【福島県】昭和村へ地方移住しよう!暮らし・仕事・子育て・支援を徹底解説

この記事では、福島県昭和村への地方移住を検討している方に向けて、暮らしの特徴や移住支援を紹介します。

福島県昭和村は面積の90%を山林が占める、原生的な自然が暮らしに息づく穏やかな農山村です。

人口1,100人の小さな集落でありながら、かすみ草の夏秋期の出荷量が全国トップ(※)を誇り活気に満ちています。さらに、国の伝統的工芸品「奥会津昭和からむし織」の知名度も高く、就農希望者を中心に注目を集めています。※参考:農業協同組合新聞(2024年9月12日)

会津地区のほぼ中央にあり、会津若松市や南会津町へのアクセスが良好です。さらに、子育てや住まいの支援が豊富なため、広いマイホームを持ちたい方やファミリー世帯からも選ばれています。

今回は、産業建設課・観光交流係の主事・栗城さんに、昭和村の魅力や仕事、住まいについてお話を伺いました。

昭和村の3つの特徴

福島県昭和村暮らしの特徴

昭和村への地方移住を検討する際に、知っておきたいまちの特徴は以下の3つです。

それぞれの特徴を詳しく解説します。

特徴1.1,000級の名峰が連なる山里暮らしで、ゆったりした時間を過ごせる

山々に囲まれた福島県昭和村の景観

昭和村に移住すると、自然を身近に感じながらゆったりとした生活が送れます。

昭和村は御前ヶ岳をはじめ、会津百名山の一つである大仏山など、標高1,000m級の山々が四方を囲む緑豊かな環境です。

御前ヶ岳には約3.5kmのトレッキングコースが整備され、ブナや白樺の樹林帯の自然景観が楽しめます。「うつくしま百名山」の一つに数えられ、県外から訪れる登山愛好家も少なくありません。

矢ノ原湿原は新緑と紅葉が特に美しく、景勝地として地域内外から多くの観光客で賑わいます。

福島県昭和村にある矢ノ原湿原の夏の光景

福島県昭和村にある矢ノ原湿原の新緑シーズンに見られるトンボ

福島県昭和村にある矢ノ原湿原の紅葉

昭和村は他にも美しい景観が満載です。日常で見られる景色は以下をご覧ください。

福島県昭和村の朝の風景

福島県昭和村で見られる満天の星空

福島県昭和村で見られる夜明けの景色

福島県昭和村の秋の風景

福島県昭和村で見られる秋のイチョウの木

福島県昭和村のそばの花が咲き誇る畑

ファミリーで楽しめる自然の遊び場は、高地にある「奥会津昭和の森キャンプ場」が人気です。BBQ設備を備えたキャンプエリアの他、森林浴に最適な遊歩道や村内を一望できる展望台が併設されています。

福島県昭和村にある奥会津昭和の森キャンプ場のコテージ
▲「奥会津昭和の森キャンプ場」はキャンプエリアの他にコテージも完備

福島県昭和村にある奥会津昭和の森キャンプ場の管理棟
▲「奥会津昭和の森キャンプ場」の管理棟。シャワー室利用の他、物品のレンタル・購入も可能

宿泊はもちろん、日帰りでも丸一日遊べますね。

子どもたちに最も人気の遊び場が、「道の駅からむし織の里しょうわ」内に2022年に開園した「ラッキー公園」です。

福島県昭和村にあるポケモンキャラクターをモチーフにしたラッキー公園
▲2022年に開園した福島県内3カ所目となる「ラッキー公園」

福島県昭和村にあるポケモンキャラクターをモチーフにしたラッキー公園▲公園内にはポケモンキャラクター・ラッキーが至る所に飾られている

ふくしま応援ポケモン『ラッキー』をモチーフにした昭和村オリジナルの複合遊具や、ピカチュウのベンチがあり、家族連れで賑わいます。また、野生のラッキーに出会うために、村外から遊びにくるファミリーも珍しくありません。

このように、昭和村は自然スポットや子どもの遊び場が点在しているため、四季の移ろいを感じながらのびのびと暮らせます。

栗城さん吹き出しアイコン

山だけでなく野尻川などの水資源も豊富なので、夏には釣りも楽しめます。

特徴2.からむし織とかすみ草の一大産地。農業体験を機に移住する方多数

福島県昭和村で作られているからむし織
▲昭和村を代表する伝統工芸品「からむし織」。昭和村は本州唯一の栽培地

昭和村の自然の恵みを象徴するのが、特産品の「からむし織」と「昭和かすみ草」です。体験生として村に訪れ、そのまま就農して暮らす方もいるほど、昭和村の農業は注目されています。

