秋田県大館市で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報|縁結び大学
この記事では、Uターン希望者や地方移住を検討している方に向けて、秋田県大館市の魅力や暮らしに関する情報を詳しくご紹介していきます。
大館市は、世界自然遺産の白神山地や奥羽山脈など1000メートル級の山々に囲まれた自然豊かな地域で、中部には県内2位の流域面積となる米代川が流れています。国内主要都市へのアクセスも良く、車で30分〜1時間半の距離に2つの空港があり、東京、札幌、大阪へのアクセスに便利です。
また、2022年度全国学力テストの正答率ランキングでは、秋田県が公立小中学校で全国2位の成績を収めていることから、学校教育の良さも証明されています。空き家バンク制度や起業支援制度も充実しているため、IターンやUターンを考えている人にとって、移住しやすい環境です。
それでは、そんな大館市の特徴や暮らしに関する情報、先輩移住者の体験談、支援制度などついて詳しく解説していきます。
大館市の暮らしの特徴
大館市は世界自然遺産の白神山地や奥羽山脈、一級河川の米代川など自然豊かな大館盆地に広がり、昔ながらの原風景や街並みが残っています。四季にもメリハリがあり、季節を感じられるイベントを楽しむこともできますし、何より地元の人たちと仲良くなる良い機会になるでしょう。
都会では、家族との時間を作るのも難しいほど忙しくしている方も多いですが、大館市には山や川、公園やキャンプ場もたくさんありますので、会話を楽しみながら家族とゆっくり過ごすこともできます。
そんな大館市での暮らしは、以下のような方におすすめです。
- どこか懐かしい原風景や街並みを感じる場所で暮らしたい方
- 主要都市へのアクセスや買い物施設の充実を求める方
- 移住者支援があり移住しやすい環境を求めている方
- 子育て支援があり自然の中で子育てしたい方
このような方に大館市への移住をおすすめする理由を詳しくご紹介します。
特徴1:原風景が今なお残るハチ公のふるさと
山々に囲まれた大館盆地に広がる大館市。山の存在は守られている感じがしますし、澄んだ空気はどこか懐かしさを感じます。
春になると大館市には桜が咲き誇ります。毎年行われる『大館桜まつり』には、市民を中心に多くの人が集まり、露店の食べ物を食べながら桜を楽しむことができます。夜には桜がライトアップされ、昼間とはまた違った美しい桜が見られます。
▲春の大館市市街地の様子。桜で淡いピンク色に染まります。
毎年5月には、大館市山田にある『十ノ瀬藤の郷(とのせふじのさと)』できれいな藤の花が見られます。
▲見事に咲き誇る『十ノ瀬藤の郷』の藤の花
冬には『大館アメッコ市』や『大館シャイニングストリート』『比内とりの市』など多数のイベントが開催されますので「冬は雪で身動きが取れない!」なんてことはなく、冬の大館市を楽しむことができます。
▲市立総合病院から秋田看護福祉大学までの約1,000mの街路樹に冬の彩が灯ります。
ハチが産まれたのが大館市大子内(おおしない)。大館市にはハチ公や秋田犬に関する施設があります。
▲実は秋田犬はもともと「大館犬」と呼ばれていたそう
秋田犬を紹介する観光施設『秋田犬の里』には、秋田犬の歴史や特徴についての展示室や、秋田犬グッズや大館名物のお土産コーナーもあります。秋田犬の里は、大正時代に渋谷駅の前で主人の帰りを待ち続けたハチ公にちなみ、当時の渋谷駅をモデルとして建てられました。
▲秋田犬の里の前には、渋谷駅のハチ公像とは少し違った像が建てられています。
大館市はハチ公のふるさとでもあり、そこに広がる原風景は四季ごとに魅力的な景色を見せてくれます。
特徴2:主要都市へのアクセスや買い物施設が充実
大館市内には大型ショッピングセンターやホームセンター、家電量販店など、生活に必要なお店が多くあります。
大手コンビニチェーンはもちろんのこと、スーパーマーケットや地元の商店なども複数ありますので、買い物に困る事はありません。さらに、学校や病院、銀行、郵便局も揃っており、大館駅を中心に非常に利便性の高い街です。
大館駅から車で25分の距離にある大館能代空港からは、羽田空港まで約1時間15分で到着します。少し離れますが、青森空港を利用すれば、羽田空港のほか札幌(新千歳)や大阪(伊丹)にもアクセスできます。移住後に帰省や冠婚葬祭、友人達との集まりで都市部に行く際も、気軽に行けるのも嬉しいですね。
