長崎県島原市で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報

この記事では移住を考えている人に向けて、長崎県島原市の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。

長崎県島原市は、長崎県の南東部にある島原半島の東端に位置する、温暖な気候で水と緑に恵まれたまちです。古くから、島原半島の中心都市として政治・経済・文化の中核的役割を担っています。

今回は、島原市役所シティプロモーション課の村田さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
市のキャラクター・しまばらん)

島原市役所シティプロモーション課

村田 健太郎さん

島原市の特徴を3つご紹介

島原市の暮らしの特徴

島原市は、西に「眉山(まゆやま)」、その奥には雲仙普賢岳(うんぜんふげんだけ)、東には「有明海」を望む城下町であり、県内有数の農業地帯でもあります。

そんな島原市での暮らしは、次のような方に適しています。

  • 綺麗な景色や街並みが好き
  • 美味しい水が飲める環境に住みたい
  • 海の幸も山の幸も堪能したい

上記のような方に適している理由を、島原市に見られる3つの特徴から解説します。

特徴1:島原市にしかない景色が楽しめる

島原市の島原城
▲青い空に白い天守閣が映える島原城

島原市には多くの観光資源が存在していますが、特におすすめなのが、島原城と武家屋敷です。市の中心部にある島原城は、「築城の名人」松倉重政が安土桃山期の築城様式を取り入れて築いた壮麗な城で、一見の価値があります。現在は、島原城下町散策クイズラリーなどさまざまなコラボを実施し、観光客でにぎわいます。

島原市の武家屋敷通り
▲武家屋敷通り

島原城の外郭の西には武家屋敷通りがあります。鉄砲を主力とする歩兵部隊の住居だったため、鉄砲町とも呼ばれています。飲料水などの生活用水として、ここから2km離れた水ノ権現(熊野神社)から水路を引き、湧水を流し続けていました。

400年経った現在でも水路は当時の姿のまま残っています。情緒あるまち並みを満喫したい人は、ぜひ散策してみてください。

また、近年は島原鉄道の大三東駅(おおみさきえき)が「日本一海に近い駅」として人気です。屋根も柵もない開放的なホームと、足元に広がる有明海。有明海は干満の差が日本一大きい海ですから、満潮時と干潮時の景色の違いも楽しみたいですね。

島原市「大三東駅」
▲近年はメディアへの露出も多い「大三東駅」

特徴2:生活に根ざした豊かな湧水

島原市の湧水スポット
▲猪原金物店&茶房 速魚川の湧水スポット

島原市では、市内60か所ほどの湧水スポットがあり、地域のみなさんが買い物帰りに生活用水をくんで帰る様子がよく見られます。これほどまでに湧水スポットがあるのは、1792年の雲仙普賢岳の噴火と眉山の大崩壊による地殻変動が理由とされています。

火山灰層や砂れき層でろ過された地下水は、繊細で良質な水として「日本名水百選」と「水の郷百選」に選ばれています。

島原市の市内中心部である新町一帯には、全長100mの水路が流れ、「鯉の泳ぐまち」とも呼ばれています。その名の通り、町内を流れる水路には、色とりどりの錦鯉が放流されています。風情ある街の中を流れる水路で錦鯉が優雅に泳ぐさまは、島原ならではの風景ですね。

島原市の湧水スポット
▲湧水スポットは住民によって大切にされ、日常的に利用されている

特徴3:海の幸・山の幸が楽しめる

島原市のの名物・がんば(ふぐ)の湯引き
▲がんば(ふぐ)の湯引き

島原市では、目の前の有明海からの恵みをたくさんいただけます。とくに養殖のふぐが有名です。島原ではふぐのことを「がんば」と呼んでおり、がんばの湯引きやガネ炊き(※)を楽しんでいます。ふぐの他には、タコやカニも獲れるそうです。
(※)ぶつ切りにした骨つきのふぐの身とタケノコなどを、梅干、酒、醤油、みりんなどで煮付けた料理

島原市の名物・がんば(ふぐ)のガネ炊き
▲がんば(ふぐ)のガネ炊き

島原市では、火山が噴火した際の火山灰が土壌となっているため、ミネラルが豊富な農作物が育ちます。そのため、県内有数の農業地帯となっており、アスパラや大根、トマトやいちごなど、年間を通してさまざまな野菜やフルーツなどが生産され、日本全国の市場へ出荷されています。旬の野菜とフルーツの詰め合わせは、ふるさと納税の返礼品としても人気です。