からむしとは糸の原料となる植物の一つで、吸湿性と速乾性に優れた肌触りが特徴で、おもに夏物衣料に用いられてきました。

福島県昭和村のからむし織で作られたがま口ポーチ
▲昭和村ではからむし織の衣類の他に、がま口ポーチなどのオリジナル雑貨も作られている

福島県昭和村で行われるからむし焼き
▲根を植えた2年目以降は成長が均一になるようにからむし焼きが行われる

昭和村ではからむしの栽培技術を守るために、全国から継承者を募集する「織姫体験制度」を導入し、本州唯一の栽培地として伝統を紡ぎ続けています。

そして、からむし織と並び「昭和かすみ草」の生産地としても有名です。

福島県昭和村の矢ノ原高原にあるかすみ草畑に咲く白いかすみ草
▲矢ノ原高原のかすみ草畑。シーズンを迎えると可憐なかすみ草が咲き誇る

福島県昭和村にあるかすみ草畑
▲矢ノ原地区のかすみ草畑。昼夜間の寒暖差がある高原はかすみ草の栽培に適している

かすみ草は夏季冷涼な気候と相性が良く、昭和村は夏秋期の生産量が常に国内トップを誇ります(※)※参考:農業協同組合新聞(2024年9月12日)

アルタイル・ベールスター・オミナエシなどの豊富な品種栽培に加え、ピンク・ブルー・ラベンダーなど色のついた”染めかすみ草”の生産にも取り組んできました。

福島県昭和村で栽培された色とりどりのかすみ草の花束
▲まるでアート作品のような珍しいカラーのかすみ草。花束はプレゼントにもぴったり。

生産後は関東・関西方面を中心に全国29カ所の市場へ出荷され、ウェディングブーケから仏花まで様々なシーンで彩りを添えています。

移住するとこのような希少な農業に挑戦できる他、伝統や地域文化の体験を通して子どもに学ばせることができますね。

栗城さん吹き出しアイコン

「道の駅 からむし織の里しょうわ」では、からむしを使ったコースター織体験を開催していて、地元の方や観光客から好評です。

特徴3.子育て支援が充実。出産育児一時金40万円・出産祝金10万円支給

昭和村は子育て支援を手厚くそろえ、ファミリー世帯の負担軽減に注力しています。

昭和村子育て支援の一例

医療費無料 18歳以下の子どもの医療費無料
出産育児一時金 出産児1人につき404,000円支給
出産祝金 出産児1人につき10万円支給
給食費無償化 小・中学校の給食費無料
チャイルドシート等貸出事業 満1歳~満6歳まで無料

経済的支援以外に、育児相談や情報交換ができる交流の場「すみれ荘」を設置して、心のケアも行っています。知り合いがいない移住者にとって心強い存在です。

なお教育環境においては、保育所・小学校・中学校が1つずつあり、小・中学校は複式学級で構成されています。きめ細かいサポートが受けられる他、助け合う力や協調性を育める点も少数制ならではの魅力です。

また、村内には大きな図書館がない代わりに、2023年に全国初となるマイナンバーを活用した電子図書館を開設しました。絵本から小説、雑誌・郷土資料まで蔵書数は1万冊以上に及びます。

24時間利用可能で多彩なジャンルの本に気軽にアクセスできるため、読解力の向上にも役立ちますね。

昭和村の暮らしに関する情報

福島県昭和村のまち並み

ここでは、昭和村の基本情報を紹介します。併せて、仕事や住まいなど移住生活をするうえで押さえておきたいポイントをまとめました。

気候 1月:平均気温:1.6℃
8月:平均気温:25.4℃
※参考:気象情報室 昭和基地(2024年)
人口 約1,100人
病院 ・内科:1院
・歯科:1院
学校 ・保育施設:1所
・小学校:1校
・中学校:1校
アクセス 【電車】村内に駅がないため最寄り駅を記載
・JR只見線「会津川口駅」よりタクシーで約50分
・会津鉄道「会津田島駅」よりタクシーで約50分

