長野県天龍村の魅力!移住に役立つ暮らし・仕事・住まい情報を徹底解説|縁結び大学

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「長野県天龍村」をご紹介します。

長野県の最南端に位置する天龍村は、県内で最も気候の温暖な地域です。村の中央を広大な「天竜川」が流れ、面積の9割以上が山林という環境は、都会の暮らしを離れ、豊かな自然の中で日々を送りたいと考えている方にはピッタリと言えるでしょう。

また、村内に21の指定文化財を有し、伝統文化や民俗芸能が大切に受け継がれている村でもあります。

令和5年度からは「龍の子(たつのこ)留学」という取り組みがスタートしました。この制度は、都市部などから、自然豊かな天龍村の公立小中学校に通いたい児童・生徒を募集するという内容。同時に、村営住宅のあっせんや助成金が受けられるので、移住を希望する子育て世帯の方には特におすすめです。

そんな天龍村について、移住を検討するのに役立つ情報を、たっぷりとお届けしていきます。

本日お話を伺った方
天龍村役場地域振興課の小瀬水さん

天龍村役場 地域振興課

小瀬水(こせみず)さん

天龍村役場地域振興課の内藤さん

天龍村役場 地域振興課

内藤さん

天龍村の暮らしの特徴3つ

天龍村の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には天龍村がおすすめです。

  • 大自然に囲まれた環境で暮らしたい
  • 子育て世帯の移住に対するサポートのある自治体を希望
  • 伝統文化や芸能が好きで、身近に感じたい
  • 人とのふれ合いを大切に考えている。地域の行事にも積極的に参加したい

なぜこのような方に天龍村が向いているのか、その理由を踏まえつつ、天龍村の暮らしの特徴を紹介していきます。

特徴1:「信州に春を告げる村」の、温暖な気候と豊かな自然

天龍村平岡地区の全景

天龍村は長野県の最南端に位置し、愛知県と静岡県に接しています。気候は長野県内で最も温暖。雪はほとんど降らず、県内で一番早く梅や桜が開花する「信州に春を告げる村」です。

そんな天龍村は、面積の94%が山林と緑に囲まれ、村の中央には「天竜川」が流れています。国内で9番目に長い天竜川と、周囲にせまる山が織りなす風景は雄大でダイナミック。エメラルドグリーンの水面に、春は桜、秋は紅葉など、季節おりおりの樹々の色が映り、見る人の目を楽しませてくれます。

天竜川

また、豊かな緑と澄んだ川が魅力の「和知野川キャンプ場」には、子連れで川遊びなどに訪れる方も多いそう。夜には、都会ではなかなか出会えない、満天の星空が眺められます。

天龍村から眺める満天の星空
▲画像引用:天龍村観光協会

こんな雄大な自然の中にいたら、思わず深呼吸したくなるような、心が解放されるような気がしませんか?「たまのリフレッシュ」ではなく、日々をこの環境で過ごすという贅沢が叶うのが、天龍村なのです。

特徴2:子育て世帯におすすめ!メリットたくさんの「留学」制度がスタート

移住を検討するには、住まい探しや、かかるお金のこと、お子様がいれば学校はどうするのかなど、考えなくてはいけないことがたくさんあります。「決めることやするべきことがもっと少なければ、移住のハードルが下がるのに」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

天龍村では、令和5年度から「龍の子(たつのこ)留学」という取り組みがスタートしました。

これは、都市部などから、天龍村の公立小中学校に通いたい児童・生徒を募集するというもの。村への留学を通じて、都市部では難しい自然学習を体験する機会を提供すること、また同時に地域を活性化させることを目的とした事業です。

そしてこの制度の特徴かつ、移住者にとっての大きなメリットは、子どもの留学にともなって親も一緒に移住ができるところです。住む場所をあっせんしてもらえ、助成金も支給されます。

留学形態 【親子留学】親子(片方の親だけでも可)で天龍村に移住し、村営住宅等に住みながら学校へ通う
【孫留学】村内の祖父母等の自宅に、村外に住むその孫が移住し、学校へ通う
留学に関する助成金 龍の子留学選定委員会からの認定を受けた世帯に対し、以下の助成金を支給(原則最大3年間、年度末一括支給)
【親子留学】月額最大8万円 ※保護者の世帯年収による
【孫留学】月額3万円
上記以外の支援 ・村営住宅等のあっせん(家賃相場は2~3万円程度)
・高校生まで医療費負担なし
・給食費無料 など

学校・住まいと、決めるべきことが一度に進むうえ、助成金も受けられるこの制度は、移住希望者にとって頼もしいサポートとなるでしょう。ご家庭に小学生・中学生のいる方は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

