韮崎市での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説|縁結び大学

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「山梨県韮崎市(にらさきし)」での暮らしについてご紹介します。

山梨県北西部に位置する韮崎市は、ほどよい田舎感と便利さが共存する魅力的なまちです。名峰・富士山をはじめ八ヶ岳や南アルプスの山々を望む素敵な風景が広がる一方で、東京や名古屋方面へのアクセスにも恵まれ、主要駅周辺には生活に必要なお店や施設が揃うなど、利便性のよさも併せ持っています。

子育て支援が充実している点もおすすめポイントで、子どもたちがのびのびと成長できる保育・教育環境が整っていますよ。自然豊かな場所でゆったりと暮らしたい方や、子育てしやすいエリアへの移住を検討している方は、ぜひ韮崎市に注目してみてはいかがでしょうか。

今回は韮崎市で暮らす魅力や移住に関する情報について、韮崎市役所総合政策課・地域戦略担当の横森さん・平賀さんに伺った内容をもとに詳しくご紹介します。

韮崎市役所総合政策課地域戦略担当の横森さんと平賀さん

韮崎市での暮らしとは?4つの特徴をチェック

韮崎市の暮らしの特徴

山梨県北部に位置する韮崎市は、中央には七里岩(しちりいわ)台地、その両端を川が流れ、川の両端を山が挟む地形が特徴的なエリアです。土地が開けていて日照時間が長いことから、野菜や果物の栽培が盛んに行われています。

自然の恵みを存分に堪能できる一方で、利便性の高い暮らしを楽しめることも韮崎市における魅力です。交通網が整っていて各地へのアクセスがしやすいほか、スーパーや病院なども揃っており、日常の用事に不便さを感じることはありません。

そんな韮崎市での暮らしが向いているのは、以下のような方です。

  • 富士山をはじめ、雄大な山のある風景を身近に楽しめる土地に移住したい
  • ほどほどに田舎で、ほどよく便利なエリアを探している
  • 充実した子育て支援を備えたまちで、子どもをのびのびと育てたい

なぜ上記のような方におすすめなのか、ここでは韮崎市の暮らしにおける主な特徴を4つご紹介します。

特徴1:美しい自然が身近にある

甘利山と富士山

韮崎市で暮らす最大の魅力といえるのが、美しい自然を身近に堪能できること。富士山や八ヶ岳、南アルプスの山々など、方角によって異なる山景色を満喫できます。

平和観音と富士山の光景
▲韮崎市立観音山公園の「平和観音」×富士山の神秘的な絶景

地蔵ヶ岳の頂上の風景
▲頂上にオベリスクと呼ばれる大岩柱を持つ「地蔵ヶ岳」は大人気の登山スポット

山に恵まれた韮崎市は登山拠点としても人気があり、手軽にトレッキングを楽しめる初心者向けのルートや岩場の多い上級者向けの登山道など、登り方のバリエーションも豊富です。

スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツも日帰りで楽しめるので、アウトドアな休日を過ごしたい方にぴったりな土地ですよ。

さらに絶景のフォトスポットも多く、なかでも人気が高いのが神山町にある「わに塚のサクラ」。樹齢300年以上のダイナミックな1本桜で、壮大な富士山をバックに咲き誇る姿は圧巻の美しさです。

わに塚の歴史は、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の子武田王が桜舞う御所で武田の里を治めたことに始まりました。

武田王の葬られた墓、それが桜の御所近くのわに塚だと伝えられています。いつの頃からか、武田王の御霊をとむらい、当時の華やかさを伝えるかのようにサクラが育ち始めました。そのサクラが、わに塚のサクラです。

サクラはこの地で、甲斐武田家の祖、武田信義が武田八幡宮で元服する姿を、そして武田家最後の将武田勝頼の夫人が武田家再興を願う祈願文を八幡宮に奉納する姿を見つめてきたのでしょう。

日本三大堰の一つともいわれる徳島堰が作られてからは、水潤う水田風景や戦争のために旅立つ村人、学校へ通学する子どもたち、わに塚の魅力にひかれて観光に訪れる人々などを330年間、絶え間なく見守ってきました。

毎年多くの観桜客が訪れるこのサクラを見に韮崎市を訪れてみてはいかがでしょうか。

富士山をバックにライトアップされたわに塚のサクラ
▲雪の残る富士山をバックにライトアップされた「わに塚のサクラ」の風景は息をのむ絶景です

特徴2:新鮮で美味しい野菜や果物が手軽に手に入る

韮崎市の特産品であるぶどう

新鮮な野菜や果物が手軽に買えることも、韮崎市で暮らす魅力のひとつです。

長い日照時間や適度な寒暖差のある気候が農産物の栽培に適しており、スーパーや直売所には旬の採れたて野菜や果物がずらりと並びます。特にぶどうや桃の生産が盛んで、夏から秋にかけては観光をしながら旬な果物を求め県内外から多くの方がいらっしゃいます。

