新地町への移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「福島県新地町」での暮らしや移住情報をご紹介します。
福島県の太平洋側最北部に位置する新地町は、四季を通して温暖な気候に恵まれたまちです。海沿いにあることからマリンスポーツや釣りの人気スポットが多く点在するほか、トレッキングを手軽に楽しめる鹿狼山(かろうさん)もあり、海・山のアクティビティが趣味の方や、穏やかな気候の中で自然に囲まれた暮らしがしたい方などから人気の移住先となっています。
また、「赤ちゃん誕生時に30,000円の出生時祝金を支給」「18歳まで医療費無料」といった子育て支援制度が充実しており、子育てファミリーや若い世代の夫婦にもおすすめです。
今回は新地町役場の都市計画課住宅係にて主査を務めていらっしゃる森さんにお話を伺いながら、新地町での暮らし・仕事・住居・支援内容などを詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
新地町の暮らしとは?主な3つの特徴をご紹介
東側は太平洋に面し、西側は宮城県丸森町、南側は相馬市、北側は宮城県山元町と接する福島県新地町。農業と漁業がまちの産業を支え、南部にある相馬市との共同によって開発された相馬中核工業団地に大規模な火力発電所が操業しているなど工業も盛んなまちです。
そんな新地町での暮らしには、以下のような特徴があります。
上記の具体的な魅力について、ひとつひとつ見ていきましょう。
特徴1:海と山のアクティビティを手軽に満喫できる
新地町は海も山も身近にあることから、海・山のアクティビティが趣味の方におすすめのまちです。
まず「釣師浜(つるしはま)海水浴場」などのビーチでは夏に海水浴を堪能できるほか、「海釣り公園」では季節に応じてカレイやクロダイ、カンパチ、ヒラメ、タコといった多彩な種類の魚を釣ることが出来ます。地域の方はもちろん、県外から訪れる方も多いほど人気の高い釣りスポットです。
▲海釣り公園の釣りデッキは柵で囲われており、安全に釣りを楽しめます
また、新地町には4つの登山コースが整備された「鹿狼山」があり、海を眺めながらトレッキングを満喫できることもおすすめポイント。標高430mと比較的手軽に登れる山なので、毎日登山を楽しむ方も多くみられます。
公式:鹿狼山
「釣師防災緑地公園」の近くにはオートキャンプ場もあるなど、さまざまなアウトドア体験を楽しめる環境が整っています。ぜひアウトドア好きな方は新地町への移住を検討してみてください。
▲釣師防災緑地公園オートキャンプサイトは車両の横付けが2台まで可能で、荷物の持ち運びを楽々行えます
特徴2:新鮮野菜や果物、ユニークな加工品で日々の食卓が充実
自然あふれる新地町は、食にも大きな魅力があります。通年穏やかな気候と豊かな土壌を活かして農業が盛んに行われており、地産の新鮮野菜や果物を日々の食卓で存分に味わえます。
具体的には葉肉に厚みがありながらも柔らかなニラやカラフルなミニトマト、糖度の高いフルーツトマト、イチジクが特産です。また、新地町産イチジクを使用した焼肉のたれ「新地ゃんの味菜たれ」や「いちじく入しんちゃんカレー」といったユニークな加工品もたくさん販売されています。
私のおすすめは「新地ゃんの味菜たれ」で、自宅での焼肉時にいつも味わっています。イチジクの風味がお肉の香ばしさと絶妙にマッチする絶品だれですので、ぜひ一度味わっていただけたら嬉しいです。
特徴3:手厚い支援&魅力的な教育環境でのびのび子育てできる
新地町では『子どもを育てやすいまちづくり』を目標に掲げており、手厚い子育て支援を行っていることも大きな魅力です。支援制度の主な内容は以下をご確認ください。
出生児祝金 | 出生時の両親(どちらか一方でも可)が出生の日から遡って1年以上新地町に住所を有する場合に30,000円を給付 |
---|---|
子ども医療費助成 | 18歳までの医療費が全額と入院時の食事負担額を助成 |
保育料軽減事業 | ・同一世帯における町立保育所への複数人同時入所の場合は、2人目以降の保育料を無償化 ・保育料軽減助成金 ・3歳以上の副食費無償化 |
在宅保育助成金 | 在宅保育をしている世帯に月4,500円の助成 |
また、新地町では子どもの教育環境も魅力的です。町内の小中学校では早くからICT教育に力を入れており、1人につき1台タブレットを配布したり、各教室に電子黒板を設置したりと先進的な環境下で教育を行っています。
