【福島県富岡町への移住】知っておきたい暮らし・仕事・支援情報|縁結び大学
この記事では、地方への移住を検討している方に向けて福島県富岡町で暮らす魅力を紹介しています。
富岡町は福島県の東部・相双地域に位置します。夏涼しくて冬は比較的温暖なことで知られ、四季を通して住みやすい気候です。東側は太平洋に面し海と山と川があり、春は花見の名所“桜のトンネル”で賑わいます。自然に魅力を感じて都内や関西圏から移住を希望される方もいらっしゃいます。
子育て支援も充実しており、子どもたちが遊べる無料施設「富岡わんぱくパーク」は町外からも集まるほど好評です。移住された家族からは町立の「にこにここども園」があるから助かっているという声も聞かれました。
津波災害と原発事故を乗り越えて復興が進むなか、町の人たちが活性化しようと前向きなところも特徴です。町が協力的で支援制度もあるため、起業や新規就農を考えているならばチャレンジしやすい環境にあります。
ここではそんな富岡町への移住に役立つ情報を町役場の方に聞いたお話しや、移住された方の経験談を交えながら紹介します。
富岡町の暮らし4つの特徴
富岡町は東日本大震災及び原子力災害による全町避難を経て、ゼロからはじめるまちづくりに取り組んでおり、復興に向けて“暮らしたい場所”にしようと活動する明るい雰囲気に包まれています。また、東北とは思えないほど過ごしやすい気候で自然も豊かなため、アウトドアを楽しめるところも魅力となっています。
富岡町は、地方移住することで次のようなことを望む方におすすめです。
- 夏は涼しく冬は温暖な土地でストレスフリーな生活を送りたい
- 自然に囲まれていて買い物にも困らない、ちょうどいい田舎町に住みたい
- 子育てをしながら安心して働くことができる地方への移住を考えている
- 起業・就農を目指し新たな仕事にチャレンジしたい
それでは富岡町の特徴を詳しく説明していきます。
特徴1:降雪が少なく、四季を通じて暮らしやすい気候
富岡町は太平洋に接していることから海洋性気候のため夏は海からの風で涼しく、冬は比較的温暖で雪は年に数回しか降りません(1月:平均気温2.2℃ 8月:平均気温24.0℃ ※参考:気象庁)。
同じ福島県内でも会津地方は日本海側の気候になり、冬は冷え込み雪もたくさん降ることで知られます。富岡町役場の畠山さんによると東北で温暖な気候が楽しめるのは浜通り全体の特徴でおすすめポイントの1つだとか。東北なので近くて安心感があるため「雪が苦手な方も移住を検討されていた」そうです。
雪に対して免疫がない方も気候のギャップが少ないと思います。
特徴2:海・山・川がある豊かな自然
西に阿武隈山地を望む富岡町は、まちなかを富岡川が流れて東の太平洋に注ぎます。水稲やたまねぎを中心に農業が盛んなことで知られ、近年は田んぼや畑が復活したのに加えてパッションフルーツや醸造用ブドウなどが栽培されています。
田園風景のなか広大な土地の一角でバーベキューを楽しんだり、富岡の海でSUPを楽しむこともできます。人がいない時期の海岸で浜辺に簡易チェアを持っていってくつろげば、そこはもう、プライベートビーチのよう。
畠山さんのお話しでは移住者の方々から「星空がすごく綺麗」「自然に魅力を感じた」という感想や「ワイン圃場がある小高い丘の上から富岡漁港を見下ろす景色はとても綺麗だ」という声も聞かれるそうです。
海があって山があって川があるため、自然の中でレジャーも楽しめます。
特徴3:子育て世帯が住みやすい環境、評判の遊び場や奨励金まで
自然に囲まれた環境は家族でレジャーを楽しむにはぴったりですが、遊んでいる子どもからずっと目が離せない親御さんも大変です。
子どもたちが集まって遊べる富岡町地域交流館「富岡わんぱくパーク」はそんな悩みを解決してくれます。子育て支援の一環で子どもの体力向上や運動不足の解消をはかるために作られた施設で、さまざまな遊具が揃っており、広々とした館内は飛び跳ねて遊んでも大丈夫です。
全天候型なので雨が降っても遊べるのが嬉しいですね。お母さんたちの交流の場にもなり、子育て世帯から注目されています。
無料で広い施設を使えるのも好評で、町内外問わず、たくさんの方が来てくださっています。
認定こども園と小中学校があり義務教育まで支援制度が充実
富岡町立の認定こども園「にこにここども園」は保護者同士が情報交換や育児相談できる場として子育て支援センターを開設しています。
移住してきた共働きのご夫婦からは「にこにここども園にはとても助けられています」という声が聞かれました。こども園の先生たちに子育ての悩みを相談すると親身になって答えてくれるそうです。
