地区では2か月に1回程の頻度で地域マルシェが、栄地区では農業の専門家が野菜栽培の技術と魅力を教えてくれる「ふるさと菜園s(サイエンス)」という取り組みが実施されています。

つくば市吉沼地区の「吉沼マルシェ」の様子
▲吉沼地区で行われている「吉沼マルシェ」では地元野菜やグルメ、雑貨などさまざまな魅力を楽しむことができる

つくば市栄地区のふるさと菜園s(サイエンス)の様子
▲栄地区で行われているふるさと菜園s(サイエンス)の様子

せっかく移住するのであれば、地域イベントなどに参加して地域での暮らしを楽しみたいもの。つくば市には、そんな希望を叶えてくれる環境があります。地域活動への支援もあるため、地域を盛り上げる活動主体者として活躍してみたい人にもおすすめです。

・つくば市「クラフトライフ」:https://www.city.tsukuba.lg.jp/iju_teiju/index.html
・周辺市街地を盛り上げる「R8」:https://www.tsukuba-r8-rogaining.com/

サイクルコースやシェアサイクルなどを整備!自転車の魅力を堪能できる

つくば市は「自転車のまち」としてサイクルコースやサイクルスポットが整備されており、楽しく快適にサイクルライフを送ることができます。

ナショナルロードの「つくば霞ヶ浦りんりんロード」では筑波山麓の美しい風景を楽しめるコース。満開の桜並木の中を走ることができる春の季節は、特におすすめです。

つくば市の「つくば霞ヶ浦りんりんロード」
▲長い桜並木の間を走ることができる「つくば霞ヶ浦りんりんロード」

つくば市には、自転車漫画として有名な『弱虫ペダル』作者の渡辺航さんが監督を務める自転車チーム「弱虫ペダルサイクリングチーム」の本拠地があります。「『弱虫ペダル』デザインマンホール」も市内に7か所あるため、探しながら自転車でまちを巡ってみるのも楽しいかもしれません。

2023年秋には、つくば霞ヶ浦りんりんロード近くにBMXレーシングコースも併設したサイクリング拠点のオープンが予定されています。BMXコースは、弱虫ペダルチーム監修のもとで整備されています。自転車をきっかけに、さらなる賑わいが生まれていくのではないでしょうか。

そして移動手段としての自転車の価値にも注目し、「つくチャリ」というシェアサイクルの実証実験が進められています。

シェアサイクルは、東京などの都心を中心に注目を集める移動手段。簡便に利用でき、各地に配置されたサイクルステーション間を自由に移動できるというメリットもさることながら、自転車は低炭素社会にも寄与する移動手段のため、SDGsに貢献できる点もポイントです。

つくば市は車社会ではありますが、長く住み続けることを考えると、高齢になってからもずっと車を運転するのに不安を感じる人も少なくないのではないでしょうか。そんなときに自転車で気楽に移動できる環境が整っているというのは心強く感じられることでしょう。

子どもの好奇心を刺激!研究学園都市ならではのアカデミックな環境

つくば市には、豊かな自然の中で子どもをのびのびと育てられる環境があります。「フォレストアドベンチャー・つくば」は筑波山の自然を活用した施設で、都会では体験できない自然の中でのさまざまなアクティビティを体験することが可能です。

しかし、つくば市の子育て環境の魅力は自然環境のみにとどまりません。小中一貫教育やICT活用など、先進的な教育環境を整えているつくば市には、子どもの好奇心を刺激するような学びの場がたくさんあるのです。

特に注目したいのが、市内の研究機関と小学生が一緒になって研究を進めていく「つくばSTEAMコンパス」の取り組み。さまざまな分野でのプロフェッショナルとともに学び、考えることができるこの取り組みは、子どもたちに、他の教育環境ではなかなか体験できない学びの機会を与えることができます。

「つくばSTEAMコンパス」は学校教育に導入されているため、つくば市の学校に通う子どもであれば誰でも体験することができるのもポイント。子どもの知的好奇心を育て、さまざまな角度から物事を考える力を伸ばしていくことが期待されます。

つくば市で取り組まれている「つくばSTEAMコンパス」の授業の様子
▲子ども達の「なんでだろう」「つくりたい」という気持ちを各分野のプロフェッショナルと育んでいく

そして常に研究機関が身近にあるというのも、つくば市ならではの特徴。「JAXA筑波宇宙センター」の施設にあるロケットを日頃から見ている子どもが、宇宙研究に興味を持つこともあるそうです。研究機関は一般公開されていたり、展示やツアーなども行うことがあるため、子どもと一緒に見学に行けば、楽しみながら学びを得ることができます。

