北海道弟子屈町への移住で叶える自然豊かな暮らし|仕事・住まい・子育て情報
この記事では、地方への移住に興味のある方に向けて「北海道弟子屈町(てしかがちょう)」をご紹介します。
弟子屈町は、阿寒摩周国立公園の美しい自然の中にあります。国内一の透明度を誇る摩周湖をはじめ、川湯温泉や釧路川など、自然と観光資源が豊かな町です。
今回は、弟子屈町で「オーダーメイド制移住体験プログラム」を手がける、地域おこし協力隊の小島萌さんへのインタビュー内容を元に、町の魅力や現地のリアルな生活についてまとめました。
弟子屈町の魅力:自然環境・町民性・子育て支援
弟子屈町は、東北海道の中心に位置しています。周囲を豊かな自然に囲まれる一方で、まとまった市街地など、生活に便利なエリアもあります。
弟子屈町の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
- 火山と湖が密集する希少な自然環境
- 移住者に対するフラットな雰囲気
- 子育て世帯への手厚い支援制度
それでは、各特徴について、順に詳しく見ていきましょう。
阿寒摩周国立公園の絶景と多彩なアクティビティ
弟子屈町の一番の特徴といえば、町の約半分を占める阿寒摩周国立公園です。火山と湖が密集している地形は国内でも珍しく、原始的で特徴的な景観を形作っています。
「摩周・屈斜路トレイル」などのコースも整備されており、その特有の自然を求めて移住する人も多いのだと言います。
また、屈斜路湖から緩やかに蛇行して流れる釧路川は、カヌーの絶好のスポットとして知られています。 SUPなどのウォータースポーツはもちろん、釣りやキャンプ、サイクリングなど多彩なアクティビティを楽しめます。
▲屈斜路湖の壮大な風景をカヌーで味わう
さらに町内には、さまざまな泉質の温泉があり、なかには自宅に温泉を引いている人もいます。特に強酸性の硫黄泉が湧く「川湯温泉」は、「北の草津」とも称されています。
特色ある自然環境の中で、日々新しい体験や発見を求める人におすすめのエリアです。
参考:弟子屈町 移住・定住ポータルサイト(弟子屈町とは)
さらに詳しい観光情報を知りたい方は、公式の観光情報サイト「弟子屈なび」をご覧ください。
公式:弟子屈なび
移住者を温かく迎える「来る者は拒まず」の町民性
移住するにあたって気になることの一つが、地域の人々の雰囲気や移住者の受け入れられ方でしょう。
小島さんによると、弟子屈町をはじめとする北海道の各地域には、元々本州から開拓で入ってきた人々が多いことから、「来る者は拒まず、去る者は追わず」という空気感があるようです。
誰が来ても「よく来たね」と温かく迎え入れる一方で、「来たからには、ずっと居てもらわないと困る」といった雰囲気は少ないようです。
小島さん自身も「移住の相談に来られた方と話しているときに『それなら、うちの町じゃなくて、もうちょっと大きい町にした方がいいですよ』とか言っちゃうこともあります」と話していました。移住者に対するフラットな感覚があるようです。
北海道の生活は厳しい面もあるので、理想のイメージだけが先行するとフィットしないケースもあります。少し時間をかけて、地域で実際に生活されている方と関係を築きながら考えていただくのがおすすめです。
充実の子育て支援:無料の保育料から公設民営塾まで
▲弟子屈町の運動会には大人も参加。地域が一体となった子育て環境がある
弟子屈町では、子育て支援にも力を入れています。保育料や副食費は無料で、給食費も小学生から高校生まで無料、また18歳までの医療費も実質無料です。
さらに、1歳未満の乳児を監護している人へ総額15万円の商品券を支給する「赤ちゃんすくすく応援券」や、大学入試・公務員試験に対応する無料の「公設民営塾」など、ユニークな取り組みもあります。
実際に移住者の声の中には、子育て制度が手厚いと感じている人のコメントもありました。
各種制度の詳細、またその他の子育てに関する支援制度については、下記の移住・定住ポータルサイトをご確認ください。
公式:弟子屈町 移住・定住ポータルサイト(各種支援)
弟子屈町の暮らし:気候・交通・生活環境の詳細
ここからは、弟子屈町の暮らしに関する情報について、各種データを見ていきます。
気候 | 1月:平均気温-7.2°C 8月:平均気温17.9°C ※参考:気象庁 |
