奈良県下市町で始める新生活!移住体験ゲストハウスと充実の支援制度

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「奈良県下市町(しもいちちょう)」をご紹介します。

奈良県のほぼ中央に位置する下市町は、土地の8割を山林が占め3つの川が流れる、自然豊かな環境が魅力的。また、古くから商都として栄えてきた歴史があり、伝統のお祭りや趣のあるまち並みが、その風情を今に伝えています。自然や歴史・文化に囲まれて穏やかな暮らしがしたい方にぴったりと言える移住先です。

町内には移住促進ゲストハウスが4ケ所あります。それぞれの特徴を楽しみつつ下市町での暮らしを体験でき、さらに先輩移住者のリアルな話を聞けるので、移住を検討するための貴重な材料になるのではないでしょうか。

そんな下市町について、暮らしの特徴や住まい・仕事情報など、移住に役立つ情報をたっぷりとお届けします。

本日お話を伺った方
下市町役場 地域づくり推進課の松原さん

下市町役場
地域づくり推進課 主幹

松原 正城さん

下市町の暮らしを彩る3つの魅力:自然・歴史・体験

下市町の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には下市町がおすすめです。

  • 緑や花が好きで、自然豊かな環境での暮らしを望んでいる。
  • 歴史や日本文化に興味があり、それらを身近に感じられる場所で過ごしたい。
  • 風情のある町並みの中を散策し、のんびりとした時間を楽しみたい。
  • 移住前にお試し暮らしを体験し、宿泊施設や先輩移住者との交流の機会が充実している場所を探している。

なぜこのような方に下市町が適しているのか、その理由を踏まえながら、下市町の暮らしの特徴を詳しく紹介していきます。

特徴1:“吉野のさとやま”の豊かな自然

千石橋と吉野川

奈良県吉野地方に位置する下市町は、豊かな自然に恵まれたまちです。土地の約8割を山林が占め、吉野川、秋野川、丹生川という3つの川が流れています。山と川、そして空が身近にあり、美しい風景の中で暮らしたい方にとって理想的な環境です。

町内の「広橋梅林」は、奈良県三大梅林の1つとして知られています。花の見頃となる2月下旬から3月下旬は梅の花が咲き誇り、初夏には青梅が実る緑豊かな風景も魅力的です。整備された散策道があるので、カメラを片手にハイキングを楽しむこともできます。

広橋梅林
▲広橋梅林の展望デッキからは、眼下に広がる梅林と、金剛山・葛城山・二上山のコラボレーションが眺められる

山あいの地区では、毎年4月末~5月に、シャクヤクの花が咲き誇る「シャクヤクガーデン」が開園されます。地域一面を鮮やかに彩る赤・白・ピンクの花は、その数3万本に及びます。可憐でありながら壮観な光景は、都会ではなかなか見られない、圧倒的なスケール感を持つ風景です。

シャクヤクの花が一面に咲いている
▲「シャクヤクガーデン」では、入園料を払えば、シャクヤクを20本まで切って持ち帰ることもできる

下市町は、吉野地方の"さとやま"として知られ、訪れる人の目と心を和ませ、穏やかな気持ちにさせてくれる魅力的なまちです。

特徴2:商都の歴史が息づく風情あるまちなみ

下市蛭子神社の初市の様子
▲初市が有名な「蛭子神社」は、市場町の面影が残る、古いまち並みの中に鎮座している

下市町は、歴史と文化が息づくまちです。

古くから多くの人や物が集まり行き交う「市(いち)」が立ち、1600年頃には日本で最初の商業手形である「下市札」が発行されるなど、吉野地方の商業の中心地として栄えてきた下市町。当時の名残として、毎年2月12日に、蛭子(ひるこ)神社の初市が開かれます。参道に屋台が1km以上連なるこの盛大なお祭りは、県内外から訪れた多くの人でにぎわいます。

つるべすし「弥助」は、文治年間(1185年〜1189年)に創業し、800年を超える歴史をもつ老舗です。現存する日本最古の鮨屋と言われ、歌舞伎の演目「義経千本桜」のすし屋の段の舞台として有名です。風情ある佇まいの木造三階建ては、まるで過去にタイムスリップしたかのような、懐かしくも趣深い雰囲気を醸し出しています。

寿司屋「弥助」と、下市町のマスコットキャラクター「ごんた」
▲数々の著名人にも愛されてきた「弥助」。下市町のマスコットキャラクター「ごんたくん」は「義経千本桜」の登場人物にちなんで考案された

