長野県坂城町への移住!自然と便利さが融合した暮らしの魅力

この記事では移住を考えている人に向けて、長野県坂城町(さかきまち)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。

長野県坂城町は上田市と長野市の間に位置しています。町の中央には千曲川(ちくまがわ)が流れ、周囲を山々に囲まれた自然豊かな町です。

今回は、坂城町企画政策課の神林さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
長野県坂城町のゆるキャラ「ねずこん」

坂城町 企画政策課 企画調整係

神林 春美さん

長野県坂城町の暮らしの魅力:移住前に知っておきたい3つの特徴

長野県坂城町の暮らしの特徴

日本で最も降雨量が少なく、晴天の日が比較的多い地域です。この気候を活かし、りんごやぶどうなどフルーツが盛んに栽培されています。また、機械・金属加工業を中心に多くの企業が集積しており、「ものづくりのまち」とも呼ばれています。

そんな坂城町での暮らしは、次のような方に適しています。

  • 自然に囲まれて暮らしたいが、交通の便も気になる
  • 子育て中またはこれから子育て予定
  • 職住近接の仕事を探したい

上記のような方に適している理由を、坂城町に見られる3つの特徴から解説します。

特徴1:自然豊かな環境と便利な交通アクセスの両立

坂城町全景
▲坂城町全景。町の中央には千曲川が流れている

坂城町は川や山があり自然豊かなまちですが、一方で交通の便がよいことが特徴です。近隣都市の上田市までは約20〜30分、長野市までは約1時間(上信越自動車道を利用すれば坂城I.C.から長野I.C.まで約15分)なので、大型ショッピングモールなどで買い物をしたいときや専門的な医療を受けたいときも便利です。

また、東京までは新幹線で約1時間30分と好アクセスです。普段はリモートワークで、時々東京に通勤するような勤務形態でしたら問題なく通勤できますし、都市部との二拠点生活も可能です。

各都市から坂城町へのアクセス
▲各都市から坂城町へのアクセス。

特徴2:充実した子育て支援制度と教育環境

手つなぎブランコをする家族

坂城町は、子育て世帯への支援に力を入れています。子育て世代包括支援センター(保健センター・子育て支援センター)では妊娠期からの切れ目のない支援を行っており、随時、相談を受け付けています。また、さまざまな子育て講座や行事も行っています。

坂城町で実施している経済的な支援の一部をご紹介します。

不妊治療費・不育症治療費助成 不妊治療を受けた夫婦に治療費の一部を助成。県から助成を受けても、治療費から県補助額を差し引いて上限50万円までは、町から助成を受けられる
不妊治療費:1年度50万円まで
不育治療費:1回の妊娠につき10万円まで
出産祝 出生した子ども1人につき1万円分、第3子以降は3万円分の商品券を支給
出産・子育て応援給付金 出産応援給付金:妊婦1人につき5万円を支給
子育て応援給付金:子ども1人につき5万円を支給(多胎児の場合は人数分支給)
保育料の無償化 3〜5歳児の保育料を無償化。0歳から2歳児は第2子は同時通園で半額、第3子以降は全額無償化
保育園の副食費の無償化 保育園に通う3〜5歳児の副食費を無償化

公式:坂城町「児童福祉」

また、18歳以下の子どものいる家庭には「ながの子育て家庭優待パスポート」が配付されます。協賛店舗での買物の際に提示すれば、協賛店舗ごとのサービスや特典が受けられます。

小・中学校では、一人1台のPC端末(chromebook)を使い、みんなで学び合う学習に取り組んでいます。また小学校は3校あり自宅から近いため、徒歩で通学できる点も良いですね。

町内には県立高校が1校あり、生徒一人ひとりに合わせた教育を進めています。

特徴3:「ものづくりのまち」としての豊富な求人と職住近接の実現

工場イメージ

坂城町は、機械・金属加工業を中心に多種多様な企業が集積しており、社長が多い町としても知られています。世界で活躍する企業も多く存在し、製造品出荷額等は県内町村1位です。そのため、求人が豊富で、町内で仕事を探すことができます。職住近接なら、帰宅後に家族と過ごす時間も増えますね。

坂城町での生活:移住後の暮らしに役立つ具体的情報

ここからは、坂城町の暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 坂城町に観測地点がないため、近隣の上田のデータを掲載
8月平均気温24.9℃
1月平均気温-0.5℃
※参考:気象庁
人口 人口:約14,000人
世帯:約6,200戸
(令和5年5月1日現在)
病院 病院・クリニック:7件
歯科:5件
学校 保育園:3園
幼稚園:1園
小学校:3校
中学校:1校
高等学校:1校
交通 【鉄道】
しなの鉄道線:テクノさかき駅、坂城駅

