滋賀県近江八幡市へ移住したらどうなる?仕事・住居・交通など暮らしの情報を解説

この記事では、近江八幡市への移住を考えている人の参考になる情報をまとめています。

近江八幡市は歴史情緒あふれる街並みと生活の利便性が共存し、穏やかに暮らせる街です。また京都や大阪へのアクセスも良いことから、近年は移住者が増加しているのだと言います。

今回は、近江八幡市総合政策部企画課の今井さんと地域おこし協力隊の谷口さんに、街の魅力や暮らしに役立つ情報について伺いました。

近江八幡市総合政策部の今井さんと地域おこし協力隊の谷口さん

近江八幡市の特徴4つ

近江八幡市の暮らしの特徴のタイトル画像

近江八幡市は滋賀県のほぼ中央、琵琶湖の東側に位置しています。

市内には、織田信長が築いた安土城の城跡など幅広い時代の歴史的遺産が点在しています。さらに日本の原風景とも言われるヨシ原が広がる西の湖の水郷地帯など、風情あふれる景観を随所に見ることができます。

まずはこうした歴史的な街並みや特産品、生活面での利便性など、近江八幡市の特徴について詳しくご紹介します。

特徴1:安土城跡や八幡堀など、歴史と伝統が感じられるまち

近江八幡市の中でも伝統建築物の多い八幡堀の街並み
▲近江八幡市の中でも伝統的建造物の多い、八幡堀沿いの街並み。写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー

近江八幡市には、安土城をはじめとする複数の城跡や建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが遺した多数の近代建築物など、歴史的な遺産が数多く残っています。

また八幡堀の周辺には伝統的建造物が立ち並ぶ風情ある街並みが広がっており、気持ちよく散歩をすることができますよ。さまざまな時代劇のロケ地にもなっているそうです。

さらに、街の中心部から琵琶湖へは車で約10分の距離です。日本唯一の淡水湖に浮かぶ有人島「沖島」では、美しい自然の風景とゆったりとした時間を堪能することができます。

琵琶湖に浮かぶ近江八幡市の沖島
▲琵琶湖に浮かぶ沖島は漁業が盛んで、約240人が暮らしている。写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー

歴史ある街並みを感じながらゆったりとした生活を送りたい人におすすめのエリアです。

特徴2:総合病院やショッピングモールがあり生活に便利

八幡山ロープウェイと近江八幡市街
▲八幡山から見下ろす市街と八幡山ロープウェイ。写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー

近江八幡市には総合医療センターをはじめとした数多くの病院・診療所があるなど、生活に必要なインフラが十分に整っています。

買い物面では、約20店のスーパーに加えて大型のショッピングモールや映画館があるため、近隣の市町から訪れる人も多いのだそうです。

また交通面では京都市内まで約30分、大阪市内まで約1時間です。通勤・通学している人や、休日に遊びに出かける人も多いようです。

特徴3:近江牛や赤こんにゃくなどの名産あり

近江八幡市は、日本三大和牛の一つである近江牛、琵琶湖の恵みである鮒(ふな)ずし、赤こんにゃく等の名産地です。

なかでも、鉄分で赤く染められた赤こんにゃくは名物として人気があり、今では全国各地でも見かけることができるほどです。味付けされた加工品も販売されています。

きめが細かく、柔らかくプリプリとした食感が特徴で、こんにゃく特有の臭みがほとんどありません。地元ではスーパーなどで日常的に販売され様々な料理に使われており、市民の食生活に根付いています。

なぜ赤いのかについては、華やかなものを好んでいた織田信長が赤く染めさせたなど諸説あるものの、決定的な史料はないようです。

また、近江八幡市には農業地帯があり、さまざまな野菜が育てられています。直売所でみずみずしい野菜を手に入れることもできますよ。さらに、近江牛についても県内の飼育頭数の3分の1程度を占める一大産地であり、市内には比較的安価に近江牛を楽しめる精肉店や飲食店が多数あります。 