秋野川に架かる橋からは、長い歴史が育んできた、風情ある建物やまち並みが眺められます。歴史や伝統的なものに興味がある方なら、まちを歩くたびに新たな発見があり、わくわくした気持ちを味わえるでしょう。

下市町のまちなみ

特徴3:4軒の移住体験ゲストハウスで暮らしを実感

ゲストハウス「アプリコット」の外観
▲移住者が運営するゲストハウス「アプリコット」。移住や農林業についての相談もできる

下市町内には、移住促進ゲストハウスが4カ所あり、うち2軒は自治会が、残りの2軒は他地域から下市町に移住してきた方が運営しています。

これらのゲストハウスは、自然豊かな田舎での暮らしと人との交流を楽しめる場所です。お風呂やキッチンなどの設備も整っており、自炊や持ち込みによる食事が可能です。

移住を検討している方にとっては、下市町での実際の暮らしを体験できるだけでなく、移住経験者から直接話を聞いたり、地域の生活情報を得たりできる貴重な機会となります。

各ゲストハウスにはそれぞれ特徴があるので、興味を持ったお宿があれば、ぜひ宿泊してみてください。

APRICOT(アプリコット)
※移住者が運営
「女性」と「小さなお子様連れのご家族」向けのゲストハウス(男性のみの宿泊不可)。梅畑に囲まれた眺めの良いロケーション。
ソファやハンモック付きの縁側でゆったりくつろげるのが好評。
つわいらいと
※移住者が運営
旧校舎敷地内の元教員住宅をDIYしたゲストハウス。広橋峠の頂に位置し、運動場から金剛山や葛城山を一望できる。
校舎内に漫画図書室とワークスペースあり。
風の谷 21畳の広々とした客室。大きな窓から下市町の四季折々の風景を楽しめる。かまどや五右衛門風呂もあり、昔ながらの田舎暮らしを体験できるのが魅力。
山桜 自然と田舎暮らしを満喫できる一棟貸しのゲストハウス。春のお花見、夏の清流魚釣り、秋の紅葉やキノコ狩りなど、季節ごとの楽しみがある。
日帰り利用も可能(要問い合わせ)。

ゲストハウス「風の谷」の外観
▲自然豊かな環境で昔ながらの田舎暮らしを体験できる「ゲストハウス風の谷」

ゲストハウス「風の谷」の竈でご飯を炊いている
▲「風の谷」に備えられているかまど。「かまどで炊くご飯は最高」と好評。希望があれば使い方を教えてもらえる

ゲストハウス「風の谷」の五右衛門風呂
▲「風の谷」では、吉野ヒノキの香り漂う五右衛門風呂も利用できる

ゲストハウス「山桜」を上空から見たところ
▲一棟貸しのゲストハウス「山桜」は、自治会集会所を改装した建物。キッチンや洗濯機、Wi-Fiも完備

下市町の暮らし:仕事・住まい・子育て環境を徹底解説

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、下市町の暮らしに関するさまざまなデータをお届けします。

人口 人口:4,554人
世帯:2,014世帯
(※2023年5月1日現在)
近隣都市 五條市、吉野郡大淀町、吉野町、黒滝村
公共交通 路線バス:奈良交通
大都市へのアクセス

【大阪(近鉄阿倍野橋駅)】
車で約1時間、電車で約1時間(特急利用)

【京都(京都駅)】
車で約1時間40分、電車で約1時間25分(特急利用)

【名古屋(近鉄名古屋駅)】
車で約2時間40分、電車で約2時間40分(特急利用)

病院 診療所2、歯科3
学校 義務教育学校1、保育施設1
食べ物 梅、柿、ぶどう、スイカ、もも
〇寒暖差のある気候で、おいしいフルーツが育まれる

自然に囲まれた、のどかな下市町ですが、都会への交通アクセスの良さも特徴的です。大阪・京都へはそれぞれ車で1時間30分前後、電車で1時間前後で着きます。週末のお出かけやプチ旅行も楽しめますし、テレワークメインの方なら通勤も可能でしょう。さらに、車で30分程度の橿原市にはイオンモールなどがあり、ファミリーでのお出かけにも便利です。

