笠置町での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説

この記事では、地方への移住を考えている方に向け、京都府・相楽郡笠置町(そうらくぐん かさぎちょう)の暮らしに関する情報をお届けします。

京都府の南端に位置する笠置町は奈良県にも近く、自然と歴史が調和した地域です。町内にカヌーやキャンプ、温泉などを楽しめる施設があり、遠出をしなくてもアウトドアを満喫できます。

アットホームな雰囲気の地域で、子どもから大人までの1人ひとりに目が届きやすいのがポイント。「みんなで協力して、暮らしやすい地域にしよう」という意識も強く、住民目線のアイデアや提案を受け入れてもらいやすい雰囲気です。

今回は笠置町商工観光課・職員の永田さんに取材し、笠置町の魅力や教育・仕事・住まいに関する情報をたっぷりと教えていただきました。

本日お話を伺った方
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笠置町商工観光課・職員

永田 紗瑛さん

笠置町の暮らし・3つの特徴

笠置町の暮らし・イメージ画像

笠置町では年齢を問わず、「まちの暮らしをよくしていきたい」という方の移住を歓迎しているそうです。そんな笠置町には、大きく3つの特徴があります。

  • 奈良県内へは約30分!京都・大阪へも電車で1時間ほど
  • 町内でカヌー・キャンプを体験できる
  • 地域全体で子育てをサポート

取材内容を取り入れながら、笠置町の特徴を詳しく紹介します。

特徴1:奈良・京都・大阪に、30分〜60分ほどでアクセスできる

笠置町は、奈良・京都・大阪などの都市部へアクセスしやすい地域です。町内にはJR関西本線が走っており、京都駅や大阪の中心部・梅田駅まで、約1時間で移動できます。奈良県内へはさらに近く、奈良駅までの所要時間は約30分です。

必要なタイミングで都市部へ出向けるため、仕事や買い物、レジャーなどで不便を感じにくいのが特徴。平日はのんびり過ごし、休日には都市部へドライブするなど、適度なスローライフを満喫できます。

特徴2:町内にキャンプ場あり!カヌー・ボルダリングなどの体験も充実

笠置町を流れる木津川

カヌー発祥の地ともいわれる笠置町は、豊かな自然環境を生かしたアウトドアも豊富です。

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永田さん

笠置町には、カヌー好きな方々もたくさん訪れます。中にはカヌーをするために笠置町に通い、居心地のよさから移住をスタートした方がいらっしゃるほどです。

笠置駅の近くには町民が無料で使えるキャンプ場があり、バーベキューや星空観賞などを満喫できます。敷地内にある木津川の河川敷は観光客も多く訪れる人気スポットで、春には桜が辺り一面をやさしく彩ります。お弁当を用意して、家族でピクニックをするのも楽しそうですね。

笠置町の自然風景
▲河川敷の向こうには、壮大な山々がそびえる

さらに笠置町は子どもたちの自然体験にも力を入れており、カヌー体験やキャンプ、ホタル観賞、ボルダリング体験といった取り組みも実施しています。

カヌー体験の様子
▲家族でカヌー体験をするのも楽しそう

知識のあるスタッフにサポートしてもらえるので、習い事をしなくても子どもたちの経験値を高められるのも魅力。ボルダリングに関しては、「笠置いこいの館」の館内にボルダリングウォールが設置されています。ウォールを利用すると、初心者でも比較的ケガのリスクを少なくしてボルダリングにチャレンジできます。

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永田さん

笠置町は「石の国」とも呼ばれており、木津川沿いの一帯はボルダリングスポットとして人気です。町内にはボルダリング協会もあるので、興味のある方はぜひ参加してみてください。

特徴3:地域ぐるみの子育てを重視。ママ・パパ向けのホットサロンも開催

笠置町には、地域住民や民生委員などから構成される「家庭教育支援チーム」があります。家庭教育支援チームが中心となり、月に3回ほどのペースで子育て中のママ・パパが交流できる「ほっとサロン」を開催しているそうです。

笠置町で開催されるホットサロンの様子
▲アットホームな雰囲気の「ホットサロン」

ホットサロンの間、子どもたちはスタッフに預かってもらえます。子どもの機嫌に左右されずに親同士の会話を楽しめるので、ママ友・パパ友づくりや息抜きの場所にピッタリです。