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人口 | 6,498人(2024年6月末時点) |
病院 | 病院・クリニック:5院 |
学校 | 認定こども園・保育園:2園 小学校:4校 中学校:2校 道立高校:1校 |
交通 | 【鉄道】 ・JR摩周駅(市街地区) ・JR川湯温泉駅(川湯地区) ・JR美留和駅(美留和地区) 【車】 ・釧路市まで約80分 ・網走市まで約90分 ・帯広市まで約3時間 ・札幌市まで約6時間30分(高速道路利用なら約5時間) ・苫小牧市まで約6時間(高速道路利用なら約4時間50分) 【空港】 ・たんちょう釧路空港(釧路市)まで約1時間10分 ・女満別空港(大空町)まで約1時間10分 ・中標津空港(中標津町)まで約50分 |
近隣都市 | 釧路市、標茶町、津別町、美幌町、小清水町、清里町、中標津町 |
※参考:弟子屈町 移住・定住ポータルサイト(弟子屈町のくらし)
弟子屈町の初雪は11月上旬ごろです。降雪量は50~100センチメートルと道内でも比較的少ない一方で、12月~3月までは氷点下の厳しい寒さが続きます。特に積雪エリアに住んだことがない方は、入念に下調べをしましょう。
市街エリアはある程度密集しているため、スーパーやコンビニ、ホームセンターやドラッグストアなど、日常生活に必要なものは手に入りやすい環境です。同規模の町と比べると飲食店もある程度そろっています。
また弟子屈町は道東の中心に位置しているため、釧路市や北見市などの中核都市へ2時間圏内でアクセス可能です。知床や阿寒湖畔、釧路湿原などの観光地にも日帰りで訪れることができます。
交通機関としてはJRが通っているほか、車で約1時間で三方面の空港にアクセスできるのも魅力です。
普段は町内の豊かな自然を満喫しながら、必要に応じて周辺の名所や都市部、さらには飛行機を使って全国へのアクセスもできるので、フットワークの軽い方には特に魅力的な立地かもしれません。
仕事事情:求人状況と起業支援制度の実態
大手求人サイトで弟子屈町の正社員求人を検索したところ、約100件の求人情報が見つかりました。また、車で約1時間程度の通勤圏(50キロ圏内)まで広げると、約1,100件の求人情報がありました(2024年7月時点)。
※参考:求人情報の一例(弟子屈町のみ)
※参考:求人情報の一例(弟子屈町から50km以内)
弟子屈町の仕事としては、介護施設など生活に必要な施設はもちろん、ホテルなどの観光関係や、酪農関係が多いようです。
また、移住者の中には自然環境を生かした仕事で起業した方も少なくないようです。いずれにせよ、現地の方とのつながりが足掛かりになるケースが多いそうなので、移住相談の際には必ず押さえておきたいポイントです。
なお、就職や起業をする人に向けては、次のような支援制度が用意されています。
支援制度 | 概要 |
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設備投資補助金 (企業振興促進制度) |
町内に事業所を新設する法人又は個人に対して最大500万円を補助 |
サテライトオフィス設置補助金 (企業振興促進制度) |
サテライトオフィスを設置する法人に対して最大100万円を補助 |
宿泊業再生事業補助金 | 新築または空施設を取得、賃借し町内で宿泊施設を設置する者に対して最大1億円を補助 |
起業支援充実 | ・家賃補助金(2年間で最大90万円) ・固定資産税課税免除 ・新規雇用支援時補助金 |
人材育成支援事業補助金 (企業・個人) |
町内に就職する方、就職予定の方の資格取得を補助。(1/2補助、上限5万円) |
公式:弟子屈町 移住・定住ポータルサイト(各種支援)
住まい探し:賃貸事情と空き家バンクの活用法
▲弟子屈町の生活を体験できる「移住体験住宅」
大手住宅情報サイトで弟子屈町の賃貸物件を探したところ、数件しかヒットしませんでした(2024年7月時点)。北海道の一般的な課題でもあるとのことですが、賃貸物件の空き部屋数は限定的なようです。
タイミングが良ければ、インターネット上には公開されていないような、個人で所有されている賃貸物件をご紹介することも可能です。まずはご相談ください!
