【群馬県下仁田町に移住】妙義山・荒船風穴・下仁田葱などきれいな景観や名産品がたくさんある町

この記事では、地方移住を考えている人に向けて「群馬県下仁田町(しもにたまち)」の特徴を紹介します。

下仁田町は群馬県の南西部にある町です。ジオパーク(※)として認定され「妙義山(みょうぎさん)」・世界遺産「荒船風穴(あらふねふうけつ)」・名産「下仁田葱(しもにたねぎ)」など、きれいな景観や名産品がたくさんあります。自然が豊かな土地のため、自然の中でのびのびと子育てしたい子育て世帯の移住先に向いています。
(※)貴重な景観や地質遺産などがまとまって管理されているエリアのこと

ここでは群馬県出身の筆者が、下仁田町の特徴や魅力・移住に役立つ仕事情報・子育て支援の情報などを解説していきます。

本日お話を伺った方
群馬県下仁田町のゆるきゃらにゃくっち

下仁田町役場 企画課

栁澤 大祐さん

下仁田町の魅力を紹介!移住前に知っておきたい特徴3つ

群馬県下仁田町の暮らしの特徴

下仁田町は全域の約85%が山や野原であるため、自然の気持ちの良い空気を感じることができます。町にスーパー・コンビニ・病院などもあるため、日常生活にも困らず暮らしやすい町です。

下仁田町にあるほたる山公園

そんな下仁田町の暮らしには、次のような方が向いています。

  • 自然いっぱいの環境で子育てしたい人
  • 文化学習・英語教育など子育て教育が進んでいる地域に移住したい人
  • 地元ならではの温かいコミュニティに触れたい人

なぜこのような方に向いているのか、その理由を「下仁田町の暮らしの特徴や魅力」から紹介していきます。

特徴1:雄大な自然の中でのびのびと子育てができる

下仁田町の特徴の1つは、雄大な自然です。下仁田町は多くの山林や野原に囲まれているため、四季に応じていろいろな姿を見ることができます。

▼下仁田町の大自然の代表例

  • 妙義山:日本三代奇勝の1つで、群馬県の上毛三山の1つでもある景勝地
  • 奥栗山渓谷:「三段の滝」「昇龍の滝」など有名な滝を見られる渓谷
  • 神津牧場:120年の歴史をもつ、日本最古の牧場

下仁田町の妙義山の秋の風景
▲妙義山は群馬県を代表する山”上毛三山”の1つ。上毛三山は他に榛名山・赤城山がある。

中でも「妙義山」は特に有名で、日本三大奇勝(※)の1つにもなっています。600年前に活動した火山の噴出物が、長い年月をかけて雨風で削れられ、特異な岩峰郡が誕生したと言われています。
(※)日本三大奇景ともいい、日本を代表する奇妙な形をした岩が映える景色を指す。他に耶馬溪(大分県)、寒霞渓(香川県)がある

妙義山は群馬の「上毛三山」の1つにも数えられる、群馬を代表する山の1つ。標高は約1,100mと高くはないですが、関東平野を一望できる景色は爽快です。

移住後は一度足を運んでみてください。筆者も群馬出身で、小学生の頃に学校の授業で登ったことがあります。小学生でも登れるように整備されていますし、登った後の爽快感、関東平野を見渡しながら食べたお弁当は本当に美味しかった思い出があります。ぜひ山頂で気持ちの良い景観と空気を感じてみてください。

下仁田ジオパークのジオサイト「青岩公園」
▲こちらもジオパークの1つ「青岩公園

「青岩公園」は鏑川、南牧川の合流地点にある公園です。公園では16種に石が拾えますが、名前の由来となった青岩と呼ばれる緑色岩が特徴です。

青岩には緑色の平行な筋があります。この岩石は、海底火山の噴出物や海底の砂泥が地下深くに移動した際、強い圧力を受けることによりできます。

神津牧場の様子
▲下仁田町「神津牧場」。BBQやバター作り体験、宿泊できるロッジもある

また120年以上の歴史がある「神津牧場」も有名です。神津牧場には大自然を満喫できるハイキングコースや、バター作りができる体験型アクティビティもあります。

さらにナイトツアーでは夜間の野生生物の生息状況調査に同行できたり、敷地内の天文台から星空観察をすることができるなど、自然の中で自由に遊ぶことができます。

下仁田町は自然の中で子どもたちと一緒にのびのびと遊ぶことができ、たくさんの貴重な体験もできます。ご家族で移住したあとは、お子さんだけでなく家族全員で楽しく過ごすことができるのが魅力です

