長野県王滝村で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報

この記事では、関東甲信地方での移住を検討している人に向けて、長野県王滝村(おうたきむら)の暮らしに役立つ情報を紹介します。

長野県の南西部に位置する王滝村は、御嶽信仰(おんたけしんこう)(※)のもと、ハードモードな生き方を求める人々が集うまちです。
(※)厳しい修行を重ねた道者といわれる人々が集団で登拝する、木曽御嶽山を中心とした山岳信仰

雄大な自然の中で自給自足の生活を送りたい方はもちろん、子育て支援も充実していることから、緑の多い環境で、のびのび子育てしたい方にもおすすめのエリアになっています。

今回は王滝村役場 企画観光推進室・室長の髙田慎一さんと、移住相談員の杉野明日香さんにインタビュー取材させていただいた内容をもとに、王滝村の特徴や魅力についてお伝えしていきます。

本日お話を伺った方
王滝村役場 企画観光推進室・室長 髙田慎一さん

王滝村役場 企画観光推進室・室長

髙田 慎一さん

女性スタッフのアイコン

王滝村役場 移住相談員

杉野 明日香さん

王滝村の3つの特徴

長野県王滝村の暮らしの特徴

王滝村で暮らす大きな特徴として、次の3点が挙げられます。

ここからは、これらの特徴について詳しく紹介します。

特徴1:大自然を活かした「アクティビティ」を満喫できる

王滝村は御嶽山(おんたけさん)をはじめ、おんたけ湖や⁩⁦自然湖⁩などの湖や川に囲まれた、自然豊かなまちです。四季の移ろいを肌で感じられるのはもちろん、自然を活かしたアクティビティも盛んに行われています。

長野県王滝村にあるおんたけ湖の写真
▲天気が良い日には、おんたけ湖周辺の山々が湖面に映ります

長野県王滝村に流れるうぐい川で遊ぶ子どもたちの写真
▲王滝村の南西を流れる「うぐい川」は、地元の子どもたちの夏の遊び場です

おんたけ湖や自然湖の湖上では、「カヌーツーリング」が楽しめます。レクリエーショナルカヌーを使うので、初心者でも安定した走行が可能。

水のゆらぎを感じながら、ゆったりとした時間を過ごせば、心も穏やかになるのではないでしょうか。

長野県王滝村にあるおんたけ湖でカヌーツーリングしている写真
▲カヌーツーリングでは、おんたけ湖の湖上をのんびりと散策します

長野県王滝村にある自然湖でカヌーツーリングをしている写真
▲自然湖のカヌーツーリングでは、見学者と交流することも

カヌーツーリングの運営はIターン移住者が行っているそうなので、参加した際に王滝村での暮らしについて語り合うのも良さそうです。ツアーは子どもも参加できるので、休日に家族で訪れてみてはいかがでしょうか。

公式:御岳湖カヌーツーリング
公式:自然湖ネイチャーカヌーツアー

また、王滝村は水上のアクティビティだけではなく、山のアクティビティも活発なエリア。マウンテンバイクやトレイルランニング(※)のレースも開催され、全国から挑戦者が訪れます。
(※)林道、砂利道、登山道など、未舗装路を走ること

毎年5・6・9月に開催される「セルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝(SDA)」は、国有林や林道を解放して実施する、本格的なマウンテンバイクのレースです。

ビギナーからエキスパートまで参加できる部門があり、プロライダーからバイクの操作方法や実際のコースで戦略ポイントを教えてもらえる「ファンツーリング」もあるので、移住をきっかけにはじめてみるのも良いかもしれません。

参考:おんたけ王滝(アドベンチャーレース)

長野県王滝村で開催される「セルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝(SDA)」の写真
▲「セルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝(SDA)」には、全国から多くのサイクリストが参加します

トレイルランニングのレースでは、午前0時から夜明けにかけて、王滝村の大自然の中を走ります。全長100kmのロングレースですが、星空から朝焼けへと変わる絶景の中を駆け巡る経験は、参加者にとって何ものにも代えがたい良き思い出になるのではないでしょうか。

長野県王滝村で開催された「トレイルランニングレース」の写真
▲ランナーのみなさんは、王滝村の大自然の中を夜明けとともに走ります

トレイルランニングのレースは毎年7月に開催されているので、身体を動かすことが好きな方は移住後に挑戦してみてはいかがでしょうか。

参考:おんたけ王滝(トレイルランニングレース)