タブレットと電子黒板の連携により、たとえばタブレットに入力した意見が電子黒板に映し出されて効率的に意見を共有し合えるなどのメリットがあります。従来の授業スタイルよりも発表できる機会が多く、保護者からの満足度も高いです。また、遠方の学校と交流したり、国内外の専門の方からお話を聞いたりするオンライン学習も日常的に行われています。
▲活発なICT教育により、情報モラルやキーボード入力のスキルも自然に身に付きます
▲小6~中2までの生徒を対象にした「ICTジュニアリーダー」では、町内デジタル教室での指導に協力する活動などを通じて地域社会でのリーダーシップが養われます
▲オンライン学習も盛んで、イギリスとの交流や東京の中学校との英語交流などが行われています
新地町の小中学校ではこのICT教育を軸に「個別最適な学び」「主体的・協働的な学び」「探究志向の学び」の3つの学びを提供しており、各教科の学習の基盤となる「情報活用能力」は、毎年実施している町の調査結果によると、身についている児童生徒の割合が全体的に高い傾向を示しています。
その他、ICT教育で身につけたスキルを活かして活躍するデジタル人材育成を目指し、令和5年度からは新地町ICTジュニアリーダー事業がスタートしました。現在、17名の小中学生が第1期生として認定を受けて町の広報活動等に取り組んでいるそうです。
また、学校によっては授業の一環として田んぼでのお米づくりを体験できるなど、新地町ならではの風土を活かした教育も行われています。
子どもの遊び場も多く、多彩な遊具が揃う「釣師防災緑地公園」が人気です。また、国内最大級のパンプトラックコース「しんちパンプトラック」もあり、BMXやマウンテンバイク、スケートボード、インラインスケートなどのローラースポーツを楽しむお子様も多いですよ。
▲国際競技に対応したメインコースやプロ向けのジャンプコース、子ども・初心者向けのキッズコースなどが整備されており、年齢や技術に応じて楽しめます
公式:しんちパンプトラック
新地町の暮らしに関する情報
続いては、気候や病院、学校、交通など、新地町での暮らしに関連するお役立ち情報をまとめました。
気候 | 1月:平均気温2.5℃ 8月:平均気温24.7℃ ※参考:気象庁ホームページ |
---|---|
人口 | 約7,500人(2024年8月1日時点) |
病院・クリニック | 約4院 |
学校 | 保育施設:3園 小学校:3校 中学校:1校 |
名所・観光 | 鹿狼山、釣師防災緑地公園、右近清水、新地町海釣り公園など |
行事 ・イベント |
チューリップ祭り、遊海しんち、ふるさと産業まつり、鹿狼山元旦登山など |
交通 | 【鉄道】 JR常磐線:駒ケ嶺駅、新地駅 【バス】 新地町コミュニティバス「しんちゃんバス」 【道路】 常磐自動車道 国道6号 国道113号 福島県道38号相馬亘理線 など |
近隣都市 | 相馬市 宮城県:亘理郡山元町、伊具郡丸森町 |
新地町は通年気候が穏やかで、真夏でもそれほど暑くならず、冬でもほとんど雪が積もらない地域です。多く降っても10cm積もるかどうかで、その日のうちに溶けてなくなる程度。1年を通して過ごしやすい気候です。
映画を観たりショッピングモールで買い物をしたりしたい場合は、車で約50分のところにある宮城県名取市まで行くとよいでしょう。
なお、町内に高校はなく、相馬市まで通学するケースが多い印象です。
ちなみに新地町は東日本大震災時に津波の被害を受けたまちですが、沿岸部の土地はまちのほうで買い取っていて住宅は建てられないエリアとなっております。
仕事情報:町内に求人あり。東京圏からの移住者には移住支援金制度も実施
大手求人サイトで新地町における正社員の求人を検索したところ100件以上ヒットし、町内に十分な数の求人があることがわかりました。まずは新地町内で自分に合った仕事があるかどうかを探してみるとよいでしょう。
ちなみに25km圏内まで範囲を広げれば4,000件以上がヒットするので、町内で望む仕事が見つからない場合でも選択肢が多くあるので安心です。
参考:新地町内における正社員求人の一例(2024年9月9日時点)
参考:新地町外における正社員求人の一例(2024年9月9日時点)
