兵庫県洲本市での暮らしはどう?仕事・住まい・支援内容を解説|縁結び大学
この記事では、地方移住を検討している方に向けて兵庫県洲本市(すもとし)をご紹介します。
洲本市は、淡路島の中央部に位置するまちです。豊かな自然と、生活に必要なものがなんでもそろう利便性のバランスが良く、都会と田舎の良いところを併せ持つ「トカイナカ」とも呼ばれています。
新生活をスタートする移住世帯に最大300万円を助成するなど、支援制度が充実していることも大きな特徴です。移住後の暮らしや子育て面で細かいところをサポートしてくれる制度があるので、新婚世帯や子育て世帯にもおすすめの自治体なんです。
そんな洲本市の特徴や生活情報、実際に移住した人の感想などをお届けします。
兵庫県洲本市の暮らしの特徴3つ
移住を検討している方の中でも、特に次のような方には洲本市がおすすめです。
- 日常生活の便利なまち、他都市からのアクセスの良いまちに住みたい
- 移住前・移住後あわせて支援をしてくれる自治体だとうれしい
- 自然の豊かなところに暮らしたい
- 新鮮な地元の食材を食べたい・子どもにも食べさせたい
どうしてこのような方におすすめなのか、洲本市の特徴と合わせて解説していきます。
特徴1:自然をすぐそばに感じながら、生活にも便利なまち
▲洲本市の市街地と洲本城跡。海が非常に近いのが特徴
瀬戸内海東部に位置する淡路島は、もともと1つの市と10個の町で構成されていました。その代表となる1つの市が洲本市だったため、経済の中心として周囲と比べても発展してきた自治体です。
島ならではの豊かな自然に恵まれている一方で、生活に便利な都市機能がしっかりと備わっているところが、洲本市の1つ目の特徴です。
市は10以上の地区に分けられますが、中でも「洲本市街地」エリアには、さまざまな施設がギュッとまとまっています。例えば、島内最大のバスターミナル、ショッピングモール、市役所、総合病院、体育館、さらには海水浴場までが自転車圏内。しかも道路が平坦なため、市街地なら車がなくても暮らせるという方も多いそうです。
一方で、市内には高速道路のICがあり、他都市へのアクセスも良好。日常の生活はごくコンパクトなエリアで完結し、旅行などの時にはサッと市外にも出られるという便利な暮らしが、大都市でなく自然に囲まれた島でかなうなんて、素敵なことですよね。
特徴2:「本気の移住支援」をしてくれる
▲海に近い複合施設「ウェルネスパーク五色」。この中の宿泊施設にお試し移住ができる
洲本市は、移住を検討している方々、また実際に移住された方々の支援に、非常に力を入れている自治体です。
移住をするときに避けなければいけないのは、よく調べずに決断してしまって「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうことですよね。その点、洲本市は無料で市内の生活が体験できる「お試し移住」の制度を用意してくれています。
また、移住するときはどうしても金銭的な負担が大きくなるものです。洲本市では、そのような方々への補助制度も充実しています。
複数回の「お試し移住」で洲本市での暮らしを体験
▲お試し移住で宿泊可能な施設「浜千鳥」
洲本市が用意しているお試し移住制度では、海辺に近いアウトドア総合施設「ウェルネスパーク五色」内の施設に、なんと無料で宿泊することができます(素泊まり)。
年間最大10泊という上限はありますが、たとえば2泊3日を5回というように、季節ごとの洲本市の生活を体験してみてはいかがでしょうか。また、住宅サポート等の支援金は、単身世帯は補助対象になっていませんが、お試し移住は単身者の方も利用できます。
「一度だけ訪れて、すごく気に入ったから決めてしまう」という方もいらっしゃると思いますが、洲本市なら何度も市内の暮らしを体験することで、観光者目線ではなく住民の目線で生活環境等をチェックできるんです。ぜひお試しください。
→お試し移住体験施設について詳しくはこちら(洲本移住ナビ「お試し移住」)
移住後の新生活でも、移住前の準備でも補助あり
洲本市の補助制度「おいでよ洲本新生活支援事業」は、住宅を購入したり賃貸で借りたりする移住世帯や新婚世帯が利用できる制度です。
移住世帯が条件に当てはまる場合、住宅購入なら最大190万円、賃貸なら一律36万円の補助が受けられます。住宅取得費用のほか、引っ越し費用や自動車購入費用も支援の対象になるので、ぜひチェックしてみてください。
また、移住前にぜひ確認したいのが「GoTo移住キャンペーン」です。この制度は、市内の宿泊施設等に宿泊し、移住に向けた活動を行う方に、最大10万円の短期滞在補助が支給されるものです。
移住に向けた活動というのは、ホテル・旅館への宿泊費だけではなく高速道路の利用料金やレンタカー料金も含まれます。仕事や住まい探しなどで洲本市を訪れるときに便利な制度なので、見落とさないようにしましょう。
