【大川村への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報|縁結び大学
高知県土佐郡にある大川村は、人口約400人と日本の市町村の中でもとても小さな村です。
大きなスーパーも、カフェも、学習塾もなく、便利な生活が送れる地域ではありません。ですが、人口が少ないからこそ「自分たちで良くしよう!」「何もなければ作ればいい」という考え方があり、人とのつながりの大切さを感じながら暮らせる村です。
また、山と川に囲まれており、大自然の中で暮らす知恵を学んだり、自然と一緒に遊んだり、都会とは全く違う、大川村ならではの魅力があります。
今回は村役場の方にもお話を伺いながら、高知県大川村で暮らす特徴や魅力、実際に移住を検討する人のために、支援情報などをまとめて紹介します。
大自然の中で協力し合い生きる、大川村の魅力
大川村は、冒頭でもお伝えしたように、全213世帯が暮らす小さな村です(2022年9月30日時点)。だからこそ、一人一人が役割を持って生活をしながら、村全体で村おこしに力を入れています。人とつながり助け合いながらの生活は、まるで家族が増えていくかのようで、決して都心や都会では味わえない経験ができることでしょう。
まずは、大川村の特徴から紹介していきます。
- 大自然と遊ぶ!吉野川でのウォータースポーツ
- 畜産が有名!大自然の中で遊牧され育った大川黒牛と高知原産の土佐はちきん地鶏
- 幻のお肉が食べ放題の「大川村謝肉祭」
- 大川村の自然とグルメが味わえる「自然王国 白滝の里」
大自然と遊ぶ!吉野川でのウォータースポーツ
山と川に囲まれた大川村。中心を流れる吉野川では、「カヌー」「SUP」「アメゴ釣り」などのウォータースポーツが楽しめます。
SUPとは「Stand Up Paddleboard」の略称で、大きめのボードの上に立ってパドルを漕ぎ、水上を進みます。初心者でも少しの練習で楽しむことができる人気のアクティビティです。
また、吉野川ではのんびりバードウォッチングしたり、風を感じてサイクリングしたりと、川に入らなくても楽しめることがたくさんあります。
山の景色からは四季折々の変化も楽しめるので、いつ来ても違った気分が味わえるのも魅力です。
大川村の景色が一望できる「平家平」
大川村の中心集落から車で約1時間の位置にある平家平(へいけだいら)は、大川村随一の登山スポットとして人気の山です。
標高1,692mの山頂では、高原のキレイな空気を感じられるのはもちろん、見渡す限り広がる絶景を観賞できるでしょう。
また、平家平では春夏秋冬いろいろな植物が見られるという特徴もあります。春はツツジやシャクナゲでピンク色に染まった景色、秋は紅葉など、いつ来ても違う風景が楽しめるのも魅力です。
もし大川村の自然を存分に感じたいという人は、一度は行くべきスポットと言えます。
畜産が有名!大自然の中で育った大川黒牛と土佐はちきん地鶏
大川村は畜産も盛んな場所です。
大川村だけで育てられている大川黒牛は、「村に行かないと食べられない」と言われるほど貴重で「幻の黒毛和牛」と言われています。
そして、毎年11月3日には地元のお肉を思う存分味わえる「大川村謝肉祭」が開催されています。全国から約1,500人が集まり、数十分でチケットが売り切れてしまうほど人気のイベントです。
イベントでは、幻のお肉と言われる大川村の特産品「大川黒牛」や「土佐はちきん地鶏」といったグルメが食べられます。
特製ダレでいただく焼肉と季節の野菜、そして地元嶺北地域の地酒も一緒に味わえるので、大川村を知るなら絶対外せないイベントといえます。
そのほか大川村謝肉祭では、バンド演奏や伝統芸能も披露され、食べるだけではなく“見て楽しめる”イベントにもなっていますよ。
大川村の自然とグルメが味わえる「自然王国 白滝の里」
四国山地の標高約750mに位置する「自然王国 白滝の里」は、宿泊施設や体育館などが一緒になった施設です。
高原の空気を感じてのんびりするもよし、体育館でバレーボールやバドミントンなどのスポーツを楽しむもよしと、ひとつの施設で色んな楽しみ方ができるのが特徴です。
また、白滝の里の敷地内ではキャンプもでき、地元の食材を使ったふるさと料理を味わえるのも魅力。
白滝の里でキャンプするには↓のように料金がかかりますが、大川村ならではの料理を食べられるチャンスなので、一度味わってみてください。
▼【自然王国 白滝の里 料金表】
教室タイプ | ペンション タイプ |
|
---|---|---|
素泊まりプラン | 大人:4,040円〜 子供:3,230円〜 |
大人:5,190円〜 子供:4,380円〜 |