また、弟子屈町では「移住体験住宅」も用意されています。1週間以上6か月以内で利用できる物件が1軒あります。
公式:弟子屈町(移住体験住宅)
体験住宅も含めて、空き物件に巡り合えるかどうかはタイミング次第ということなので、本格的に移住を検討する際には、まず小島さんに相談してみましょう。
このほか、弟子屈町が運営する空き家バンクのページを確認したところ、650~1,600万円の売買物件が4件見つかりました。(2024年7月時点)
売約済みの物件に関する情報を見てみると、毎年5件ほど、コンスタントに契約が成立しているようでした。興味のある方は、定期的にチェックすると良いでしょう。
公式:弟子屈町(弟子屈町空き家バンク/最新物件情報)
移住者の声:弟子屈町での暮らしの魅力と課題
次に、実際に移住した人の体験談や口コミを見てみましょう。
移住者が語る弟子屈町の魅力:自然・子育て・コミュニティ
- 家族とゆっくり過ごす時間を大切にしたいと思ったから。
- 子育ての支援が手厚い。
- 移住者同士のつながりや、子育ての中でのつながりがある。
- 周辺の地域も含めて、自然の風景や動物たちを撮影できる。
- 湖でアクティビティを楽しんだり、温泉に入ったりと、贅沢な時間を過ごせている。
弟子屈町へ移住した人は、それぞれに理想の暮らしや仕事を実現したいという思いを持っているようです。その中でも「自然の中で家族とゆったり暮らしたい」というタイプが目立ちました。
また、手厚い子育て支援なども受けながら、暮らす中で自然と地域になじんでいっている印象を受けました。
移住者が直面した課題:住居探しから雪道運転まで
- とにかく住む家を探すのが大変だった。最終的には職場で良い話をいただいた。
- 雪道の運転が不安だったが、すぐに慣れた。
- 大きな買い物は、車で1時間程度の釧路や中標津で、あるいはネットショップでも済ませられる。
- 本州に比べて虫が多い。
- 除雪は慣れるまで大変だった。いまは業者にお願いするようになった。
- やりたかったことについて、周囲の人が自然と手助けしてくれた。
弟子屈町へ移住するうえでは、ほとんどの人が「家を探すのが大変」と語っています。小島さんへの相談、または仕事関係の人脈などを通して、個人的に紹介されるパターンが多いようです。
あとは寒さや雪、また虫を含めた自然環境にうまく適応できるかがポイントでしょう。
実際に地域で暮らしてみながら、自分が理想とする生活と、実際に許容できる範囲をうまくすり合わせていただくと良いと思います。ぜひ先輩移住者の声を参考にしてみてください。
参考:弟子屈町 移住・定住ポータルサイト(移住者の声)
弟子屈町への移住手順:体験プログラムから相談窓口まで
ここからは、弟子屈町へ移住するための、具体的な行動についてご紹介します。
なお、弟子屈町の公式YouTubeチャンネルでは、町内の様子や頑張っている人など、移住に役立つ情報を発信しています。
公式YouTube:弟子屈町公式チャンネル
オーダーメイド制移住体験プログラム:あなたに合わせた移住サポート
▲オーダーメイド制移住体験プログラムで先輩移住者を訪問する様子
弟子屈町では「オーダーメイド制移住体験プログラム」を実施しており、一年を通して申し込むことができます。
まずは、移住コーディネーターとオンラインで面談をして、どういう生活を送りたいか、どういう点に不安を感じているかを伝えましょう。アドバイスを受けることはもちろん、現地ではそれぞれにぴったりの人物を紹介してもらえます。
実際に移住した方の話や、希望する仕事に関連の深い方の話を聞くことで、夢の実現に大きく近づくことができるでしょう。
移住する前から人間関係を築いていただきたいとの思いで、一人ひとりに合わせた案内を心がけています。
参考:弟子屈町 移住・定住ポータルサイト(オーダーメイド制移住体験プログラム)
北海道移住・交流フェア:弟子屈町ブースで直接相談
弟子屈町は、2024年に大阪(9月)と東京(10月)で開催される「北海道移住・交流フェア」に出展します。
このフェアでは「やっぱり北海道で暮らしたい」をテーマに、北海道での「暮らし」や「仕事」について紹介します。出展団体の相談ブースが設置され、移住について気軽に相談ができますので、お近くの方は足を運んでみてください。
公式:一般社団法人北海道移住交流促進協議会(北海道移住・交流フェア)
弟子屈町移住相談窓口:問い合わせ先
弟子屈町への移住については、弟子屈町まちづくり政策課・政策調整係までお問い合わせください。
担当課 | まちづくり政策課・政策調整係 |
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住所 | 〒088-3292 北海道川上郡弟子屈町中央2丁目3番1号 |
電話番号 | 015-482-2913 |
公式サイト | https://teshikaga-iju.jp/ |