フレッシュな地場産食材で彩られた食卓は、日々の大きな楽しみになることでしょう。

特徴3:東京や名古屋、長野、静岡方面へのアクセスがしやすい

韮崎市の空撮写真

豊かな自然が広がる韮崎市ですが、交通網はしっかりと整備されています。

特に東京や名古屋、長野、静岡方面へのアクセスに優れており、たとえば特急列車の「あずさ」を利用すると、新宿まで乗り換えなしで最短4駅です。関東圏への通勤も可能なエリアなので、東京や神奈川、千葉などでの仕事を変えずに移住をする方も多くみられます。

道路のインフラに関しても不便な点はなく、インターチェンジもあるため車での遠出もしやすいですよ。なお、東京や名古屋、長野、静岡方面への所要時間は以下を参考にしてください。

東京方面への所要時間 電車:JR韮崎駅~JR新宿駅まで約1時間30分(特急利用)

車:韮崎IC~八王子ICまで約1時間30分(中央自動車道)
名古屋・長野方面への所要時間 電車:韮崎駅~松本駅まで約1時間(特急利用)

車:韮崎IC~諏訪ICまで約1時間(中央自動車道)
静岡方面への所要時間 静岡市まで約1時間半(中部横断道)

※縁結び大学独自調べ(2022年11月)

特徴4:子育て支援・若者支援が充実している

子育て支援センターにらちびの様子

韮崎市は子育てしやすい環境が整っているため、子育て世代の移住先としてもおすすめです。

市内には保育園3園・保育所1所・幼稚園2園・認定こども園1園の計7か所の保育施設が点在しており、待機児童はゼロ(2022年11月時点) 子どもの預け先を見つけやすく、仕事と子育ての両立もしやすいエリアです。

また、韮崎駅近くにある子育て支援センター「にら☆ちび」では子育てに関するさまざまなサポートを行なっており、移住したてで知り合いのいないママ・パパに大変好評です。子育ての悩み相談や預かり保育を利用できるほか、センター内の遊具やおもちゃで子どもを遊ばせることもできますよ。

>>子育て支援センター「にら☆ちび」について詳しくはこちら

韮崎市では子育てに関する支援事業や助成制度も充実しているので、ぜひ以下もチェックしてみてください。

    • 子ども医療費助成制度:18歳までの子どもの医療費を助成
    • おめでとう赤ちゃん出生事業:新生児1人につき10,000円と記念品(木のスプーン)を支給
    • ひとり親家庭医療費助成制度:医療機関等でかかった保険内診療分の医療費を助成(細かな条件あり)など

>>韮崎市の子育て支援事業・助成制度について詳しくはこちら

さらに、若者向けの支援事業に尽力していることも、韮崎市の大きな特徴です。

そのひとつが韮崎市民交流センターNICORIの地下にある青少年育成プラザ「MIACIS(ミアキス)」で、『中高生一人一人にとっての“ヨリドコロ”となるような場所をつくりたい』といった地域の方の想いによって設けられました。

中高生が自由に利用できる場所として開放されているほか、ときには学生団体として活動している大学生によって講習会やワークショップなどが開催されることもあります。

>>青少年育成プラザ「MIACIS」について詳しくはこちら

韮崎市の暮らしに関する情報(気候や病院、学校など)

続いては、気候や病院、学校など、韮崎市での生活に関連するお役立ち情報をまとめました。

気候 年間平均気温:13.8℃(8月の平均気温は31.6℃、1月の平均気温は-3.2℃)
※気象庁HPデータ(1991年〜2020年)より、最寄りの観測地点である韮崎を参照
人口 約28,000人
※令和4年11月1日時点
病院 韮崎市立病院など66件
学校 保育施設:7か所(保育園3園・保育所1所・幼稚園2園・認定こども園1園)
小学校:5校
中学校:2校
高等学校:2校
文化・芸術 信玄公祭り「甲州軍団出陣」や夏の武田の里まつり「武田陣没将士供養会・花火大会」、若宮八幡宮例祭、武田の里にらさきふるさとまつりなど、韮崎市ならではのイベント多数
食べ物 桃・ぶどう・ウイスキー・ワイン・米 など
交通 【鉄道】
JR韮崎駅・新府駅・穴山駅