都市部へのアクセスの良さ、ショッピングセンターなど生活に必要な施設の充実、地域色の濃いお祭りや食べ物など、大館市は移住しやすい環境が整っています。
特徴3:移住者支援があり移住後の生活や起業もサポート
移住する場合、引越しや住宅関連の初期費用、当面の生活費など何かとお金がかかります。移住先での生活を安定させるためにも、移住支援制度を活用したいところです。
具体的な支援制度をいくつか紹介しますので、ご覧ください。
大館市移住支援金
関東圏を中心とした指定地域から大館市へ移住した人の内、特定の条件を満たす人を対象に、2人以上の世帯で100万円、単身で60万円の移住支援金が交付される制度です。
リフォーム補助金
大館市内の業者に住宅リフォームを依頼した方に交付される支援金です。移住者や空き家バンクを利用した方のリフォーム支援金は増額されます。
創業支援制度
大館市は、商工団体や金融機関等と連携し、創業者を支援しています。具体的には、商工団体の経営指導員による経営指導、創業支援補助金、創業資金融資あっせん制度などがあります。
また、創業支援補助金は、移住3年以内の方に補助率や上限額の優遇があります。
詳しくは、窓口となる大館市商工課に相談してみましょう。
特徴4:子育て世帯への支援も充実
▲大館市では積極的な子育て支援を実施しています(引用元:おおだて子育てねっと)
大館市では子育て世帯をサポートする子育て支援制度も充実しており、子育て応援ポータルサイト『おおだて子育てねっと』を開設するなど、子育てへのサポートに力を入れています。
出産育児一時金、児童手当、乳幼児から中学生までの医療費助成、就学援助制度、奨学資金制度、在宅子育て支援給付金、ひとり親家庭児童医療費助成、障害児福祉手当など様々な支援制度があるため、上手く利用することで生活の助けになります。
また、秋田県全体となりますが、公立小中学校の成績は全国2位で、大館市が取り組むキャリア教育の存在など、教育へ関心が高い地域といえます。教室の扉は閉まっているのが一般的ですが、大館市の小学校では扉を外して解放感のある教室にして、子供たちがのびのび学べるようにしています。
子育て支援に関する具体的な制度や環境をいくつかご紹介します。
大館ふるさとキャリア教育
人々との関わりや地元企業への職場体験など、様々な体験活動を通じて未来を担う人財を育成します。幼少期から地元の人たちと関わりを持つことで、コミュニケーション能力や社会への適応力、自己管理能力、問題解決力といった人間形成に必要な能力育成に役立ちます。
子どもの遊び場が豊富
大館市が誇るニプロハチ公ドームは、木造ドームとしては世界最大級の広さがあり、樹齢60年以上の秋田杉を約25,000本使用した、温かみのある施設です。アリーナ面積は、東京ドームのグラウンドとほぼ同じ面積(12,915.36平方メートル)があり、敷地面積は約10倍の130,940平方メートルにも及びます。
他にも、桜まつりが行われる桂城公園(けいじょうこうえん)や、遊具施設が設置されている公園が多数あります。
大館市の暮らしに関する情報
大館市への移住を考えたときに気になる、気候や人口、病院、学校などの暮らしに関する情報をまとめました。
気候 | 1月:平均気温-2.0℃ 8月:平均気温23.6℃ ※参考:気象庁ホームページ(大館地点) 山々に囲まれた盆地特有の気候で、夏は高温多湿で霧が発生しやすく、冬は降雪量が多く寒さが厳しい。 |
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人口 | 人口:約66,000人 世帯:約31,300世帯 (令和6年4月30日時点) |
病院 | 診療所・病院:43施設 歯科:24施設 ※参考:ドクターズ・ファイル |
学校 | 認定こども園:8園 認可保育園:10園 幼稚園:1園 地域型保育施設:2所 へき地保育所:7所 認可外保育施設:1所 企業主導型保育施設:2所 特別支援学校:1校 小学校:17校 中学校:8校 高等学校:3校 大学:2校 |