特徴2:人との繋がりを大切にする住民性で、風通しが良い

王滝村の人口は、650人ほど(2024年2月時点)。みんなが顔見知りの環境だからこそ、濃密なコミュニティが形成されています。

長野県王滝村の村民運動会の写真
▲村民運動会では、地域住民が一丸となって競技に参加しています

王滝村の越原村長も、過去のインタビューで下記のように話されています。


村の人たちが、気楽に話かけてくれて『ここをこうしてほしい』と要望を言ってくれることが多いです。村の人の声が直接耳に入る風通しの良さは、村のためにもいいことだと思っています。
引用:HardModeLife in Otaki

また、実際に移住した人からも、王滝村の人の繋がりについて以下のような声がありました。

  • 子どもが生まれたとき、村の方が自分事のように喜んでくれた
  • いつも周りの方が気に掛けてくれるので、安心感がある

このように、王滝村は相手のことを気にかけ、家族のように見守る住民性が根付くまちです。

人によって向き不向きはあるかと思いますが、移住先で「人との交流を積極的に図りたい人」や「人との繋がりを重視している人」にとっては、ぴったりの場所と言えるでしょう。

特徴3:パワースポットが多く、心身ともにリフレッシュできる

王滝村は、スピリチュアルな雰囲気を感じさせるスポットが多いことから、移住先で新たなスタートを切りたい方にはおすすめのまちです。

日本有数の霊峰として知られる「御嶽山」は、長野県と岐阜県の県境にある標高3,067mの複合成層火山(※)
(※)溶岩と火山灰などが、交互に積み重なってできている火山

山腹から裾野にかけて深い原生の森や木曽ヒノキの美林が広がり、雪解けシーズンには高山植物の花畑も見られます。

長野県王滝村にある御嶽山の原生林を散策する写真
▲御嶽山の麓にある原生林を散策すれば、日々の疲れも癒されます

そんな御嶽山の麓にある「御嶽神社(おんたけじんじゃ)」はパワースポットとして知られ、訪れると「生き返ったような気持ちになる」という口コミも見られます。

ほかにも、御嶽山付近にはパワースポットが多いそうなので、散策ついでに巡ってみるのも良いでしょう。

長野県王滝村にある御嶽神社の例大祭の写真
▲毎年開催される「御嶽神社例大祭」では、御嶽の神様がおみこしに乗って、村中心部にある八幡堂まで下りてこられるそうです

「いのち呼び覚ますところ」という言葉の通り、雄大な自然に触れながら、疲れた心と体をリセットできる王滝村で、新しい自分を見つけてみてはいかがでしょうか。

王滝村の暮らしに関する情報

長野県王滝村を上空から見た写真

それでは、王滝村の暮らしに関するデータを見ていきましょう。

気候 1月:-4.8℃
8月:20.0℃
※参考:気象庁ホームページ(王滝村に観測地点がないため、近隣の開田高原のデータを掲載)
人口 654人
(2024年2月1日現在)
病院 診療所:1
※同一診療所内で内科、歯科に対応
学校 保育園:1
小学校:1
中学校:1
※現在は休校中で隣町への通学
交通 【バス】王滝村営バス
近隣都市 【長野県】木曽郡上松町、木曽町、大桑村
【岐阜県】下呂市、中津川市

※人口以外の数字は2024年2月時点のものです

王滝村の冬は厳しく、時には-10℃を下回るときもあるとのこと。しかし、北アルプスや御嶽山に囲まれていることから県内では雪が少ないエリアで、生活圏の中心部では雪かきをする日は月に1~2回あるかどうかと伺いました。

女性スタッフのアイコン
杉野さん

長野県と聞くと「雪が多くて大変」というイメージを持つ方も多いですが、中心部は雪が少ないです。一方で、スキー場などがある標高の高いエリアでは、それなりに積もります。

村内には診療所が一つあり、内科と歯科に対応。専門医療が必要な場合は、村から30~40分ほどの場所にある、近隣市町の病院まで通います。

王滝村内に二ヶ所ある商店では、お刺身や肉類などの一般的な食材が購入できます。車で30~40分の場所にはスーパーや商業施設もあるので、車の運転ができる方は主に近隣市町まで足を運びます。

村には電車がなく、バスの本数も少ないので、王滝村で生活するうえで車は必須なのだそう。

とは言え、中心部は役場や診療所、学校などの公共施設が1箇所に集まったコンパクトシティのような構造になっているので、近くに住んでいる方であれば、主要施設まで徒歩でもアクセスできます。