このように、つくば市には子どもの好奇心を刺激する種や、たくさんの人との出会いがまち中に広がっていると言えるのです。

つくば市の暮らしに関する情報

ここからは、実際に移住を検討するにあたって知っておきたい、つくば市の暮らしの情報をご紹介します。

気候 8月の平均気温:27.5度
1月の平均気温:4.1度
※参考:気象庁ホームページ
人口 約25万人
※参考:総務省人口動態統計
病院 病院数:16か所
診療所数:262か所
(※2023年5月時点)
学校 保育所:104か所
幼稚園:20か所
小学校:31校
中学校:13校
高等学校:8校
大学:3校
その他:5か所(義務教育学校:4校、特別支援学校:1校)
(※2023年5月時点)
交通 【公共交通機関】
鉄道:つくばエクスプレス、JR東日本常盤線
バス:路線バス(関東鉄道)、コミュニティバス「つくバス」
タクシー:デマンド型乗合タクシー「つくタク」

【自動車】
高速道路:常磐自動車道、首都圏中央連絡自動車道
国道6号、125号、408号等、東大通り・土浦学園線等の主要県道に加え、管理延長が約3,700kmを超える市道も整備
近隣都市 土浦市、つくばみらい市、牛久市など

つくば市は比較的温暖な気候で、降雪も年に2~3回程度とほとんどありません。しかし冬季には筑波山南部地域の特徴である「筑波おろし」と呼ばれる乾いた冷たい風が吹き、洗濯物が飛ばされることもあるため注意が必要です。

そして何と言ってもつくば市の暮らしのポイントは、つくばエクスプレスで秋葉原まで最短45分という、圧倒的なアクセスの良さでしょう。常磐自動車道や首都圏中央連絡自動車道の高速道路等のインターチェンジがあり、自動車でも東京までは約1時間でアクセス可能です。空路でも茨城国際空港、成田空港、羽田空港の3空港に近接しており、どこに行くにも好アクセスという魅力があります。

市外への移動手段に優れているメリットもありつつ、市内にも買い物施設や病院など、必要なものはすべて揃っています。実はつくば市はグルメのまちとしても有名。食べることが好きな人には、隠れた名店を探してみるという楽しみ方もできます。

しかし市内での移動を考えると、車がないと不便なのが実情です。つくば市は県内一の可住面積(人が住むことができる地域)を誇る一方で、周辺市街地が分散されており、公共共通で市内全域を網羅することが難しくなっています。住む場所にもよりますが、車での移動を前提とした方が良いでしょう。

安心して子どもを育てられる、充実の子育て支援

つくば市では、魅力的な教育施策に惹かれた子育て世代の移住も少なくありません。そのような方にとって重要な、子育て支援について紹介します。

つくば市では国や県で実施されている支援の他、妊産婦タクシー利用助成など独自の支援施策も充実しています。「出産応援給付金」や「子育て応援給付金」、また多子世帯に対する保育料軽減など、子育てに関する金銭的な補助制度が充実しているのもポイント。子育て家庭の困りごとに対する支援をまとめたwebサイト「子育てナビ(※)」も整備されています。

※子育てナビ:https://www.city.tsukuba.lg.jp/kosodate/kosodate/1006573.html

以下に、つくば市の提供する子育て支援サービスの一部をまとめました。各サービスそれぞれ受けられる要件が異なるため、詳細は公式サイトをご覧ください。

つくば市出産・子育て応援給付金事業 「伴走型相談支援」と「経済的支援」の2つのサービスを提供。

「伴走型相談支援」は、妊娠届出時から不安や不明点の相談に応じ、関係機関と連携しながら、必要な支援を提供するもの。

「経済的支援」は、「出産応援給付金」「子育て応援給付金」としてそれぞれ5万円を支給するもの。
妊産婦タクシー利用費助成事業 妊産婦の方が、妊婦健診や出産に伴う入退院、産婦健診等のための通院等に利用したタクシーの利用料金を助成するもの。
つくば子育てサポートサービス 子育ての援助をしたい方(子育てサポーター)と受けたい方(利用者)の会員組織で、子育てに関する助け合い活動を行うもの。
保育サービスや送迎サービス、援助サービスを有償で利用することができる。
幼児2人同乗用自転車購入費補助事業

安全基準に適合した幼児2人同乗用自転車の購入にかかる費用を一部補助するもの。

多子世帯保育料軽減 子どもが2人以上いる世帯に対する経済的負担の軽減を目的として、保育料を助成するもの。第2子は半額、第3子以降は全額助成となる。

求人件数は豊富にあり。創業に関するサポート体制も

つくば市の正社員の求人数を大手求人サイトで調べると、約11,000件の正社員の求人がヒットしました。近隣も含めると、約84,000件の求人数となっています。
※参考:求人情報の一例(つくば市のみ)
※参考:求人情報の一例(つくば市から25km以内)

つくば市では研究機関で働く人が多くなっていますが、それ以外の求人も豊富です。東京へのアクセスも良いため、東京まで通勤されている人も少なくありません。つくばエクスプレスのつくば駅は始発なため、座って通勤できるのもメリットです。