【バス】
路線バス(山交タウンコーチ・韮崎市民バス)・高速バス

【高速道路】
中央自動車道「韮崎」IC
娯楽 有名な観光スポット:わに塚のサクラ・平和観音・新府桃源郷・七里岩・銀河鉄道展望公園
(上記のほか、公園や美術館、博物館、キャンプ場など多数)
近隣都市 南アルプス市
北杜(ほくと)市
甲斐市

韮崎市は盆地なので、「暑さが厳しいのでは?」と不安を感じる方もいるでしょう。しかし、山梨県の北の方に位置するため夏でも過ごしやすく、冬に雪が降ることもほとんどありません

生活の利便性においても特に懸念点は見当たらず、特に韮崎駅周辺には役所や商業施設などが集結していて便利です。また、市内には病院やスーパー、コンビニが点在しており、市外まで足を運ばなくても不便なく生活できます。

車での移動が便利ですが、車がない場合はバスを利用するとよいでしょう。たとえば韮崎駅には市民バスの拠点が4か所設けられており、なかには同じ運賃でも好きなところで乗り降りができるユニークなバスもあります。

韮崎市の市民バス
▲市民バスは「円野線」「社会福祉村線」「穂坂線」「竜岡線」の4路線が運行しています

また、韮崎駅前にある韮崎市民交流センターNICORIでは、レンタサイクルを利用することもできますよ。

まちなか以外を観光してまわるのに便利です。普通自転車の他にE-バイク(電動バイク)は坂道や長距離でも疲れにくく、快適に走れます。天気のいい日は、自転車で市内を回ってみてください。おいしい空気と美しい山々の景色が堪能できますよ。

仕事情報:製造業や農業、サービス業の求人が多数

大手の求人サイトで韮崎市内、および韮崎市から30分圏内で通える南アルプス市・北杜市・甲斐市での「正社員の求人数」を検索したところ、以下のような結果となりました。

▼大手サイトで「正社員の求人数」を検索した結果

韮崎市 約2,400件
南アルプス市 約6,000件
北杜市 約4,800件
甲斐市 約5,600件

※縁結び大学独自調べ(2022年11月)

韮崎市内の求人における業種としては、製造業や農業、サービス業の求人が多くみられます。南アルプス市・北杜市・甲斐市までも車で20分圏内とほど近いので、近隣都市も含めて探せば幅広い選択肢があるでしょう

また、ハローワークでも韮崎市での正社員の求人を多く取り扱っているため、あわせてチェックすることをおすすめします。

>>ハローワークで韮崎市の求人をチェック

なお、韮崎市には移住後のワークスタイルを支えてくれる制度が充実しており、移住を機に起業したり、農業を始めたりするケースも多い印象です。ぜひ参考にしてみてください。

  • 起業支援補助金:起業に伴う経費の半分相当を補助(上限200万円)
  • 移住支援金:東京23区からの移住者で、起業や就業等を行う方が対象(上限100万円)
  • 就農準備資金・経営開始資金:新たに農業を始める方を対象に年間150万円を助成 など

韮崎市のアメリカヤ横丁
▲なかには韮崎の名物ストリート「アメリカヤ横丁」の空き店舗でお店を始める移住者も!

ちなみに韮崎市内で勤務する正社員の年収相場は約490万円で、全国平均の約500万円と比較すると若干低めです。ただ、都心部に比べて物価が安めな傾向があるため、生活するうえで困るようなことはないでしょう。
※縁結び大学独自調べ(2022年11月)

「なるべく待遇のいい仕事に就きたい」とお考えの方は、年収相場との比較も行いながら求人探しを行ってみてください。

住まい情報:ひとまず「定住促進住宅」に住むのがおすすめ

韮崎市の空き家バンクを活用しているファミリー

まず大手賃貸サイトで韮崎市の賃貸物件を検索してみたところ、ヒットしたのは数十件程度でした。

ただし、「空き家バンク」には随時10件~20件の情報がアップされており、なかには賃貸契約で月5~7万円程度で借りられる物件もみられます。売買物件の場合は200~2,000万円ほどと幅広い設定となっているので、予算と照らし合わせながら探してみるとよいでしょう。

