徳島市への移住を考えよう!自然と都市機能が調和した暮らしの魅力
この記事では移住を検討している方に向けて、徳島県徳島市の特徴や仕事、住まいなど、暮らしに役立つ情報をご紹介します。
徳島市は徳島県の東部に位置し、四国最大の河川「吉野川」とその支流がつくる三角州に発達したまちです。市の中心部には、地域の象徴とも言える「眉山(びざん)」があります。
今回は、徳島市移住交流支援センターの宮本さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお話を伺いました。
徳島市の4つの魅力:コンパクトシティと自然が調和した暮らし
徳島市は、徳島県の中核的都市としてさまざまな面において発展してきました。また、徳島市といえば阿波おどりが有名です。徳島県内各地で開催されていますが、徳島市の阿波おどりは最大規模で、国内外から多くの観光客が訪れる一大イベントとなっています。
このような特徴を持つ徳島市での暮らしは、次のような方に適しています。
- 自然豊かな環境と都市の利便性を両立させたい
- 伝統文化や歴史に興味がある
- 食にこだわりがある
- 海や川など水辺の近くで暮らしたい
以下では、これらの方々に徳島市が適している理由を、4つの特徴から詳しく解説します。
特徴1:コンパクトで利便性の高い「ちょうどえ〜」まち
▲四国一の大河「吉野川」が徳島市の北部を流れている
徳島市は日本で二番目に小さい県庁所在地であり、行政機関や金融機関、公共施設などがコンパクトにまとまった都市です。商業施設も充実しており、大きく移動しなくても日常生活に必要な用事のほとんどが済ませられる、利便性の高いまちといえます。
一方で、川や海水浴場、キャンプ場などのアウトドアスポットにもアクセスしやすく、市内で自然を満喫できます。週末に遊びに行けるだけでなく、平日の朝早くにサーフィンをしてから出社する人もいるそうです。都市の利便性を確保しつつ、程よい自然環境を楽しめる田舎暮らしができるところが人気の理由となっています。
▲徳島市内唯一の海水浴場「小松海岸」はサーフスポットとしても有名。シーズン中は海の家もオープンし、多くの海水浴客で賑わう
特徴2:阿波おどりをはじめ、多彩で豊かな伝統文化
▲毎年8月に開催される阿波おどりは約400年の歴史がある
全国的にも有名な阿波おどりですが、阿波おどり発祥の地である徳島市のものは、国内最大級で圧巻の迫力があり、一度は体験したいイベントです。夏になると、まちのあちこちから阿波おどりの練習をする音が聞こえてくるのが風物詩となっています。
徳島市の中心部には「阿波おどり会館」があり、一年を通して阿波おどりの魅力に触れることができます。また、市内では、まちの至るところに阿波おどりにちなんだモニュメントがあります。それらを探しながら散策するのも楽しい体験になるでしょう。
徳島市は人形浄瑠璃が全国で最も盛んな地域のひとつです。吉野川流域の藍作地帯で、淡路の人形座が舞台をつくって興業を行ったのが始まりです。野外の公演であったことから、文楽よりも大きく光沢のある人形が使われ、大きな動きで演じられるのが特徴的です。
現在では、市内の「徳島県立阿波十郎兵衛屋敷」に常設の浄瑠璃舞台があり、定期公演が行われているので、いつでも人形浄瑠璃を楽しむことができます。
日本遺産に認定された四国八十八か所巡り。徳島市には五か所の札所があり、古くから「五か所まいり」として親しまれてきました。
第13番大日寺、第14番常楽寺、第15番国分寺、第16番観音寺、第17番井戸寺の5つの霊場を1日で巡ることができます。移動距離が約10kmと比較的短いので、のんびり楽しみながら巡ることができます。
▲13番札所・大日寺の「しあわせ観音」は、願いをかなえてくれる仏様とされている
特徴3:海の幸と徳島ラーメンを楽しむ美食の街
▲市内にはアワビやアオリイカ、伊勢エビなどの新鮮な海産物を楽しめるお店がたくさんあります
徳島市は、海に面しているため海産物が豊富です。ふるさと納税の返礼品では、味付け海苔やカットわかめなどが特に人気があります。
