【北海道沼田町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報

この記事では、地方への移住を検討している方のために、北海道沼田町の魅力を紹介していきます。

沼田町は、北海道の空知管内北部に位置する人口約2,800人の町です。「子育てしやすいまち」として子育て支援に力を入れているほか、「歩いて暮らせるコンパクトなまちづくり」に取り組み、子どもからお年寄りまでが生活しやすい町を目指しています

そんな沼田町での暮らしの特徴やその魅力について、移住定住応援室の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。

本日お話を伺った方
成澤さん

沼田町役場
住民生活課 移住定住応援室
主事

成澤 健太郎さん

細川さん

沼田町役場
住民生活課 移住定住応援室
移住コーディネーター

細川 梨絵さん

北海道沼田町の暮らし、4つの特徴

北海道沼田町の暮らしの特徴

沼田町は、宝島社『田舎暮らしの本』2月号の「2023年版 住みたい田舎ベストランキング」の「人口1万人未満のまち」の全4部門すべてにおいて1位を、また北海道エリアとしても5年連続で総合1位を獲得しています。

この4部門とは「総合部門」「若者世代・単身者部門」「子育て世代部門」「シニア世代部門」のことで、世代に関係なく、移住先としての注目度がぐんぐん上がっている町です。

参考:最新【公式】2023年版 第11回「住みたい田舎ベストランキング」で「旬の移住適地」がわかる!

そんな沼田町は以下のような特徴があります。

それではここから、沼田町の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。

特徴1:町を挙げて「子育てしやすいまちづくり」に取り組んでいる

沼田町産の米を持つ子ども
▲沼田町産の米を手にして、思わずにっこり

沼田町では、町全体を挙げて子育て世帯をサポートするべく、「子育てしやすいまちづくり」を掲げて取り組みを進めています。

中でもユニークなのが、小中高生の子どもを持つ世帯に対して新米一俵(60kg)を贈呈する「ぬまたライフサポート事業」です。町から沼田町産のブランド米「雪中米(せっちゅうまい)」をプレゼントする、食べ盛りの子どもたちの食を支える力強い事業と言えます。

公式:北海道沼田町移住定住情報公式サイト(沼田町子育て支援ガイド)

その他にも、子育てを支える基本的な支援制度が整っています。

制度名 概要
沼田町出産祝金 新生児1人につき10万円を支給
乳幼児等医療費の助成 0歳から満18歳を対象とし、医療機関で受診した医療費(保険適用分)を全額助成
沼田町がんばる高校生応援手当 高等専門学校等を含む高校1~3年生の保護者を対象とし、高校生など一人あたりにつき、10,000円/月を支給
子育て世帯冬季暖房経費助成 高校修了までの子どもがいる世帯を対象とし、暖房経費の一部として町内で使える商品券10,000円を助成

子育て支援についてはガイドブックにもまとめられているので、こちらもチェックしてみて下さい。

公式:沼田町子育て支援ガイド

沼田町には「認定こども園」があります。生後6ヶ月から5歳までの子どもを預けることができ、保育料および給食費は完全無償化されています。

公式:沼田町(沼田認定こども園について(保育料等完全無償化))

沼田認定子ども園の外観
▲近代的な外観の「沼田認定こども園」(引用:北海道沼田町移住定住情報公式サイト

小学校、中学校もそれぞれ町内には1校のみのため、子どもたちは子ども園の時から一緒に成長していきます。

移住前の相談で、子どもがなじめるか心配する声もよく聞かれますが、沼田町の子どもたちは転入生を受け入れることにも慣れており、転入初日のうちに仲良くなる姿が良く見られるそうです。

特徴2:半径500m以内に全てが揃う「歩いて暮らせるコンパクトなまち」

暮らしの安心センター
▲「暮らしの安心センター」の内部は落ち着いた雰囲気(引用:北海道沼田町移住定住情報公式サイト

沼田町では、町の機能をコンパクトにまとめるプロジェクトとして「町内を歩いて回ることができる環境づくり~あるくらす」施策に取り組んでいます。

中心市街地から半径500m以内の中に、スーパーマーケット、教育施設(こども園や小学校、中学校)、医療機関、介護施設などが集約し、徒歩圏内で必要な用事を済ませられる環境です。

