北海道天塩町で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報

この記事では移住を考えている人に向けて、北海道天塩町(てしおちょう)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。

北海道天塩町は北海道の北部に位置し、稚内市まで車で約1時間15分のところにあります。日本最北の大河である天塩川が日本海に注ぐ河口部に中心市街地があります。

今回は、天塩町企画商工課の菅原さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
天塩町 企画商工課の菅原さん

天塩町 企画商工課 広報情報係

菅原 英人さん

天塩町の特徴を3つご紹介

北海道天塩町暮らしの特徴

天塩町はかつてはニシン漁や木材資源の集積地として栄えてきましたが、現在では少子化や過疎化により、さまざまな外部人材が求められており、それらの人材をサポートする取り組みを行なっています。

そんな天塩町には次のような特徴があります。

これらの特徴について、詳しく紹介します。

特徴1:ダイナミックで美しい自然

天塩町の天塩川と利尻富士を照らす夕日
▲天塩川と利尻富士を照らす夕日

天塩町は都市部から離れており、決して公共交通アクセスなどが優れているとは言えませんが、その代わりにダイナミックで美しい自然が自慢です。天塩町ならではの自然や景色・動物などを撮影しようと写真家が移住してきたこともあるほどです。

天塩川流域には豊かな生態系が広がっており、日本最大の淡水魚で「幻の魚」とも称されるイトウが生息しています。また、天然記念物のオジロワシやオオワシなどをはじめとした野鳥は約100種類が確認されています。

天塩町のオジロワシ
▲オジロワシ。冬には群れで飛行する姿を町内で見ることができる

また、天塩川はカヌーの川下りができる距離が日本一長いことで有名で、玄人向けの本格的なアウトドアが楽しめます。さらに、鏡沼海浜公園のキャンプ場には、バンガローや電源付きのオートサイトが完備。近くには温泉もあるので、キャンプと温泉でゆっくりリラックスすることもできます。

夕日の美しさも自慢です。かつて筑波大学の大学院生が論文の中で、地域による夕日景観の違いについて研究しました。その結果、天塩町の夕日は、高緯度である上に夕日を遮る建物がないため、日本で最も長く夕日を楽しめる地域ということがわかりました。夕日の素晴らしさを論文で証明されるというのはとても珍しいのではないでしょうか。

天塩町の夕景エクササイズ
▲河川公園での夕景エクササイズ

特徴2:個々のスキルを生かした特色あふれる仕事にチャレンジできる

天塩町の酪農の様子

天塩町では地域おこし協力隊を募集しています。

地域おこし協力隊とは、都市部に住んでいる人が少子化や過疎化などを抱える地域に移住して、さまざまな業務を行いながら、定住に向けて生活の基盤を築いていく仕組みです。任期は概ね1〜3年で、自治体により年間上限280万円(隊員のスキルや条件等により年間上限330万円)が支給されます。

天塩町の場合、住居はまちで斡旋され、3万円/月を上限に助成しているほか、車やPCの借上料も支給され、経済的なサポートを得られます。

また、任期終了後の定住など幅広く相談できる「ほっかいどう協力隊ワンストップ窓口」も設置されていますので、安心して活動、定住ができそうですね。

天塩町ではこれまで19人が着任し、約40%がその後も定住しています。過去の例としては、次のとおりです。

  • 塾の講師をしていた隊員が、退任後にまちの支援を受けながら独立して公認民間の塾を開設
  • 得意なスポーツを活かしてスポーツ活動の外部委託をしていた隊員が、退任後に一般社団法人を立ち上げ、地域の健康づくりなどスポーツを通じて地域に貢献

天塩町では現在、フリーミッションやデジタル活用支援、特産品開発など8つの分野で募集中。人手が不足しているため、自分の持つスキルを活かしやすく活躍できる機会が多いことが特徴です。

また、いきなり移住するのはハードルが高くても、地域おこし協力隊の制度なら、「協力隊の人」として早くまちに溶け込み、地域の人々と繋がりやすいメリットがあります。興味のある人はぜひ検討してみてください。

公式:天塩町「天塩町地域おこし協力隊」

天塩町 企画商工課の菅原さん
菅原さん

こちらのページもぜひご覧ください!→新設されるランディングページへリンク

特徴3:充実したサポートを受けながら新規就農できる

天塩町の放牧の様子

天塩町では稲作の北限をこえていることもあり、農業はほとんどが酪農で、「酪農フロンティア」と称されることもあります。町の面積のうち、約3割が牧草地または牧場です。

土地の広さを活かし、大規模な酪農が行われていますが、他地域などと比較すると、競合が少なく土地などの価格が低いため、初期費用が抑えられ新規参入がしやすいというところが特徴です。

さらに新規就農者はまちのサポートを受けることもできるので、パイオニア精神を持って酪農にチャレンジすることができるのがメリットです。

天塩町では新規就農者や農業研修生を受け入れています。興味のある人は移住相談窓口に問い合わせてみてください。

新規就農者 概ね49歳以下が対象
(1)経営開始支援補助金:農業を始めるにあたって必要な農地・農業施設・家畜導入等にかかる費用を1,000万円まで補助
(2)経営安定支援補助金:農地・農業施設の賃借料に係る費用を30万円まで補助(5年間)。資金借入(対象限度額5,000万円)に伴う支払利息の1/3までを補助(5年間)
農業研修生