また、吉野川流域の肥沃な大地と温暖な気候が美味しい農畜産物を育てています。スダチやイチゴ、カリフラワーやネギ、サツマイモが特産品として有名です。徳島市は京阪神地域に多くの食材を供給していることから「京阪神の台所」とも呼ばれています。
近年、ラーメン愛好家の間で注目を集めているのが徳島ラーメンです。全国的に知られているのは、甘辛豚骨醤油ベースの「茶系」ラーメンですが、実は3種類に大別されます。薄口醤油や白醤油などで味付けしたとんこつ味の「白系」、鶏がらや野菜などを使い薄口醤油を加えた薄い色のスープ「黄系」もあります。
▲徳島市民のソウルフード・徳島ラーメン。トッピングに生玉子があるのが特徴的です
徳島市内には100軒を超える徳島ラーメン店があるといわれています。ラーメン好きにとっては、全店制覇が楽しみになるほど豊富な選択肢があります。
特徴4:134の河川が織りなす水の都の景観
▲県庁の目の前にあるヨットハーバー「ケンチョピア」。市街地の中心部にヨットハーバーがあるのは全国的にも珍しい
徳島市には吉野川をはじめ大小134の河川が流れています。古くから水運が発達し、「水の都」と呼ばれてきました。
徳島市の中心部には「ひょうたん島」の愛称で親しまれている中州があり、その周囲を巡る周遊船が運航されています。また、まちの中をSUP(スタンドアップパドルボード)で移動する体験ができたり、LEDの光で水辺の魅力を演出するなど、川を活かした独創的なまちづくりが行われています。
▲ひょうたん島周遊船。川面から街の景色を楽しむことができる
阿波地方(現在の徳島県)では、室町時代から藍作(あいさく:藍を栽培すること)が行われてきました。藍作に必要な肥料や藍玉(藍染めの原料となる「蒅(すくも)」を固形化したもの)の運搬にも吉野川が利用されていました。
徳島県は蒅づくりの本場であり、ここでつくられた高品質な蒅を阿波藍(あわあい)と呼びます。徳島市でも豊富な水を活かして藍染めが継承されており、現在では藍染め体験のできる施設がいくつかあります。ハンカチなどの小物で気軽に体験できますので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
▲藍染において、水は原料を煮る工程、染液を作る工程、染めた後に染液を洗い流す工程など、あらゆる段階で大量に必要になる
徳島市での生活:移住後の暮らしに関する具体的情報
ここからは、徳島市の暮らしに関する情報をご紹介します。
気候 | 8月平均気温:28.1℃ 1月平均気温:6.3℃ ※参考:気象庁 |
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人口 | 人口:約248,000人 世帯:約122,000戸 (令和5年4月1日現在) |
病院 | 病院:21件 ※多数あるため、病床数100床以上の病院のみ掲載 |
学校 | 幼児教育・保育施設:97所 小学校:33校 中学校:20校 高等学校:15校 四年制大学:3校 |
交通 | 【空港】 徳島阿波おどり空港(車で約25分):東京(羽田)まで約1時間10分 【電車】 JR高徳線:徳島駅、佐古駅、吉成駅 JR牟岐線:徳島駅、阿波富田駅、二軒屋駅、文化の森駅、地蔵橋駅 JR徳島線:佐古駅、蔵本駅、鮎喰駅、府中駅 【索道】 眉山ロープウェイ 【バス】 徳島市営バス 地域自主運行バスの応神ふれあいバス 徳島バス ジェイアール四国バス 海部観光 【車】 高松まで約1時間 神戸まで約1時間40分 |
近隣都市 | 小松島市、鳴門市 |
徳島市では、大型のショッピングモールやスーパーマーケット、映画館などの娯楽施設が充実しており、日常生活に必要な施設が揃っています。自動車や自転車を利用すると、より便利に生活できます。
飛行機での旅行や出張の際は、市街地から車で約25分の「徳島阿波おどり空港」を利用します。空港へはリムジンバスも運行しており、アクセスが便利です。
徳島市の気候は、日照時間が長く晴れの日が多い温暖な気候です。冬季はほとんど雪が積もることがありません。海に近いため、海風を強く感じる場合もあります。※参考:気象庁HP
子どもの遊び場としては、桜の名所「徳島中央公園」、動物とふれあえる「とくしま動物園」、園芸講座も開催される「とくしま植物園」などがおすすめです。