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永田さん

ホットサロンでは子育ての悩み・不安はもちろん、「こんな取り組みをしてほしい」という要望もお伝えいただけます。例えば「読み聞かせをしてもらえると助かる」というママの意見から、読み聞かせ会につながったケースもあるようです。

笠置町の暮らしに関する情報

続いて、笠置町で暮らす上で知っておくと役立つ情報をまとめてチェックしましょう。まずは、下の表をご覧ください。

気候 1月平均気温:5.1℃
8月平均気温:30.3℃
※参考:気象庁(京都府・京都地点)
人口 人口:約1,100人
世帯:約580戸
(2024年1月1日時点)
病院 診療所:1か所
歯科:1か所
(2022年11月時点)
学校 保育所:1か所(2023年4月時点)
小学校:1校(2023年9月時点)
交通・アクセス 【空港】
関西空港から:車で約2時間

【電車】
・JR「京都駅」から:電車で約1時間
・JR「奈良駅」から:電車で約30分

【車】
京奈和自動車道「山田川IC」から:車で約30分
近隣都市 ・木津川市(京都府)
・奈良市(奈良県)
・伊賀市(三重県)

最寄駅のJR「笠置駅」周辺には、個人の商店やお食事処などが点在しています。

JR「笠置駅」の外観
▲飲食店が併設された「笠置駅」

さらに診療所・歯医者も1件ずつあり、子どもの診察や、簡単な処置も可能です。ただし出産や体調不良などによる入院には対応できず、近隣の木津川市(京都府)・伊賀市(三重県)などの病院を利用する必要があります。

また、町内にはコンビニがある一方、スーパーはなく、週に数回の移動スーパーを利用するスタイルです。移動スーパーは商品数が限られているので、多くの住民は車を使って木津川市・伊賀市などの都市部へ買い出しに行くそうです。

施設の数はそれほど多くないため、快適に生活する上で車の利用は必須といえるでしょう。休日に、ドライブがてら都市部のスーパーやレジャー施設などに足を運ぶのも楽しそうです。

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永田さん

笠置駅前には、キャンプ場やカヌー体験ができる川などが集まっています。駅前まで足を運ぶと、車がなくてもレジャーを楽しんでいただけますよ。

教育:少人数のきめ細やかな指導。学校生活の中で発表力が育つ

笠置町内には、保育所・小学校が1つずつあります。中学校は南山城村にあり、笠置町に住む生徒は専用のスクールバスで通学しています。また、町内に高校はないため、電車で近隣の地域に通学するスタイルです。

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永田さん

JR奈良線を使い、木津川市内をはじめとする京都府内の高校に通っている子どもたちが多い印象です。

小学校の全校生徒数は20人程度ですが、複数の学年で構成される複式学級ではなく、各学年に担任が配置されています。担任が受け持つ子どもたちの人数が少ない分、1人ひとりへの手厚いフォローが期待できるでしょう。

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永田さん

小学校・中学校ともに少人数なので、当然ながら教師に指名されて発言する機会も多い傾向にあります。そのため笠置町の子どもたちは全体的に、人前での発表に慣れている印象です。

保育所も10人前後で保育士の目が届きやすく、空き状況にも余裕があります。小学校へはバスで登校しますが、放課後は「放課後児童クラブ」に通う子どもたちも多いそうです。

笠置町の放課後児童クラブの活動風景
▲「放課後児童クラブ」では夏に水遊びができる。おやつをくわえる遊びに子どもたちも大喜び

笠置町の放課後児童クラブの活動風景
▲机・いすが設置された作業スペースもある

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永田さん

通学用の送迎バスが出るので、学校まで送り迎えをする必要はありません。なお、教育委員会は笠置町と近隣の和束町・南山城村の3地域で一つとなっています。詳細は「相楽東部広域連合」の教育委員会にお問合せいただくか、公式サイトをご確認ください。

公式:相楽東部広域連合「学校教育」

仕事:奈良・大阪方面で働くケースが主流!テレワーク可能な求人も多数

大手の求人情報サイトでは、現在のところ笠置町内の正社員求人は公開されていません。しかし、ハローワークには5件ほどの正社員求人が公開されていました。
求人情報の一例(ハローワーク)

一方、車で約30分の場所まで範囲を広げると、正社員の求人数も5万5,000件ほどに増えます。
求人情報の一例

テレワークを取り入れている仕事も3,000件以上公開されているので、在宅を組み合わせて働くのもおすすめです。事務系から総務、システムエンジニアなど、業種も幅広いため、経験を生かして働けるでしょう。