特徴3:秘境に息づく、豊かな伝統と人の温かさ

満島神社秋祭りの様子
▲村指定民俗文化財の「満島神社秋祭り」。神輿(みこし)の大行列と掛け太鼓の音色が魅了する(画像引用:天龍村観光協会

天龍村には「秘境駅」と呼ばれる鉄道駅が3つあります。秘境駅とは、山奥など人里離れた場所(秘境)にあり、列車の停車本数も利用者数も少ない駅のこと。天龍村の秘境駅もそれぞれ、狭い山道や人しか渡れない橋を越えてやっとたどり着ける、秘境好きの方にはたまらない場所にあります。

このことからも分かるように、天龍村は、他地域からのアクセスが便利とは言えません。さらに、村内には信号機もコンビニもありません。

しかし一方で、天龍村には多くの伝統文化や芸能が受け継がれています。村にある指定文化財の数は実に21。また地域の方々が集まるお祭りやイベントも多く、1月に3つの地区で行われるお祭りを皮切りに、年間を通じて数多くの行事が行われます。

天龍村では、移住してきた方が「近所の方が気さくに声をかけてくれた」「おすそ分けの野菜をそっと置いていってくれた」と、人の温かさに感激することも多いそうです。それも、村全体で文化や行事を守ってきた中で、互いに協力し合い助け合う気風が根付いているからなのでしょう。

天龍村の暮らしに関する情報

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、天龍村の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。

気候 1月:平均気温1.2°C
8月:平均気温25.1°C
(天龍村に観測地点がないため、近隣の南信濃地点を参照)
※参考:気象庁ホームページ
人口

人口:1,167人
世帯数:660世帯
※参考:令和4年1月1日現在の住民基本台帳

近隣都市

飯田市
静岡県浜松市
(隣接市町村:阿南町、泰阜村、豊根村

公共交通 鉄道:JR飯田線
バス:乗合タクシー遠山郷線
大都市へのアクセス 東京へ:新幹線と電車で約3時間半
名古屋へ:新幹線と電車で約3時間
病院 診療所1
学校 小学校2、中学校2、高校1(通信制)
特産・名産 ゆず、中井侍銘茶、ていざなす
名所・観光 和知野川キャンプ場、大河内森林公園キャンプ場、おきよめの湯(温泉)、平岡ダム

天龍村では、その温暖な気候を活かし、ゆずやお茶などが栽培されています。天龍村の家々にはゆずの木が植えられていることが多く、秋には、村中がゆずの実の黄色に染まる美しい風景が広がります。

昭和15年から昭和27年の12年間をかけて建設された平岡ダムは、戦前に建設または計画された天竜川水系のダムでは最大の、高さ62.5mを誇ります。

平岡ダムと天竜川のコラボレーションは壮観の一言。カメラが趣味の方は、季節それぞれの平岡ダムを写しに出かけてみてはいかがでしょうか。

平岡ダム
▲平岡ダムの建設によって、「暴れ天竜」と呼ばれていた天竜川の急流がせき止められた

【仕事】近隣市町に通勤の方も多い。通勤助成金あり

天龍村内での就職もタイミングによっては可能ですが、通勤範囲を約30分(25km圏内)まで広げると求人数は大幅に増加します。

参考:正社員求人情報の一例(天龍村内のみ)
参考:正社員求人情報の一例(天龍村から25km圏内)

実際のところ、天龍村にお住まいの方の中には、阿南町(車で約20分)や、飯田市(約1時間)などへ通勤される方も多いそう。通勤助成金制度もあるので、あわせて検討してみてはいかがでしょうか。

通勤助成金 通勤距離1kmあたり10円として算出された額のうち、以下の額を支給(上限:1万円/月)
16歳~40歳の方:10分の10
41歳~50歳の方:3分の2
51歳以上の方:3分の1

【住まい】新築時には最大300万円の支援

天龍村での住まい探しは、新築もしくは空き家バンク利用がメインとなり、それぞれに対して支援制度があります。

住宅新築補助金 住宅取得費の20%以内の額を補助(上限:200万円)
※60歳以下で永住の意思のある方に限る
土地取得補助金 取得費の100%以内の額を補助(上限:100万円)
空き家等取得補助金 取得費の20%以内の額を補助(上限:100万円)
空き家片づけ事業補助金 片付け費用の100%以内の額を補助(上限:20万円)

※年齢により補助率が異なる補助金があります。

たとえば土地を取得して家を新築する場合には、補助金は最大300万円と高額になります。移住を機に、思い通りの家を建ててみたい方にはチャンスと言えそうです。

【育児支援】子どもの成長に寄り添う手厚い支援

天龍村では、子育て世帯に対し、以下のようにさまざまな支援制度があります。お子様の成長に寄り添う、切れ目のないサポートが嬉しいですね。

誕生~保育園

  • 出産祝い金(第1子:20万円、第2子:20万円、第3子以降:50万円)
  • 赤ちゃんオムツ購入費補助
  • 新生児への1stブックとバースデーブック支給事業(中学生まで)
  • 保育園での完全給食の実施

