愛媛県東温市で始める新生活!自然豊かな環境と充実の移住支援

この記事では移住を考えている人に向けて、愛媛県東温市(とうおんし)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。

愛媛県東温市は県庁所在地の松山市中心部まで車で約25分のところにあり、愛媛県内の市では唯一、海に面していない市です。豊かな自然環境と松山市中心部まで好アクセスであることから、都市近郊田園都市として発展しています。

今回は、東温市地域活力創出課の宮崎さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
東温市の宮崎朋子さん

東温市 産業建設部 地域活力創出課
地域振興係 係長

宮崎 朋子さん

東温市の3つの魅力:自然、芸術、温泉が織りなす暮らし

愛媛県東温市暮らしの特徴

東温市は、気候が温暖で過ごしやすく、道路交通網の整備が進み、利便性が高いまちです。県のほぼ中央部に位置しているので、県内のどこに行くにも便利で、県内の転勤族などにも人気です。

そんな東温市での暮らしは、次のような方に適しています。

  • 自然に囲まれて暮らしたいが、利便性も捨てがたい
  • 舞台芸術に興味がある
  • 温泉が好き・温泉に気軽に入りたい

上記のような方に適している理由を、東温市に見られる3つの特徴から解説します。

特徴1:自然の豊かさと都市の利便性が調和する環境

東温市の風景

東温市の特徴として、気候を含め過ごしやすい環境であり、松山市のベッドタウンとして利便性が高い点が挙げられます。2023年度共用開始予定のスマートインターチェンジをあわせると2つのインターチェンジがあり、県のほぼ中央部に位置しているので、愛媛県内外のどこに行くにも便利で、転勤族などにも人気のまちです。

一方で、恵まれた自然環境も残っています。重信川(しげのぶがわ)が市の中央を流れ、うるおいのある水辺を作るとともに、皿ヶ嶺連峰(さらがみねれんぽう)の山岳地帯と山麓の渓谷美、白猪の滝(しらいのたき)を代表とする自然景勝地など、多くの魅力に溢れています。

また、東温市の「井内(いうち)地区」「河之内(かわのうち)地区」「上林(かみはやし)地区」には、棚田が今でも残っています。

東温市の井内の棚田
▲井内の棚田(いうちのたなだ)

東温市は17年連続「住みよさランキング県内TOP3(※)」になったこともあり、自然の豊かさと利便性のバランスが評価されていることがうかがえます。
(※)「都市データパック2022年版」東洋経済

特徴2:身近に楽しめる舞台芸術とアートの街づくり

東温市の「坊っちゃん劇場」の客席
▲「坊っちゃん劇場」は「地域の歴史や伝統・文化を、次代を担う子供たちに繋いでいく」ことをミッションのひとつとしている

東温市では、ミュージカルなどの舞台芸術が身近にあり、市独自に「アート・ヴィレッジとうおん構想」を推し進めています。この構想は、市内に「坊っちゃん劇場」がある強みを活かし、アーティストの受け入れ促進に加え、芸術に気軽に触れることができる環境づくりを目指すものです。

「坊っちゃん劇場」は、四国や瀬戸内の歴史や伝統文化、地域の偉人などをモチーフにした自主制作のミュージカル作品を1年間上演している日本で唯一の劇場です。

正岡子規や坂本龍馬などをテーマにした作品を上演しており、年間平均8万人が観劇に訪れます。愛媛から全国に文化を発信する公演を目指しており、東京や題材地でも公演を行っています。

「東温アートヴィレッジセンター(シアターNEST)」は、「アート・ヴィレッジとうおん構想」の拠点として東温市が整備した施設で、小劇場・多目的稽古場・交流サロンの3つからなっています。気軽に楽しめるものから本格的な演劇体験等まで、幅広く活用されているのが特徴的です。

東温市では、観劇体験を通じて、市内の子どもたちの情操教育を行っています。子どもたちが地域の文化・芸術に興味を持つきっかけになる素敵な取り組みですね。

特徴3:豊富な温泉施設で手軽に楽しめる湯治文化

ふるさと交流館さくらの湯
▲ふるさと交流館さくらの湯

東温市は、現在の道後温泉にちなんで「温泉郡」と名づけられた松山市中心部領域の東部を指すことから、「東温地区」と呼ばれていました。湧き出る温泉は湯質がよく、身体が温まると評判です。

「ふるさと交流館さくらの湯」は、とろみのある泉質が自慢の温泉です。大浴場のほか、家族風呂が5室あるので、家族でゆっくり過ごすこともできます。入館料のみで利用できるトレーニング室や温水プールが併設されているので、たっぷり運動をしてから汗を流すことをおすすめします。