また、島原市では、雑煮のような「具雑煮」が一年を通して楽しめます。「ガンバ」「ガネ」と並ぶ島原の郷土料理のひとつで、一般的な雑煮との違いは、山の幸・海の幸がたくさん入って具沢山であること。一説では、考案者はあの天草四郎時貞ともいわれています。

島原市の郷土料理「具雑煮」
▲島原の郷土料理「具雑煮」。材料は鶏肉、アナゴ、シロナ、レンコン、ゴボウ、凍り豆腐、椎茸、卵焼き、丸もち、春菊など十数種にも及ぶ

島原市の暮らしに関する情報

ここからは、島原市の暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 8月平均気温28.3℃
1月平均気温7.0℃
※参考:気象庁
人口 人口約43,000人
世帯:約19,800戸
(令和5年2月末現在)
病院 病院・クリニック:41件
歯科:28件
学校 保育施設:27所
小学校:10校
中学校:5校
高等学校:公立4校、私立1校
交通 【海路】
熊本フェリー高速フェリー「オーシャンアロー」(熊本港~島原外港 約30分)
やまさ海運「高速船三池島原ライン」(福岡・大牟田(三池港)〜長崎・島原(島原港) 約50分)

【電車】
島原鉄道線(有明湯江駅、大三東駅、松尾駅、三会駅、島原駅、霊丘公園体育館駅、島原船津駅、島原港駅)

【バス】
島鉄バス
・島原市内および島原半島内の諫早市・雲仙市・南島原市各地と島原市を結ぶ路線バス
・福岡市〜島原市間の高速バス「島原号」(福岡(天神)〜島原駅前 約3時間10分)

【車】
高速インターチェンジまでは約1時間。長崎空港まで約1時間30分
近隣都市 雲仙市、南島原市

島原市内にはスーパーマーケットや衣料品店、ドラッグストアや病院がそろっていますので、日常生活に困ることはありません。ただ、車はあった方が便利でしょう。

子どもの遊び場については、「島原総合運動公園」と「こどもジオパーク雲仙岳災害記念館(がまだすドーム)」がおすすめです。「島原総合運動公園」は、島原ガマダス花火大会の見物、市民体育祭などが行われ、広く市民に愛されています。また、大型遊具がそろっているので、お子さんが楽しく遊べます。

「こどもジオパーク雲仙岳災害記念館(がまだすドーム)」は、火山学者の研究室をイメージした体験コーナーや、トランポリンやボルダリングなど雨の日も嬉しい屋内遊具スペースを楽しめます。

【子育て】子育て支援と独自の教育が充実

島原市では子育て世帯への支援が充実しています。子育て支援センターでは、講座やイベントの開催により、子育てを応援してくれるほか、専任の保育士や保健師に子育てに関する相談ができます。子育て中のお母さん、お父さんの情報交換やふれあいの場としても積極的に活用しましょう。

また「ファミリーサポートセンター事業」も実施しています。子どもの預かり・送迎をお願いしたい人と子育て支援を行いたい人をつなぐ有償ボランティア事業です。子育ての援助を行う人は、センター指定の講習を受講した人に限られています。

経済的な支援も受けられます。ここではその一部をご紹介します。

すこやか赤ちゃん支援事業 第2子以降の育児用品購入の費用を一部助成(市が指定する販売店で使用できる購入券を支給)
・第2子:月額2,000円分の購入券
・第3子以降:1人につき月額3,000円分の購入券
すこやか子育て支援事業(保育料免除) 第2子以降の保育料が無料
高校生世代までの医療費の支援 0〜18歳(満18歳に達する年の年度末まで)の医療費を助成

公式:島原市「島原市の子育て支援」
公式:島原市「保育所等入所の利用マニュアル」

島原市では、教育についてもさまざまな取り組みを行っています。「島原市放課後子ども学習室」として、市内の小中学校では放課後1時間ほど教室を解放して、勉強などができる居場所の提供をしています。学習支援員が見守る中で、宿題や読書など充実した放課後を過ごすことができます。

また、市内の全小学校では、スポーツ選手またはそのOB・OGが、夢に向かって努力することの大切さなどを子どもたちと語り合う「夢の教室」を開催しています。子どもの情操教育に大きく役立つ内容となっています。