韮崎市の空き家バンクに掲載される住宅の例
▲広々とした間取りの住宅がリーズナブルに手に入る「空き家バンク」

韮崎市の空き家バンクに掲載される住宅の内観イメージ
▲風情あふれる住宅が多く、古風な雰囲気の住まいを好む方におすすめです

「空き家バンク」の内容や空き状況は随時変わるため、以下で最新情報をチェックしてみてください。

>>韮崎市の空き家バンクについて詳しくはこちら

なお、韮崎市には市内への定住を目的として住まい探しをしている方向けに「定住促進住宅」が設けられており、3~4万円程度の家賃で利用できます。毎月1万円、1年間の補助が出る補助金制度もあるため、条件に合う物件が見つかるまでそちらに住むのもおすすめです

韮崎市の定住促進住宅
▲家賃の助成も受けられる「定住促進住宅」

>>韮崎市の定住促進住宅について詳しくはこちら

また、家賃が1万円台からとリーズナブルな市営住宅も6か所あるため、そちらもあわせてチェックしてみるとよいでしょう。

>>韮崎市の市営住宅について詳しくはこちら

ちなみに韮崎市では移住者向けの住宅支援も豊富です。ぜひ以下の助成制度を参考にしながら、住まい探しを進めてみてください。

  • 定住促進住宅家賃助成制度:定住促進住宅に入居した場合、毎月1万円、1年間の補助金を支給
  • 住まいるマイホーム(持家住宅定住促進助成金):韮崎市に新たに住宅を取得した場合、最低20万円以上の助成金を支給
  • 持家住宅定住促進助成金に関する提携住宅ローン:特別金利による住宅ローンを利用可能
  • 空き家バンク登録物件リフォーム補助金:空き家のリフォーム工事や残存する家財等の処分費用に対し、補助金を交付
  • 空き家バンク活用支援事業補助金:空き家バンクの入居者を対象に、最大10万円を補助

>>韮崎市における移住者向け住宅支援について詳しくはこちら

韮崎市に移住した方の体験談

韮崎市へ移住した方の体験談

ここでは、実際に韮崎市へ移住した方の声をいくつかご紹介します。

  • 野菜や果物が美味しい!新鮮な食材を安く手に入れられるので、移住前よりも食卓が華やかになった
  • 子どもと一緒に遊べる場所が多く、どこも混雑していないことがうれしい
  • 美しい景色が身近にありつつ、中心部へもアクセスしやすいため快適
  • 夏は湿気が少なく過ごしやすいので、アウトドアレジャーを快適に堪能できる

韮崎市は豊かな自然に恵まれながらも利便性に優れているため、大自然の恩恵を堪能しながら快適に過ごしている移住者が多い印象です。子育てファミリーにおいては「子育てがしやすい」といった声も多く、子どもをのびのびと育てられる移住先を探している方にもぴったりな土地だと感じます。

韮崎市への移住に向けて行いたいこと【2STEP】

韮崎市での暮らしに興味のある方は、ぜひ以下のステップに沿って移住計画を進めてみてください。

STEP1:移住相談を行う

まずは、韮崎市への移住について具体的に相談することから始めましょう。仕事や住まい、地域の雰囲気など、気になることをしっかりと確認することが大切です。

韮崎市の移住・定住相談窓口は市民交流センター「NICORI」の1階にあり、電話やお問い合わせフォームでも相談できますよ。

>>韮崎市の移住・定住相談窓口はこちら

STEP2:移住者への支援制度や移住体験イベントなどをチェック

次に、韮崎市に移住する際に利用できそうな支援制度もチェックしてみましょう。

韮崎市ではこれまでご紹介した就労・住まいに関する助成制度のほか、東京圏から移住した方を対象に「韮崎市移住支援金交付事業」も実施しています。細かな条件が設けられているので、ぜひ以下にて詳細をチェックしてみてください。

>>韮崎市移住支援金交付事業について詳しくはこちら

また、韮崎市では過去に「移住体験ツアー」や「お試し住宅」を実施したこともあるので、タイミングが合えばそういったイベントに参加してみるのもおすすめです。

韮崎市のお試し住宅
▲韮崎市のお試し住宅(2022年11月現在は申し込みを中止しています)

>>韮崎市の移住・定住に関する情報をチェック

韮崎市への移住に関するお問い合わせ

韮崎市移住・定住相談窓口のスタッフ

窓口 韮崎市移住・定住相談窓口
住所

〒407-0015
山梨県韮崎市若宮一丁目2-50 市民交流センター「ニコリ」1階

電話番号 0551-30-4321
対応時間 9:00~17:45
公式サイト ▼韮崎市のホームページ(移住・空き家)
https://www.city.nirasaki.lg.jp/useful/ijuu_akiya.html
▼にらさき移住・定住ポータルサイト
http://nirasaki-iju.com/