王滝村役場 企画観光推進室・室長 髙田慎一さん
髙田さん

民家同士も近く、「ポツンと一軒家」のような状況もないので、困ったときはすぐ人に頼れる環境です。

【子育て】子どもたちの生活をサポートする支援や制度あり

王滝村の子どもたちにとって、村は自然が近くて四季を感じられ、楽しめるところ。公園のような遊び場はありませんが、週末に若者や子育て世代が中心となり、子どもたちが集まって遊べる場づくりをしています。

そんな子どもたちの暮らしをサポートするため、王滝村には以下の支援があります。

王滝村子育て支援祝金 【対象】
・村住民登録されていて、祝金の対象となる子どものいる保護者
・祝い金を受けてから、引き続き5年以上定住する意思を有する保護者
【祝い金額】
・誕生祝:第1子・第2子 50,000円、第3子 10万円
・保育所等卒園祝:10,000円
・小学校卒業祝:20,000円

・中学校卒業祝:20,000円
おうたき保育園保育料無料 ・3歳未満児の月額保育料が無料。
※延長保育を利用した場合は、利用料が発生
王滝小学校給食費無料 王滝村に住む王滝小学校児童の学校給食費が無料
リフト券補助 王滝村に住む小中学生を対象に、御嶽スキー場のリフト券購入額を補助

参考:王滝村役場(王滝村の子育て支援

特に注目したいのが、子どもの誕生と卒業(卒園)のタイミングで支給される「王滝村子育て支援祝金」です。

カバンや衣服などの学校用品の購入が必要となりますが、そんなとき村からの祝い金はとても助かります。

王滝村にはほかにも嬉しい子育て支援がいくつもあるので、興味のある方は以下の公式サイトで詳細をチェックしてみてください。

公式:王滝村役場(王滝村の子育て支援

地域住民と一緒に、手厚い学校教育が受けられる

王滝村は子どもの数が少なく、先生と生徒の割合が1:3の環境で、手厚い授業が受けられます。

小学校では「単元内自由進度学習」を取り入れ、個別最適な学びや主体的な学びを進めています。
子どもたちをのびのびとした環境で育てたいと考えている人にとって、先生や地域の方に見守られながら成長できる環境は、王滝村で子育てをするメリットの一つになり得るのではないでしょうか。

そんな王滝村の小学校は信州型コミュニティスクールなので「開かれた学校」として、村民は学校の授業時間内であれば、校内への出入りが自由。村民はいつでも子どもたちの授業の見学ができ、村民自身が参加できる授業もあるそうです。

長野県王滝村の小学校の住民参加型授業「未来カフェ」の写真
▲小学校の授業「未来カフェ」では、地域住民の方も参加します

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杉野さん

訪問者は学校側でチェックしていますが、みんなが顔見知りなので、基本は顔パスです。

村民を先生とした授業では「しめ縄作り」や「昔の伝統を学ぶ授業」などがあり、伝統や文化の伝承に加え、授業を通して「村への愛着」をもってもらうことで、自分の基礎をつくり、自己肯定的な気持ちを育てています。

長野県王滝村の小学校で住民と一緒にしめ縄作りをする小学生の写真
▲子どもたちは地域住民に教えてもらいながら、ていねいに「しめ縄」を作ります

小学校では学年ごとの授業だけでなく、全校で同じ単元の授業を行い、異学年同士協力して学び合う姿が見られます。子どもたちは他学年との交流を通して、小さい頃から社会性を身につけていきます

また、王滝村には村運営の学習塾「おうたき寺子屋」があります。王滝村へ地域おこし協力隊としてやってきた移住者の方が運営されている塾で、対象は小学生から高校生まで、費用は無料とのこと。

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杉野さん

「村では学外での受験勉強や塾が受けられないのでは」と心配する方も多いので、学習をサポートする取り組みとして、塾講師による「遠隔教育」も行っています。

長野県王滝村にある学習塾「おうたき寺子屋」の写真
▲「おうたき寺子屋」ではリモート授業も取り入れながら、子どもたちの学力向上をサポートしています

このように、王滝村にはコミュニティスクールを通して学校・地域・保護者が協力し、村全体で工夫しながら子どもたちの成長を温かく見守っています

「自己肯定感や非認知能力のある子どもに育って欲しい」と願う方や「小さいころから社会性を身につけさせたい」という方は、王滝村での子育てを検討してみてはいかがでしょうか。

【仕事】村内の求人は少なめ、近隣市町まで通勤する人が多い

王滝村の正社員求人を大手の求人情報サイトで検索したところ、8件の求人が見つかりました。また、車で30分程度の通勤圏(25km圏内)まで範囲を広げると、791件の求人情報がありました(2024年2月時点)
※参考:求人情報の一例(王滝村のみ)
※参考:求人情報の一例(王滝村から25km圏内)