特徴4:結婚・子育て支援も充実

近江八幡市では、結婚や子育てに関する支援も充実しています。

結婚支援 結婚新生活支援事業 結婚に伴う新生活スタートアップにかかるコスト削減支援のため、新婚世帯を対象に、29歳以下の世帯は60万円、39歳以下の世帯は30万円を上限に住宅取得、賃借、引越費用を補助
出産支援 妊婦健康診査費用助成 妊婦健康診査にかかる費用の一部を助成
不妊治療費助成 特定不妊治療にかかる費用の一部を助成
※ただし、治療の開始が令和4年3月31日以前であり、令和4年4月1日から令和5年3月31日までの間に終了した治療(「滋賀県不妊に悩む方への特定治療支援事業」の助成を受けていること
不育症治療費等助成 健康保険等の医療保険が適用されない不育症治療費等の一部を助成
お誕生おめでとう健やか祝金事業 出産の日前1年以上引き続き近江八幡市に住民登録している保護者であって、出産後に支給対象児童が近江八幡市に住民登録されていることを条件に、お祝い金として支給する
※平成29年2月1日施行
・第1子:1万円
・第2子:2万円
・第3子以降:3万円
育児支援 放課後児童クラブ 就労等により保護者が昼間家庭にいない児童に対して、授業終了後に適切な遊び及び生活の場を与え、児童の健全育成を図る
・基本利用料:1万円
※おやつ代等別途クラブごとに定める負担あり
放課後児童クラブの助成

市民税の所得割を課されていない世帯、生活保護受給の場合に利用料を助成
・基本利用料:1万円の半額を助成

ファミリー・サポート・センター 地域において育児の援助を受けたい人(依頼会員)と行いたい人(提供会員)が有償で助け合う会員組織
一時預かり 買い物や通院、リフレッシュなどを理由に一時的に子どもを預かる事業
・対象児:満6か月~2歳児の未就園児
・利用料金:800円/時間
乳幼児健康支援一時預かり事業 児童が病気によって集団保育を受けることが困難な場合に、病院の専用スペースで一時的に預かる事業
医療費助成 乳幼児医療費の助成 0歳児から就学前までの乳幼児の医療費の自己負担分を助成
子ども医療費助成制度 小学1年生から高校生世代(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子ども)の医療費の自己負担分を助成
※市外の保護者が医療費を負担している場合や他自治体で福祉医療費助成を受けている場合は対象外
保育料減免 多子世帯子育て応援事業 保育所、認定こども園もしくは地域型保育事業所の保育料と副食費を支援
・副食費の負担軽減(所得軽減あり)
・第3子以降の保育料を無料

「子ども医療費助成制度」に関しては、令和5年4月の診療分より高校生世代(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子ども)も対象になったそうです。医療費の負担が減るのは嬉しいですよね。

>>公式:近江八幡市(子ども医療費助成制度)

また、近江八幡市では子育て世代包括支援センターをはじめ、産後・子育てに関するサポート体制にも力を入れています。

子育て世代包括支援センター 母子健康手帳の交付、妊娠・出産・育児に関する総合相談、情報提供
地域助産所相談 地域助産所の助産師による妊娠・出産・授乳や育児に関する相談
産後ケア事業 産後1年未満(宿泊、通所は4か月未満)の母と乳児の宿泊、通所、居宅訪問にかかる費用の一部助成
近江八幡市子育てガイドブック「ハチピースタイル」 子育てに関する情報や遊び場など子育て世代が求める情報をまとめたガイドブック
近江八幡市子育て情報アプリ「ハチピー」 子育て支援施設や制度についての情報を提供。アプリで子どもの成長日記や予防接種スケジュールの管理も可能
子どもセンター・子育て支援センター 親子の触れ合いや交流ができる場の提供および子育てに関する相談の受付
利用者支援事業 利用者支援員による子育てに関する総合的な相談窓口

移住後は子育ての環境も変わりますから、困ったときに気軽に相談・情報収集できる場所があるのは心強いですよね。これから子育てを始める方や子育て真っ最中という方にも近江八幡市はおすすめと言えるでしょう。

近江八幡市の暮らしに関する情報

八幡堀を進む遊覧船
▲八幡堀を進む観光和船。写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー

それでは次に、近江八幡市での実際の生活をイメージするために、さまざまな暮らしに関わる情報について見ていきましょう。まずは次の表をご覧ください。

気候 8月:平均26.7℃
1月:平均3.1℃
※参考:気象庁 ※近江八幡市内に観測地点が無いため、直近の東近江地点を参照
人口 人口:81,928人
世帯:36,004世帯
(令和6年9月30日時点)
病院 病院・クリニック53、歯科31
学校 保育園:公立2園、私立12園
幼稚園:公立5園
認定子ども園:公立3園、私立5園
小学校:公立12校、私立1校
中学校:公立4校、私立1校
高等学校:公立3校、私立1校
名所・観光スポット 【城郭】
安土城跡、観音寺城跡、八幡山城跡など多数