「見奈良天然温泉 利楽(みならてんねんおんせんりらく)」は、西日本最大級の野天風呂(のてんぶろ)が魅力の温泉です。泉質はナトリウム塩化物・炭酸水素塩温泉で、神経痛や筋肉痛などの治療に効果があるとされています。

見奈良天然温泉 利楽(りらく)
▲見奈良天然温泉 利楽(りらく)

先ほど紹介した「坊っちゃん劇場」のすぐそばにあるので、観劇後に入浴するのもよいですね。

東温市での暮らし:子育て、仕事、住まいの具体的情報

東温市の重信川河川敷桜並木
▲重信川河川敷桜並木。桜の木の下で花見を楽しむことができる

ここからは、東温市の暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 8月平均気温:28.1℃
1月平均気温:6.2℃
※参考:気象庁
東温市に観測地点がないため、近隣の松山のデータを掲載
人口 人口:約33,200人
世帯:約15,700戸
(令和5年5月1日現在)
病院 病院・クリニック:28件
歯科:11件
学校 保育施設:14所
幼稚園:4園
認定ごとも園:1園
小学校:7校
中学校:2校
高等学校:1校
大学:1校(国立大学法人愛媛大学医学部)
その他:2校(特別支援学校)
交通 【電車】
伊予鉄道横河原線:牛渕団地前駅、牛渕駅、田窪駅、見奈良駅、愛大医学部南口駅、横河原駅

【バス】
伊予鉄バス
都市間高速バス(横浜・新宿行きなど)

【車】
松山市まで約25分
近隣都市 松山市

東温市には電車が走っていますが、車があった方がよいでしょう。また、各主要都市行きの高速バスが運行しているので、旅行や帰省の際に便利です。

東温市には書店やカフェを併設した大型複合商業施設や大型ホームセンターがあるので、普段の買い物は市内で完結できます。大きな買い物をしたいときなどは、車で約25分の松山市に行くことが多いようです。

東温市は春夏秋冬どの季節にもよさがありますが、とくに春と冬は見どころの多い季節です。

桜を市花とする東温市には桜の名所が多く、市内には「五柱神社(いつはしらじんじゃ)」のしだれ桜や「塩ヶ森ふるさと公園(しおがもりふるさとこうえん)」の約800本の桜、「重信川河川敷桜並木」が有名です。また、春はサイクリングや、マウンテンバイクで山道を走る「トレイルライド」を楽しむ人が増えます。

冬は厳しい冷え込みが数日続くと、「白猪の滝」や「御来光の滝(ごらいこうのたき)」などが全面凍結し、幻想的な氷瀑を目の当たりにできます。

東温市の「白猪の滝」
▲「白猪の滝」。毎年11月3日には「白猪の滝まつり」が開催され、紅葉を楽しむ大勢の人で賑わう

子育て・教育:充実した支援制度と体験型学習プログラム

東温市の「東温市総合公園」
▲「東温市総合公園」。大型遊具のほか、多目的グラウンドやテニスコートもある

東温市では子育て支援に力を入れており、人口あたりの児童館の設置数が多く、公園も整備されています。

「東温市地域子育て支援センター」では、未就園児を対象に、親子で安心して遊べる子育ての広場を開催しています。また、子育てについての質問や相談にも対応しています。パパ友・ママ友を作る機会にもなりますので、積極的に利用しましょう。

また、0歳から中学生までの子どもの医療費を助成する制度があるほか、乳幼児と小学生の子どもが病気回復の際、保護者の就労等の理由により家庭で保育できない場合に、専門施設で看護師や保育士が一時的に預かる「病児・病後児保育」も行っています。

教育については、食育を推進しており、学校給食は地産地消率県内1位です。また、子どもたちの伸びやかな成長を促すため、「放課後子ども教室」「土曜教育活動」などを実施しています。

「放課後子ども教室」は、放課後の時間に生涯学習課職員や地域の方々が講師となって、ダンスや工作教室などさまざまな体験活動を行っています。小学1年生から6年生までの児童が通えます。

小学4年生から中学生までを対象にした「土曜教育活動」は、体験活動を通じて地域の自然や文化を再認識したり、想像力や健全な心身を養い、地域との交流を図るプログラムです。

「郷土料理教室」や、タオルができる過程を知ることができる「タオル美術館」の見学、夏の「キャンプ」、冬の「カーリング体験」などを行っています。特色ある取り組みとしては、SDGsについて学ぶ「SDGs買い物ゲーム」も行っています。

東温市の「児童館(いわがらこども館)」
▲「児童館(いわがらこども館)」は、市内に3つあるこども館のひとつ。親子体操やおはなし会、料理や工作をする小学生クラブなどの活動をしている