概ね49歳以下が対象。研修期間:24ヶ月以内(目安)。週休制(基本的に日曜日が休み)
搾乳・牛舎の清掃・餌やり・子牛の世話などを1日8時間以内

<手当について>
・研修手当:原則1日10,000円以上支給(北海道最低賃金相当額を補償)
・住宅手当:家賃の9/10以内 ※千円未満切り捨て
 (公営住宅または民間住宅の場合のみ)
・交通費相当額(ただし、原則2週間以上の研修後)

公式:天塩町「新規就農者・農業研修生募集」

天塩町の暮らしに関する情報

天塩町の牧草ロール

ここからは、天塩町の暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 8月平均気温19.5℃
1月平均気温-5.4℃
※参考:気象庁
人口 人口:約2,700人
世帯:約1,500戸
(2023年11月末時点)
病院 病院・クリニック:1
歯科:2
(2024年1月時点)
学校 保育所:1所
認定こども園:1園
小学校:2校
中学校:1校
高等学校:1校
(2024年1月時点)
交通 【空港】
最寄りは稚内空港(稚内空港まで車で1時間30分)

【電車】
JR宗谷本線:雄信内駅、幌延駅から約20km(車で約30分)

【バス】
都市間バス(札幌市行き)(約4時間30分)
沿岸バス(路線バス)

【車】
稚内市まで約1時間15分(道道稚内天塩線)
札幌まで4時間30分(国道232号)
近隣都市 稚内市

天塩町には市街地にスーパーマーケット・ホームセンター・コンビニ・ドラッグストアなどがあるので、普段の生活に不便はありません。規模の大きい商業施設は稚内市にあります。

医療機関は「天塩町立国民健康保険病院」がありますが、整形外科以外の診療科目については常勤医がいないため、稚内市の総合病院に行く人も多いようです。

気候については日本海特有の湿った風が強く、降雪量としては札幌市と同等くらいです。

天塩町では光回線はまちの全域で整備されているので、自宅でのテレワークも安心です。

【子育て】子育て支援が充実

天塩町では子育て世帯へさまざまな支援を行っています。主な経済的の支援については次のとおりです。

天塩町未来を築く子育て応援事業 出産準備金と出産祝金を支給
出産準備金:10万円
出産祝金:第1子30万円、第2子40万円、第3子以降50万円
天塩町紙おむつ等ごみ指定袋支給事業 3歳未満の紙おむつを使用している人に、ごみ指定袋(20リットル規格)年間最大60枚を支給
乳幼児等医療費助成制度 0〜18歳の子どもの医療費について助成

公式:天塩町「子育てに関すること」

【仕事】近隣地域も含めて検索を

大手求人情報サイトで天塩町の求人を調べたところ、約50件ヒットしました。(2024年1月時点)
※求人情報の一例

町内の求人については下記リンクもご覧ください。

公式:天塩町「求人情報」

町内の仕事は医療・介護、福祉、建設業が多いようです。また、前述した通り、地域おこし協力隊や新規就農も検討してみてください。

車での通勤時間30分圏内である25km以内で検索すると、約470件ヒットしました(2024年1月時点)。近隣地域も含めて探すと、希望の仕事が見つかりやすいかもしれませんね。
※求人情報の一例

【住まい】公営住宅がおすすめ

大手住まい情報サイトで天塩町の賃貸物件を調べましたが、とても少ないようです。移住者は、まずは公営住宅に入居するのが良いでしょう。

天塩町に移住した人の声・感想

北海道天塩町移住者の声

次に、天塩町に移住した方の感想をご紹介します。

  • 鍼灸師として地域おこし協力隊に着任した方
    「施術を受けた方がお母さんや息子さんを連れてきてくれ、3世代で通ってくれるようになった。天塩町に来るときに思い描いていたことが現実になりつつある」
  • 地域おこし協力隊としてIT関連の業務を担当している方
    「発信したらすぐにまちじゅうに行き渡るし、手応えがあり成果もしっかり目に見える。これは都会にいたらできなかった経験だと思うし、仕事のモチベーションが上がる」

天塩町では、現在2名の地域おこし協力隊が活躍しています。インタビュー全文は下記リンクからご覧ください。

公式:SMOUT移住研究所「その人のやりたいことを起点に、何ができるかを考える。多様性を大切にする北海道天塩町の地域おこし協力隊の面白さとは」

天塩町へ移住するために利用したい窓口・支援

天塩町の移住定住促進住宅
▲「ちょっと暮らし」が体験できる移住定住促進住宅

天塩町には「ちょっと暮らし」が体験できる宿泊施設があります。暖房設備や基本的な家具・家電は揃っているので、気軽に暮らすことができます。利用料は1週間7,000円から(住居タイプや季節により金額が異なります)。移住の下見に活用しましょう。

公式:天塩町「『天塩町ちょっと暮らし』受け入れ再開のお知らせ」

天塩町 企画商工課の菅原さん
菅原さん

下見の時期について、過ごしやすいのは夏ですが、冬の寒さや雪も一度体験しておくことをおすすめします。「ちょっと暮らし体験」は年度内に複数回利用することも可能です

また、ワーケーションについては下記リンクからご確認ください。

公式:北海道型ワーケーションポータルサイト「天塩町」

天塩町の移住定住促進住宅
▲「ちょっと暮らし」が体験できる移住定住促進住宅

天塩町への移住に関するお問い合わせ

移住相談窓口 天塩町 企画商工課 広報情報係
住所 〒098-3398
北海道天塩郡天塩町新栄通8丁目1466-113
電話 01632-2-1001(内線228)
公式サイト 天塩町 移住定住支援情報