町内には富岡町立富岡小学校と富岡町立富岡中学校があり、富岡町では出産祝いから子育て世帯への奨励金、小中学校の教育費無償化など子育て支援制度が充実しています。
特徴4:起業するなら今、新規就農を応援する事業も
神奈川県横浜市から赤ちゃんを抱えてご夫婦で移住してきたという若いお母さん。移住後にネイルサロンを開業しようと思い立ったことについて「富岡町で始めればまだ競合がないので成功する可能性が高い」と考えて決意したと言います。
富岡町で解体工事業を営む男性は新たに農業事業部を立ち上げて新規就農に挑戦しました。土地が足りないので田んぼを借りて「福島県原子力被災12市町村農業者支援事業補助金」を申請して、モグラやネズミの食害と戦いながら苦労して軌道に乗せたそうです。
移住を考えている人へのアドバイスを求められると、富岡町には支援制度があり遊休地もあるので最初は投資も必要だけど「チャンスがあると思うよ」と話していました。たとえば町内で創業する場合は「富岡町創業・事業展開支援補助金」、新規就農者は「とみおか『新たな担い手』応援事業」などを活用できます。
町役場の畠山さんはそうした方々の話に「何を始めるにしても1店舗目になれるような感じでチャレンジしやすい環境がある」と共感していました。
町の皆さんも受け入れてくれるので、支援を活用して移住したり事業を始める方は多いですね。
子育てと起業・就農に役立つ支援制度
富岡町には、移住定住を考えている方に対する支援制度が充実しています。ここでは、主なものをいくつか紹介します。
出産記念手当
富岡町ではお子さんが生まれた方は申請することにより(条件を満たせば)2人目まで一律5万円、3人目以降は一律20万円の出産記念手当を受け取ることができます。
※保護者の住所が1年以上町にあり、家族に町税等滞納がないことが条件
(担当:福祉課福祉係)
定住奨励金&子育て世帯奨励金交付制度
富岡町に定住することが確実で15歳(中学3年生)までの子どもを扶養している世帯は、定住奨励金として1世帯30万円。子育て奨励金として中学3年生までに1人につき年間18万円を最長3年間受け取ることができます。
※住民登録が富岡町にあり、15歳(中学3年生)までの子どもが3年以上継続して居住すること。町税等の滞納がないことなどが条件
(担当:福祉課福祉係)
乳幼児・子ども医療費助成事業
富岡町内に住所を有する乳幼児および子ども(0歳から満18歳)は医療費(保険診療医療費の自己負担金)が無料になります。
(担当:健康づくり課国保年金係)
新規就農者を応援 とみおか「新たな担い手」応援事業
富岡町内で独立して農業をはじめようとする人は最大で2年間、10万円(月)の収入補てんと上限7万円の家賃補助を受けることが可能です。
ほかにも研修を受ける人、研修を受け入れる人を支援する「農業研修」応援事業や、町外の農業法人が町内進出することを支援する「農業法人」応援事業があります。
(担当:産業振興課農業振興係)
富岡町の暮らしに役立つ情報
富岡町から東京都までの交通アクセスや病院・学校、イベント、観光スポットなどをご紹介します。
人口 | 人口:約12,000人 世帯:約5,600世帯 (令和5年2月1日現在) |
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近隣市町村 | 楢葉町、大熊町、川内村 |
交通 | JR常磐線特急:富岡駅→東京駅 約3時間 常磐自動車道:埼玉・三郷JCT→常磐富岡IC 約3時間 高速バス:富岡→東京駅 約4時間 町内循環バス:1日6便(日・祝運休) |
病院 | 病院・診療所3、歯科医院2、眼科医院1 |
学校 | 中学校1、小学校1、保育施設1 |
行事 | 富あかり、富岡桜まつり、富岡えびす講市、麓山の火祭り とみおか夏まつり、とみおかイルミネーション |
名所・観光 | 夜の森の桜並木、仏浜海岸・小浜海岸・毛萓海岸、 諏訪神社(福島県・緑の文化財)、滝川渓谷(阿武隈高地山中・滝川ダム) とみおかアーカイブ・ミュージアム、東京電力廃炉資料館 |
名産・グルメ | 浜鶏(はまど~り)ラーメン、銘菓・さくらスイーツ、名物・富岡いい餅(べぇ) パッションフルーツ(季節限定6月~11月頃) |
※大型複合施設さくらモールとみおかにはスーパーやドラッグストア、飲食店などが入っているので食料品や日用品の買い物は町内で済ませられますが、夜19時になると閉まります。
年間通じてイベントがいっぱい
