【新潟・十日町市への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報

この記事では、地方への移住を考えている人に向けて、新潟県十日町市の暮らしにおける情報を解説します。

十日町市は日本屈指の豪雪地帯であるのと同時に、自然が非常に豊かなまちです。雪国での暮らしを体験してみたい人や、アウトドアが好きな人にぜひ移住をおすすめしたいです。町中でアートに触れられることから、芸術が好きな方にも移住を検討してほしいです。

それでは、十日町市の特徴や生活に関する情報、移住の支援制度を十日町市の移住定住推進係の白井さんにお話を伺いながら解説していきます。

移住定住推進係の白井大博さん

十日町市の特長:雪・芸術・自然を身近に感じられる

新潟県十日町市の暮らしの特徴

十日町市は新潟県と長野県の県境に位置する、人口約5万人の市です。雪国の暮らしを体感できたり、アートや自然に触れられたりするので、心豊かに暮らせるでしょう。「自然が多いなら、暮らしには不便なのでは?」と思われがちですが、市街地に出れば多くのお店があり暮らしやすいのも、ゆとりが生まれるポイント

そんな十日町市への移住は、次のような方におすすめです。

  • 雪国での暮らしを楽しみたい
  • アウトドアが好き
  • アート鑑賞が趣味
  • 芸術などの創作活動を行っている
  • 自然を身近に感じていたい
  • 子どもの感性を育てたい

ここからは、なぜこのような方に移住がおすすめなのか、その理由となる十日町市の特長を解説していきます。

特長1:雪国の暮らしを楽しめる

冬の清津峡渓谷トンネル

降雪量の多い十日町市では、雪国ならではの暮らしを楽しめます。

十日町市では、雪が降ると水墨画のような美しい山々の景色が見られます。子どもたちと一緒に雪だるまやかまくらを作って家族で楽しい時間を過ごせるでしょう。市内のスキー場ではスキーやスノーボードはもちろん、スノーバイクやスノーモービルなどのアクティビティや、雪上でデイキャンプができるところも。雪を活かしたアウトドアの魅力を堪能できます。

また、十日町市では1950年から「十日町雪まつり」が開催されており、現代雪まつり発祥の地としても知られています。冬の美しさも厳しさも知っているからこそ「雪を友とし、雪を楽しむ」という考えが生まれたのかもしれません。

雪まつりでは、市民手作りの「雪の芸術作品」の数々が並び、雪像コンテストが行われたり、地元のグルメやあたたかいおもてなしが人気の「おまつりひろば」が各所に開設されたりと、とても賑やかな雰囲気です。

お祭りに行くだけでも楽しめますが、ぜひ地域の方々と一緒に雪像を「作る側」として参加してみてはいかがでしょうか。家族や仲間と雪像を作れば、楽しい思い出になるだけでなく絆も深まりそうです。

特長2:町中にアート多数!日常的に芸術に触れられる

大地の芸術祭の作品・草間彌生の「花咲ける妻有」
▲大地の芸術祭はアートにおける地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めている

十日町市と隣の津南町からなる越後妻有地域は、世界最大級の国際芸術祭である「大地の芸術祭」の舞台です。「大地の芸術祭の里」として年間を通じた地域づくりに取り組んでいます。

「大地の芸術祭」の特徴は、建物の中にアートを展示するだけではなく、地域全体をひとつの美術館に見立てて、アートを媒介に、地域の魅力を引き出す点です。

自然豊かな地域の中に、1年を通して200点以上の作品が展示されています。普段の生活からアートに触れられられるので、アート好きの人が楽しめるだけでなく、クリエイターの方は刺激を受けて新たなインスピレーションが生まれやすそうです。

家族でアートを道しるべに里山を巡れば、地域・芸術・自然の魅力にたっぷり触れて楽しい時間を過ごせます。四季折々の自然の中で、アートを通じて地域を知ることで、子どもの豊かな感性を育むことにもつながりますね。

特長3:雪だけでなく自然も豊富

十日町市における自然の魅力は雪だけではありません。雪以外にも以下のような自然に親しめます。

清津峡 雄大な岩肌の峡谷をエメラルドグリーンの水が流れている、日本三大峡谷のひとつ。大地の芸術祭にて、清津峡渓谷トンネルが大幅にリニューアルされ、市内屈指の人気スポットになった。
信濃川 新潟県と長野県の2つの県にまたがって流れる日本一長い川。
田代の七ツ釜 7つの滝つぼから成る。右岸が断面層、左岸が切り立った縦層という非常に珍しい地層が見られる。国の名勝・天然記念物に指定されている。
美人林 樹齢約100年のブナの木があまりにも美しく立ち並ぶことから、「美人林」と呼ばれるようになった。
松之山温泉 日本三大薬湯に数えられている。有馬や草津と並ぶ薬効で有名な温泉。
星峠の棚田 雄大な斜面に水田約200枚が広がる十日町市人気のスポット。2022年には農水省「つなぐ棚田遺産」に認定された。