2食付き 大川黒牛プラン |
大人:7,260円〜 子供:6,490円〜 |
大人:8,470円〜 子供:7,590円〜 |
2食付き はちきん地鶏プラン |
大人:7,260円〜 子供:6,490円〜 |
大人:8,470円〜 子供:7,590円〜 |
朝食付きプラン | 大人:4,620円〜 子供:3,850円〜 |
大人:5,830円〜 子供:5,060円〜 |
大川村に移住した人の体験談
ここでは、実際に大川村へ移住した人が感じたことを中心にご紹介します。
住んでみて食に対する意識が変わった人や、「想像以上に自然がいっぱいでびっくりした」という人もいますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
大川村に移住したきっかけ
- 移住関係のホームページを見て、来たいと思った
- 大川黒牛のおいしさに感動し、牛飼いになりたいと思った
- 大川村地域おこし協力隊と一緒に活動して魅力を感じた
初めは大川村のことを知らなくて、調べていくうちに「住んでみたい」と思って移住した人もいます。
また、大川村地域おこし協力隊と一緒に活動する機会があったり、特産物の「大川黒牛」をたまたま食べることがあって「こんなにおいしいお肉は初めて食べた!もっと広めたい」と思ったことがきっかけの人もいますよ。
このように、移住してきた人のほとんどに共通しているのは「こんな素晴らしい場所で自分も何かしてみたい!」と思ったことです。
大川村に移住した感想
- 想像以上に自然がいっぱいだった
- 命をいただくことを強く意識するようになった
- 人の温かさを強く感じた
大川村に住んでみて、「想像以上に自然がいっぱいだな」と感じた人や、人の温かさを強く感じたという人が多いです。
また、最初は大川村の「人を放っておけない」文化がわずらわしく感じていたものの、住んでいくうちに人付き合いを楽しめるようになったという人もいますよ。
大川村に移住してから、前より村のことが好きになった人ばかりです。
大川村に移住して困ったこと
結論から言うと、大川村に移住してとくに困ったことはないという意見が多いです。
移住した時は人がいない、周りには「山や川ばかりで何もないな…」という印象はあったけれど、実際に暮らしてみたら、人の温かさや想像以上の自然に囲まれて満足しているようです。
また「何もないからこそ自分たちで作ろう」という考えを持った人も多いです。例えば集落活動センターで働いている人なら、「地域と移住者の両方の悩みを解決できる場所にしたい」と目標を持って暮らせている人もたくさんいます。
大川村の暮らし情報
気候 | 年間平均気温約14.2℃で温暖 |
---|---|
人口 | 360人(令和4年9月末現在) |
教育機関 | 保育園・幼稚園1園 小学校1校 中学校1校 |
医療機関 | 診療所1か所 |
近隣の都市 | 土佐郡土佐町、吾川郡いの町 愛媛県新居浜市、四国中央市、西条市 |
大都市への アクセス |
高知市:車→約1時間20分、バス・電車→約3時間 松山市:車→約2時間、バス・電車→約6時間 岡山市:車→約2時間20分、バス・電車→約4時間30分 |
大川村は、年間平均気温約14.2℃と比較的暖かく過ごしやすいほか、人口約400人という環境なので、のんびりと暮らすことができるでしょう。
ただ、人が少なく自然に囲まれた地域で、鉄道は通っておらず、コンビニやスーパーといったお店もほとんどない状況にはなってしまいます。
一見、不便では?と思うかもしれませんが、大川村では車がなくても便利に暮らせるよう以下のサービスがあるので、生活の不便さはそこまで感じないはずです。
- 民間の移動スーパー「とくし丸」
- コミュニティバスで送迎
民間の移動スーパー「とくし丸」は、近隣の土佐町・本山町と大川村を巡回していて、生活用品はもちろん保存しやすい加工食品までそろったありがたい存在。
大川村は近隣都市へのアクセスにやや苦労するので、お店の方から来てくれると助かる人も多いでしょう。
また大川村には、人の輸送だけでなく、必要に応じ物(もの)の配達も同時に行う貨客混在の取組「コミュニティバス」のサービスがあります。村民はもちろん、村外にいる家族や親戚、そして観光客等も利用できます。
大川村は、決してお店がたくさんあるわけではないですが、少しでも暮らしやすいようにと色々な取り組みがある場所なんです。
子供に優しい支援制度も充実
大川村では、家族で移住したいと思っている人を積極的に受け入れるため、子育て支援制度にも力を入れています。
まずはどんな制度があるのか下の表にまとめました。
▼大川村子育て支援制度