例えば、2017年にオープンした複合商業施設「まちなかほっとタウン」には、スーパーマーケット「ダ・マルシェ」や、物産サービスセンター、JAバンクが入っています。そのほか、チャレンジショップやイベント広場もあり、催しなども不定期開催されています。

まちなかホットタウン内のスーパーマーケット
▲スーパーマーケットでは地元産の新鮮な野菜も買える(引用:北海道沼田町移住定住情報公式サイト

同じく2017年にオープンした「暮らしの安心センター」は、医療、介護、子育てを支える施設で、施設内にはカフェスペースやラウンジ、ちょっとしたジム設備のあるトレーニングルームと、内科・外科・皮膚科を擁するクリニックがあります。

沼田町役場の隣に位置する沼田町生涯学習総合センター、通称「ゆめっくる」には、図書館や研修室、サークルルームが入っており、町民の交流の場としても活用されています。

全ての施設が町の中心部に位置しており、こども園や小学校、中学校などの教育施設も揃っています。

町の機能が一か所に集まっているので、用事を済ませるためにあっちへ行ったり、こっちへ行ったりする必要はありません。子どもにも高齢者にも住みやすいまちづくりが進められています

公式:北海道沼田町移住定住情報公式サイト(くらし)

特徴3:近隣市町村へのアクセスが良好

ススキの中を走る北海道旅客鉄道
▲旭川市まではJR留萌本線「石狩沼田駅」から約1時間

沼田町に近接する大きな市としては、深川市と留萌市(るもいし)が挙げられます。深川市までは車で約20分、留萌市までは車で約30分で行くことができます。

沼田町自体は内陸で海に面してはいませんが、新鮮な海産物を食べたくなったら、日本海に面した留萌市まで気軽に行ける距離です。

また、大きな買い物や娯楽で都市部に行きたいと思ったら、車で約45分、鉄道でも1時間ほどで旭川市に行くこともできます。

日々の生活は沼田町でのんびりと過ごし、休みの日などに別の市町村に足を延ばしやすい地理的な強みも、沼田町の特徴の1つです。

細川さん
細川さん

私は家でよくBBQをするのですが、「ちょっと帆立買いに行こう」みたいな気軽さで行ったりしますよ。

特徴4:住宅新築に最大570万円の補助金が出る

沼田町の子育て世帯
▲沼田町は子育て世帯の新築を応援している(引用:北海道沼田町移住定住情報公式サイト

沼田町への移住定住を促進するべく、町では新築や中古住宅の購入、住宅リフォームなどに対して補助金を支給しています。

特に20代の子育て世帯が新築する場合、最大で570万円の補助金が支給されます。移住先で戸建てに住むことを検討している世帯にとって、沼田町の制度は大きな魅力と言えます。

中古住宅の場合でも、基本額の最大50万円に、リノベーション費用や子育て・新婚世帯などの条件を加算すれば、200万近くの補助金が支給される計算です。

沼田町は土地の価格も安いため、土地購入のハードルも都会と比べてぐっと低いのもポイントです。

公式:沼田町(沼田町住んで快適住まいる応援奨励金)
公式:北海道沼田町移住定住情報公式サイト(移住お見積もりフォーム)

北海道沼田町の暮らしに関する情報

夜高あんどん祭り
▲沼田町の夏の風物詩「夜高あんどん祭り」。高さ7mのあんどんをぶつけ合う道内唯一の喧嘩あんどん(公式:夜高あんどん祭り

ここからは沼田町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。

気候 ・夏(8月):平均気温20.5℃
・冬(1月):平均気温-7.4℃
※参考:気象庁ホームページ(石狩沼田地点)
人口 2,839人(1,443世帯) ※2023年11月末現在
病院 町内にはクリニックも含め3件の医療機関がある。小児科は隣の深川市、産婦人科は旭川市、砂川市、滝川市に行くことになる ※2023年12月時点
学校 こども園1園、学童保育所1ヶ所、小学校1校、中学校1校 ※2023年12月時点
交通 【鉄道】
・JR留萌本線:石狩沼田駅

【バス】
・空知中央バス:秩父別・深川方面
・沼田町営バス:幌新線、東予線

【自動車専用道路】
・深川留萌自動車道:沼田インターチェンジ
隣接自治体 深川市、留萌市、雨竜郡秩父別町、雨竜郡北竜町、留萌郡小平町
大都市からのアクセス 【旭川市から】
・車:国道233号で約1時間、または湯内トンネル(道道旭川多度志線)を利用し、約45分
・電車:函館本線、留萌本線で約1時間

