士別市で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報|縁結び大学
この記事では移住を考えている人に向けて、北海道士別市の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。
士別市は北海道北部の中央に位置し、旭川市から車で約60分のところにあります。北海道第二の大河・天塩川の源流域を有し、「大いなる川」を意味するアイヌ語である「シュペツ」から士別と名づけられました。道立自然公園に指定されている天塩岳をはじめ、天塩川、岩尾内湖など豊かな自然に恵まれた、水とみどりの里です。
今回は、士別市移住ナビデスク・士別市移住コーディネーターの井出俊博さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。
士別市における暮らしの特徴を3つご紹介
内陸の盆地のため、四季の変化がはっきりしている士別市。春夏は温暖で過ごしやすいですが、冬は冷え込み、積雪も1メートルを超えます。士別市は、このような寒暖差を活かし、農業を基幹産業として発展してきました。
道内に同じ読みの標津町(しべつちょう)があるため、「さむらい士別」と呼んで区別することがあり、市内の道の駅の名前も「羊のまち 侍・しべつ」となっています。
そんな士別市での暮らしは、次のような方に向いています。
- 農業にチャレンジしてみたい
- 北海道の大自然の中で暮らしたい
- 安心して子育てができる環境を望んでいる
上記のような方におすすめの理由を、士別市に見られる3つの特徴から解説します。
特徴1:羊のまちとして知られる士別。農業が盛ん
▲農業が基幹産業であり水稲も盛ん
士別市の基幹産業である農業は、稲作を中心に、畑作や畜産、酪農など幅広く営まれています。
先進的なICT農業(ロボット技術や情報通信技術を活用して、省力化や高品質生産を可能にする農業)や酪農におけるTMRセンター(数件~30件の酪農家で使用する飼料をまとめて作成する専用の施設。良質な飼料を安定的に供給できる)の導入といった取り組みを行っており、未来型農業を実践しています。
中でも、士別のブランド羊肉「士別サフォークラム」は、飼料を工夫することで羊独特の匂いが少なく、食べやすいと評判です。羊の生産量の多い北海道においても高級品として扱われており、士別市では、長年、羊を顔としたまちづくりをすすめています。
▲地域ブランド羊肉「士別サフォークラム」
特徴2:士別市の面積は東京都の約半分。四季折々の自然が満喫できる
▲天塩岳道立自然公園の中心にある北海道百名山「天塩岳」
士別市の面積は東京都の約半分とたいへん広大であり、その7割以上が森林です。
北見山地の最高峰の山である「天塩岳」は、クマゲラやナキウサギなど希少動物の生息地としても知られています。キバナシャクナゲをはじめとした多くの高山植物が一面に広がり、動植物の宝庫となっています。
また、士別市を走る天塩川の本流は、256kmと全国4位の長さです。8月に開催される士別天塩川源流まつりでは、天塩川河川敷から打ち上げられる花火が川面を美しく彩ります。
天塩川をせきとめたダム湖である岩尾内湖の周辺にはキャンプ場、バンガローがあり、釣り、カヌー、ボートなどのアクティビティを楽しむことができますので、休日のレジャーにぴったりです。
士別市は、北海道でもトップクラスの星空観測スポットとして知られています。自然豊かな環境で、季節ごとに移りかわる美しい星空を眺めながら、リラックスして心を癒やしてみませんか。
特徴3:子どもがいきいきと過ごせるやさしいまち
▲子ども連れの家族で賑わう「つくも水郷公園」
士別市では、子どもがいきいきとすごすことができる、子どもにやさしいまちを目指して、「子どもの権利に関する条例」を制定しています。それだけ、まちの住民が子どもの権利を大切にしているということですね。
子育て支援の取り組みとして、中学生までの医療費無償化のほか、様々な子育て支援施設を用意しています。
士別市では、日ごろから挨拶や近所づきあいやしっかりしていることもあり、地域全体で子育てを応援する土壌があるようです。
また、地域の観光名所などで、子どもはかけがえのない経験を得られます。たとえば、「世界のめん羊館」では、羊の毛刈りを体験できたり、観光牧場「羊と雲の丘」では、羊に餌やりをしたりトラクターに乗ることができます。こういった経験は、子どもが地域に愛着を持つきっかけとなるでしょう。