町内のレジャーでは、釣りや川遊びなどのアウトドアが満喫でき、オートキャンプ場も備えた「下市町森林公園 やすらぎ村」や、山あいにある「下市温泉」などが人気です。

下市温泉は、岩風呂やジャグジー、冷泉風呂などさまざまな種類のお風呂が日帰りで気軽に楽しめるところが魅力です。天然温泉の豊富な湯量とやさしい湯の香りに包まれ、ゆったりとしたひとときを過ごせます。

下市温泉の内部

明水館露天風呂

2023年4月、下市町内に小中一貫義務教育学校「下市あきつ学園」が開校しました。同校では「自由な校風」「未来志向」「絆づくり」を理念に、子どもが主体的に学び、本当の意味で"生きる力"をつけられるような教育を目指しています。また、中学生まで給食費無料とするなど、子育て世帯への支援にも力を入れています。

仕事情報:通勤圏内の豊富な求人と進化する起業環境

2023年6月現在、大手求人情報サイトで下市町内の正社員求人を検索すると、約170件がヒットしました。この検索範囲を車で通勤30分(25km圏内)まで広げると、約31,000件と大幅に増加します。就職活動の際は、近隣エリアも含めて仕事を探すことをおすすめします。

参考:正社員求人の一例(下市町内のみ)
参考:正社員求人の一例(下市町から25km圏内)

町内にはハローワークもあります。就職相談や各種セミナーなどへの参加を希望する方は、こちらも利用してみてください。

詳細:ハローワーク下市

また下市町では、廃校となった中学校の校舎を再利用し、無料のIT相談やIT講座・イベントの開催場所、交流スペースなどとして再生するプロジェクトを進めています。このスペースは将来的にレンタルオフィスとしても利用できる可能性があり、移住を機に起業などのチャレンジを考えている方にとって魅力的な環境となりそうです。

住まい情報:充実の空き家バンクと移住者向け補助金制度

2023年6月現在、下市町の空き家バンクには約20件の物件が登録されています。賃貸、売買、またはその両方に対応している物件があり、そのまま住める状態のものからリフォームが必要なものまで多様です。住宅に関しては以下の支援制度も用意されているので、併せて利用することをおすすめします。
参考:空き家バンク登録物件一覧

下市町定住促進空き家改修事業補助金 空き家バンクに登録された物件を、町内の施工業者を利用して改修する場合に補助金を交付(上限50万円)
定住促進住宅新築補助金 若者世帯が住宅を新築した場合に、以下の補助金を交付
基準額:100万円
加算額:
下市町内の施工業者による工事の場合【10万円】
使用する木材の一部または全部が吉野材であり、購入額が10万円以上の場合【10万円】
若者定住集合住宅支援事業補助金 若者世帯が、町に認定された新築民間賃貸集合住宅に入居した場合、以下の補助金を支給
〇新築以降の4月1日から1~5年まで毎月10,000円、6~10年まで毎月5,000円

下市町移住者の声:自然と利便性を両立した暮らしの実態

下市町へ移住した人の体験談

ここでは、実際に下市町に移住して暮らしている方々の体験談や感想をご紹介します。

  • 豊かな文化、自然、歴史が揃っているところが魅力的
  • 大自然に囲まれながらも、吉野地方の入り口に位置するため「便利な田舎」という印象の暮らしやすいまち
  • 日常生活には自家用車が必須。一方で、車があれば近隣市町への買い物や通勤、大阪へのお出かけなども便利

豊かな自然と文化に恵まれ、心豊かに暮らせるのが下市町の魅力です。さらに、通勤やお出かけなどの選択肢が多く利便性が高いため、多くの方が暮らしやすさを実感しているようです。

下市町への移住ステップ:体験から相談までの具体的アクション

先にご紹介した通り、下市町には移住促進ゲストハウスが4か所設けられています。これらのゲストハウスは、移住を検討している方々が下市町での実際の暮らしを体験できる貴重な機会を提供しています。短期滞在を通じて、地域の雰囲気や生活環境を直接感じることができますので、移住をお考えの方は、ぜひ利用してみることをおすすめします。

下市町移住相談窓口:地域づくり推進課へのアクセス方法

担当課 地域づくり推進課
住所 奈良県吉野郡下市町大字下市1960
電話番号 0747-52-0001
対応時間 8:30~17:15(土曜日・日曜日・祝日および年末年始を除く)
公式サイト https://www.town.shimoichi.lg.jp/soshiki/1-2-0-0-0_2.html