笠置町にあるサテライトワークスペース
▲自然豊かなロケーションで仕事ができる「サテライトワークスペース」

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永田さん

笠置町内には農家が少なく、家庭菜園を楽しんでいる方が大半です。町内の仕事はほとんどないので、町民の多くは車や電車を使って通勤していらっしゃいます。JRの関西本線を利用し、大阪や奈良方面で働いている方も多い印象です。

住まい:子育て世帯向けの住宅支援あり!空き家バンクの活用が人気

現時点(2024年1月)において、賃貸・購入ともに笠置町の物件情報は公開されていません。一方で、笠置町が運営する空き家バンクを見てみると、賃貸3件・購入1件の物件がありました。

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永田さん

賃貸物件のうち2件はすぐに入居が可能ですが、1件は改修が必要です。購入物件の1件も、改修していただく必要があります。お好みに改修できるので、工夫次第でおしゃれな住まいにしていただけますよ。物件情報は随時公開されますので、興味のある方は公式サイトをご確認ください。

公式:笠置町「空き家物件」

さらに笠置町の子育て世帯は、住宅購入やリフォーム、賃貸に関する費用の一部をサポートしてもらえます。

購入 仲介手数料の半分(上限40万円)
リフォーム 経費の半分(上限100万円)
賃貸 仲介手数料の半分(上限5万円)

公式サイトに詳しい条件や申込方法などが記載されているので、ぜひチェックしてみてください。

公式:笠置町「笠置町子育て世帯住宅支援事業」

移住した人の声・感想

笠置町に移住した人からの声・イメージ画像

ここからは、実際に笠置町に移住した方々から寄せられた声・感想をまとめて紹介します。

  • ご近所付き合いがあり、分からないことを教えてもらえる
  • 庭が広く、飼い犬を自由に走らせられる点が気に入っている
  • 野菜を植える時期や育て方など、地元ながらのやり方を教えてもらえる
  • 山や川などの自然が豊かで、交通量が少ない。子どもものびのびと遊べる環境

移住者の感想からも、「困ったときには助け合う」というご近所付き合いを大切にしている笠置町の地域柄が伝わってきます。

中には「地域の集まりに参加したところ、住民との距離が一気に縮まったように感じる」という声もありました。ご近所付き合いを楽しむためには、自分から笠置町のイベントなどに顔を出すことも大切な印象です。

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永田さん

笠置町は住民数が少ないので、特技を生かしていただけます。例えば「絵が得意です!」とアピールすると、町内のイベントのポスター作りを任せてもらえるかもしれません。声を上げた分だけ活躍の場も広がるので、積極的にコミュニティに参加することをおすすめします。

移住の準備に役立つツアー・サイト・問い合わせ先

笠置町への移住に興味を持った人は、京都府が主催する移住ツアーに参加してみましょう。2023年の12月に開催された移住ツアーでは、笠置町と、隣の和束町をバスでめぐったそうです。移住者から実際の暮らしについて聞く機会もあり、笠置町の生活をイメージしやすいでしょう。

笠置町で実施された移住ツアーの様子
▲移住仲間との出会いも期待できる「移住ツアー」

京都府の移住・定住サイト「今日と明日」では、笠置町を含めた京都府内の地域への移住に関する情報が紹介されています。随時イベント情報が公開されるので、こまめにチェックしてみてください。

公式:京都府移住・定住情報サイト 今日と明日「イベント」

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永田さん

笠置町への下見も、オールシーズン歓迎しています。特に秋の紅葉シーズンがおすすめで、夜にはライトアップも楽しめます。ぜひ一度笠置町へお越しいただき、実際の雰囲気を味わってみてください。現在は準備中ですが、笠置町の移住・定住ポータルサイトでも、仕事や住まいを含めた移住情報を配信していく予定です。

公式:笠置町移住・定住ポータルサイト

笠置町への移住に関するお問い合わせ

笠置町役場の商工観光課・移住定住係でも、移住に関する相談を聞いてもらえます。笠置町へ移住したい方は、商工観光課に連絡してみてください。

担当課 笠置町役場 商工観光課
住所 〒619-1303
京都府相楽郡笠置町大字笠置小字西通90番地の1
電話番号 0743-95-2327
対応時間 8:30〜17:15
公式サイト 笠置町:https://www.town.kasagi.lg.jp/
移住・定住ポータルサイト:https://iju.kasagi-town.com/