→各制度について詳しくはこちら(洲本移住ナビ「移住支援制度」)
特徴3:身近に海がある環境。食材の宝庫です
▲洲本市内の由良漁港にあがってくる黒アワビと黒ウニはブランドとしても有名
淡路島といえばタマネギの産地として有名ですが、とれる食材はそれだけではありません。温暖な気候にミネラル豊富な海という、島の豊かな自然がもたらす海の幸・山の幸は、飛鳥・奈良時代には朝廷にも献上されていたほどの美味しさなんです。
現在でも、淡路島の食料自給率は100%を超えています。日本全体の食料自給率が38%(令和3年度)であることを考えると、これは驚くべき数字です。
洲本市でも、タマネギはもちろん、黒ウニ、黒アワビ、鯛、わかめなどの海産物や、淡路牛、牛乳など、地元産のさまざまな食材を手に入れることができます。新鮮でおいしい食材を食べたい、家族にも食べさせたいと考える方にはピッタリではないでしょうか。
洲本市の暮らしに関する情報
ここからは、洲本市で暮らしていくにあたって知っておきたい基礎データを紹介します。
気候 | 年間平均気温:15.7度 夏(8月)の平均気温:26.9度 冬(1月)の平均気温:5.4度 積雪はほぼなし |
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人口 | 40,364人(推計人口、2022年9月1日) |
近隣都市 | 淡路市、南あわじ市 |
市内公共交通 | バス:淡路交通、本四海峡バス、洲本市コミュニティバス、船 |
大都市へのアクセス | ○神戸市へ 車で1時間10分 ○大阪へ 車で1時間45分 ○東京へ 神戸空港まで車で1時間10分、神戸〜羽田1時間10分 |
買い物 | スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなど多数あり |
医療 | 兵庫県立淡路医療センターなど |
学校 | 高校3、中学校6、小学校13、保育所・幼稚園・認定こども園15、特別支援学校 |
観光 | 大浜海水浴場、ウェルネスパーク五色など |
洲本市は、年間を通して温暖な気候です。冬場の雪も少なく、一方で夏場は同じ兵庫県内の神戸市などと比べ2~3度涼しいので、全体的に快適で過ごしやすいと言えるでしょう。
気になる方が多いであろう学校については、市内に小学校・中学校・高校とすべてそろっていて、遠くまで通学する必要はありません。また、医療機関も淡路島で唯一の県立病院である「兵庫県立淡路医療センター」など、病院や診療所が充実しています。
→学校や病院の場所について詳しくはこちら(洲本移住ナビ「洲本のキホン」)
大浜海水浴場は、環境省が認定する「日本の快水浴場百選」にも選ばれている、人気のスポットです。洲本温泉街の中にあるため、海辺で遊んだ後に日帰り温泉などを一日中楽しむこともできますよ。
▲青い海と白い砂浜も美しい、大浜海水浴場
【仕事】製造業や観光業などが盛ん。起業・就農支援もある
大手求人サイトで洲本市の正社員求人を調べると、約1,500件がヒットしました(2022年10月 縁結び大学調べ)。製造・工場関連や観光業などのお仕事が多く見つかるほか、人材派遣会社のパソナグループが淡路島内で事業展開しているため、同社関連の求人もあります。
テレワークには、市街地の複合施設「S BRICK(エスブリック)」内にあるワークスペースも利用できます。利用料無料・事前申し込み不要なので、仕事環境を変えたい時、気分転換をしたい時などに利用するのもいいかもしれませんね。
▲赤レンガがおしゃれな「S BRICK(エスブリック)」は、かつて紡績工場だった建物を利用している
また、起業をする方を対象にした「起業支援事業補助制度」、就農を希望する人向けの「親方制度」といったサポートもあります。移住を機に新しいことを始めたいと考えている方は、ぜひ見てみてください。
起業支援事業補助制度
交付対象者 | 申請の日の1年前の日以後に起業をした方(他、詳細要件あり) |
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交付対象経費 | 起業時や、事務所運営に必要な以下の経費 ○事務所などの整備改修費 ○備品購入費 ○光熱水費 ○通信費 など |
補助率 | 経費の2分の1の額(上限50万円) |
→起業支援事業補助制度について詳しくはこちら(洲本市公式サイト)
親方制度
親方制度では、次世代の農家を育てたいと考えている先輩農家(30名)の協力により、体験研修から就農までがサポートされます。農業研修生に対し、短期滞在施設「たかた屋」の無料提供もあります(最長3か月)。
→親方制度について詳しくはこちら(洲本移住ナビ「移住支援制度」)
【住まい】分譲・賃貸とも物件数は豊富
2022年10月現在、まず分譲物件については、空き家バンクで約15件が見つかりました。昭和中期~後期に建てられた物件が多いため、基本的にはリフォームが必要と思われますが、新しめの物件も見つかります。