以上からわかるように、十日町市は自然の宝庫です。

ここで、春から秋における自然の楽しみ方を紹介します。

春は、芽吹いたばかりの緑を楽しみながらトレッキングに出かけてみてはいかがでしょうか。美人林に出かければ、ブナの林が池の水に写り込む景色は幻想的で美しく、リフレッシュできるでしょう。散策の後は、松之山温泉で汗を流すことで、疲れが一気に吹き飛びます。

夏は、信濃川でラフティングやカヌー体験ができます。植物や生き物に親しみながら信濃川の雄大さを感じられるでしょう。

秋は、カメラを片手に写真撮影へ出かけましょう。清津峡や田代の七ツ釜の紅葉が非常に美しいです。

星峠の棚田は、稲刈りの後には水鏡の水田になり、絶好の撮影スポットになります。秋は雲海が発生しやすいので、運が良ければ雲海を写真に収められるかもしれません

十日町市の棚田と雲海の様子

十日町市の自然は豊富で、その楽しみ方は無限大。アウトドアや自然が好きな人に、十日町市への移住をおすすめしたいです。

十日町市の暮らしの情報:気候・仕事・住まい

次に十日町市の暮らしに関するリアルな情報を解説していきます。

十日町市の暮らしに関する概要は以下の通りです。

気候 日本屈指の豪雪地帯
人口 48,575人(2023年6月末現在)
病院 県立十日町病院、県立松代病院など
学校 県立高校4校、中学校10校、小学校18校
保育所・認定こども園 22園
交通 鉄道(JR東日本飯山線、北越急行ほくほく線)、バス(越後交通、東頸バス、南越後観光バス)
近隣市町村 長岡市、上越市、柏崎市、小千谷市、魚沼市、南魚沼市、中魚沼郡津南町、南魚沼郡湯沢町、長野県下水内郡栄村

※2023年7月縁結び大学独自調べ

学校や保育園・認定こども園の数が多いため、子育て世帯にはありがたいですね。鉄道やバスなど公共交通手段の選択肢はありますが、移動のために車は欲しいところです。

気候:雪国で暮らす心構えが必要

日本屈指の豪雪地帯である十日町市は、11月の中旬には雪が降り始め、4月まで積雪することもあり、1年の約1/3が雪で覆われています。

通勤や通学が心配になるかと思いますが、除雪車による除雪作業や、雪を溶かすための「消雪パイプ」が道路に設置されているなど、しっかり対策されています。また、たて型の信号機が設置されているなど、雪国ならではの光景も見られますよ。

雪下ろしや雪かきをする必要があるので、スノーダンプや除雪機を準備しておきましょう。十日町市での暮らしには、雪国ならではの厳しさがあるのも事実ですが、その分豊かな食材やスノーアクティビティなど雪国ならでは楽しみもあります。

仕事:きのこやITに関連した求人がある

大手求人サイトで十日町市における正社員の求人を探してみたところ、約4,000件の求人がありました。

市内の求人では、きのこを作る農業作業員や大手きのこ総合メーカー総務といった求人が見つかりました。十日町市はきのこの生産が盛んで、新潟県内の市町村の中でも多くの生産量を誇っています。

その他、十日町市はソフトウェア産業における新潟県内有数の集積地であることから、WebやIT関連の求人も多く見つかりました。

また、十日町市では地域おこし協力隊を募集しています。活動内容は農業に関連したものが多いですが、地域振興や観光資源の開発、交流体験プログラムの企画立案などもあります。2023年7月現在では20名の地域おこし協力隊が活動中です。

地域おこし協力隊に興味があれば「一般社団法人 里山プロジェクト」が実施するオンライン相談を受けてみましょう。地域おこし協力隊の活動についてだけでなく、活動前に準備しておくべきことや任期終了後のキャリアについても相談できます。

>>十日町市の地域おこし協力隊の詳細はこちら

さらに、「とおかまちのしごと&求人図鑑」では、十日町市の多様な働き方や求人を紹介しています。あなたの働き方における価値観から求人を探すことも可能ですので、ぜひご覧ください。

>>とおかまちのしごと&求人図鑑

※調査情報は、2023年7月縁結び大学独自調べ

住まい:選択肢は少なめだが、空き家バンクに魅力的な物件

大手の住宅情報サイトで賃貸を検索したところ、約20件の物件が見つかりました。あわせて、十日町市の不動産業者を調べたところ約30件が見つかりました。やはり地元のことは地元の業者が詳しいと思いますので、問い合わせてみるとよいでしょう。