【深川市から】
・車:国道233号線で約20分
・電車:留萌本線で約15分

【札幌市から】
・車:国道275号線で約2時間、または道央自動車道利用で約1時間30分
・電車:函館本線、留萌本線で約1時間20分

沼田町は豪雪地帯にあたる地域です。雪かきが日々のルーティンとも言えますが、集合住宅や民間賃貸住宅に住んでいる場合は、業者にまとめて依頼するケースも多く、家の前を除雪する程度で済むようです。

一軒家に住む場合は、業者とシーズン契約をして、除雪を依頼する人もいます。また、町としても除雪はしっかり行っており、雪が積もって外に出られなかったり、道路が通行止めで通勤ができない、といったことはほとんど発生しません

雪のない地域から移住した場合、その量の多さには驚くことになりますが、生活に支障をきたすことはほとんどないので安心して下さい。

基本的には、町の中の施設で日常生活を完結することができます。衣服を買ったり、ちょっと大きな買い物をしたい場合は、深川市や旭川市に足を延ばすと良いでしょう。

【仕事】子育て世帯には町外への通勤に補助金が出る

大手求人サイトで「沼田町×正社員」で検索したところ、約40件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(町内から25km以内)で検索したところ、求人情報は約900件まで広がりました。※2023年12月時点
※参考:求人情報の一例(沼田町のみ)
※参考:求人情報の一例(沼田町から25km以内)

町外で働く場合、子育て世帯には自家用車で通勤する場合の補助が出ます。近隣の深川市までは車で約20分、旭川市までは約45分で行くことができるため、補助を活用して町外で働く人も多いようです。

補助額は通勤距離に準じますが、月額1,500円~6,000円相当の町内で使える地域ポイントが支給されます。

公式:沼田町(子育て世帯町外通勤者支援事業)

実習農場での実習生を募集し、就農支援を実施

沼田町は農業が盛んな町です。町では、就農支援を行っており実習農場での実習生を募集しています。これは、町が整備した実習農場で作物の栽培技術などを学ぶことができるものです。

対象作物は、しいたけ、いちご、露地栽培加工用トマト、スイートコーンなどの農作物と、黒毛和牛です。基本コースでは1年間をかけ、これらの作物の栽培について一通り学べるため、自分にあった作物を知ることができるのも特徴です。

公式:沼田町(就農支援実習農場実習生の募集)

さまざまな職種の地域おこし協力隊を募集中。既に活躍中の先輩隊員も多い。

沼田町では地域おこし協力隊を募集しています。募集の職種は、農業支援員や生活コンシェルジュ、産業づくり支援員に地域モビリティデザイナーと幅広いです。

町では既に14名の地域おこし協力隊が活動を行っています。先輩隊員が多いため、相談などもしやすい環境にあります。これはという職種があれば、地域おこし協力隊に応募してみるのも良いでしょう。

公式:沼田町(地域おこし協力隊を募集しています)

【住まい】民間住宅、公営住宅、空き家バンクと選択肢は多い

大手住宅情報サイトで沼田町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは約5件見つかりました。※2023年12月時点

参考:物件情報の一例

沼田町には民間住宅が多く存在しています。そのほか、公営住宅も35棟整備されており、入居者募集中の物件もあります。

空き家バンク制度も行っていますが、人気が高く、すぐに住める物件が登録された場合は、入居者が決まるまであっという間だそうです。

賃貸物件や中古物件の購入を考えている場合は、沼田町の移住定住情報公式サイトに情報がまとめて掲載されているので、定期的にチェックすると良いでしょう。

公式:北海道沼田町移住定住情報公式サイト(沼田町の土地住宅)

【子育て】夏はキャンプに冬はスキー。自然が遊び場

明日萌の里として入選した写真
▲のどかな田園風景が広がり、緑が豊かな沼田町

沼田町内にはいくつかの公園が点在しているので、ちょっとした遊び場としては公園に行くのが良いでしょう。

その中でも「田島公園」にはキャンプ場が併設されており、事前に予約をすればキャンプをすることも可能です。

公式:沼田町(田島公園のご利用について)