【バス】・会津バス
・生活バス(南会津町田島~昭和村)
・オンデマンドバス「からむんバス」

【車】
・磐越自動車道「会津坂下IC」より約1時間
・東北自動車道「西那須野塩原IC」 より約40分
生活圏地域 会津若松市、南会津町

※2024年9月時点

昭和村の移住生活で押さえておきたいポイントは、大まかに以下の4点です。

  • 車は必須。日用品の買い物は困らない
  • 会津若松市と南会津町が生活圏
  • 新潟市・郡山市などの都市部まで約2時間
  • 豪雪地帯では雪かきが必要。ただし道路は毎日除雪が入る

村内には個人商店が数件あり、日用品の買い物に困りません。近隣の会津若松市と南会津町はどちらも車で約1時間前後と生活圏で、通勤や大型ショッピングモールへの買い物、病院への通院などに便利です。子どもの進学は会津若松市内の高校へ下宿するのが多いです。

新潟市・郡山市・福島市・栃木県那須塩原市まで車で約2時間と、大都市へのアクセスもスムーズなのでお出かけの幅が広がるでしょう。

首都圏の移住者が注意すべき点は豪雪です。一晩で数十cm積雪することも多く、自宅の雪かきはほぼ毎日しなければいけません。ただし、道路は毎朝4~5時頃から除雪車が走る他、地下水で雪を溶かす消雪設備も完備されているため、運転に大きな支障はないでしょう。

福島県昭和村の冬の光景
▲冬は積雪が多いが水墨画のような厳かな山々の景色を一望できる

福島県昭和村の雪景色
▲晴れた日は陽光が雪に反射してキラキラと輝く景色を見ることができる

気になる方は冬に足を運んで、積雪の量や暮らしのようすを肌で感じてみてください。

栗城さん吹き出しアイコン

2023年よりオンデマンドバスの運行を開始しました。車がない方やご高齢の方も村内で生活しやすいように、利便性の強化に注力しています。

【仕事】Wi-Fi環境整備。農業とリモートワークの複業も可能

昭和村の仕事の選択肢は、大きく分けて以下3つです。

  • 就農+アルバイトのWワーク
  • 近隣地域の一般企業へ就職
  • 現職をフルリモートワークで継続

昭和村はからむし織りやかすみ草の農業が盛んで、新規就農者の支援にも積極的です。新規就農者受入事業を通じて、これまで25組が研修して20組が就農しています(2024年9月時点)

昭和村新規就農支援

新規就農者受入事業 かすみ草の新規就農希望者を対象に、研修・各種支援を提供
・1年目研修の実施
・15,000~25,000円の貸家紹介
・農地の斡旋・紹介・各種資材の補助制度
・最大150万円/年の支援金給付 など

※2024年9月時点

からむし農業は春は焼き畑、秋は茅刈など季節により作業が変わるため、アルバイトと掛け持ちで農家を手伝う複業スタイルが定番です。村内には会社が少ないので、地域のコミュニティを介してアルバイト先を紹介してもらいましょう。

一般企業へ転職したい場合は、会津若松市または南会津町で探しましょう。

昭和村と生活圏の求人件数(雇用形態不問)

昭和村 約10件 求人一例
会津若松市 約2,800件 求人一例
南会津町 約140件 求人一例

※参考:インディード(2024年9月11日時点)

2023年の博士トンネルの開通により、冬場でも雪の心配なく約1時間で通勤できます。

また、村内は通信環境が構築されていて、リモートワークにも不便がありません。全家庭に光ファイバーが通っており、高速な光回線を契約可能です。また、公共インフラWi-Fiも整備されており、屋内外で利用可能です。移住後も現職を続けたい方は、フルリモートの働き方も検討してみましょう。

【住まい】古民家を1万円台で借りられる。購入は200万円台前後

福島県昭和村松山地区にある古民家の外観
▲古民家の一例。写真は松山地区に建つ一軒家

昭和村は賃貸・戸建て購入ともに都市部に比べて住まいにかかる費用を抑えられます。

建物の相場は別荘地が300万円で、村内の民家であれば高くても200万円台で購入可能です。移住を機に庭付きの広い家に住みたい方や、住まいの予算をリーズナブルに抑えたい方にピッタリですね。

中古住宅の例(松山地区)

福島県昭和村松山地区にある古民家の外観

福島県昭和村松山地区にある古民家の玄関

福島県昭和村松山地区にある古民家の内観

福島県昭和村松山地区にある古民家のキッチン

福島県昭和村松山地区にある古民家の和室の居間

また、村が古民家を直接借り受けて貸し出している賃貸物件も一部あります。最初から一軒家を持つことに不安を感じる移住者は多いため、まずは賃貸で気軽に住める点は嬉しいポイントではないでしょうか。