【バス】
坂城町循環バス

【車】
上田市まで約20〜30分、長野市まで約1時間
坂城I.C.から上信越自動車道で長野I.C.まで約15分、碓氷軽井沢I.C.まで約35分
近隣都市 上田市

坂城町では、鉄道が走っていますが、移動は車が基本ですので、車はあった方がよいでしょう。日頃の食料品・日用品は町内で購入できます。大きなショッピングモールなどで買い物をしたいときは、上田市(車で約20〜30分)か長野市(車で約1時間)へ行くことになります。

また、坂城町の冬は、雪はあまり降りませんが、気温が低いのが特徴です。暖かい地域から移住する人は、冬に一度下見をして、寒さを確認しておくとよいでしょう。

坂城町の魅力的なイベントと自慢の特産品

坂城町の「さかき千曲川バラ公園」
▲「さかき千曲川バラ公園」では330品種2,300株のバラが見事な花を咲かせる。見頃は5〜6月頃

坂城町のイベントとしては、5月下旬頃から「さかき千曲川バラ公園」で開催される「ばら祭り」と、例年5月末〜6月頭ごろに開催される「坂城駅前葡萄酒祭」があります。

「ばら祭り」では、330品種2,300株のバラが見事な花を咲かせ、観光客の目を楽しませています。バラ苗や坂城町の特産品販売、バラ挿し木講習会や育て方相談なども行われています。

「坂城駅前葡萄酒祭」は坂城町内はじめ県内のワイナリーやビール、日本酒、飲食店が集まるワインイベントです。令和5年は5月28日に開催されました。

坂城町の特産品としては、糖度の高いりんごやぶどうのほか、「ねずみ大根」があります。ねずみをイメージさせる形と辛味が特徴の大根で、郷土の伝統料理「おしぼりうどん(※)」にも使われます。強い辛味の中にも、まろやかな甘い後味があり、地元では「あまもっくら」と表現します。ねずみ大根を使用した焼酎は、ふるさと納税の返礼品としても人気です。
(※)ねずみ大根の搾り汁に信州味噌や鰹節・薬味を入れ、うどんのつけ汁とする

坂城町のゆるキャラ「ねずこん」と「ねずみ大根」
▲坂城町のゆるキャラ「ねずこん」と「ねずみ大根」

子育て環境:「びんぐしの里公園」を中心とした充実の遊び場

坂城町の「びんぐしの里公園」
▲「びんぐしの里公園」。テニスコートや屋内ゲートボール場も併設されている

子どもの遊び場は「びんぐしの里公園」がおすすめです。広い芝生があるのでピクニックもできますし、遊具が豊富で一日中遊べます。思い切り遊んだら、公園内の温泉施設「びんぐし湯さん館」で汗を流すのもよいでしょう。

公式:びんぐし湯さん館

坂城町の「「びんぐし湯さん館」」の露天風呂
▲「びんぐし湯さん館」の露天風呂。「びんぐし湯さん館」では、18歳以下の子どものいる家庭に配付される「ながの子育て家庭優待パスポート」が利用できる

仕事事情:機械・金属加工業を中心とした豊富な求人と農業支援

大手求人情報サイトで坂城町の求人を調べたところ、約580件ヒットしました。
※求人情報の一例

前述した通り、坂城町には、機械・金属加工業を中心に多くの企業があります。求人数も多いので、仕事も探しやすいのではないでしょうか。

また、坂城町では「アグリサポート事業」を実施しています。農業経験はないけれど農作業を体験してみたい人や、農作業に従事したい人・農作業をお手伝いしたい人などを幅広く募集しています。

坂城町農業支援センターの「アグリサポーター」として入会すると、農家さんからの依頼に応じて農作業に従事して、作業報酬の支払いを受けます。興味のある人は農業支援センターに応募してみましょう。

公式:坂城町「アグリサポーター募集!(農業体験・農業の応援団)」

住まい探し:活用したい各種補助金と支援制度

大手住まい情報サイトで坂城町の賃貸物件を調べたところ、約40件ヒットしました。
※賃貸物件の一例

坂城町では、空き家バンクが利用できます。リフォームが必要な物件が多いので、補助金を利用しましょう。

空き家バンク利用促進補助制度 空き家バンクの登録物件を対象に、住宅内にある家財道具などの片付けや住宅の改修工事に対して助成
上限10万円。定住を目的に購入した場合の工事費の上限は50万円