城下町・島原ならではの取り組みとしては、「島原子ども狂言」が挙げられます。島原市の伝統文化を子どもたちに伝えることを目的としています。島原城薪能(たきぎのう)の舞台での発表を目標に、子どもたちは稽古を積み重ねています。

【仕事】市内の求人が多い。就農支援もあり

大手求人情報サイトで島原市の求人を調べたところ、約1,300件ヒットしました。これだけ求人数が多ければ、幅広い候補の中から仕事探しができそうですね。(2023年4月時点)
※求人情報の一例

また、島原市は県内有数の農業地帯でもあることから、就農支援も行っています。就農に興味のある人はぜひ活用してください。

就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金) ・農業研修期間中の最長2年間、交付期間1年につき1人当たり最大150万円の交付
・経営開始から最長3年間1人当たり最大150万円の交付

その他、島原市では移住者に向けて仕事に関するさまざまな支援を行っています。

公式:島原市定住・移住サイト 島原暮らし「移住支援策」

【住まい】空き家改修や3世代居住世帯に補助金あり

大手住まい情報サイトで島原市の賃貸物件を調べましたが、件数は少ないようです。地元の不動産会社にも確認した方がよいでしょう。
※賃貸物件の一例

島原市では空き家バンクが活用でき、売買と賃貸の両方が探せます。空き家バンクを利用して売買や賃貸借契約が成立した場合は市からの助成がありますので、ぜひ活用しましょう。

島原市移住促進空き家改修費補助金 空き家改修費(最大50万円)、不要物の撤去(最大10万円)
島原市空き家バンク利用促進奨励金 空き家を購入または賃借し島原市へ移住した世帯へ奨励金を交付(5万円)

公式:島原市定住・移住サイト 島原暮らし「住まい」

また、毎年多くの利用者がいるのが、「3世代ファミリー応援事業補助金(新増改築)」です。一定の要件を満たした3世代居住となる世帯に対し、補助金の交付を行います。補助は3年間で、次のとおりとなっています。

  • 初年度:新増改築に要した費用から他の補助金額を差し引いた残額の2分の1以内、上限30万円(ただし、市内事業者が工事を行った場合上限50万円)
  • 翌年度・翌々年度:新増改築部分にかかる固定資産税相当額の2分の1以内、上限30万円

公式:島原市定住・移住サイト 島原暮らし「住まい」

島原市に移住した人の声・感想

島原市に移住した人の声

次に、島原市に移住した方の感想をご紹介します。

  • 水が綺麗で豊富。生活水にも使いやすくて助かる
  • 待機児童もないし、遊び場も多く、子育てしやすい
  • 温かい人が多いと感じる。大人も子どもも関係なく、挨拶してくれる人が多い
  • 子育てしやすいところと、海が近くて趣味のサーフィンに打ち込めるところがいい
  • 自然の中で暮したらり、素晴らしい景色を毎日見られるといった環境が、便利な都会暮らしよりも大切だと思った

子育てのしやすさや、自然に囲まれた住環境を挙げる方が多いようです。地域の人との温かな交流も好印象のようですね。

島原市へ移住するために利用したい窓口・支援

島原市のお試し住宅の外観
▲お試し住宅は武家屋敷通りにある

島原市への移住を考えたら、一度下見に行ってみましょう。島原市では、体験住宅が利用できます。市の主要観光地でもある「武家屋敷」の通りに面した施設で、庭には湧水を使った池で鯉が泳ぐ姿が眺められますので、「島原暮らし」を思う存分体験できるのではないでしょうか。

利用期間は3日〜14日以内。生活に必要な家具・家電はそろっています。単身者やご家族、セカンドライフのご夫婦など、さまざまな人が利用しているとのことです。

市のキャラクター・しまばらん)
村田さん

湧水がまち中に流れているので、水を触って気持ちいいと感じられる夏から秋にかけての時期にぜひどうぞ!

島原市のお試し住宅の庭にある池
▲お試し住宅の庭にある池では、なんと鯉が泳いでいる

島原市への移住に関するお問い合わせ

移住相談窓口 島原市役所シティプロモーション課
住所 〒855-8555
長崎県島原市上の町537番地
電話 0957-61-1652(直通)
公式サイト 島原市定住・移住サイト 島原暮らし