出産祝金支給 | 大川村に住所があり、出産後も村内に住む意思のある保護者に対し、出産祝い金3万円贈呈 |
---|---|
保育料の無償化 | 生後6か月〜小中学校入学前まで無償 |
保育園(離乳食完了期)および学校給食費の無償化 | 地元の食材を中心に使い、安全性に配慮された給食が無償 |
大川っ子なかよしルーム(放課後こども教室) | 村内の大川小中学校に通う1年生〜6年生までの児童が、安心して過ごせる居場所を提供 |
とくに、保育園と学校の給食費が無償になる制度は、家計の負担を助けるのはもちろん、子供たちが健康な食生活ができるよう配慮されています。
大川っ子なかよしルーム(放課後こども教室)も「村の子供たちが安心して過ごすにはどうしたらいいかな?」と考えのもと作られた制度です。
このように大川村では、村の発展を担う子どもたちを大切にした制度があるのも魅力の一つと言えますね。
大川村の仕事情報
大手求人情報サイトで調べたところ、大川村で募集している求人数は50件くらいでした。数は多くないですが、村のモノづくりや村おこしにかかわる求人が多いのが特徴です。
▼大川村で募集している求人例
- 農業(花卉栽培)
- 林業
- 畜産業(土佐はちきん地鶏)
- 調理スタッフ(学校・保育園給食ほか)
- 接客スタッフ(集落活動センターほか)
大川村では、山間地域ならではの林業や農業はもちろん、特産物「土佐はちきん地鶏」の飼育に関わる仕事も募集しています。
また、村をもっと住みやすい場所にするため、生活・福祉・産業・防災といった課題解決に取り組む「集落活動センター」での求人募集もありますよ。
「ゼロから農業を始めてみたい」「自分も村の発展に貢献したい」。こんなふうに考えている人なら、きっとやりがいを感じられるはずです。
実際ホームページでも、地域発展を手伝ってくれる人を積極的に受け入れるため、求人情報を掲載しています。大川村をもっと良くしたいという想いがある人は、ぜひホームページをチェックしてみてくださいね。
村づくりに深くかかわれる「大川村地域おこし協力隊」も募集
大川村では、村を良くするためにいろんな活動をする「大川村地域おこし協力隊」のメンバーも随時募集しています。
大川村地域おこし協力隊の活動は幅広いですが、未経験からチャレンジできるものも多いです。例えば、人口を維持するための移住者の呼び込み、村の特産物「土佐はちきん地鶏」や「大川黒牛」の飼育など様々です。
しかも地域おこし協力隊のメンバーには、起業時の支援金などの補助も出しており、3年間の任期後に起業されている人もいます。
そのため「自分が村をもっと発展させたい!」「地域の人と協力して新しいものを作りたい」という方は、大川村地域おこし協力隊の求人も検討してみてください。
大川村の住まい情報
大川村には賃貸物件や空き家情報がほとんどない状況ですが、代わりに「村営住宅」の入居者を募集しています。
村営住宅は「移住したいけど住宅探しに困っている」という人がなるべく安い家賃で住めるように整備された住宅で、大川村では申し込み条件を設けて募集しています。
▼大川村村営住宅の入居申込資格
- 住む場所に困っている方
その他、詳しい条件は大川村役場までお問い合わせください。
地方移住を考えている人にとって、住む場所は重要だと思います。
大川村では、村営住宅はもちろん空き家情報も随時集めているため、「今いい物件あるかな?」と思ったら、大川村の役場窓口に相談するのもおすすめですよ。
大川村への移住は「オンライン移住相談」からがおすすめ
大川村が少しでも気になったら、実際に住んでみるのが一番ですが、まずは「オンライン移住相談」で現地の暮らしについて聞いてみると、大川村での生活をイメージしやすいでしょう。
オンライン移住相談では「大川村の仕事は実際どう?」「住む場所の情報が知りたい!」など、大川村について知りたいことが聞けますよ。
とりあえず「大川村ってどんなところ?」といった人でも気軽に相談できるので、少しでも大川村が気になる方は積極的に利用するのがおすすめです。
大川村オンライン移住相談は、ホームページからいつでも気軽にお問い合わせできます。この機会に、ぜひ大川村のことをよく知ってくださいね。
▼大川村の移住・定住に関するお問い合わせ先
担当課 | 大川村役場 むらづくり推進課 |
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住所 | 〒781-3703 高知県土佐郡大川村小松27-1 |
電話番号 | 0887-84-2211 |
公式サイト | https://www.vill.okawa.kochi.jp/ |