空き家バンクの物件情報を確認すると、賃貸物件が1件見つかり、中古で購入可能な物件が13件見つかりました。

十日町市の空き家バンクには魅力的な物件が多数あり、通常の賃貸・売買物件に加え、家庭菜園のできる農地付きの空き家も取り扱っています。移住定住推進係の白井さんによると、農地付きの空き家は移住者からの人気が高いそうです。

>>空き家バンクの情報

※調査情報は、2023年7月縁結び大学独自調べ

子育て:悩みを相談する場所や、子どもと楽しめる場所がたくさん

めごらんどで遊ぶ子供たち

十日町市には、子育てに役立つ施設がたくさんあります。以下のように、子育てに悩んだらすぐに相談できたり、子どもと一緒に楽しんだりする環境が整っています。

めごらんど 巨大なチューブライダーのついた遊具やボールプールなど子どもが喜ぶ施設が多数。屋外にも広場があり、子どもは思いっきり体を動かせる。
子育て支援センター 市内に5つもの子育て支援センターがある。子どもを遊具やおもちゃで遊ばせながら、子育てに関する悩みの相談も可能。
桂公園こどもランド 2018年に「公園・夢プラン大賞」、2020年に「よみうり子育て応援団大賞」を受賞した、全国的にも注目されている公園。ゴーカートや電動ラジコンカーに乗ったり、自然に親しんだりして一日を過ごせる。
干溝縄文の森 個人利用であれば、申し込みなしで自由に利用できる私設の森。子どもと一緒に森の中を歩いたり、珍しい植物や虫を見つけたり、秘密基地を作ったりと、楽しみ方は人それぞれ。子どもを豊かな自然に触れさせるのにぴったりなスポット。

イベント:四季を通して多様な催しが開催される

十日町市では「大地の芸術祭」や「雪まつり」以外にも、四季を通してさまざまなイベントやお祭りが開催されています。
※新型コロナウィルスの感染状況などによって、イベント開催が中止される場合もあります

開催月 イベント 概要
1月 むこ投げ 前年に結婚した初婿を、薬師堂の境内から雪へ投げ落とす。地元の女性が別の地区の男性を婿に結婚した腹いせに、地元の男たちがその婿を雪の上に放り投げたことがはじまりとされているが、今では結婚を祝うための行事。
3月 雪原カーニバルなかさと スノーキャンドルをスキー場内に灯し、たいまつ滑降や打ち上げ花火とともに幻想的な空間を作り出すイベント。地元の人たちによる屋台も立ち並ぶ。
5月 十日町きものまつり 絹織物生産が盛んな十日町市において、成人式とあわせて開催されるイベント。市街中心部は歩行者天国となり、色とりどりの着物を着た老若男女で溢れる。
6月 笹山じょうもん市 市内にある笹山遺跡から出土した火焔型土器などが国宝になったことを記念し開始されたイベント。様々な縄文体験ができる。
8月 ツール・ド・妻有 大地の芸術祭において考案されたサイクリングイベント。選手は里山の自然を感じながらゴールを目指す。
10月 十日町「地そば」まつり

地元の名物「へぎそば」を出す店舗が集まって開催されるイベント。各店の食べ歩きが楽しめるほか、特産物の直売やそば打ち体験コーナーなどがある。
※2022年度はコロナ禍によりスタンプラリーを実施

むこ投げでむこが投げられている様子
▲むこ投げは江戸時代から伝わる小正月の伝統行事

十日町きものまつりで賑わう町
▲十日町きものまつりは織物の街としての伝統を誇る十日町市の春の一大イベント

国宝の火焔型土器
▲笹山遺跡から出土した火焔型土器は新潟県で唯一の国宝

グルメ:日本一の名声を誇る「魚沼産コシヒカリ」をはじめとする名産の数々

信濃川が形成した肥沃な土地や、大量の雪が解けて川に流れ出る美しい水は、質の高い食材を育てます。十日町市では以下のような名産を味わえます。

魚沼産コシヒカリ 言わずと知れたお米の有名ブランド。もっちりとして、粘りが強い。甘みを感じられ、冷めてもおいしい。
へぎそば 「布海苔」という海藻をつなぎに使ったそば。つるりとした食感でコシが強く、食べ応えが抜群。
雪下にんじん 雪の下で育てることで甘みが増したにんじん。ジュースも人気。
地酒 十日町市内には2つの酒蔵がある。雪国の水を活かして作られた地酒は絶品。
妻有ポーク 十日町市・津南町で育つ銘柄豚。徹底した衛生管理の元で育てられ、甘みが口いっぱいに広がる。
山菜 山うど・ぜんまい・木の芽(あけびの芽)・たらの芽などの山菜。