文化・芸術 | 【国指定文化財】 八幡神社:創建1610年 長走風穴高山植物群落:国見山の岩石が崩壊してできた風穴 芝谷地湿原植物群落:ノハナショウブなど湿原植物が多数見られる 【祭事・催事】 比内とりの市:比内地鶏など地元食材を使った冬の一大イベント アメッコ市:「この日にアメを食べると風邪をひかない」。400年以上続くイベント 大文字まつり:鳳凰山の大文字焼きと花火が見どころ 大館神明社祭典:400年以上続く伝統の祭典 本場大館きりたんぽまつり:ライブステージや体験イベントあり |
名産品 | 比内地鶏、とんぶり、山の芋、ホップ、枝豆 |
交通 |
【鉄道】JR東日本(東日本旅客鉄道) |
娯楽 | ニプロハチ公ドーム、タクミアリーナ、高館公園テニスコート、桂城公園、長根山運動公園、北星ボウルアネックス、大館ゴルフセンター、長瀞ゴルフ練習場、大館カントリークラブ |
近隣都市 | 秋田県:鹿角市、北秋田市、鹿角郡小坂町、山本郡藤里町 青森県:弘前市、平川市、南津軽郡大鰐町、中津軽郡西目屋村 |
冬になると大館市は一面銀世界に変わります。ピーンと張りつめた空気感は身も心も引き締まり、とても新鮮な気持ちにさせてくれます。
▲市街地に積もる雪。遠くの山も真っ白
大館市には「この日にアメを食べると風邪をひかない」という言い伝えがあり、毎年2月にアメッコ市が開催されます。露店では多種多様なアメが売られ、クレープや煮込み料理なども楽しみつつ「秋田犬パレード」「白ひげ大神巡行」といった催しを見て、楽しい1日を過ごすことができます。
▲ミズキの枝に飾られたアメ玉
秋田県の食べ物と言えば「きりたんぽ鍋」を思い浮かべる方も多いと思いますが、発祥は北秋鹿角地域です。大館市では収穫された新米を使い、ハレの日の料理として振舞われてきました。比内地鶏の出汁で作ったきりたんぽ鍋は最高に美味しいですよ。
新米が出回るころ、体育の日を含む10月の3連休で毎年「本場大館きりたんぽまつり」が開催され、多くの来場者で大変にぎわいます。
▲大館市内で収穫されたあきたこまち100%のきりたんぽ
大館市の気候は盆地特有の「夏は暑く、冬は寒い」気候で、四季にメリハリがあります。夏は川遊びや夏祭り、冬はスキーが楽しめますが、ニプロハチ公ドームやタクミアリーナといった大型のスポーツ施設やゴルフ場もあり、大人だけでなく子供たちがスポーツをする環境が整っています。
仕事情報:大館市内に多種多様な求人あり
大手求人サイトで大館市内の正社員募集を検索したところ、営業職、事務職、データ入力、施設管理、ユーザーサポート、プログラマー、WEBデザイナー、ドライバー、清掃スタッフなど様々な職種の求人がありました。
※参考:求人情報の一例
地方での職種といえば農業や林業などの一次産業をイメージされる方もいますが、都市部でも見られる職種が募集されています。
最近はフル在宅の仕事も増えており、全国の主要都市に本社を構える企業も全国的に募集を出しているケースも多くあります。
また、大館市では求人・就職支援にも力をいれており、無料の職業訓練制度や仕事に役立つ資格取得費用の半分(最大10万円)を負担する資格取得支援事業、起業家を応援する大館市創業支援等事業計画などのバックアップ体制が整っています。
※参考:創業者や起業者を支援します
大手求人サイトによると、大館市の正社員の平均年収は353万円、派遣社員の平均時給は1,400円、アルバイト・パートの平均時給は948円となっています。正社員の年収は262万円~316万円にボリュームゾーンがあり、秋田県の平均年収より高い傾向にあります。(2024年4月30日時点)
※参考:大館市の仕事の年収・時給・給料
住まい情報:賃貸物件多数あり!空き家バンクで戸建ても手ごろ
大手賃貸情報サイトで大館市内の賃貸物件を探してみたところ、77件の物件がありました。内訳はアパート56件、戸建て6件、マンション15件で、家賃については、4万円未満が9件、4~6万円台が48件、6万円超が20件でした。(2024年6月17日時点)
※参考:大館市における賃貸物件の一例
間取として2K~3LDKの物件が多く、子育て世帯が住むには十分な広さがあります。
大館市には市営住宅がありますが、入居にあたり所得などの制約があります。入居者の募集は2月、5月、8月、11月に実施しているため、詳しくは大館市役所都市計画課まで相談してみましょう。