仕事事情:豊富な地元求人と松山市へのアクセスの良さ

大手求人情報サイトで東温市の求人を調べたところ、約910件ヒットしました。物流の要所であるため、求人数も比較的多めです。
※求人情報の一例

通勤時間30分圏内の25km以内で検索すると、約22,000件ヒットしましたので、近隣地域をふくめて仕事を探すのもよいでしょう。東温市は松山市に隣接して車で約25分程度です。郊外電車や路線バスなど、自家用車以外の選択肢もあることから、松山市に通勤する人も多いとのことです。
※求人情報の一例

起業を検討している場合は、「えひめ産業振興財団(TEL:089-960-1100)」へ、新規就農をしたい場合は「東温市農業委員会事務局(TEL:089-964-4410)」、林業を検討している場合は「東温市産業建設部農林振興課(TEL:089-964-4409)」へご相談ください。

住まい探し:豊富な賃貸物件と空き家活用支援制度

大手住まい情報サイトで東温市の賃貸物件を調べたところ、約730件ヒットしました。家賃相場は、2LDK・3K・3DKが6.19万円、3LDK・4K・4DKが6.44万円です。
※賃貸物件の一例

東温市では空き家バンクが利用できます。改修が必要な物件が多いので、「東温市空き家等活用定住支援事業補助金」を活用してリフォームしましょう。定住の目的で空き家バンクに登録されている空き家を賃借または購入して行う改修工事等に補助金が交付されます。

空き家改修事業 市内(重点地域以外)で住宅改修等を行う移住者、移住希望者
補助率1/2(上限50万円)
重点地域(※1)で住宅改修等を行う移住者、移住希望者で、働き手世帯または子育て世帯に該当する人
補助率1/2(上限100万円)

補助率2/3((1)働き手世帯上限200万円(2)子育て世帯上限400万円)

入居または住宅の改修のために不要な家財道具の搬出入、処分または清掃

県外からの移住者(移住後、市内で住民票を異動した者を含む)で、次のいずれかに該当する者
(1)働き手世帯(※2)に該当する人
(2)子育て世帯(※3)に該当する人
補助率2/3(上限20万円)

(※1)重点地域:山之内区(やまのうちく)、河之内区、井内区、滑川区(なめがわく)
(※2)働き手世帯:世帯構成員の少なくとも1人が60歳未満である世帯
(※3)18歳未満のお子さんがいる世帯

公式:東温市「東温市空き家等活用定住支援事業補助金を活用しませんか」

東温市移住者の声:実際の暮らしぶりと感想を紹介

愛媛県東温市移住者の声

次に、東温市に移住した方の感想をご紹介します。

  • 医療機関が多いので安心できる
  • 東温市は高低差があるので、高い所から遠くの街や海が一望できるところがいい
  • 農園を借りて憧れていた自然農法の家庭菜園ができて嬉しい
  • 地域の人は穏やかでのんびりしている人が多い
  • 地域には優しい人がたくさんいるし、地域行事を通じて移住者も自然と溶け込んでいけると思う

東温市には愛媛大学の医学部があるため、勤務医が独立する際に東温市やその近隣で開業することが多く、東温市の人口1万人あたりの医師数は全国3位(※)です。
(※)「都市データパック2022年版」東洋経済

そのほかは、環境のよさが高評価のようです。「移住者も自然と溶け込んでいける」という感想は、東温市への移住を検討している人には心強いですね。

東温市移住サポート:相談窓口と支援制度の活用ガイド

東温市の移住体験住宅
▲東温市の移住体験住宅。Wi-Fiとワーキングスペース完備でリモートワークに最適。スーパーマーケットまで徒歩約7分と便利な立地

東温市への移住を検討したら、まずは移住相談窓口に相談してみましょう。電話やメールに加え、web会議アプリを利用したオンラインでも相談ができます。移住コンシェルジュ2名と移住交流担当職員が、東温市の制度・学校・住まいなど、さまざまな相談に応えてくれます。

現地案内では、公共施設や商業施設などの紹介のほか、先輩移住者などの紹介や面談も可能です。実際の移住者の声を聞ける機会ですので、ぜひ活用してください。

移住相談窓口で情報収集をして、移住への意欲が高まったら、次は下見に行ってみましょう。

東温市では3LDKの移住体験住宅が利用できます。利用期間は1〜2か月で、利用料金は28,000円/月、光熱水費15,000円/月です。東温暮らしを体験しながら、仕事や住まいを探してもよいですね。

東温市の宮崎朋子さん
宮崎さん

オール東温ロケで撮影を行った完全オリジナルのシティプロモーションMV(ミュージックビデオ)「東温ラブストーリー」もぜひご覧ください!

東温市移住相談窓口:詳細な問い合わせ先情報

移住相談窓口 東温市 産業建設部 地域活力創出課 地域振興係
住所 〒791-0292
愛媛県東温市見奈良530番地1
電話 089-964-4414
公式サイト 東温市移住・定住支援ポータルサイト