王滝村は長野県のなかでも屈指の山間高地にあるため、村内の求人数は少なく、働く場所もあまりないとのこと。

職員さんのお話では、移住後も会社員として働くのであれば、車で30~40分ほどの距離にある上松町や木曽町などの近隣市町まで通勤する方が良いとのことでした。

移住を機に転職を検討している方は、王滝村の平均年収500万円あたりの求人をチェックしてみてください。

参考:王滝村の平均年収

また、王滝村での起業を目指し、地域おこし協力隊として移住して来られる方もいらっしゃるそうです。

王滝村役場 企画観光推進室・室長 髙田慎一さん
髙田さん

スキー場など、シーズン限定のアルバイトをしている方もいらっしゃいますよ。

首都圏から王滝村への移住を検討している方は、銀座NAGANO内にある「長野県移住・交流センター」でも相談に乗ってもらえるので、お近くにお住まいの方はご活用ください。

公式:長野県移住・交流センター「銀座NAGANO」

【住まい】おすすめは村営住宅、空き家に関する補助制度もあり

大手住宅情報サイトで王滝村の賃貸物件を検索したところ、該当物件はありませんでした(2024年2月時点)。

しかし、王滝村には村営住宅が多いため、移住後に住む場所に困ることはないとのこと。

参考:王滝村役場(村営住宅について

また王滝村には空き家バンクがあり、2024年2月時点で3件の物件登録があります。そのうち1件が賃貸物件で家賃は40,000円、残りの2件が売却物件で150~400万円で販売されています。

公式:王滝村空き家バンク

女性スタッフのアイコン
杉野さん

空き家を検討している方は、空き家バンクを小まめにチェックしてみてください。

気に入った空き家が見つかった方は「王滝村空き家改修事業補助金」を活用すれば、空き家の改修費用や片づけにかかった費用の一部を補助(※)してもらえるので、興味のある方は、下記のサイトで詳細をご確認ください。
※空き家バンクに登録し、空き家の賃借または売買契約が成立した場合に限る

参考:王滝村役場(王滝村空き家改修事業補助金

移住後の住まい探しに関する「宿泊費」を補助してもらえる

王滝村には、移住後の住まい探しに役立つ「王滝村家探し宿泊支援制度」があります。

村外から王滝村への移住を検討している方とその家族を対象とした制度で、村内の宿泊施設の1泊2日分の宿泊料の一部が補助されます(1人当たり上限6,000円)

空き家バンクの利用登録者であることが前提で、空き家バンク1登録者につき、同行者4名までが補助対象になるので、移住前に現地で住まいを探すときには活用してみてください。

参考:王滝村役場(王滝村家探し宿泊支援制度

王滝村役場 企画観光推進室・室長 髙田慎一さん
髙田さん

「王滝村家探し宿泊支援制度」が使えるのは、先着15名のみです。

王滝村に移住した人の口コミや感想

長野県王滝村に移住した人の声

王滝村の魅力や暮らしについて紹介しましたが、やはり気になるのは移住者の口コミなのではないでしょうか。ここでは、実際に王滝村に移住した方の声をご紹介します。

  • 困ったときすぐ人に頼るのではなく、ひとまず「自分のことは自分でやる」というスタイルが気に入っている
  • 水は美味しく、星も綺麗。不便さはあるけど、「何もない」生活がしたい人には楽しい場所だと思う
  • 周囲が静かで仕事に集中できる。近隣の家まで少し距離があるので、Wi-Fiの電波も干渉せず、ネットもサクサク動く
  • 村内に娯楽施設がない分、自分自身と向き合う時間が持てるようになった

「ない」ものについての口コミが多く見られますが、だからと言って「移住したことを後悔している」という口コミは見受けられませんでした。

移住者は「ある」ものに目を向けて、生活の工夫をしたり、楽しみを見いだしたりしている方が多いので、何にもとらわれず、自給自足でマイペースに暮らしていきたい人にとって、王滝村はぴったりの移住先なのではないでしょうか。

王滝村への移住に関するお問い合わせ

長野県王滝村役場・移住相談員の杉野さんの写真
▲今回インタビュー取材に応じてくださった、移住相談員の杉野さん

王滝村への移住については、王滝村役場までお問い合わせください。

担当 王滝村移住サポートセンター
住所 〒397-0201
長野県木曽郡王滝村3623
電話番号 080-2235-3689
公式サイト ▼王滝村役場
https://www.vill.otaki.nagano.jp/
▼王滝村移住サイト「HardModeLife in Otaki」
https://hardmodelife-otaki.jp/