士別市の暮らしに関する情報
ここからは、士別市の暮らしに関する情報について見ていきましょう。
気候 | 8月平均気温20.1℃ 1月平均気温-8.5℃ ※参考:気象庁 |
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人口 | 人口:約17,000人 世帯:約9,000戸 (令和5年1月31日現在) |
病院 | 病院・クリニック:12件 歯科:9件 |
学校 | 市立保育所・認定こども園:3所 私立認可外保育所:2所 地域保育所:2所 一時保育:2所 幼稚園:3所 小学校:6校 中学校:4校 高等学校:道立1校、市立1校 |
文化・芸術 | 【博物館・文化財】 士別市立博物館:1981年(昭和56年)7月1日開館 士別屯田兵屋:西士別町ふどう公園 瑞穂獅子舞:瑞穂獅子舞保存会、瑞穂獅子舞伝習館 上士別遺跡:およそ6000年前の縄文人の竪穴建物の遺跡。1971年発掘。 祖神の松(そじんのまつ) 【祭事・催事】 サフォークランド士別ハーフマラソン大会 岩尾内湖水まつり 士別神社例大祭 天塩川源流まつり 産業フェア しべつ雪まつり |
食べ物 | 士別サフォークラムのジンギスカン サフォークせんべい 天サイダー YAKITORI |
交通 | 【空港】 市内には空港はなく、旭川空港が最寄りの空港となる(士別駅から旭川空港まで、JR快速と空港連絡バスで約2時間) 【鉄道】 北海道旅客鉄道(JR北海道) 宗谷本線:士別駅、多寄駅、瑞穂駅(士別駅から旭川駅まで「特急宗谷」で約40分) 【バス】 〇都市間バス 道北バス(旭川~名寄) 士別軌道(士別~名寄(風連)) 〇市内バス 士別軌道(市内循環、郊外路線) 〇高速バス 北海道中央バス(高速なよろ号)(札幌まで約3時間) 【道路】 〇高速道路 道央自動車道:士別剣淵I.C.(士別剣淵I.C.から旭川北I.C.まで約30分) |
観光・レジャー | つくも水郷公園 羊と雲の丘 めん羊牧場 かわにしの丘 岩尾内湖 ほたるの里 道の駅羊のまち 侍・しべつ |
近隣都市 | 旭川市、名寄市 |
▲羊肉だけじゃない。士別のソウルフード「YAKITORI」
士別市は四季の変化がはっきりしています。5月~9月上旬までは天気に恵まれ気温も上がりますが、11月中旬から寒くなり、積雪は平地でも1メートルを超えます。冬の雪対策は必須です。
買い物については、市街地には、スーパーマーケットやドラッグストアが複数あります。また、道北に4店舗を構えるデパート・西條の士別店があり、生活必需品はここでそろうので、日頃の買い物は市内で完結できそうです。
士別市では、生涯学習を推進しており、まちづくり塾や市民クロスカントリー大会など、様々な分野において、特色ある取り組みを進めているほか、市内の各部・社会教育施設には「生涯学習インストラクター」が常駐し、生涯学習に関する相談を受け付けているので、何か学びたいときや新しいことを始めたいときは、ぜひ相談してください。
士別駅から徒歩5分のところには、いきいき健康センターがあります。市民の健康づくりや交流活動を通じて「健康長寿日本一」を目指す施設です。1階のオープンスペースでは、足湯、木の玉プール、クライミングウォールなどが楽しめます。開館時間内はどなたでも利用できるので、お子さんを連れて利用してみてはいかがでしょうか。
【子育て】子どもの預かり援助など、地域で支える支援が充実
子育て支援センターなどの設置や一時保育の拡充、中学生までの医療費無償化など、子育て世帯に寄り添った事業を行っています。ここでは、その一部を紹介します。
特別保育推進事業 |
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保護者の仕事などで、普段利用している保育施設の開設時間外に児童の保育を必要とするとき、市が指定した団体が子どもを預かります。お子さんの病気回復期の保育にも利用できます。 |
どさんこ・子育て特典制度 |
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妊娠中の人もしくは小学生までの子どもがいる世帯が、子どもと同伴で買い物や施設などを利用するときに、特典カードを提示することで、協賛店舗からさまざまなサービスを受けられます。 |
ファミリー・サポート・センター事業 |