また、町の中心部から北に車で15分ほどのところには、「ほたるの里オートキャンプ場」もあります。

沼田町は豊かな森林に恵まれ「ほたるの里」としても知られており、夏場は暗闇の中を飛び交うホタルの姿と満天の星を眺めることができます。

昼間は自然の中でたっぷり遊んで、キャンプ場隣接の「ほろしん温泉」でゆったりとくつろぐのもおすすめです。

公式:ほろしん温泉(アクティビティ)

ホタルが飛び交う
▲毎年夏にはたくさんのホタルが見られる

北海道の冬と言えば、スキーです。沼田町内には、中心部から車で10分ほどの場所にスキー場があります。2022年度にはリフトやロッジが新しくされたほか、ナイター営業も行っています。

気軽に行けることから、シーズンになると学校帰りにスキー場に行き、ナイター営業が終了する21時ぎりぎりまでスキーに夢中になる子どもたちも多いそうです。

公式:沼田町(ASHIMOI KANKO高穂スキー場)

成澤さん
成澤さん

豪雪地帯なので、農協の青年部や商工会、役場などから若い人が集まって、雪を活かしたお祭りも開催しています。雪で滑り台を作ったり、ゲームをしたり、子どもたちも楽しんでいます。

そのほか沼田町には、化石の博物館もあります。冬季は閉館となりますが、化石の展示を見るだけでなく、化石の発掘体験もできます。

公式:沼田町化石館

北海道沼田町に暮らす先輩移住者の声

北海道沼田町に移住した人の声

実際に沼田町で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。

  • 町のひとつひとつの施設がどれも綺麗というのが第一印象
  • 平和な環境の中で子育ての手厚いサポートが受けられる町
  • さすがは米どころ。白米がおいしくて引っ越してきてから太ってしまった
  • 役場の人も含めて話しやすい人が多く、いろいろと教えてもらえる。旭川や札幌にほどよく近いのもよい
  • 雪の量にはびっくりしたが、夏も涼しいし、車も少ないし、役場も待たないで対応してもらえるしで、暮らしやすい
  • 移住者を受け入れてくれる土壌が根づいている。近所の方から「初めまして〜」と声をかけてもらい、わりとすぐに、町内の人と家でお酒を飲んだ

沼田町はいわゆる都会ではありませんが、「ほどよい規模感の町で暮らしやすい」という声もありました。

町全体として移住者に対する受け入れ体制や土壌があるので、引っ越してすぐに町に馴染める移住者も多いようです。

北海道沼田町への移住

集合住宅のリノベーションを行う大学生
▲戸建て住宅の「繋~TSUNAGU~」は建築を学ぶ北海学園大学の学生が空き家をリノベーションしたもの(引用:北海道沼田町移住定住情報公式サイト

沼田町の暮らしについて知るには、現地で暮らしてみるのが一番です。沼田町では、「ちょっと暮らし」ができる移住体験住宅を用意しています。

集合住宅の場合は33,000円/ヶ月、戸建て住宅には31,000円/ヶ月できます。日割りも可能なので、滞在希望期間に合わせて申し込むこともできます。

滞在期間中は「町民証」が交付されるため、町内の施設で町民同様の金額・サービスが受けられるのもポイントです。

また、ちょっと暮らし期間中は沼田町産のブランド米「雪中米」が食べ放題というユニークな特典もついてきます。

移住体験住宅が整備されているので、お試し移住へのハードルが下がるだけでなく、実際に沼田町での暮らしがイメージできるような制度なので、まずは思い切って「ちょっと暮らし」をしてみるのも良いでしょう。

公式:北海道沼田町移住定住情報公式サイト(ちょっとぐらし)

細川さん
細川さん

オンラインでの移住相談も行っているので、まずは気軽にお問い合わせ下さい。

沼田町への移住に関するお問い合わせ

秋の沼田町
▲秋には美しい紅葉を見ることもできる

沼田町に興味を持った方は、まずは移住定住応援室に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。

担当 沼田町役場 住民生活課 移住定住応援室
住所 〒078-2202
北海道雨竜郡沼田町南1条3丁目6番53号
電話 0164-35-2115
公式サイト https://www.town.numata.hokkaido.jp/
移住サイト https://www.teiju.com/