三重県志摩市で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報

この記事では移住を考えている人に向けて、三重県志摩市(しまし)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。

志摩市は三重県南部の志摩半島に位置し、豊かな自然と穏やかな気候に恵まれたまちです。

今回は、志摩市役所総合政策課の森本さんと井谷さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
志摩市役所総合政策課の森本さん

志摩市役所 総合政策課 主事

森本 泰史さん

志摩市役所総合政策課の井谷さん

志摩市役所 総合政策課 主事

井谷 桃香さん

志摩市の特徴を3つご紹介

三重県志摩市暮らしの特徴

志摩市は市の全域が伊勢志摩国立公園に含まれています。豊かな自然に囲まれゆったりとした時間を過ごしたい人や子育て世帯におすすめのまちです。

そんな志摩市での暮らしは、次のような方に適しています。

  • マリンアクティビティが好き・チャレンジしてみたい
  • 海の幸が大好き
  • 神社など文化的なものに興味がある
  • 自然豊かでほどほどに便利な場所に住みたい

上記のような方に適している理由を、志摩市に見られる3つの特徴から解説します。

特徴1:美しい海と豊富なマリンアクティビティ、美味しい海産物

志摩市でサーフィンをする様子

温暖で美しい海に恵まれた志摩市では、あらゆるマリンアクティビティが楽しめます。

国府の浜(こうのはま)はサーフィンの聖地と呼べるほど有名で、初心者向けにはウェットスーツとサーフボードのレンタル付きのサーフィン半日体験プランもあります。

また、シーカヤックやスタンドアップパドルボード、ダイビングなど、マリンアクティビティが豊富です。

志摩市役所総合政策課の森本さん
森本さん

私は週末に釣りを楽しんでいます。

志摩市の南にある英虞湾(あごわん)はリアス海岸で、潮の流れが穏やかで年間を通して温暖なことから、プランクトンが大量に発生します。その栄養豊富な海のおかげで、志摩市は「真珠(アコヤ貝)」の産地として発展しました。

志摩市の国府の浜英虞湾
▲国府の浜英虞湾は、伊勢志摩国立公園の中心となるリアス海岸

近年は「あおさ(あおさのり)」の養殖も盛んで、収穫期の2月頃には、「緑のじゅうたん」で海岸が覆われます。

美味しい海産物が豊富な志摩市は、古代から「御食国(みけつくに)」とされており、皇室・朝廷にアワビやサザエなどの海産物を献上してきました。現在でも、良質な海の幸が安く手に入りやすいと移住者からも好評です。

特徴2:伊勢神宮が身近で文化的な見どころが豊富

志摩市では古くから受け継がれてきた海女漁の歴史や、民俗芸能の「磯部の御神田(いそべのおみた)」など、文化的にも見どころが豊富です。

「磯部の御神田」は志摩市の伊雑宮(いざわのみや)に伝わる田楽(※)で、平安時代末期には現在の形になったとされています。毎年6月24日に行われますが、この日、伊雑宮には7匹のサメが参詣するとされており、近隣の漁師は漁を休むことになっています。
(※)楽と踊りなどからなる伝統芸能で、田植えの前に豊作を祈るもの

志摩市では生活圏の中に隣の伊勢市も含まれるため、伊勢神宮が身近です。そのためか志摩市も神秘的な雰囲気が漂っているようで、「神様に見守られているような気がする」という移住者の声も聞かれます。

特徴3:自然豊かなのに適度に便利

伊勢志摩ライナー
▲伊勢志摩ライナーは大阪・京都・名古屋から志摩市賢島方面を中心に運行している

志摩市では、市の中心部から離れると自然豊かな田舎暮らしができますが、市内には大型ショッピングセンターなどもあり、車があれば日常生活に不便がありません。

また、名古屋・大阪へのアクセスが良く、名古屋まで近鉄特急で約2時間5分、大阪まで近鉄特急で約2時間25分と、乗り換えなしで行くことができます。

豊かな自然に恵まれつつインフラも整う美しい志摩市なら、素敵な暮らしができそうですね。

志摩市の暮らしに関する情報

ここからは、志摩市の暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 8月平均気温:26.7℃
1月平均気温:5.9℃
※参考:気象庁
志摩市に観測地点がないため、近隣の南伊勢のデータを掲載
人口 人口:約45,500人
世帯:約22,560戸
(令和5年7月31日現在)
病院 病院・クリニック:48
歯科:32
(令和5年8月現在)
学校 保育施設:12施設
幼稚園:5園
小学校:7校
中学校:6校
高等学校:3校
(令和5年8月現在)
交通 【電車】
近鉄志摩線:五知駅、沓掛駅、上之郷駅、志摩磯部駅、穴川駅、志摩横山駅、鵜方駅、志摩神明駅、賢島駅

【バス】
三重交通
磯部地域予約運行型バス(コミュニティバス)

【船舶】
あご湾定期船(賢島港~間崎島~和具港)
渡鹿野渡船(国府~渡鹿野島)
市運行船(的矢~三ヶ所~渡鹿野島)

【車】
伊勢市まで約30分、鳥羽市まで約20分
近隣都市 伊勢市、鳥羽市、南伊勢町

志摩市では大型ショッピングセンターや金融機関、医療機関などは市の中心部に集中しており、普段の生活は市内で完結できます。電車・バスは運行していますが、車はあった方が便利です。