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子育てを支援してほしい親(依頼会員)と子育てを応援したい人(サポート会員)とつなげる活動。学校、保育所などの開始前や終了後に子どもを預かってもらったり、保育施設までの送迎をお願いしたりできます。サポート会員は、保育士または子育て経験のある20歳以上の人で、市の講習を受講しています。 |
放課後等デイサービスセンター青空 |
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障がいをもつ18歳未満の就学児を対象に、個々人の心身の状況に応じて、日常生活動作が身に付くよう支援するとともに、集団生活に適応するためのコミュニケーション能力の向上を支援しています。 |
【仕事】通勤は市内がメイン。新規就農者も募集中
大手求人情報サイトで士別市の求人を調べたところ、400件以上ヒットしました(※2023年3月時点)。
※求人情報の一例
広大な面積を持つ士別市ですから、市外へ通勤する人はあまりいないようです。市内を中心に探すか、完全リモートワークなど自宅でできる仕事をするとよいでしょう。
士別市では、農業、畜産が盛んです。これらの仕事に就きたい場合は、士別市地域おこし協力隊(※)に応募して、就農研修者として働き始めるとスムーズです。
(※)人口減少や高齢化などが進む地方に、都市部の意欲ある人材を積極的に誘致し、定住・定着を図る取り組み。
【住まい】賃貸物件は市中心部が多い。空き家バンクも利用しよう
大手住まい情報サイトで士別市の賃貸物件を調べたところ、100件超の物件がありました。士別市の中心部をメインに多くの賃貸物件があります。家賃の目安は1LDK・2DKで5万円台、2LDK3DKで6万円台となっています(※2023年3月時点)。
※賃貸物件の一例
また、士別市では空き家バンクも設置しています。空き家や空き地をお探しの人は、「士別市移住ナビデスク」に相談してみてください。
士別市に移住した人の声・感想
次に、士別市に移住した方の感想をご紹介します。
- 移住時には、士別市の環境や暮らし方をネットで調べてもなかなか出てこなくて不安だったが、周囲の人の温かさのおかげで、今では親子ともども士別市での生活に慣れた。
- 農業が盛んで、受け入れ体制もしっかりしている。農業を目指す人には大きな可能性のある地域。
- スーパー、コンビニ等生活できる最低限のものはそろっていて、少しいけば田園風景など豊かな自然を満喫できるのがよかった。
- 市街地は交通の便がよいが、山の方はバスの便数が少ない。
- 想像以上に雪が多かった。
農業を始めたい人にはとても魅力的なようです。また、自然豊かでありながらも、市内で生活必需品がそろう点が好評です。市街地ではなく山の近くに住むなら車があった方がよいですね。
士別市へ移住するために利用したい窓口・支援
士別市では、移住を希望する人の相談窓口として、「士別市移住ナビデスク」を設置しており、オンライン・対面での相談を受け付けています。空き家の案内や子育て・仕事など生活全般の相談ができます。
▲「士別市移住ナビデスク」は道の駅「羊のまち 侍・しべつ」内に設置されている
また、士別市主催の移住体験が過去3回開催されています。開催時期によって季節ごとの楽しみを満喫できるプログラムで、参加者からは毎回好評です。市内の雰囲気がわかりますし、交流会で地域の人と知り合えるので、移住のよい検討材料になります。士別市への移住に興味を持った人は、ぜひ参加してみてください。
さらに、短期移住やワーケーションにおすすめなのが、ゲストハウス&カフェバー「エストアール」。オーナーが士別市移住コーディネーターなので、移住や観光についてお話が聞けます。
▲エストアールは移住体験の宿泊先にもなっている
移住支援としては、士別市に移住・定住する人が、中古住宅等を取得しリフォーム工事を行う場合に、費用の一部を助成する制度があります。対象は、市内事業者を活用した50万円以上の工事です。詳しくは士別の魅力 移住・観光サイトにてご確認ください。
公式:士別の魅力 移住・観光サイト「移住・定住者に関する住宅リフォームの助成制度」
士別市への移住に関するお問い合わせ
移住相談窓口 | 士別市移住ナビデスク |
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住所 | 〒095-0019 北海道士別市大通東5-440-23 |
電話 | 0165-26-7353 |
公式サイト | 士別の魅力 移住・観光サイト |