さらに、徳島県は行政主導でeスポーツの振興に力を入れており、徳島駅前のアミコビルでは多様なeスポーツイベントや大会が開催されています。eスポーツに興味がある方は、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
子育て環境:充実した支援制度と施設で安心の子育て
「子育て支援都市」を宣言している徳島市では、妊娠・出産から学童期まで、切れ目のない子育て支援の充実に取り組んでおり、2022年度には待機児童もゼロを達成しています。
市内に20か所ある児童館は、子どもたちの遊びの場として利用できます。異なる年齢の子どもたちと交流できるため、社会性などを育む貴重な機会となっています。平日の午前中は、主に乳幼児とその保護者が利用しています。
徳島市では、子育て情報を一元化した子育て支援コンテンツ「こどこみゅ」を運営しています。子育てに関する情報を探す際は、まずこちらをご確認ください。また、子育てガイドブック「さんぽ」も役立つ情報源です。
公式:徳島市「こどこみゅ!」
公式:徳島市「子育てガイドブック「さんぽ」をお配りしています」
さらに、母子手帳アプリ「ひまわりっこ」も提供されています。このアプリでは、予防接種のスケジュール管理や成長記録などを家族で共有できるので、日々の子育てに役立ちます。
徳島市で受けられる主な経済的な子育て支援は次のとおりです。
子ども医療費助成 | 中学校修了までの子どもの医療費を助成 |
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幼児教育・保育の無償化 | 3歳から5歳までの幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する子どもたちの利用料が無償化 |
徳島市は学校数が多く、四年制大学も3つあります。地元に高等教育機関が充実していることは、子どもの将来の選択肢を広げることにつながります。この点も、徳島市への移住を検討する際の魅力的な要素の一つといえるでしょう。
仕事事情:豊富な求人と充実したUIJターン・起業支援
大手求人情報サイトで徳島市の求人を調べたところ、約10,000件ヒットしました。県庁所在地ということもあり、求人は豊富です。希望の仕事を探せるのではないでしょうか。(2023年4月現在)
※求人情報の一例
また、徳島市では、UIJターン保育士応援事業も実施しています。県外にお住まいの方が徳島市内の認可保育施設等に採用された場合、または出身が徳島であっても1年以上県外で勤めていた場合に、一時金50万円(上限)を受け取れます。(保育士として採用された場合に限る)
公式:徳島市「あなたの保育士資格を徳島市のために活用してくれませんか(UIJターン保育士応援事業)」
また、徳島市では起業する人や起業間もない人を対象に、「徳島市創業促進事業補助金」として最大40万円を支給しています。設備費等の経費やニューノーマル対応等に係る費用が対象です。該当する人は活用を検討してみてください。創業に必要な知識を身につけるための各種セミナーや相談会も受けられます。
住まい探し:豊富な物件と移住者向け住宅支援制度
大手住まい情報サイトで徳島市の賃貸物件を調べたところ、約3,000件ヒットしました。1LDK・2K・2DKの家賃相場は5.96万円、3LDK・4K・4DKの家賃相場は7.77万円です。(2023年4月現在)
※賃貸物件の一例
徳島市では、「とくしま回帰」空き家バンクが利用できます。現在は、賃貸物件よりも中古物件の販売が主となっています。民間の不動産会社でも空き家物件を扱っているので、直接問い合わせてみるのもよいでしょう。
さらに、徳島市では「住宅リフォーム支援事業」を実施しており、最大30万円が補助されます。この補助金は、住宅のリフォームなどにかかる工事費用の一部に適用されますが、市内の施工業者に依頼することなど、いくつかの条件があります。活用を検討している方は、事前に公式ホームページで詳細な条件を確認しておくことをお勧めします。
徳島市移住者の声:実際の暮らしぶりと感想を紹介
次に、徳島市に移住した方々の感想をご紹介します。