地域との関わりについては市中心部は希薄で、中心部から離れるほど濃くなる傾向があるようです。自分の望むライフスタイルに合わせて住むエリアを決めると良いでしょう。

子どもの遊び場としては、サーフィン、釣りなど海で遊ぶ機会が多いほか、アジ釣り体験や干物づくり体験ができる「海ほおずき」が人気です。

志摩市では、かつては台風による被害が多かったのですが、現在は市が防災対策に注力していることもあり、被害は減少しています。住まい探しの際は、ハザードマップなどの確認などをしておきましょう。

【子育て】支援が充実。給食では伊勢海老やアワビが出ることも

志摩市では、子育て世帯への支援に力を入れており、妊娠・出産から子育て期の間、母親がひとりで悩むことのないよう、個別の相談などを実施しています。また、経済的な支援も行なっています。支援の一部は次のとおりです。

出産・子育て応援事業 母子手帳交付時に妊婦1人につき5万円相当、出産後の赤ちゃん訪問の面談後に子ども1人につき5万円相当を支給
出産祝金 子ども1人につき出産祝金(20万円)を支給
子ども医療費助成制度 0歳〜中学校までの子どもの医療費にかかる自己負担額を助成
給食費の無償化 市内の幼稚園、小中学校の給食費を完全無償化
IJUターン促進のための奨学金返済補助事業 奨学金の貸与を受けて大学等を卒業し、卒業後に奨学金の返還を開始した人のうち条件を満たす場合に、最大20万円を補助
※前年度までに補助金を交付されている場合、通算の交付上限額は60万円

公式:志摩市「移住支援制度」

志摩市では進学を機に地元を離れる人が多いこともあり、子どもたちに地域への愛着を持ってもらう教育を行なっています。地域学習としては、アコヤ貝から真珠を取り出す体験をしたり、「海女」について学び、海を守りながら海を生きていくことやSDGsを考える機会を設けています。

給食では、伊勢海老・アワビをはじめとした地元の食材を使用した思い出に残る食育を実施しています。

【仕事】市内は観光業が多い。起業支援制度もあり

大手求人情報サイトで志摩市の求人を調べたところ、約600件ヒットしました(令和5年8月現在)。観光が基幹産業ということもあり、観光業に就く人が多いです。
※求人情報の一例

通勤時間30分圏内の25km以内で検索すると、約3,000件ヒットしました(令和5年8月現在)
※求人情報の一例

志摩市ではサーフィンをきっかけに移住する人も多く、そうした人たちはサーフィンを生活の中心にできるよう、フルリモートワークの仕事をしたり、観光客向けの飲食業などで起業することが多いようです。また、大阪や名古屋で働きながら週末は志摩市で過ごす二拠点生活を送る人もいます。

志摩市では、起業を目指す人向けに、創業にかかる経費の一部を補助する制度があります。特に移住者や39歳以下の若者には補助金の加算がありますので、該当する人は下記URLから詳細をご確認ください。

公式:志摩市「志摩市を元気にする創業支援補助金について」

【住まい】若者と子育て世帯には家賃補助あり

大手住まい情報サイトで志摩市の賃貸物件を調べたところ、約70件ヒットしました(令和5年8月現在)。3LDK・4K・4DKの家賃相場は約6.77万円です(令和5年8月現在)
※賃貸物件の一例

移住者の多くは民間賃貸物件を借りるほか、空き家バンクの購入や一戸建ての新築をする人もいるようです。賃貸の場合、40歳未満の若者と子育て世帯には月最大2万円の家賃補助がありますので、活用しましょう。

公式:志摩市「若者・子育て世帯移住促進家賃支援事業」

空き家バンクは改修が必要なものが多いです。改修費用を最大100万円補助する制度がありますので、ぜひ利用してください。

公式:志摩市「令和5年度志摩市移住促進空き家改修支援事業」

志摩市に移住した人の声・感想

三重県志摩市移住者の声

次に、志摩市に移住した方の感想をご紹介します。

  • サーフィンをきっかけに移住してきたが、土地が広いので、DIYやバーベキューなどを気兼ねなく楽しめる点も良い。移住して本当に良かった
  • 自然豊かな環境で子育てしたくて移住してきた。地域の人も子どもたちを見守ってくれているように感じる
  • 志摩市では生活圏の中に伊勢市も含まれ、海だけでなく、伊勢神宮や山にも恵まれいて、楽しみが多い
  • 大阪・名古屋へ電車一本で行けるので便利
  • 地元の人の人柄が良い。のんびりしていて気前がいい人が多いと感じる

志摩市へ移住するために利用したい窓口・支援

志摩市への移住の目的が明確になり、情報収集が済んだら、下見に行ってみましょう。下見や住まい探し・仕事探しをする中で、移住後の暮らしがより具体的にイメージしやすくなるはずです。

志摩市では、志摩市サーフィン活用推進協議会との共同事業として、「サーフィン移住体験事業」を今後開催する予定です。サーフィンをきっかけに移住を希望する人に対して、移住の検討に役立つさまざまな体験をしてもらう事業です。

下記URLにて最新情報が掲載される予定ですので、興味のある人はチェックしてみてください。

公式:志摩市「海と暮らす志摩」

志摩市への移住に関するお問い合わせ

移住相談窓口 志摩市役所 総合政策課
住所 〒517-0592
三重県志摩市阿児町鵜方3098-22
電話 0599-44-0205
公式サイト 志摩市「海と暮らす志摩」