町内に企業があるため、町内の仕事を探すのには苦労しないです。例えば、火力発電所である「新地発電所」や液化天然ガスの受け入れ基地である「相馬LNG基地」で働く方が多くいます。また、仙台市までは50分ほどで行けるため、仙台に通勤している方もいらっしゃいます。
なお、新地町における世帯年収の相場は約462万円です。新地町での暮らしに必要な年収について気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
参考:新地町における世帯年収相場の一例(2024年9月9日時点)
ちなみに、福島県では東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)から移住する方を対象とした最大100万円の移住支援金制度を実施しています。東京圏からの移住を検討している方は、ぜひチェックしてみるとよいでしょう。
住まい情報:土地が安くマイホームを取得しやすい!若者定住促進住宅もおすすめ
大手不動産情報サイトにて新地町内の住宅情報を検索したところ、2024年9月9日時点では賃貸物件が5件、中古住宅が4件見つかりました。また、新地町では「空き家バンク」の情報を公開しており、そちらのサイトから空き家や空き地の情報を手に入れることも可能です。
参考:新地町における賃貸物件情報の一例(2024年9月9日時点)
参考:新地町における中古住宅情報の一例(2024年9月9日時点)
公式:新地町「空き家・空き地バンク 登録物件一覧」
土地の安さが決め手となって新地町へ移住する方もたくさんいらっしゃいますよ。「広い土地に大きな一戸建て住宅を建てたい」といった夢も、比較的低予算で叶うエリアです。
なお、新地町には移住後に住宅を建築、あるいは建売住宅を購入された子育て世帯または新婚世帯の方を対象に100万円を補助する「来て しんち」という住宅取得支援事業補助金制度があるため、マイホーム取得の際はぜひ活用するとよいでしょう。ちなみに県外から新地町へ移住する場合は80万円の加算があり、合計180万円の補助を受けられることから、仙台市など県外の近隣市町村から移住するケースも多いようです。
また、新地町では町内に居住を希望する子育て世帯や新婚世帯を対象に「若者定住促進住宅」を提供しています。たとえば1LDKの木造2階建て住宅を月40,000円の家賃で借りられるほか、小学生以下の子どもを養育している家庭の場合は月に10,000円の補助を受けることも可能です。数に限りがあるため、希望する方は早めに問い合わせることをおすすめします。
公式:新地町「町営住宅」
新地町へ移住した方の体験談
ここでは、実際に新地町へ移住した方の声をいくつかご紹介します。
- 新地町の温暖な気候と豊かな自然に魅了されて移住を決めました。地域おこし協力隊としてイベントやPR活動にも参加しており、毎日が充実しています。
- 新地町の方は何を聞いても親切に教えてくれるため、自分も穏やかな性格になりました。
- 自然に囲まれ、手厚い支援もある恵まれた環境で、のびのびと子育てを楽しんでいます。
新地町へ移住した方の口コミを見ると、豊かな自然環境や地域の方の温かさ、子育て環境の良さを称賛する声がたくさん挙がっています。自然が好きな方や、ゆとりある子育てライフを目指している方にぴったりのまちだと感じました。
新地町への移住ステップ
新地町への移住を検討している場合は、まず移住相談窓口である新地町役場の都市計画課に相談してみるとよいでしょう。また、実際に現地を訪れ、まちの雰囲気や交通・住まい事情などをご自身の目で確かめられると移住について具体的にイメージしやすくなります。
新地町には桜の名所やチューリップが綺麗なスポットが多いので、春の時期にお越しいただくとより一層お楽しみいただけると思います。まずは旅行気分でぜひお気軽に遊びに来てください。
新地町への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 新地町役場 都市計画課 |
---|---|
住所 | 〒979-2792 福島県相馬郡新地町谷地小屋字樋掛田30 |
電話番号 | 0244-62-2113 |
対応時間 | 平日8:30~17:15 |
公式サイト | ▼公式サイト https://www.shinchi-town.jp/ ▼移住定住ポータルサイト https://www.shinchi-town.jp/site/shinchiiju/sinnchimatiniijuuteijuu1.html |