昭和村公式:空き家バンク

修繕費を抑える支援制度も用意されています。

住まいに関する支援制度

住宅改修援助金制度 改修費の2/3を助成(最大100万円)
移住促進住宅取得支援事業補助金 マイホーム取得にかかる経費の1/2を補助

単身や2人暮らしの場合は、各地区の村営住宅または移住定住促進住宅(石仏・宮原)も検討しましょう。例えば、小中津川村営住宅は1DKを月額17,000円で借りることが可能です。

昭和村公式:村営住宅

移住目的や人数に合わせて、快適な住まいを見つけてみてください。

栗城さん吹き出しアイコン

村内の一般の住宅は、単身や夫婦2人暮らしでは持て余すほど、部屋数が多く家が大きいです。人が集まる文化があるので、部屋だけでなく収納スペースも布団が何枚も入るほど広く作られています。

昭和村へ移住した人の体験談

福島県昭和村へ移住した人の体験談

ここでは、昭和村へ移住した方の声を一部紹介します。先輩移住者の声を参考に、ミスマッチを防いで理想の移住生活を叶えましょう。

  • 自然に囲まれているので星がとてもきれいです。プラネタリウムのような大パノラマの絶景に衝撃を受けました。
  • 米も水も空気もおいしい恵まれた環境です。ネット環境が整備されているし、道の駅やカフェもあるので不便を感じません。
  • 人との距離が近く皆さん温かく受け入れてくれます。住民それぞれに役割があって、みんなで住みやすい村を作るような一体感・団結力を感じますね。

移住者からは、自然の美しさに感動したという声が多く聞かれました。自然以外には、近隣都市にアクセスしやすい立地や、移住者を受け入れる温かいコミュニティも大きな魅力のようです。

豊かな自然はもちろん、馴染みやすいオープンな雰囲気も昭和村が選ばれる理由の一つだとわかりました。

栗城さん吹き出しアイコン

30年以上前から続くからむし織制度を通じて、これまで村外から多くの方が移住していることも、移住者に温かいコミュニティが作られている要因だと思います。

昭和村への移住で利用したい体験施設・お問い合わせ窓口

最後に、昭和村への移住を検討する際に利用したい移住体験施設とお問い合わせ窓口を案内します。

最長1年滞在できる「田舎暮らし体験住宅」

福島県昭和村にある田舎暮らし体験住宅
▲田舎暮らし体験住宅の外観。春は家の前に植えられた桜がお出迎え

昭和村では、移住を検討している方を対象とした宿泊施設「田舎暮らし体験住宅」を設けています。

喰丸地区に建つ古民家をリノベーションして作られた住宅で、周囲は野尻川が流れ、村の交流・観光拠点施設「喰丸小」が建つ穏やかな環境です。

「田舎暮らし体験住宅」の内観

福島県昭和村にある田舎暮らし体験住宅のキッチン

福島県昭和村にある田舎暮らし体験住宅の俯瞰で撮影したキッチン

福島県昭和村にある田舎暮らし体験住宅の居間

福島県昭和村にある田舎暮らし体験住宅の和室

福島県昭和村にある田舎暮らし体験住宅の風呂場

福島県昭和村にある田舎暮らし体験住宅の縁側

さらに、滞在中は家庭菜園の畑作業も体験できます。希望の方は問い合わせの際に伝えましょう。

「田舎暮らし体験住宅」概要

所在地 福島県大沼郡昭和村喰丸字三島
建物 木造一部2階建て
利用期間 原則1週間以上1年未満
利用料金 【1週間~1カ月未満】週額50,000円(税別)
※光熱水費、燃料費、電話料含む

【1カ月~1年未満】月額70,000円(税別)
※1ヶ月以上利用の場合光熱水費、燃料費、電話料別途発生

※2024年9月時点。詳細は公式サイトにてご確認ください
※食費・寝具類・衛生用品などは自己負担。その他、12月~翌年4月までの冬期は暖房費別途加算

地域の方々や文化に触れ合いながら、昭和村で暮らすイメージを膨らませましょう。

昭和村公式:田舎暮らし体験住宅

昭和村への移住に関するお問い合わせ

担当課 産業建設課 観光交流係
住所 〒968-0103
福島県大沼郡昭和村下中津川字中島652
電話番号 0241-57-2124(産業建設課 観光交流係)
対応時間 9:00~17:00
※土・日曜、祝日を除く
お問い合わせフォーム https://www.vill.showa.fukushima.jp/contact/
公式サイト https://www.vill.showa.fukushima.jp/