「新生児への1stブックとバースデーブック支給事業」は、家庭内での読書や読み聞かせの推進のため、希望する本をプレゼントされる取り組みです。親子のコミュニケーションや、子どもの感受性の発達に一役買ってくれそうです。

小学生・中学生

  • 入学祝い(商品券)
  • 給食費100%村費負担
  • 児童・生徒学習用ノート支給事業
  • 無料スクールバス

高校生

  • 通学費補助
  • 就学用奨学金「龍蛇山澤基金」貸与制度(無利子)

また、天龍村では0~18歳の医療費が無償です。

【教育】渡り鳥の保護活動を通し、郷土愛をはぐくむ

ブッポウソウの保護活動をする小学生
▲ブッポウソウの巣箱は毎年新しく作成。古い巣箱も、中を見て営巣状況を観察する

天龍村の小学校・中学校は、一学年が数人ずつです。子ども一人ひとりにしっかりと目が届くのは、少人数教育ならではと言えるかもしれません。ゴミ拾いの日や音楽会など、地域密着の行事が多いのが特徴的。子ども達は学年を超えて交流し、のびのびと育っています。

天龍村には、毎年5月頃、絶滅危惧種に指定されている渡り鳥「ブッポウソウ」が飛来します。

このブッポウソウを保護するため、学校行事として小学生が巣箱を手作り。天竜川に架かる橋や山林などに設置し、営巣や繁殖を手助けしています。こういった活動を通して、天龍村の子ども達の心には、美しい自然とふるさとを愛する気持ちが育まれていきます。

天龍村へ移住した人の体験談・感想

天龍村へ移住した人の体験談

ここでは、実際に移住して天龍村に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。

  • 自然環境が気に入っている。深緑の山々や、道端に咲いている花など、どこをとっても素晴らしい
  • 村内各地に伝統や特徴的なお祭りがあって、それらをめぐるのが楽しい
  • 他の地域からの移住者が多い村。村全体がアットホームで、人に対してウェルカムな雰囲気がある
  • 近所の人が子どもを気にかけてくれたり、天龍村には親切で温かい人が多く、特に子どもに対する優しさが嬉しい

豊かな自然や伝統行事・お祭りなど、都会ではなかなか味わえない天龍村の暮らしを満喫している方が多いようです。

また、村全体がアットホームな雰囲気で、親切な人が多いところも天龍村の魅力。村で活動を受け入れた学生さんからは「初対面でも“おかえり”と言ってもらえてキュンとした」という声もありました。

天龍村への移住に向けた行動ステップ

都市部とは正反対の環境で、魅力あふれる天龍村。ただ「いきなりの移住はおすすめできない」と、担当者さんは言います。

公共交通機関の少なさや人付き合いの深さなど、田舎ならではの生活が、本当に自分に合っているかを見極めながら移住を検討してほしいそうです。

ここでは、天龍村への移住に向けた行動を、3つのステップに分けて紹介します。

ステップ1:都市や自宅で移住相談会・イベントに参加

天龍村では、移住を検討している方に村のことを知ってもらうための、相談会や各種イベントを行っています。

東京や名古屋などの都市で行われる相談会は「はじめの一歩として、まずは天龍村の情報がほしい」という方におすすめ。天龍村の食材を使った料理イベントやトークイベントなどもあり、一部はオンラインでも開催されています。ぜひ、気軽に参加してみてください。

ステップ2:体験ツアーを利用して天龍村へ行ってみよう

相談会やイベントで天龍村への興味が高まってきたら、実際に村へ足を運んでみましょう。

天龍村では、地域でのさまざまなフィールドワークを行う「秘境大学」や、学校・保育所見学など、移住を検討している方が実際に天龍村を訪れ、地域の暮らしに触れられるイベントを開催しています。

過去には、南信州のいくつかの地域をバスで回る「南信州移住体験ツアー」なども開催されています。これから開催されるイベントについては村の公式サイトで告知されているので、新着情報の確認をおすすめします。

詳細:移住相談会・ツアー・イベント情報

ステップ3:お試し住宅で天龍村暮らしを体験

お試し住宅外観

天龍村では、村の暮らしを実感しながら生活体験ができる「天龍村向方(むかがた)お試し住宅 Monte Casa」を用意しています

お試し住宅がある地域は、周りが山に囲まれた静かな環境です。天龍村らしさを満喫しながら、地域の方との交流や、通勤・通学の便の確認、住まいの相談などをしてみてはいかがでしょうか。車で5分のところには、地元で愛される「天龍温泉おきよめの湯」もあります。

詳細:天龍村向方お試し住宅「Monte Casa」

天龍村への移住に関するお問い合わせ

村役場(移住相談窓口)の外観

担当課 地域振興課 移住定住推進係
住所 長野県下伊那郡天龍村平岡878番地
電話番号 0260-32-1023
対応時間 8:30~17:15(土・日・祝日と年末年始を除く)
公式サイト http://www.vill-tenryu.jp/category/administrative/ijyu/