特徴2:子育て教育も充実!世界遺産「荒船風穴」から文化学習

群馬県下仁田町の荒船風穴の様子
▲荒船風穴の石積み(引用:下仁田町公式サイト

地元ならではの教育としては、世界遺産である「荒船風穴」を見学して授業に活かしています。荒船風穴は明治から昭和初期にかけて、温度変化の少ない山間の風穴を利用して、天然冷風で蚕を貯蔵した施設です。群馬県富岡市の世界遺産「富岡製糸場」とも関係があります。

荒船風穴の仕組みの解説
引用:群馬県 富岡製糸場と絹産業遺産群「荒船風穴ってどんなところ?」

世界遺産に触れることで、お子さんたちも環境保全を意識でき、町の文化的背景を楽しみながら学ぶことができます。移住した後もこういった史跡にいつでも触れられたり、詳しい人に話を聞く機会があるので、家族みんなで良い刺激を受けられそうです。

また、下仁田町には「下仁田町ほたる山公園」もあり、子育て世帯の家族が集まる場所になっています。

他にも「下仁田秋祭り」は地元の人たちと触れ合える機会です。移住後は地元の方達といっしょにのびのびと子育てもできるイメージも掴めるのではないでしょうか。

群馬県下仁田町で催される下仁田秋祭りの様子
▲下仁田秋祭り。山車が7台も並ぶ迫力満点の秋季例大祭

ICT教育や英語教育にも力を入れている

ICT教育を行なっている様子

下仁田町ではICT教育(※)に力を入れており、生徒1人1台タブレットが配布されます。群馬県におけるICTの活用をリードする存在として、町内に1校ずつある小学校と中学校は、群馬県からICT教育の指定校にも選ばれているほどです。
(※)アナログでおこなっていた教育をデジタルに変えていくこと。黒板などの板書をパソコンやタブレットに変えるなど。

また、町では英語教育にも力を入れています。英語教育では希望者全員に海外派遣事業をおこなっており、ホームステイや現地の学校生活を通して、英語や異文化生活を体験することができます。グローバル社会に対応できる力を養うことを目的に実施されており、毎年多くの学生が参加しています。

このように教育制度も整っているので、移住後はお子さんたちも多角的な視点で物事を考えられるようになりそうです。

特徴3:下仁田葱などの特産品と人々の温かさに触れられる

下仁田町には「下仁田葱」「こんにゃく」をはじめとした特産品や、「下仁田カツ丼」などの美味しいご当地グルメがあります。

特に下仁田葱は有名で、地元の連盟「下仁田葱の会」に認められた葱だけが、下仁田葱として市場に並びます。その性質上、一般的な市場ではなかなかみられず、味にこだわる全国の料亭に使われるなど、素晴らしい特産品として知られています。

下仁田町の特産品である下仁田葱
▲下仁田町のブランド「下仁田葱」。白い部分が太くて短いのが特徴で、火を通すと短時間で柔らかくなり、とろけるような舌触りと甘みが広がる。

下仁田カツ丼
▲下仁田の名物「下仁田カツ丼」。卵でとじるタイプではなく甘じょっぱい醤油だれにつけている

こだわりがある、というと「地方の閉塞的な空気があるんじゃないか?」と不安になる人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。下仁田町の人々は温かく、実際に移住した人も「役場の人に名前を覚えてもらって、移住のことに関して詳しく助言をもらえた」といった声もありました。

このように都会とくらべて、一人ひとりに対して優しい・つながりが深いので、移住後に馴染めるか不安だという人も心配ありません。

また地元に根付いた文化に多く触れる機会があるので、地元の人に話を聞くなど積極的に関わるきっかけにもなるはずです。移住後はぜひ地元の人たちと世界遺産や文化財、名産品についてお話を聞いてみてください。