四季折々のイベントがあり、春は夜の森の桜並木“桜のトンネル”を中心とした「桜まつり」が開催されます。夏は五穀豊穣を祈るため400年以上続く伝統行事で県の重要無形民俗文化財にも指定された「麓山の火祭り」や「とみおか夏まつり」、秋は大正12年に始まったとされる「富岡えびす講市」、冬には夜の森の桜並木をはじめ富岡町に光を灯す町民参加型イベント「とみおかイルミネーション」などが行われます。
富岡町の誇り全長2.2キロの桜のトンネル
福島県を代表する桜の名所の1つが富岡町夜の森地区にある“桜のトンネル”です。明治時代の植樹がはじまりとされ、樹齢80年以上にもなる桜も少なくありません。
「富岡町の誇り」と言われるほど愛されており、420本からなる桜並木は全長2.2キロにおよびまさにトンネルを思わせます。夜の森地区全体では1200本もの桜が植えられています。
桜まつりは富岡町の四季の風物詩のうち最も有名で、2022年は12年ぶりに桜並木を自由に見られるようになり『富岡町桜まつり2022』が盛大に開催されました。「これぞ富岡町」を思わせる賑やかなまつりは人々のエネルギーに溢れており、ぜひ一緒に楽しんでいただきたいイベントです。
富岡町へ移住した人の感想や体験談
富岡町に実際に移住した先輩たちの体験談や声をご紹介します。「移住して町の人たちと馴染めるかな?」と不安を感じている方も参考になると思います。
- 移住する際に土地の人たちから受け入れてもらえるか不安になるかもしれませんが、富岡町は移住者が多いので疎外感はあまりないと思います
- コンビニも夜の9時に閉まってしまう。移住前と生活スタイルが変わり慣れるまではちょっと大変でした
- 共働きでパートを探したら求人はたくさんあり時給もよかった。子どもを預ける環境も整っているのでとても仕事しやすいと思う
- 町の人たちの「この町を良くしたい」というパワーが感じられて、接していると私も力をもらえる
- 農作物の検査も厳しくやってくれています。私は「この町を信用して大丈夫ですよ」って伝えたいです
- 富岡町は移住するならもってこいの町になった。どんどん進化していくと思うとすごく楽しみ
メリット・デメリットはあっても「とても仕事しやすい」「この町を信用して大丈夫」「どんどん進化していくと思う」などの声が印象的でした。
富岡町への移住を考えているならば
富岡町を知るために実際に町での暮らしを体験してみましょう。お試し住宅で滞在しながら地域の人たちとふれあえる移住体験プログラムが利用できます。
町で暮らしたいという気持ちが強まれば、移住に向けたさまざまな支援制度が充実しており、気軽に相談できる窓口も設置されています。
▲富岡町の移住相談窓口「とみおかくらし情報館」
富岡町お試し住宅
町外に住所を有しており富岡町への移住を検討されている方は、条件を満たせば最大6名まで最大5日間滞在できるお試し住宅で町の暮らしを体験することが可能です。
滞在期間中は移住体験プログラムに参加して地域の人たちとふれあい、移住後の仕事につながる機会があるかもしれません。
ほかにも移住定住を推進する支援制度が充実しております。
福島県12市町村移住支援金
福島県は原発事故により避難指示等の対象となった12市町村(富岡町を含む)に県外から移住する人に対して要件を満たせば、世帯の場合は最大200万円、単身の場合最大120万円の移住支援金を受け取ることができます。
(参照:『福島県』ホームページ「福島県12市町村移住支援金について」より)
富岡町定住化促進対策住宅助成事業
富岡町に住所を有する場合、住宅の取得またはリフォームする際に経費の一部が助成されます。
(都市整備課都市計画係)
借上げ型町営住宅
富岡町への移住、定住を考えている方は町で借り上げた住宅の賃貸契約を結ぶことができます。
(総務課)
移住定住に関するご相談はこちらへ
お試し住宅や移住体験プログラムなど移住に関するご相談はこちらへお願いします。
▼富岡町移住相談窓口「とみおかくらし情報館」
住所 | 富岡町大字小浜字中央338(旧竹村写真館) |
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電話番号 | 0240-23-6983 |
営業時間 | 10:00~17:00 ※年末年始を除く |
公式サイト | とみおかプラス「とみおかくらし情報館」 |
▼富岡町「企画課」
住所 | 富岡町大字本岡字王塚622番地の1 |
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電話番号 | 0240-22-2111 |
公式サイト | 移住定住ポータルサイト「とみおかくらし」 |