移住することで、これらの名産を日常的に食べられます。特に普段食べるお米がおいしいのは幸せですよね。

移住者の声:アウトドアを楽しむ人が多い

新潟県十日町市の移住者の声

実際に十日町市に移住した人の声を紹介していきます。

  • 空気や温度、景色がすごく好き。
  • 新幹線に乗ればすぐ東京。行き来がしやすい。
  • スーパー・ドラッグストアが近所にたくさんあって便利。
  • 冬はスキーに行ったりゆっくりしたり、のんびりと過ごせている。
  • 東京に住んでいたころと比べて、通勤時間が短くなった。
  • 十日町に住んで時間や気持ちのゆとりを感じられるようになった。
  • 田舎すぎないのが十日町のいいところ。
  • 自然はいっぱいだが、市街地にはお店がたくさんあり、買い物するにも日常生活を送る上でも便利で困らない。
  • 休日はキャンプなどのアウトドアを楽しんでいる。

余暇の時間にキャンプやスキーなどのアウトドアを楽しんでいる人が多いようです。豊かな自然に触れてリフレッシュをしやすいからこそ、気持ちにゆとりが生まれるのかもしれませんね。

>>移住者の声の全文はこちら

移住者への支援制度:充実のサポート体制

十日町市では、移住に関するサポートが非常に充実していますので、ご紹介いたします。
※詳しい条件などは必ずご確認ください

制度 支援金額 備考
ふるさと回帰支援事業補助金 単身:最大35万円
世帯:最大70万円
18歳以下の子供がいる場合は、一人につき10万円が加算。
「東京23区からの移住支援金」と併用不可。
東京23区からの移住支援金 単身:最大60万円
世帯:最大100万円

18歳未満の子供がいる場合は、一人につき100万円が加算。
「ふるさと回帰支援事業補助金」と併用不可。
※2023年8月現在は受付を休止中

テレワーク助成制度 事務用品やパソコン購入費などの経費:最大20万円 なし
新築・中古取得、実家リフォーム支援 住宅新築:最大100万円
新築用の土地購入:最大100万円
中古物件購入:最大50万円
移住に向けた実家リフォーム:最大10万円
なし
運転免許取得支援制度 運転免許取得:最大10万円 なし

これだけの支援制度が整っていたら移住がしやすいだけでなく、仕事や住まいなどの生活基盤も築きやすいですね。

>>上記掲載の支援制度についての詳細情報はこちら

十日町市に移住するためのステップを紹介!

十日町市に移住するための具体的なステップをご紹介していきます。

1:まずは「移住コンシュルジュ」に相談しよう

北陸移住フェアでの移住コンシュルジュの対応の様子

移住するための情報がほしかったり、移住に不安があったりする場合は、まず十日町市の移住コンシュルジュに相談してみましょう。

Zoomを使用して相談ができるので、直接十日町市に行けない人でも、移住で気になることを確認できます。

>>移住コンシュルジュ

ちなみに、移住コンシェルジュは、移住後も暮らしに関する相談に乗ってくれます。移住直後は不安や心細さを感じることもありますから、いつでも相談できる相手がいるのは心強いですね。

2:「暮らし体験プログラム」で十日町市を体験

暮らし体験プログラムにおけるテレワーク体験の様子
▲暮らし体験プログラムでテレワークを体験中

十日町市についての情報が十分に集められたら、市が実施する「暮らし体験プログラム」に参加してみましょう。

2023年度は、先輩移住者との交流、住まい・仕事に関する視察、交流イベントの見学などを中心にオーダーメイドで作る「本気の」お試し移住体験を実施しています。観光、体験イベントへの参加、地域イベントへの参加をご希望の場合は「ライト版移住体験プログラム」もおすすめです。

>>新潟県十日町市暮らし体験プログラム

3:「お試し住宅シェアハウス」で長い間暮らしてみる

お試し住宅シェアハウスの外観

十日町市への移住の意思がある程度固まったのであれば、お試し住宅に入居して長期間の暮らし体験をしてみましょう。

古民家を再生して作られたシェアハウスは、「新水シェアハウス」と「竹所シェアハウス」の2棟があります。月額の家賃は26,000円~34,000円で、入居期間は最長1年です。

他の入居者や地域の方と協力して生活を送るため、人々の雰囲気や文化を知ることができるだけでなく、移住する上での人脈を築きやすくなります

>>十日町市お試し移住シェアハウス

十日町市への移住に関するお問い合わせ

担当課 十日町市企画政策課
住所 〒948-8501
新潟県十日町市千歳町3丁目3番地
電話番号 025-755-5137
FAX 025-752-4635
公式サイト https://www.city.tokamachi.lg.jp/iju/index.html