賃貸物件については、住宅情報サイトで約40件がヒットしました(縁結び大学独自調べ)。単身者向けの1Kなどからファミリーに最適な2LDK・3LDKやメゾネットまで、さまざまな間取りが見つかります。
家賃相場は、大まかに次の通りです。
1K~1LDK | 4.5~5.5万円 |
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2DK~3LDK | 6~7.5万円 |
市内の賃貸物件が多いとはいえませんが、自治体の情報公開も積極的ですし、下で紹介する市営住宅や定住促進住宅を利用する方法もあります。住まいに関して心配なことがあったら、ぜひ自治体の担当者まで問い合わせてみましょう。
予算重視の方にもおすすめの、市営住宅・定住促進住宅
▲市営住宅は各エリアに整備されている。間取りは2DK・3DKが多い
洲本市には、市営住宅や定住促進住宅も整備されています。市営住宅は収入に応じた家賃、定住促進住宅は月額11,000円と利用しやすい家賃設定なので、予算重視の方にもおすすめです。
概要 | 問い合わせ先 | |
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市営住宅 | 収入に応じた家賃で住むことができる。ファミリー向け・単身向けともに随時募集 | 都市計画課(0799-24-7611) |
上堺定住促進住宅 | 子育て世帯専用住宅。一番下の子どもが小学校を卒業するまでの間、入居が可能 家賃:11,000円/月 |
地域生活課(0799-33-0160) |
→市営住宅一覧はこちら(洲本市公式サイト)
→上堺定住促進住宅について詳しくはこちら(洲本市公式サイト)
対象のエリアで新築するなら!洲本市分譲地活性化促進金
市が整備した分譲地を購入して住宅を新築した方には、「洲本市分譲地活性化促進金」が交付されます。移住後に生活に慣れ、「洲本市で家を建てたい」と思う方もいらっしゃると思いますので、参考にしてください。
対象分譲地 | 市が整備・販売する、洲本市五色町の宅地分譲地内区画 |
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補助額 | 最大500万円 |
問い合わせ先 | 地域生活課(0799-33-0160) |
→洲本市分譲地活性化促進金について詳しくはこちら(洲本移住ナビ「移住支援制度」)
【育児】補助金やタクシー利用料の助成などで子育て家庭を応援
洲本市は、子育て世帯を応援するためにさまざまな制度を整備しています。たとえば、小学4年生から中学3年生までのお子さんの医療費が無料だったり、最近では洲本市独自の子育て世帯育児支援金※も支給しています。
※令和4年10月1日現在、住民票がある方が対象です。
洲本子育て学習センターや五色すこやか子育てセンターなどの支援施設も充実しているので、子育て中、もしくはこれから育児が始まるというご家庭は、利用できる制度を見逃さないようにしましょう。
また、ほかには以下のような補助やサービスがあります。
出産祝い金 | 子どもを出産した方へのお祝い金を支給 第1子:3万円 第2子:5万円 第3子:10万円 第4子:20万円 第5子以降:30万円 |
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子育て応援タクシー利用料金助成事業 | タクシー利用料の一部が助成される「なのはチケット」を1冊交付。妊娠中から子どもが1歳になるまで利用できる |
→育児支援制度について詳しくはこちら(洲本移住ナビ「移住支援制度」)
洲本市へ移住した人の体験談・感想
ここでは、実際に洲本市に移住した方の体験談や感想をご紹介します。
移住先に洲本市を選んだ理由
- 自然の中で子育てをすることに憧れていたから
- 以前は排気ガスの気になる地域に住んでいて、空気のきれいなところで暮らしたかったから
- 自給自足の暮らしに興味があったから。洲本市は温暖な気候で、冬も野菜の収穫ができる
洲本市で暮らしてみて感じる魅力
- 自然が豊かで、静かさと潮風が心地よい
- ご近所と関わることは多く、皆さんとても親切。人とのつながりを大切に思う方におすすめのまち
- 山や畑が多くのどかで、かつスーパーや病院などの施設も多く生活に不便しない
- 島外に出ることは多くないが、大阪まで約2時間と、旅行などの時のアクセスも良い
洲本市は、自然の中で暮らしたい方にとっても、生活の便利な地域が好みの方にとっても、暮らしやすいまちのようです。
また、山や高台が市内のあちこちにあり、瀬戸内海やまちの風景を眺めて楽しんでいるという声も多く見られました。
移住に向けた行動ステップ
ここでは、実際に移住を進めるにあたって具体的に起こせる行動をご紹介します。
