【北海道羅臼町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「北海道羅臼町(らうすちょう)」をご紹介します。

羅臼町は知床半島の東南側に位置し、面積のほとんどが世界自然遺産「知床」の中にあるという、雄大な自然に恵まれたまち。都会では考えられないような、圧倒的な自然に囲まれて暮らしたい方には、ピッタリといえる移住先です。

まちが面する豊かな海は、多くの海産物も育んでいます。年間を通して新鮮で多彩な海の幸を味わうことができるので、魚介類が好物なら、毎日の食事の楽しみ度がグンと上がるかもしれません。

また、医療・介護系のお仕事に対する手厚い支援があることも羅臼町の特徴。これらのお仕事に就いている方・就く予定の方には、特に暮らしやすい環境であると言えるでしょう。

そんな羅臼町について、まちでの生活の特徴や移住した方の体験談など、移住に役立つ情報をたっぷりとお届けします。

本日お話を伺った方
羅臼町役場の藤本さん

羅臼町役場 企画振興課 企画振興係長

藤本 茂典さん

地域おこし協力隊の近藤さん

地域おこし協力隊

近藤 雨さん

羅臼町の暮らし、3つの特徴

羅臼町の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には羅臼町がおすすめです。

  • 都会では体験できないような、圧倒的なスケール感の自然を味わいたい
  • 海を身近に感じる暮らしをしたい
  • 海の幸が好物。一年中、新鮮でおいしい魚介類を食べたい
  • 医療・介護関連の仕事をしている

なぜこのような方に羅臼町が向いているのか、その理由を踏まえつつ、羅臼町の暮らしの特徴を紹介していきます。

特徴1:雄大な自然に圧倒される!世界自然遺産のまち

羅臼町の航空写真

北海道東部の羅臼町は、その全域が知床半島に位置しています。知床は、2005年にユネスコによって世界自然遺産に認定登録されたエリア。絶滅危惧種をふくむ、海と陸の多様な動植物が息づく、世界的にも貴重な地域です。

羅臼町ではそんな、厳しくも美しい、圧倒的な自然を肌で感じることができます。

住宅の窓の外に野生の鹿が歩いていたり、海岸近くではキタキツネに出会うことも。登山をすれば神秘的な原生林や数多くの高山植物、観光船に乗ればクジラやシャチ、冬には流氷、オジロワシやオオワシを見ることができます。

草を食べているエゾシカ

羅臼町は、都会では決してできない、大自然と共存するような暮らしがしたい方に、特におすすめの移住先なのです。

海面に見えるクジラの尾
▲野生のクジラやイルカに出会える場所は、国内でも数少ない。羅臼町では観光船のほか、陸からその姿が見られることもある

特徴2:豊かな海がもたらす海の幸が盛りだくさん

海鮮丼
▲画像引用:羅臼町

羅臼町が面するオホーツク海は、冬になれば流氷に覆われ、豊富な海産物を育てます。

加えて、長い年月受け継がれてきた漁師さんたちの技術もあり、1年を通して多種多様な魚介類が水揚げされる羅臼町。「魚の城下町」と呼ばれるほど、新鮮でおいしい海の幸が味わえる環境です。

まちの漁港に揚がるのは、例えばこんなラインアップです。

  • 羅臼昆布
  • ホッケ(通年)
  • スケトウダラ(1月~3月)
  • エゾバフンウニ(1月下旬~6月)
  • マタラ(4月~5月)
  • キンキ(5月~12月)
  • ボタンエビ(7月~10月)
  • 鮭(9月~10月)
  • イカ(9月~11月)

高級料亭などで重宝される「羅臼昆布」や、その羅臼昆布を食べて育つことから「日本一贅沢なウニ」とも呼ばれる「エゾバフンウニ」をはじめ、バラエティ豊かな魚介類がズラリ。

羅臼町では、道の駅や商店などで、これらの魚介類が手軽に購入できます。お魚が好物の方なら、移住によって日々の食の楽しみがグンとアップするかもしれません。

特徴3:医療・介護関連職に手厚い支援

都心部からの移住を検討している方の中には「移住先に仕事があるか心配」「仕事が見つかるまでの間の生活費が不安」というお悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