テレワーク需要も増しているため、勤務地は東京ではあるものの、つくば市内に一戸建てを購入し、テレワークで仕事をする人も増加しています。

また「クラフトライフ」の取り組みに見られるように、つくば市では自分自身で仕事をつくる人も増えています。創業に対する相談支援などのサポート体制もあり、移住して起業・創業することを考えている人には心強い体制が整っています。

※創業サポート制度:https://www.city.tsukuba.lg.jp/jigyosha/shigoto/sangyo/1001722.html

戸建て検討の人には「低炭素住宅」がおすすめ

大手住まい情報サイトでつくば市の賃貸物件を調べたところ、約2,500件ヒットしました。
※参考:賃貸物件の一例

空き家バンクもありますが、あまり登録はない状況です。

住まいへの支援としては、低炭素住宅向けの補助があります。つくば市が定める低炭素ガイドラインを満たすエネルギー効率や断熱性能を有する新築戸建て住宅(つくばSMILeハウスレベル3)を建築・または購入された方に、10万円の奨励金を交付するものです。(※予算の範囲内)

つくば市で戸建てを建てたい方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

つくば市への移住者の声

つくば市への移住者の声

ここでは、実際につくば市に移住した方の声を紹介します。

  • 周りに自然も多く健康的な生活を送ることができる。
  • 自転車乗りには最高のまち。道は平坦ではあるが景色の変化も多く、少し走れば自然も山もある。いつでも楽しく走ることができる。
  • 買い物をする場所から病院まで何でも揃っている。
  • マイクロバスもあるので学生も通いやすい。
  • 研究所が多いことも関係しているのか、リテラシーがあり理論的に話される方が多い印象。

豊かな自然や自転車で走りやすい環境、便利な生活施設の充実などに魅力を感じる方が多いようです。

そしてリテラシーのある市民性についての声があるというのは、研究学術都市ならではの特徴と言えます。アカデミックな環境と自然豊かで便利な環境が揃った快適に暮らせるまちであることが、移住された方の声からも伝わります。

つくば市への移住に向けた行動

ここではつくば市への移住を検討する人に向けて、移住に向けて具体的にどう行動したらよいかをご紹介します。

まずはつくば市の空気を体感する

つくば市に興味を持った方は、まずはつくば市を訪れてみましょう。つくば市では春の梅まつり、夏の神輿やねぶたが楽しめる「まつりつくば」など、季節を感じることができるさまざまなイベントが実施されています。

つくば市の「まつりつくば」の様子
▲まつりつくばの「ねぶた」

また毎年秋には、美しい紅葉と平坦なコースが人気の「つくばマラソン」が開催されています。マラソン好きの人はこちらに参加してみても良いかもしれません。

つくば市の「つくばマラソン」の様子
▲平坦なコースで好記録が出やすいと人気の「つくばマラソン」

イベントの際に訪れるのはもちろん、つくば市の普段の暮らしを体験したいのであればワーケーションがおすすめです。築120年以上の古民家を活用したワーケーション施設「旧小林邸ひととき」をはじめ、ワーケーションができる施設があるため、実際につくば市で暮らすことをイメージしながら滞在してみてはいかがでしょうか。

つくば市のワーケーション施設『旧小林邸ひととき』
▲クラフトライフとしても取り上げたつくば市のワーケーション施設『旧小林邸ひととき』

移住に向けて、相談窓口を利用

いよいよつくば市への移住を本格的に考え始めたら、不安な点や疑問点を解消するために相談窓口を利用してみましょう。つくば市の「市⻑公室広報戦略課」では移住相談を受け付けています。

つくば市の移住相談窓口における移住相談の様子
▲つくば市の移住相談窓口における移住相談の様子

また、つくば市には「つくば市わくわく茨城生活実現事業における移住支援金」という、東京23区内居住者を対象とした移住支援制度があり、この制度には「移住前相談制」が導入されています。対象に該当する人はチェックしてみることをおすすめします。
(※移住支援金は予算の範囲内で交付しています)

▼つくば市わくわく茨城生活実現事業における移住支援金の内容

対象 東京23区に在住、または東京圏在住で23区に通勤する方で、つくば市に移住し、就業または起業等をする方
交付金額 世帯(世帯員が2人以上)で移住した場合:100万円
※子ども1人につき30万円を加算
18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合:60万円

※詳細はこちら:https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/shichokoshitsukohosenryakuka/gyomuannai/6/1/12847.html

つくば市への移住に関するお問い合わせ

担当課 市⻑公室 広報戦略課
住所 〒305-8555
茨城県つくば市研究学園一丁目1番地1
電話番号 029-883-1111(代表)
対応時間 8:30〜17:15
公式サイト https://www.city.tsukuba.lg.jp/index.html