ステップ1:まずは気軽に相談
移住相談は、電話、オンライン、対面で行われています。自分の状況や希望を整理したり、疑問点を解消したりするためにも、まずは気軽に相談をしてみましょう。
受付時間 | |
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電話相談 |
9時~17時(年末年始の12月28日~1月3日を除く) ※魅力創生課東京事務所やNPO法人あわじFANクラブへの相談も可能 |
オンライン相談 | 10時~16時(年末・年始を除く。3日前までに要予約) |
面談相談 | 9時~17時(年末年始の12月28日~1月3日を除く。要予約) |
→移住相談について詳しくはこちら(あわじ暮らし総合相談窓口)
大阪でも移住相談会が随時開催されている
▲すもと館では、淡路牛をはじめとするさまざまな特産品も並んでいる
大阪・中之島の「フェスティバルプラザ」内にある、洲本市アンテナショップ「中之島 すもと館」でも、移住相談会が随時開催されています。移住相談会の開催時期などは、公式サイトのお知らせから確認できます。
店内には洲本市の特産品が並び、移住について気軽に相談しつつ、観光気分も味わえるのが特徴です。関西近辺にお住まいの方はぜひ足を運んでみてください。
→「中之島 すもと館」公式サイト
→移住相談会の開催時期はこちらからチェック(洲本移住ナビ「お知らせ」)
ステップ2:お試し移住制度を利用して現地での暮らしを体験
先ほども紹介したとおり、洲本市では実際にまちの暮らしを体験する「お試し移住制度」が充実しています。体験用の施設を無料で利用できるほか、一般の宿泊施設に滞在する費用の補助を受けられる「GoTo移住キャンペーン」もあるので、滞在の目的に合わせて選択するとよいでしょう。
▼お試し移住制度の概要
宿泊施設 | 高田屋嘉兵衛公園 ウェルネスパーク五色 浜千鳥 |
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利用可能日数 | 年間最大10日 ※2泊3日×5回で利用可能 |
対象者 | 淡路島外に住所を有し、洲本市への移住を検討されている方(2名まで) |
利用料金 | 無料(素泊まり) |
申し込み方法 | 滞在初日の10日前までに、魅力創生課(TEL:0799-24-7641)に要相談 |
→お試し移住体験施設について詳しくはこちら(洲本移住ナビ「お試し移住」)
▼GoTo移住キャンペーンの概要
対象者 | 市内の宿泊施設等に連続して2日以上滞在し、移住を目的とした活動を行う方 ※滞在前・滞在中に、洲本市の担当者と移住に関する相談を行う必要があります |
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補助対象活動 | ○市内で住居を探す活動 ○市内で仕事を探す活動 ○市内での暮らしの体験、住居または仕事を探す活動と直接関連する活動 |
補助対象経費 | 市内での活動に要する、以下の経費 ○宿泊施設等の利用料金(飲食や駐車場の利用料などを除く、素泊まりの料金のみ) ○交通費:高速道路の利用料金 ○借上費:レンタカーの利用料金(燃料費を除く) |
補助額 | 要した経費の2分の1額(上限10万円) |
→GoTo移住キャンペーンについて詳しくはこちら(洲本市公式サイト)
ステップ3:移住支援制度をチェック
移住を決意したら、利用できる支援などを確認したいものです。先ほども紹介しました「おいでよ洲本新生活支援事業」は、住宅取得費用のほか、引っ越し費用や自動車購入費用も支援の対象になるので、ぜひチェックしてみてください。
対象世帯 |
移住にともない、住宅を新規に購入・賃借する、移住世帯または新婚世帯(※) |
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補助対象経費 |
・住宅取得費 ※移住世帯の住宅購入の場合には、転入日前1年にあたる日から転入後1年を経過する日までに負担した費用 |
補助(助成)額 |
■移住世帯・住宅購入:最大100万円 ■移住世帯・賃貸住宅、新婚世帯:一律36万円 |
→おいでよ洲本新生活支援事業について詳しくはこちら(洲本市公式サイト)
洲本市への移住に関するお問い合わせ先
移住に関してわからないことがあったら、以下の問い合わせ先から相談してみましょう。
担当課 | 企画情報部 魅力創生課 |
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住所 | 〒656-8686 兵庫県洲本市本町3丁目4番10号 |
電話番号 |
0799-24-7641(魅力創生課:平日のみ) |
対応時間 |
9:00~17:00(魅力創生課東京事務所は10:00〜17:00) |
公式サイト | https://sumo-navi.com/ |