- 人々の性格がよく、暖かさと優しさが程よいバランスで感じられる
- 市内に多くの川が流れており、美しい景観を楽しめる
- 適度に都市的な要素もあり、田舎すぎず都会すぎない環境でスローライフを満喫できる
- 地域の人々の面倒見がよく、困ったときに助けてくれる人が多い
- 女性が働きやすい環境が整っており、実際に周囲でも多くの女性が活躍している
移住者からは、自然環境と都市機能のバランスが取れていることや、温かい人間関係が好印象のようです。さらに、徳島県の女性社長比率が全国トップ(※)であることから、県庁所在地である徳島市でも女性が活躍しやすい風土が根付いていると考えられます。このような環境は、移住を考える方々にとって魅力的な要素となるでしょう。
(※)引用:帝国データバンク「四国地区「女性社長」分析調査(2022年)」
徳島市への移住ステップ:相談窓口から支援制度まで
▲徳島市移住交流支援センター。相談は元日以外は年中無休
徳島市への移住を検討する際は、まず情報収集を行いましょう。自分が望む生活環境や暮らし方を具体的にイメージし、住まいや仕事について自分の条件に合うものがあるか調べてみることが大切です。例えば、都市部と自然の調和を求めるのか、海や山の近くで暮らしたいのか、などを考えてみるとよいでしょう。
オーダーメイドツアー:移住前に徳島市の魅力を体感
その次はいよいよ下見です。徳島市移住交流支援センターでは、スタッフが同行して市内を案内する「オーダーメイド型ツアー」を実施しています。興味のある場所をスタッフと一緒に巡って、実際の街の雰囲気を体感することができます。まずは事前相談をしてみましょう。
徳島市の魅力が最も伝わりやすい7〜8月に下見するのがおすすめです!この時期は阿波踊りや夏祭りなど、徳島の文化や活気を感じられるイベントが多く開催されます。
公式LINE活用:移住に関する最新情報と相談窓口
移住交流支援センターの公式LINEでは、移住関連の情報や徳島市の魅力などを発信しています。また、移住を考えている方々への個別相談にも対応しており、徳島市への移住に関する疑問や不安を解消するのに役立ちます。ぜひ気軽にご活用ください。
公式:ちょうどえ〜街 とくしま「徳島市移住交流支援センター公式LINEのご紹介」
移住者交流会:新たなコミュニティづくりの場
▲移住者交流会では、移住者同士が横のつながりを持つことができる
移住交流支援センターでは、定期的に移住者交流会が開催されています。この交流会では、まちの活性化にチャレンジしている方々によるトークセッションや、徳島名物のおでんを囲んだ懇親会など、楽しい内容が用意されています。移住後は、地域の情報交換や新しい人間関係を築く場として、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
移住支援金制度:最大100万円の経済的サポート
東京一極集中の是正や地域の担い手の確保を目的として、東京23区の在住者・通勤者が就職や起業のために徳島市に移住する場合、移住にかかる経費が支給されます。この制度は「徳島市移住支援金」と呼ばれています。
移住支援金の金額は、単身の場合は60万円、2人以上の世帯の場合は100万円です。さらに、18歳未満の世帯員1人につき100万円が加算されるため、子育て世帯にとって特に魅力的な制度となっています。
徳島市では、移住支援金の支給要件に該当するかどうかを簡単に確認できるLINEを活用した診断サービスも提供しています。詳細な情報や申請方法については、以下の公式リンクからご確認いただけます。
公式:徳島市「移住支援金」
公式:徳島市「徳島市移住支援金 LINEで簡易診断」
徳島市移住相談窓口:詳細情報とコンタクト方法
移住相談窓口 | 徳島市移住交流支援センター(Tokushima Welcome Center 内) |
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住所 | 〒770-0834 徳島県徳島市元町1丁目24 アミコ東館1階外側 |
電話番号 | 088-621-5083 |
公式サイト | ちょうどえ〜街 とくしま |