羅臼町では、医療・介護関連のお仕事をしている方への支援が充実しています。これらの職種に就いていらっしゃる方にとっては、頼もしい追い風となるのではないでしょうか。

たとえば、町内の介護施設に職員として採用された方は、「介護職員支度金補助金」として、着任準備金を無利子で借りることができます。

対象者 補助金額
介護福祉士 72万円
介護福祉法施行規則に規定される、介護職員初任者研修修了者 48万円
上記以外 24万円

また、将来医療・看護職へ就くための学校などへ通っている方へ向けた、修学資金貸付制度もあります。ご本人またはお子さんが修学中・修学予定という方は、検討してみてはいかがでしょうか。

詳細:羅臼町医療技術者修学資金貸付制度

過去の事例として、医療従事者限定の「職場体験付き移住モニターツアー」も開催されていました。宿泊施設付きで、まちの魅力を満喫しながら、職場を体験できるという内容です。

今後、同様の企画が催される可能性もあるので、こちらも参考にしてみて下さい。

詳細:職場体験付き移住モニターツアー(医療従事者)※募集は終了しています

羅臼町の暮らしに関する情報

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、羅臼町の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。

気候 2月:平均気温−4.8°C
8月:平均気温17.8°C
※参考:気象庁ホームページ
人口 人口:4,403人
世帯数:2,027世帯
(2023年9月末現在)
近隣都市 標津郡標津町、斜里郡斜里町
公共交通 バス:阿寒バス
大都市へのアクセス 札幌へ:車で約1時間15分+飛行機で約1時間
東京へ:車で約1時間15分+飛行機で約2時間
病院 診療所1、歯科1
学校 幼稚園2、小学校2、中学校1、高校1
行事・イベント 知床雪壁ウォーク、羅臼神社祭、しれとこ羅臼こんぶフェスタ、らうすオジロまつり
名所・観光 知床峠、熊越の滝、羅臼国後展望塔、クジラの見える丘公園、北の国から2002遺言ロケ地

年間を通して冷涼な気候の羅臼町。特に夏場は涼しく快適に過ごすことができます。一方で冬には風が強く、風に運ばれた雪で家の前が埋まってしまうようなことも。

もっとも、町内ではタイヤショベル(ホイールローダー)の所有率が高いため、ご近所同士で除雪をすることも珍しくないそうです。こういった助け合いの精神が根付いているところも羅臼町の特徴と言えるでしょう。

買い物面では、町内にドラッグストアや商店、ホームセンターなどがあり、日常生活に必要なものは手に入れることができます。大型ショッピングセンターや衣料品店を利用する際は、近隣の中標津町へ足を伸ばす方が多いそうです。

公共交通機関は基本的にバスのみで、本数も多くないため、生活には車が必須となります。

一方で車があれば、町内での暮らしや近隣のまちへのお出かけに便利なのはもちろん、最寄りの空港である「根室中標津空港」まででも約1時間15分です。

そこから空の便で、札幌まで約1時間、東京まででも約2時間で到着。週末のプチ旅行や、東京方面に住んでいる家族や友達との行き来にも便利と言えるでしょう。

羅臼町は、ドラマ「北の国から2002遺言」のロケ地としても知られています。根強いファンがまちを訪れることも多く、「道の駅 知床・らうす」では、ロケ地でスタンプを集める「北の国からパスポート」なども入手できます。

【仕事】近隣ハローワーク情報の参照もおすすめ

2023年10月現在、大手求人情報サイトで羅臼町から通勤約30分(25km)圏内の正社員求人を検索すると、約40件がヒットしました。

参考:正社員求人情報の一例(羅臼町から25km圏内)

仕事面では、前述の通り、医療・介護職の方への支援が充実しているのが特徴的です。

また羅臼町では、町内に暮らす人が安定的な仕事で生活を送れるよう、さまざまな取り組みを行っています。

町の公式サイトでは、羅臼町独自の求人やハローワーク中標津の求人も紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。

詳細:羅臼町内の求人情報

【住まい】移住者向けの支援制度あり

羅臼町の公式サイトでは「空き家・空き地バンク」と、町内で空き部屋がある集合住宅の情報が公開されています。

空き家には、店舗や事業所に向いた物件もあるので「移住後にお店を開きたい」などの希望がある方はぜひ見てみてください。

詳細:空き家・空き地バンク登録状況/アパート・マンション空き部屋登録状況

そのほか、町営住宅もあります。

詳細:町営住宅について

羅臼町は、海岸に沿って国道が通るまちです。知床岬の先端の方をのぞき、町内のどこであっても利便性にそれほどの差はないでしょう。

なお、移住者へ向けた住宅支援としては、以下の制度が利用できます。

羅臼町引越支援補助金 羅臼町への引越費用の一部を補助(最大10万円)
羅臼町移住者の新築住宅支援補助金 移住者の新築住宅の取得費用の一部を補助(最大200万円)
羅臼町移住者の中古住宅取得・リフォーム補助金 移住者の中古住宅取得及びリフォーム費用の一部を補助(最大150万円)