坂城町では、ほかにも住まいに関する補助があります。該当する場合は活用してください。

坂城町結婚新生活支援事業 結婚に伴い新規に支払った住宅取得費用、または住宅賃借費用、引っ越し費用、リフォーム費用を補助(所得要件あり)
上限30万円。夫婦ともに29歳以下の場合は60万円。
住宅リフォーム補助事業 町内業者による住宅リフォーム費用の一部を助成
上限5万円
坂城町移住定住促進補助金 移住・定住を目的に町内でマイホームを新築、または新築住宅を購入される人に補助
対象住宅1件につき、10万円(新築住宅1件につき1回まで)
町土地開発公社分譲地購入特典 坂城町土地開発公社の住宅分譲地を購入した人に下記の特典を進呈
・子育て支援助成金:未成年1人につき20万円
・転入促進助成金:1戸30万円
・固定資産税助成金:初年度全額補助
・町内日帰り温泉施設年間利用券(74,000円相当)

公式:坂城町「住宅リフォーム補助事業」

坂城町住宅用スマートエネルギー設備導入事業補助金も活用できます。

住宅用太陽光発電システム

住宅で消費する電気を太陽光から直接変換する機器、及び変換された電気を供給するために必要な機器により構成され、余剰電力を電力会社に供給することができる機能を備えた装置で、当該太陽電池の最大出力の合計値が10kW未満の未使用のもの

補助金額:システムの設置費用に対し、1kW当たり15,000円とし、当該金額に太陽電池の最大出力の値(kW単位とし、小数点第2位未満の端数は切捨て)を乗じて算出した額。

家庭用定置型蓄電システム

電力変換装置が一体的に構成されている未使用のもの

補助金額:システムの設置費用に対し、3分の1以内の額。(上限200,000円)

家庭用エネルギー管理システム

住宅の機器及び電力設備に接続し、エネルギー使用状況の「見える化」ができ、省エネを促す情報提供機能を有しているシステムであり、「ECHONET Lite」規格を標準インターフェイスとして搭載している未使用のもの

補助金額:システムの設置費用に対し、3分の1以内の額。(上限50,000円)

電気自動車等充給電設備

電気自動車と住宅の間で相互に電力を供給できる未使用のもの

補助金額:システム設置費用に対し10分の1以内の額。(上限100,000円)

公式:坂城町「坂城町住宅用スマートエネルギー設備導入事業補助金

国・県と共同で実施している「UIJターン就業・創業移住支援事業補助金」制度もあります。

坂城町UIJターン就業・創業移住支援事業補助金 東京圏、愛知県または大阪府から坂城町に移住し、長野県マッチングサイトに登録されている企業に就業、または創業支援金の交付決定を受けて起業された人などで対象要件を満たす人に、単身での移住に60万円、世帯での移住に100万円を支給
※18歳未満1人につき、最大100万円を加算

公式:坂城町「坂城町UIJターン就業・創業移住支援事業補助金」

坂城町移住者の声:実際の暮らしぶりと感想を紹介

長野県坂城町に移住した人の声・感想

次に、坂城町に移住した方の感想をご紹介します。

  • 自然が多く生活環境がよいのに、近隣都市へもアクセスしやすい
  • 近所に住む方が気さくに話しかけてくれたり、子どもに優しく接してくれたりと、人柄のよさを感じる
  • 教育環境が充実している。自然豊かな公園もあり、子育てにはよい環境
  • 地域の人々が穏やかで、過ごしやすい町

住民の人柄のよさが好印象のようで、移住しても孤独を感じることはなさそうです。町で開催しているヨガや俳句などの生涯学習教室やイベントで、地域の人々と交流できると嬉しいですね。また、坂城町ではフレンドリーな方が多く、飲食店などでもコミュニケーションを取れるとのことです。

坂城町への移住ステップ:体験ハウスの利用からお問い合わせ先まで

坂城町の「移住体験ハウス」の外観
▲「移住体験ハウス」。利用期間は2〜8日間

坂城町への移住を検討し、情報収集が済んだら、下見に行ってみましょう。坂城町には「移住体験ハウス」があり、無償で利用できます。また、リクエストに応じてオリジナルのツアーに案内してくれます。

対象者は(1)町内企業のインターンシップに参加する人(2)町内での新規就農体験に参加する人(3)町が行う町内見学・体験ツアーに参加できる人です。町内企業のインターンシップや就農体験に参加してみたい人や、坂城町での暮らしを体験してみたい人はぜひ申し込みましょう。

体験ツアーも開催予定とのことですので、こちらもぜひ参加してみたいですね。

長野県坂城町のゆるキャラ「ねずこん」
神林さん

下見は坂城町のよさを体感しやすい5〜6月がおすすめです!

坂城町移住相談窓口:気軽に問い合わせできる企画政策課

坂城町の「移住体験ハウス」からの景色
▲「移住体験ハウス」からの景色

移住相談窓口 坂城町 企画政策課 企画調整係
住所 〒389-0692
長野県埴科郡坂城町大字坂城10050番地
電話 0268-82-3111(代表)
公式サイト 坂城町 移住・定住