【社寺】
日牟禮(ひむれ)八幡宮、沙沙貴神社、観音正寺(西国三十三所、三十二番札所)、長命寺(西国三十三所、三十一番札所)、浄厳院、奥石神社など多数

【博物館】
安土町城郭資料館、近江八幡市立資料館、滋賀県立安土城考古博物館、ボーダレス・アートミュージアムNO-MAなど

【近代建築】
池田町洋館街、ヴォーリズ記念館、ハイド記念館・教育会館、アンドリュース記念館など

【風景・保存地区】
近江八幡の水郷(重要文化的景観)、八幡伝統的建造物群保存地区(重要伝統的建造物群保存地区)、旧西川家住宅(重要文化財)、八幡堀など

【その他スポット】
西の湖、あきんどの里、八幡公園、宮ヶ浜水泳場、八幡山ロープウエー、安土瓢箪(ひょうたん)山古墳、文芸の郷など
食べ物 八幡こんにゃく(赤こんにゃく)、湖魚料理(佃煮)、近江牛、でっちようかん
交通 【鉄道など】
中心となる駅:近江八幡駅
JR西日本東海道本線:篠原駅〜近江八幡駅〜安土駅
近江鉄道八日市線:武佐駅〜近江八幡駅
八幡山ロープウェー:公園前駅〜八幡城址駅

【路線バス】
・近江鉄道バス
・あかこんバス

【港湾】
・長命寺港
・堀切港(沖島通船)
・沖島港(沖島通船)
近隣都市 滋賀県東近江市、野洲市、竜王町

市の中心地となる近江八幡駅の周辺には住宅街が広がっており、大型のショッピングモールなどもあって便利なエリアです。

休日には西の湖で水上アクティビティを楽しむ人や、車で30分ほどかけて市外のアウトレットパークを訪れる人もいるようです。

豊かな自然景観が残る琵琶湖の内湖「西の湖」での水上アクティビティ
▲琵琶湖の内湖「西の湖」では、豊かな自然景観の中で水上アクティビティを体験できる。写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー

また、八幡堀の商店街にはカップル向きの素敵なお店が多く、デートスポットとして人気が高いそうです。

このほか近年は人口流入が多いことから、保育園の利用者数も年々増加しています。その一方で、待機児童数は減少傾向にあり、令和5年12月の時点では15人でした。

仕事:多数の求人情報あり。京都市内は通勤圏内

大手の求人情報サイトで近江八幡市の正社員求人を検索したところ、約2,000件が見つかりました。さまざまな業種・職種が含まれているので、希望の求人が見つかりやすいでしょう。
※参考:求人情報の一例 2023年12月現在

また電車で約30分と近いことから、京都市に通勤している人もいるようです。

住まい:近江八幡駅周辺が人気。開発に伴い賃貸物件が増加中

大手の賃貸情報サイトで検索したところ、約1,000件の物件が見つかりました。
※参考:賃貸物件情報の一例 2023年12月現在

近江八幡市では近年、街の開発の進展に伴って移住希望者が増えているのだと言います。新築アパートが多く建設されている人気エリアは、近江八幡駅周辺とのことです。

また、近江八幡市の公式ページには空き家の情報が掲載されています。数は少ないようですが、気になる人はチェックしてみてください。

>>公式:近江八幡市(空き家情報バンク)

近江八幡市の総合政策部企画課で働く今井さん
今井さん

近江八幡市は歴史や文化、自然、暮らしやすさなどがバランスよくそろった街です。ご興味を持っていただいた方はぜひ一度お越しいただき、魅力を肌で感じてください。

近江八幡市への移住者の声

近江八幡市への移住者の声のタイトル画像

ではここで、実際に近江八幡市へ移住した人の声を見てみましょう。

  • 電車なら京都まで約30分、大阪まで約1時間と近いわりに、家賃を安く抑えられるのが魅力です。
  • 車がなくても十分に生活することができています。むしろ歩いていると地域の歴史や自然を身近に感じられるところが気に入っています。
  • 琵琶湖岸をドライブすると爽快な気分になれます。また休日は趣味の関係で、大阪へ遊びに行くことが多いです。

近江八幡市の自然や文化を感じながら日々の生活を送っている人が多い印象でした。仕事や趣味で京都や大阪を訪れる人が、家賃などを理由に選ぶケースもあるようです。

豊臣秀次の居城八幡山城跡
▲豊臣秀次の居城だった八幡山城跡。写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー

八幡山周辺の街並み
▲八幡山周辺の伝統的な街並み。写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー

近江八幡市への移住に関するお問い合わせ

移住担当の総合政策部企画課

近江八幡市への移住を検討している人は、総合政策部企画課までお問い合わせください。さまざまな情報を教えてもらうことはもちろん、街の案内をしてもらうことも可能ですよ。

担当課 総合政策部企画課
住所 〒523-8501
滋賀県近江八幡市桜宮町236番地
電話番号 0748-33-3111(代表)
対応時間 8:30〜17:15
※祝日・休日および年末年始を除く
公式サイト https://www.city.omihachiman.lg.jp/index.html