下仁田町の暮らしや仕事に関する情報

ここでは下仁田町での暮らしに関する情報、気になる仕事情報や住まいについてまとめています。

気候 7月平均気温:24.8℃
1月平均気温:0.7℃
※参考:気象庁ホームページ(下仁田町に観測地点が無いため、近隣の西野牧地点を参照)
人口 人口:8,519人
世帯数:3,169世帯
(令和5年5月31日時点)
病院 診療所:3ヶ所
病院:1ヶ所
歯科:2ヶ所
学校 保育施設:2園
小学校:1校(下仁田小学校)
中学校:1校(下仁田中学校)
高校:1校(群馬県立下仁田高等学校)
交通 【自動車】
群馬県高崎まで:上信越自動車道経由で約1時間
長野県軽井沢まで:国道254号、県道43号経由で約45分
・東京まで:関越自動車道経由で約2時間

【高速バス】
・千曲バス(株):長野・群馬↔立川・池袋・新宿
・しもにたバス

【鉄道】
・上信電鉄(最寄駅「下仁田駅」):高崎駅まで約1時間
近隣都市 富岡市・安中市・軽井沢町
特産品・名物 下仁田ネギ、こんにゃく、下仁田かつ丼

下仁田町では車は必須です。基本的な生活においては、町内にスーパーや直売所、ドラッグストア、飲食店、コンビニ、銀行などがあるため問題ありませんが、山間部や軽井沢方面に出かけたい、高崎市方面へ行きたい、などちょっとした遠出は電車より車の方が便利です。

群馬県は都道府県別「世帯あたり乗用車台数」が全国4位(2021年時点)で、一家に平均1.6台は車があります。そのくらい群馬では車を持っていて当たり前の環境のため、下仁田町での移動は車前提で考えておくと良いでしょう。

【気候】山間部だが冬でも雪はほとんど降らない

気候に関して、下仁田町は山間部ではありますが雪はほとんど降らず、年に2〜3回程度です。年間降水量も1,546mmと、日本の年間降水量1,718mmと比べても平均以下です。夏は平均気温24度ですが、最高気温は30度以上に上ることも多く、暑いと感じる人も多いようです。

ただ下仁田町の面積のうち約85%が山林や野原で占められているため、美しい山並みやキレイな渓流など、自然豊かな環境の中で穏やかな生活ができます。山間部でコンパクトな暮らしがしたい人にはおすすめの移住先と言えます。

【子育て情報】支援制度が出産から入学まで一貫して充実している

下仁田町の子育てに関する制度・助成については、以下の通り数多くあります。

出産祝金支給制度 子一人あたり:30万円
不妊治療費助成 不妊治療を受けている方の経済的な負担の一部を助成
上限100万円
入学祝金 小学校および中学校に入学する生徒の保護者を対象に、祝金(10万円)を支給
こども医療費無料化 高校卒業までの子どもの医療費について無料
保育所・認定こども園の保育料無料化 第2子目以降の保育料が無料
育児支援金 1~5歳まで毎年10万円支給

公式:下仁田暮らし「出産・子育て」

子育てに関する支出が多い子育て世代にとって、上記のような経済的支援があるのは心強いはずです。いずれも下仁田町での定住者の負担を軽くするための助成なので、それぞれ移住後に該当しそうな方は、あらかじめ詳細を確認しておくことをおすすめします。

【仕事情報】創業支援制度あり!実際に移住した人で創業した人もいる

大手求人サイトで下仁田町の仕事を探してみたところ約200件見つかりました。車での通勤30分程度の25km圏内で検索すると、約16,000件がヒットします。
※参考:求人情報の一例(下仁田町のみ)
※参考:求人情報の一例(25km圏内)

下仁田町やその周辺地域では林業や建設業が盛んです。車での通勤30分程度の範囲を含めれば、求人情報は豊富なので、もし移住後に仕事を探したいと思っている人でも困ることはなさそうです

また、下仁田町では創業の支援制度もあります。

創業支援事業補助金制度 ・事業所などの開設に要する経費の補助(限度額100万円)
・事業所などの賃借に要する経費の補助(月額3万円)