【育児・教育】大自然を舞台に学び、遊ぶ環境

羅臼町では、町内の幼稚園から高校まですべてが「ユネスコスクール」に加盟しています。

ユネスコスクールとは、ユネスコの理念に沿い、国際的な連携や平和を目指した教育を行う学校のこと。

世界自然遺産のまちとして“自然界の成り立ち”や“未来に向けた課題”といったテーマが身近な羅臼町は、こういったことを学ぶにはピッタリの環境です。

一方で、生態系やヒグマへの対処法などを学ぶ「知床学」や、知床岬のベースキャンプまで歩き5泊6日を過ごす「ふるさと少年探検隊」など、子ども達が地域を知り、ふるさとへの愛着を育むための取り組みも積極的に行われています。

川べりで遊ぶ子ども達

お子さんに対し「足元から地球全体まで、広い視野をもったグローバルな人に育ってほしい」と願う方にとっては、羅臼町の教育体制は理想的と言えるかもしれません。

子ども達が遊ぶ場所も、主には大自然の中です。川や海などの自然と十分に触れ合いながら、羅臼町の子ども達は、のびのび・すくすくと育っていきます。

川で水遊びをする子ども達

羅臼町へ移住した人の体験談・感想

羅臼町へ移住した人の体験談

ここでは、移住して羅臼町に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。

  • 大自然を身近に感じて暮らすことができ、観光船に乗ればシャチやイルカに会うなど貴重な体験もできる。子育てにもとても良い環境だと思う。
  • まち全体に心地よい静かさがある。特に朝は、しんと静まり返った中にかもめの声だけが聞こえたりと、都会とはまったく違った暮らしを満喫している。
  • 魚介類がとにかくおいしい。海の豊かさはもちろん、漁港では、漁師さん達の心意気のようなものをひしひしと感じる。
  • 近所の人が「バーベキューをしているからおいで」と誘ってくれたり、和気あいあいとした地域づきあいを楽しんでいる。

スケール感の大きな自然があり、人と人とのつながりも豊かな羅臼町。都会とは正反対ともいえる暮らしを楽しんでいる方が多いようです。

子育て世帯の方からの「子どもがのびのび育ち、多くを学ぶ環境としても最適」という声も目立ちました。羅臼町にはお子さんが「知床の大自然の中で学びたい」と希望して、親子で移住された方もいらっしゃるそうですよ。

羅臼町への移住に向けた行動

ここでは、羅臼町への移住に向けて、実際に起こせる行動をご案内します。

オンライン相談で“初めの一歩”

羅臼町では、移住を検討している方にむけたオンライン相談を実施しています。他地域から羅臼町へ移り住んでいる方をはじめ、数人のスタッフで対応します。

「羅臼町ってどんなところ?」「移住のためにまず何から始めればいいのか分からない」という方こそ、ぜひリアルな“羅臼町に暮らす人の声”を聞いてみてはいかがでしょうか。

詳細:羅臼町オンライン移住相談

「ちょっと暮らし住宅」で羅臼町暮らしを体験

「ちょっと暮らし住宅」外観

羅臼町を訪れて、気候や雰囲気を体験したり、住まい探しなどをしたいという方には「ちょっと暮らし住宅」の利用がおすすめです。

そのまちが自分に合っているかを知るには、やはり現地に滞在してみるのが最良の方法です。本気で羅臼町への移住を考えている方は、ぜひ、羅臼町暮らしを体験してはいかがでしょうか。

詳細:羅臼町ちょっと暮らし住宅

「ちょっと暮らし住宅」室内

羅臼町への移住に関するお問い合わせ

担当課 企画振興課
住所 北海道目梨郡羅臼町栄町100番地83
電話番号 0153-87-2114
対応時間 平日8:45〜17:30
公式サイト https://www.rausu-town.jp/pages/view/431