(募集状況の確認はこちらから)
また、大館市では空き家バンク制度を運用しており、62件の戸建て住宅が掲載されています。(2024年6月10日時点)
※参考:大館市の空き家バンク情報
住宅に関する支援として、新婚世帯向け家賃補助制度があり、39歳以下で世帯所得500万円未満の世帯を対象に30万円まで、婚姻時点で夫婦ともに29歳以下の場合は60万円までが交付されます。
大館市は雪国です。住宅を探す際は、次の点にもご注意ください。
- 除雪の範囲と排泄場所
- 夏タイヤの保管場所
- 窓の断熱性(ペアガラスや二重サッシになっているか)
なお、雪国特有の設備には次の様な注意点があります。
- 排煙筒(煙突)先端の積雪・着氷
積雪や着氷により、FFストーブや給湯器等の排気筒(煙突)の先端がふさがれると、不完全燃焼や異常着火の原因となります。排気筒(煙突)周辺の雪や先端の氷は適宜取り除きましょう。特に旅行などで家を長期で不在にした場合は、利用する前に必ず確認してください。 - ガス機器の凍結
冬期間は、給湯器やふろがま、セントラル給湯暖房機の凍結による破損や漏水が発生する恐れがあります。強い寒波の予報が出ている時は、機器の水抜きが必要です。
降雪により、出勤時や帰宅時の雪かき、交通機関の運休も考えなければなりませんが、雪かきに関しては除雪車が通るため、家の周りに残った雪だけで十分です。
大館市に移住した人の体験談や感想
移住先として大館市を選んだ先輩移住者は、移住後の暮らしをどう感じているのでしょうか。実際に移住した方々の生の声をご紹介します。
- 大館市は四季がはっきりしていて、風情のある原風景に囲まれた生活ができる
- 空き家バンクなどを利用すると、思いがけない安さで戸建てが買える
- 職場が都市部のビル群から自然あふれる大館に移り、心に余裕ができた
- 移住前は通勤時間が往復4時間だったのが、今では15分程で楽になった
- 物件が安いので起業する際のハードルが低い
- コワーキングスペースがあり、起業家と出会えて刺激になる
- 家族と過ごす時間が圧倒的に増えた
- 子どもが昆虫採集や野菜収穫の手伝いをするなど、自然を楽しんでいる
- Uターンで大館市に戻ったが、四季折々の景色の美しさを再認識した
- 降雪の少ない地域からの移住で、最初は雪道の運転に苦労した
- 朝晩が涼しく体が冷えやすい
- 車移動の増加とともに体重も増加した
やはり大館の原風景あふれる景色や四季を感じられる生活に満足感を感じ、都会では無かった心の余裕が生まれたという声が多くありました。住宅の安さや起業家支援制度、コワーキングスペースなど起業家を目指す移住者のサポートも手厚いと感じられている方も多いようです。
通勤時間も減り心の余裕も生まれたことで、起業や趣味、読書など自分や家族のための時間が増えた事を喜ばれている声が多かったですね。
※参考:大館市移住・交流特設サイト(おおだて暮らし)
大館市への移住ステップ
大館市への移住に興味があるけど、どのようなステップを踏めば良いのか分かりませんよね。ここでは移住までのステップの一例をご紹介します。
ステップ1:大館市観光交流スポーツ部交流推進課交流推進係に相談する
※参考:大館市オンライン移住相談
ステップ2:農家民宿での「おおだて暮らし」など移住体験に参加してみる
※参考:大館市まるごと体験推進協議会
ステップ3:移住者への支援金情報を確認する
※参考:大館市移住支援金
ステップ4:大手賃貸情報サイトや空き家バンクなどで物件を探す
※参考:大館市の移住者支援事業の紹介
インターネットで情報を集めて大館市への移住に興味が湧いたら、まずは大館市観光交流スポーツ部交流推進課交流推進係に電話相談するか、オンライン移住相談してみることをおすすめします。
大館市への移住に関するお問い合わせ
大館市への移住に関して疑問があれば、こちらへお問い合わせください。
担当課 | 大館市 観光交流スポーツ部 交流推進課 交流推進係 |
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住所 | 〒017-8555 秋田県大館市字中城20番地 |
電話番号 | 0186-43-7149 |
公式サイト | おおだて暮らし(大館市役所HP内) |