創業支援事業補助金制度は、町内で起業した方への補助です。移住制度との併用も可能なので、もし下仁田町での起業に興味がある人は下仁田町役場まで問い合わせてみましょう。

過去に「下仁田町チャレンジショップ」という制度もあり、実際に移住した人がこの制度を使ってカフェ兼カレー屋さんを創業しています。過去の制度の事例ではありますが、こういった制度を活用して実際に創業した人もいるので、もし興味がある人は町役場の人に話だけでも聞いてみるとイメージが掴めるかもしれませんよ。

【住まい情報】空き家あり。新築物件も建てられる

下仁田町では空き家物件を公式サイトから見ることができます。専門スタッフが移住者の希望に沿って空き家を紹介してくれます。人気があって問い合わせが多数くることから、空き家については下仁田町暮らしの相談窓口(TEL0274-67-7500)へ相談するのが良いでしょう。

公式:下仁田暮らし「空き家について」

民間の賃貸も豊富なので、場合によってはそちらも紹介してくれます。また建設業者も複数あるため、新築物件を建てたい、といった相談も受け付けています。

なお、新築に関しては以下のような支援制度もありますので参考にしてみてください。

定住促進奨励金制度 町で新しく住宅を建てる方への支援
30万円
下仁田町ぐんまの木で家づくり支援事業 住宅を新築する方に助成金を支給
最大160万円
町営住宅紹介 下仁田町での居住を考えている方へ、町営住宅を紹介

公式:下仁田暮らし「定住支援」

下仁田町に移住した人の体験談や感想

群馬県下仁田町に移住した人の声

ここでは、実際に移住して下仁田町に暮らしている方の体験談・感想をご紹介します。

  • 役場の人にも親切にしていただいた。【Aさん 神奈川県出身】
  • 昭和レトロな街並みが面白い。町の人はもちろん、役場の人も親身になってくれた【Bさん 2019年に東京から移住】
  • 自然豊かな環境で、日当たりも良い住宅を紹介していただき、子育てには最適な環境だと思います。【Cさんご夫婦 制度を利用して新築を建てた】
  • 移住前は、地域の人には警戒されるかもしれないというような不安もありましたが、実際に来てみたら役場の人とも距離が近くて、町の人みんなが知り合いになったみたいでした。【Dさんご夫婦 2018年に東京から移住】

移住した人の中には「最初は不安だったけど、馴染んでしまえばみんなあたたかく受け入れてくれた」「役場の人が親切にしてくれたので不安も少なくなっていった」という声もありました。

何か困った時に役場の人が率先して動いてくれるのは、右も左も分からない移住者にとってありがたいですね。

子育て世帯の方も「公園で遊べたり、夏祭りで花火を見られたりするなど、お子さんと一緒に自然の中で楽しめる環境がある」と話してくれました。自然あふれる環境の中でのびのびと子育てしたい、と思っている子育て世帯の方にもおすすめの移住先と言えますね。
参考:下仁田暮らし。暮らし体験談
参考:ぐんまな日々。「下仁田町」

下仁田町への移住の相談窓口・支援

下仁田町では、空き家の支援・移住支援されている方が「道の駅しもにた」に常駐しています。空き家周辺の環境を案内してくれるだけでなく、状況に合わせて車で町内案内もしてくれるので、迷ったら相談してみるのが良いでしょう。

公式:道の駅しもにた

下仁田町への移住に関するお問い合わせ

下仁田町観光案内所の入口

▼下仁田町の空き家・移住に関するお問い合わせはこちら

担当窓口 下仁田町 暮らしの相談窓口
住所 〒370-2603
群馬県甘楽郡下仁田町大字馬山3766-11 道の駅しもにた 内
電話番号 0274-67-7500
公式サイト 移住ポータルサイト:https://www.town.shimonita.lg.jp/shimonita-life/

▼下仁田町役場へのお問い合わせはこちら

担当課 下仁田町役場 企画課
住所 〒370-2603
群馬県甘楽郡下仁田町大字下仁田682 下仁田町役場 2階
電話番号 0274-64-8809
FAX 0274-82-5766
公式サイト 公式サイト:https://www.town.shimonita.lg.jp/